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ニュースレターNo.26/2004年3月発行

世界情報社会サミット(WSIS)における
インターネットガバナンス問題に関する報告会

2004年1月29日(木)、東京都千代田区の日本教育会館にて、「世界情報社会サミット(WSIS)におけるインターネットガバナンス問題に関する報告会」を開催しました。

世界情報社会サミット(WSIS)は情報社会をテーマとした国連サミットであり、2003年(スイス・ジュネーブ)と2005年(チュニジア・チュニス)の2回に分けて開催されるものです。この報告会では、2003年12月10~12日に開催された第1回目のジュネーブ・サミットに実際に参加された3名の方を講師に迎え、約60名の聴衆を前に、サミットの概要とそこで提起されたインターネットガバナンス問題について報告してもらいました。

サミットの概要

総務省 近藤氏

まず、総務省 総合通信基盤局 国際部 国際政策課統括補佐の近藤勝則氏より、サミットの概要についての報告がありました。このサミットは、各国首脳レベルで情報社会に関する共通のビジョンの確立を図り、さらにそのビジョンの実現のために基本宣言および行動計画を策定することを目的として開催され、176ヶ国から約2万人(57ヶ国の政府首脳と83名の情報通信大臣を含む)が参加したとのことです。

ジュネーブ・サミットに先立ち、2003年1月には、アジア太平洋地域における準備会合として、小泉首相の出席の下に東京会合が開催され、同地域における合意事項を示した東京宣言が採択されています。

近藤氏自身がドラフティングに携わったという東京宣言には、ブロードバンドの重要性やユビキタスネットワークの概念を世界に発信するという日本政府の主張が盛り込まれ、ジュネーブ・サミットで採択された基本宣言・行動計画にもこれらの趣旨が記載されたということです。

この他にも、基本宣言・行動計画が示す「情報社会に向けた共通ビジョン」や「情報社会の鍵となる原則」「情報通信技術(ICT)に関する世界的目標」にはさまざまな項目が記載されていますが、その中で主な論点となったものが、デジタルディバイド解消のためのデジタル連帯基金の設立と、この報告会のテーマであるインターネットガバナンス問題であったとの報告がありました。

サミットにおけるインターネットガバナンス問題

続いて、総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 前データ通信課調査官の山田真貴子氏と、アジアネットワーク研究所/国際大学GLOCOMの会津泉氏が、それぞれ日本政府と一般インターネットユーザーの立場から、サミットで議論されたインターネットガバナンス問題について報告を行いました。

インターネットガバナンスの問題については、2002年7月より始まったサミットの準備プロセスを通して、現行の民間主導による柔軟な体制を支持する先進諸国(米国、カナダ、オーストラリア、欧州各国、日本など)と、ITUなどの政府間組織による管理を求める発展途上国(中国、ブラジル、南アフリカなど)の意見が対立し、基本宣言案および行動計画案の作成作業は混迷を極めたということです。

ICANNを中心とする現行の体制に批判的な途上国側の主張の裏には、米国の一非営利法人であるICANNがインターネットのグローバルな資源管理を行うことに正当性があるのかという問題や、ルートサーバ管理の最終的な権限を米国政府が握っているという現状への不満が見られるとのことですが、会津氏からはさらに、「これは単に途上国が不満を言っているというだけの話ではなく、新しい社会のヘゲモニー(主導権)を誰がどうとるかという問題」との指摘がありました。

こうした準備プロセスを経て開催されたジュネーブ・サミットでは、結局このインターネットガバナンス問題は先送りされた形となり、国連事務総長に対してワーキンググループの設置を要請する旨が基本宣言・行動計画で示されました。これは、この問題を議論する上で、民間関係機関の意見を十分反映させるプロセスがないという先進国側の懸念が考慮されたものであり、サミットとは別の枠組みで幅広い関係者が参加した上での検討を続けていくこととなった模様です。このワーキンググループでは、インターネットガバナンスという言葉の定義自体についての検討を含め、2005年までにインターネットガバナンスに関する調査、および(必要な場合には)行動提案を行うとのことです。

今後に向けて

2005年11月には、チュニジア・チュニスで第2回目のサミットが開催される予定であり、その準備プロセスが2004年上期には開始されるとのことです。また、2004年2月末にはITUがインターネットガバナンスに関するワークショップを開催、さらに、3月末には国連のICTタスクフォースにおいても議論が行われるなど、ジュネーブ・サミットでの結論を受けての動きがすでに各所で進められている模様です。

こうした状況を踏まえ、総務省の山田氏からは、「インターネットガバナンスについては、今まさに議論が始まったところであり、インターネットの国際的な調整をどういう枠組みで何を課題にして行うかということについて、今一度整理をするところから入ることになる。そういう議論の中でしかるべき提案・主張をし、各国を説得していくという貢献が、今日本政府に求められていると思う。みなさんにも協力をお願いしたい」とのコメントがありました。

また会津氏からは、「インターネットの特徴である自律・分散・協調型のシステムはユーザーにとっても重要であり、インターネットガバナンスも、プロバイダとユーザー双方が関与した上での自律・分散・協調型であることが必要」との見解が示されました。

インターネットガバナンスの問題は、インターネットコミュニティ全体にとって非常に重要なテーマであることから、JPNICでは今後も国際的な議論の動向をフォローし、みなさまにお伝えしていく予定です。

(JPNIC ドメイン名事業部 入交尚子)

参照URL

報告会資料
http://www.nic.ad.jp/ja/materials/wsis/20040129/
WSIS公式ページ(英語)
http://www.itu.int/wsis/

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