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ニュースレターNo.24/2003年7月発行

第56回IETF

2003年3月16日から21日にかけて、米国のサンフランシスコにて第56回IETF会議が開催されました。34カ国から1640名が参加しましたが、イラク戦争の影響で参加者が予定を変更して途中で帰ってしまったためか、いつもに比べると閑散とした雰囲気がありました。

◆国際化ドメイン名(Internationalized Domain Name; IDN)の最新状況

すでにご存知の方も多いと思いますが、2003年3月7日にIDN関連のStandard Track(Proposed Standard)RFC(P38 インターネット10分講座RFC参照)が3本発行されました。IDNの標準化を行ってきたIDN WGは目的を達成したため、4月に終了しましたが、IDN WGのメーリングリスト(以下、ML)やWebサイトは今後も残ります。

URI(Uniform Resource Identifier)BoFではURI中のIDNの扱いをどのようにするかが議論され、IRI(Internationalized URI)について短期間に集中的に議論するMLを開設することが合意されました。

◆IEPG(Internet Engineering and Planning Group) Meeting

IEPGはRFC1690でその活動が定義されている、インターネットサービスオペレータからなるインターネットの技術や方針を議論するグループです。通常IETF会議が始まる日曜日に開催され、主にRIR(地域インターネットレジストリ)やTLD(Top Level Domain)オペレータが最新状況についての報告や議論を行っています。

今回のIEPGではJPRSの森下氏からDNS運用健全化タスクフォースの活動状況について報告が行われ、SE(スウェーデン)、NL(オランダ)、BR(ブラジル)など他のccTLD(Country Code TLD)でも同様の取り組みが行われており、それぞれの方式や改善状況などについて情報交換など協力し合っていくことが確認されました。なお、ARIN、APNICでは逆引きのDNS設定についてチェックを行っています。

その他、2003年1月下旬のSQL Slammer Wormの影響や各RIRの活動状況などが報告されました。SQL Slammer WormはISPやIXなど局所的な輻輳でとどまったためか、ルートDNSサーバーなどインターネット基幹部分への影響はほとんど観測されなかったそうです。

◆DNS関連WG

DNS関連WGでは、DNSEXT(DNS Extensions)WG およびDNSOP(Domain Name System Operations)WGのMeetingが開催されました。

DNSEXT WGではWG自体の役割の再確認、DNSSEC以外の活動項目についての議論、まだWGの活動項目となっていない新しい提案についての解説、DNSSECについての議論が行われました。DNSSECはまとめの段階に入っており、Opt-in(DNSSECを適用するゾーン、適用しないゾーンを定義できるようにする方式)についての議論、必須の暗号アルゴリズムをどれにするかの議論、RFCをまとめるために明確化しなければならない項目へのコメントの募集が行われました。議論はMLで継続されます。

DNSOP WGではIPv6関連の話題の紹介と議論、ルートサーバ運用関連の話題の紹介、DNSSEC関連の話題の紹介などが行われました。

◆レジストリ関連WG

レジストリ関連WGでは、CRISP(Cross Registry Information Sharing Protocol)WGおよびPROVREG(Provisioning Registry Protocol)WGのMeetingが開催されました。

CRISP WGではRequirements Document(要求条件定義)のWG Last Callに向けた確認作業が行われました。会合中に議論された2項目(Requirements Documentのセクション3.1.13.1および3.2)については3週間のコメント期間が設けられ、その後にWG Last Callに移行します。また、CRISPを実現するためのプロトコルとしてLDAP(Light-weight Directory Access Protocol)が使用できるか評価するためのボランティアの募集や、現在のRequirementsには適合しないUDPを使ったLightWeight方式の提案が行われました。

PROVREG WGでは、現在の作業項目(WG Drafts)をStandard Track RFCとして発行したら新たな活動項目は追加せず活動を終了しようという議論が行われました。また、前日のIESG Plenaryで議論が行われたプライバシー問題についても多くの時間が割かれ、dcp(Data Collection Policy)エレメントでレジストラが情報公開の可否を伝えられるようにすべきではないかといった議論が行われました。プライバシー問題については、MLで継続して議論が行われます。

PROVREGに関連する話題として、2003年1月21日にJPNICが主催で開催したPaul Vixie氏講演会で紹介されたOpenRegが、3月14日(第56回IETF開催直前)にオープンソースのフリーソフトとして公開されたという案内がISC(Internet Software Consortium)から行われました。

◆ENUM WG

ENUM(tElephone NUmber Mapping)WGでは、DNSSECに関する議論が行われました。DNSSECについては、DNSSEC Opt-inに関するWGの立場は中立であることの確認と、DNSSECが普及する前にENUMを普及させるべきかについての議論が行われました。

また、不完全(Partial)なE.164番号の扱いについての議論が行われました。プロトコルとしては、完全なE.164番号についてのみ適用されるべきで、不完全(一部省略された)番号は扱うべきではないということが会合での合意となりました。本件はMLで継続議論されています。

その他、ENUMアプリケーションの検討状況が紹介されました。紹介されたのはInternet FAX、プレゼンスサービス(Instant Messengerなど)、メッセージングサービス(E-Mailやボイスメールなど)、ファイル転送(HTTP、FTPなど)、音声・映像配信(Voice、Video)です。ENUMというとSIP(Session Initiation Protocol)を使うという印象がありますが、今回紹介されたアプリケーションではいずれもenumserviceとしてSIP以外のURIを想定していたのが意外でした。

(JPNIC 技術検討委員会メンバー 米谷嘉朗) ※所属は執筆当時のものです

参照URL

IDN WG Webサイト
http://www.i-d-n.net/
IEPG
http://www.isc.org/iepg/
DNSEXT WG
http://www.ietf.org/html.charters/dnsext-charter.html
DNSOP WG
http://www.ietf.org/html.charters/dnsop-charter.html
CRISP WG
http://www.ietf.org/html.charters/crisp-charter.html
PROVREG WG
http://www.ietf.org/html.charters/provreg-charter.html
ENUM WG
http://www.ietf.org/html.charters/enum-charter.html

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