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ニュースレターNo.17/2000年8月発行

4 JPNICからのお知らせ English Page

4-3 RFC-JP の公開について

RFC-JPとは、RFCを日本語で提供するための試みのひとつです。まず本年の9月末を目標にWEBを立ち上げ、数本のRFCの翻訳物を以下のURL

http://rfc-jpnic.ad.jp/

で公開し、その後月2、3本のペースで増やしていく予定になっています。また、本サービスで提供する情報としては、

  1. RFCの翻訳と公開
  2. 検索機能(英語、日本語)
  3. RFCに関する一般知識
  4. インターネットコミュニティに関する情報
  5. RFCに関する最新情報

があります。本稿では、本プロジェクトの意義と目標について話を進めます。

翻訳の意義

RFCは、インターネットにとって非常に重要なドキュメントです。しかし、それを必要とする人のすべてが英語が堪能なわけではありません。そのため、敷居が高いということばかりではなく、誤読からくる誤解などの危険性も無視できません。RFCを母語で読みたいという要求は高く、以前から各所でさまざまな試みがなされています。

インターネットがこれだけ世界に広まったということで、RFCを正しく普及させるためにRFCの翻訳を推奨し、内容を正確に伝えることを考える必要がでてきました。ただし、現行のシステムではRFCを多言語化することは考慮されていないため、言語ごとに翻訳結果の正しさを保証したり管理したりするシステムを新たに作り出す必要があります。

RFC-JPは、必要性のあるRFCを日本語に翻訳して公開するということ以外にも、翻訳という行為が持つ現状を前進させるために、RFCを日本語に翻訳する過程と管理を通じてさまざまな試行と考察を行い、よりよいシステム作りをするためのパイロットというミッションも負っています。

私たちは、RFCの翻訳はI18N(国際化)ではなくL10N(地域化)的な問題であると認識しています。したがってマスターは英語で統一し、それに付随して他言語の翻訳をアタッチしていく形が望ましいと考えています。

いずれはこうして蓄積されたノウハウを世界に広め、世界中の人々がRFCを母語で読むことができるようにしたいと考えます。

翻訳という行為

考察

翻訳という行為は、ある言語からある言語における写像です。しかし、異なる言語間においてはこの写像関係が一意とならないため、その過程において誤りが混入する可能性があります。また、前方決定の英語と後方決定の日本語では文の作りそのものが異なることも問題となります。

結果として翻訳物はその内容に著者が責任を持つことができないため、「翻訳物」自体の品質を保証するためのシステムが必要になります。RFCの翻訳物はRFC原文の派生物であり、その内容はRFC原文と同一であることが必須ですから、これをどのように行うかは今後の活動における非常に重要な部分となります。

著作権

原文の著作権に関して、RFC2219以前の "full copylight stelement" が無いRFCの扱いには問題があります。"rfc-editor/rfc-copyright" には

4. Translating RFCs into other languages:

4a. Since wide distribution of RFCs is very desirable, translation into other languages is also desirable. The same requirements and courtesies should be followed in distributing RFCs in translation as would be followed when distributing RFCs in the original language.

という記述がありますから、翻訳自体はどちらかといえば推奨されていることなのかもしれません。しかし、"full copylight stelement" が無いRFCに関しては著作者に著作権があり、そのために翻訳をする場合には本人に了解を取る必要があります。翻訳を法律的に安全な作業にするためには、このあたりのグレーな部分を明確にしておく必要があります。

したがって、私たちは“Full Copyright Statement”の付いているRFCについてはそれを含めることで翻訳を行い、付いていないものについては原著者の了解を得て翻訳を進めるものといたします。

二次的著作物

日本においては、翻訳を任意に行った場合には、その翻訳された文書に二次的著作物の著作権が発生します。そのため、翻訳物を寄贈されたとしても著作権法上の同一性保持権などのために(用語や語尾の統一であっても)それを他人が容易に改変することができないという問題が発生します。したがって、当面は翻訳自体を自ら行い、完成度を上げるためのプロセスを作り上げなければいけません。そういった理由で、この問題が解決するまでは寄贈をお受けすることができません。この点につきましてはご高配をいただきたいと思います。

また、その一方で、翻訳した結果としてJPNIC自身がRFCの翻訳物に対して二次的著作物の著作権を持つということがあります。RFC-JPとしては、私たちの活動の成果として生み出されたRFCの翻訳物の同一性を保持するためにこの権利を使いますが、これは第三者による書き換えによって意味が変わったものが流通することによる混乱が起きないようにするためです。この権利の設定は、原文から新たな翻訳を作成し公開することを妨げるものではありません。

サービスについて

本サービスは、利用者の皆様によって育っていきます。翻訳は慎重に行い、技術的なパスを通過したものを公開しますが、そのことが必ずしも完璧であるという保証には残念ながらつながりません。RFC-JPとしてこの文書に記載された情報の内容が正確であることに努めておりますが、正確性を含め一切の品質についてこれを保証するものではないことをご理解ください。もし、技術的な誤りを発見された場合には、ご一報いただけますようお願いします。

誤りが発見された場合には、できるかぎり速やかに対応いたします。変更された結果は内部的には枝番を付けて管理されますが、最新版のファイル名は常に“rfcxxxx-jp.txt”となります。翻訳の情報は本文の先頭に情報として記述されます。

そのために日本語訳は固定ではなく、誤りの発見や正確性の向上のために必要に応じて適宜更新される可能性があります。したがって、常に最新の版を入手するようにしてください。また、このアドレスを広く知らしめていただけることも合わせてお願いいたします。

http://rfc-jp.nic.ad.jp/

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