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ニュースレターNo.28/2004年11月発行

インターネット10分講座:ccTLDスポンサ契約

インターネット運用の信頼性と安定性を保証するために、ccTLDの登録管理の責任を明確化したccTLDスポンサ契約について解説します。

はじめに - ccTLDとは

ccTLD(Country Code Top Level Domain:国コードトップレベルドメイン)とは、各国/地域に割り当てられたトップレベルドメインです。ccTLDには、原則としてISO(国際標準化機構)のISO3166で規定される2文字の国コードが使用されています。例えば、JPドメイン名は、日本を表す2文字の国コードである「JP」をccTLDとして使用しているドメイン名です。

現在、世界には243のccTLDがあります。では、これらのccTLDはどのような枠組みで運営されているのでしょうか。今回は、そのフォーマルな枠組みであるccTLDスポンサ契約について説明します。

ccTLDスポンサ契約

ccTLDを含む全てのTLD(Top Level Domain)の上位にあるルートゾーン(ルートサーバ)を管理するオーソリティは、ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が担っています。

ICANNは、各ccTLDの登録管理をccTLDスポンサ組織に委任し、ルートゾーンにそのccTLDの必要な情報を登録します。そして、委任を受けたccTLDスポンサ組織は、ccTLDの登録管理とDNS運用について責任を負います。

この委任の手続きとして、ICANNとccTLDスポンサ組織との間で締結される契約が、ccTLDスポンサ契約です。ccTLDスポンサ契約とは、ccTLD登録管理におけるccTLDスポンサ組織の責任とICANNの責任、そして、政府の役割を明確化するものです。

ccTLDスポンサ契約の背景

従来、ccTLDの登録管理は、IANA(The Internet Assigned Numbers Authority)からの委任を受けた各国/地域の管理者が地域コミュニティの合意とそれに基づく安定的な業務運用を基本に実施してきました。しかし、インターネットの発展やそれに伴うccTLDの規模の拡大により、ccTLD登録管理の責任を、より法的に確かな裏付けを持った枠組みの下で明確化する必要性が生じてきました。こうした背景に基づき、1998年に設立されて以降IANAの機能を継承しているICANNは、各ccTLDに対してccTLDスポンサ契約の締結を推進しています。

スポンサ契約の内容と意義

ccTLDスポンサ契約を締結することで、ccTLDの登録管理における責任関係が文書によって明確になります。そして、ここで規定された責任関係のもとで、安定的なccTLD登録管理が保証されます。ccTLDスポンサ契約の主な内容は次の通りです。(図1参照)

図1:モデルccTLDスポンサ契約の枠組み
  • ICANNの責務
    • 当該ccTLD管理者をそのccTLDのスポンサ組織として承認する
    • ルートサーバシステムを安定的に運用する
    • ネームサーバ情報を含むccTLDに関する情報を更新する
  • ccTLDスポンサ組織の責務
    • 安定的かつ安全にネームサービスを提供する
    • 登録情報をエスクロー(第三者預託)する
    • ICANNポリシーを遵守する
  • 政府はこのメカニズムがうまく稼働していることを確認する

ICANNは、「モデルccTLDスポンサ契約書」を公開し、これを雛形とした契約を各ccTLDと締結しています。しかし、.JPのように、ローカルインターネットコミュニティの事情に合わせ雛形を修正して締結した契約もあります。

.JPの場合

.JPは、.AU(オーストラリア)に次ぎ世界で2番目にccTLDスポンサ契約を締結したccTLDです。それまで、JPドメイン名登録管理業務は、JPNIC理事長の村井純に対して委任されていました。しかし、2000年12月のJPNIC第11回総会での決定に基づき、JPドメイン名登録管理業務は(株)日本レジストリサービス(JPRS)に移管されることになったため、JPRSに対して再委任の必要が生じました。このため、一般からのご意見募集を含む関係者との検討と調整の結果、2002年2月27日、JPRSとICANNが「ccTLDスポンサ契約(.jp)」を締結し、JPRSがJPドメイン名のスポンサ組織として承認されました。これを受けて、同年4月1日、JPドメイン名登録管理はJPNICからJPRSに正式に移管されました。

JPドメイン名は、村井純、JPNIC、その他インターネットコミュニティの個人や組織が中心となり、インターネットコミュニティ自身による企画と発展、インターネットコミュニティの利益を考慮したポリシー、信頼性と安定性の高い運用というすばらしい歴史を築いてきました。この良き伝統を反映するため、.JPのスポンサ契約は雛形の契約モデルを大幅に修正した上で合意されました。ICANNによる雛形では、政府だけがインターネットコミュニティの意図をスポンサ組織に伝える主体となっていますが、.JPのスポンサ契約では、日本のインターネットコミュニティの声を反映する民間組織として、JPNICが政府と共に主体の一つとなることを明示しました。(図2参照)

図2:.JPのスポンサ契約の枠組み

.JPのスポンサ契約モデルは、コミュニティ主導というインターネットのあるべき姿を踏襲しつつ、インターネット運用の信頼性と安定性を実現する新しいモデルとして、多くのccTLD管理者から関心を集めています。

ccTLDスポンサ契約の締結状況

2004年10月8日現在、締結されているccTLDスポンサ契約は次の通りです。

ccTLD 締結日
.AU(オーストラリア) 2001年10月25日
.JP(日本) 2002年02月27日
.KE(ケニア) 2002年12月20日
.SD(スーダン) 2002年12月20日
.TW(台湾) 2003年03月26日
.UZ(ウズベキスタン) 2003年03月27日

この他、正式なccTLDスポンサ契約に至る前段階として、時限の「覚書」を、.PS(パレスチナ)、.NG(ナイジェリア)、.AF(アフガニスタン)、.BI(ブルンジ)、.LA(ラオス)、.MW(マラウイ)が締結しています。

今後のICANN-ccTLD関係

上記の通り、現在までに締結されているccTLDスポンサ契約の数は、多くはありません。特にヨーロッパのccTLD管理者が一部の条件についてICANNと合意しておらず、契約交渉は進捗しない状況が続いています。

ICANNの予算は、契約しているccTLDスポンサ組織及びその他の契約相手による支払いにより賄われています。ほとんどのccTLD管理者がICANNと正式な契約関係を持っていない現状、ICANN の財政は困難な状況にあり、正式な責任関係の定義とその履行が急務となっています。また、ICANNがインターネット資源管理ポリシーの調整という役割を正常に果たすためには、ccTLD管理者の支持と参加が不可欠であり、ccTLDとの正式な関係の構築は、ICANNにとって大きな課題となっています。

この状況の中、2004年3月、ICANNのccNSO (Country Code Names Supporting Organization)が設立されました。ccNSOは、GNSO、ASOと

並ぶICANNの支持組織として、ccTLDレジストリで構成され、ccTLDに関してICANN理事会に勧告をする役割を担っています。

ccNSOの設立前まで、ICANNとccTLDとの間の直接の関係は、スポンサ契約によって構築するものとされていました。しかし、ICANNの定款に基づいて設立されたccNSOがICANNの政策決定への直接的なチャンネルとして機能すれば、ccNSOに加入したccTLD管理者は、スポンサ契約とは別の方法で、ICANNとの関係を構築することになります。ccNSOへの加入が、ccTLDスポンサ契約の締結を逆に阻害することも考えられます。ccNSOの立ち上げに伴い、ICANNは、ccTLDとの関係を規定する枠組みを再度整理し、定義し直す必要に迫られていると言えるかもしれません。どのような形式をとるとしても、ccTLDスポンサ契約を作る過程で確認された日本のインターネットコミュニティの経験とコンセプトは、今後もぜひ活かしていきたいものです。

(株式会社日本レジストリサービス 大橋 由美)

参考

Resources for Country Code Managers
http://www.icann.org/cctlds/
Model ccTLD Sponsorship Agreement-Triangular Situation
http://www.icann.org/cctlds/model-tscsa-31jan02.htm
ccTLDスポンサ契約(.jp)
http://jprs.co.jp/doc/redelegation/sponsorship2_e.html
日本語参考訳
http://jprs.co.jp/doc/redelegation/sponsorship2_j.html
Country Code Names Supporting Organization (ccNSO)
http://ccnso.icann.org/

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