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ニュースレターNo.31/2005年11月発行

JPNIC会員と語る [特別編] JPNIC非営利団体正会員特集

今回の「会員と語る」では、インターネットの黎明期よりインターネットの発展に大きな貢献をされてきた非営利会員の中から各々、北海道、東北地方、中国四国地方を拠点に活動する3会員との対談をお届けします。
各地域における課題や各組織の今後のビジョン等をお話いただくとともに、同じ非営利組織であるJPNICに対する今後の提言をいただきました。

北海道◎NPO法人北海道地域ネットワーク協議会
東北地方◎東北学術研究インターネットコミュニティ
中国四国地方◎特定非営利活動法人中国・四国インターネット協議会

JPNICは地域間・プロジェクト間を結ぶ架け橋に

NPO法人 北海道地域ネットワーク協議会(NORTH)
所在地:北海道札幌市中央区北10条西24丁目2番1号 AKKビル5階 (株)北海道総合技術研究所 ウエルネス開発室内
設 立:1993年6月
URL:http://www.north.ad.jp/northweb/

[参加者紹介]
■北海道地域ネットワーク協議会
会  長◎辰巳治之氏
理  事◎戸倉 一氏
    ◎大石憲且氏
運営委員◎表 瑞木氏
■JPNIC
理  事◎竹村 純
事務局長◎成田伸一

NORTH設立の経緯と歴史

成田 NORTH(Network Organization for Research and Technology in Hokkaido)が設立された経緯と歴史についてお聞かせください。

辰巳 NORTHの歴史は、ネットワークの歴史や私自身のパーソナルヒストリーと合致しているところがあります。私は、大阪大学で日本のネットワークの先駆けである「JUNET」※1に参加し、これからはネットワークだと思い北海道に来ました。手始めに、北海道でネットワークに繋げるために、当時北海道大学(北大)でJUNETの北海道での窓口を運営していた三谷和史先生に相談をし、接続させてもらいました。そこはNOC※2のようになっていて多くの企業がJUNETにつながり、北海道支部のようなネットワークの広がりができていました。そして1993年6月に、北大にあったNOCを第三セクターの札幌市エレクトロニクスセンターに移し、任意団体のNORTHを設立しました。そして、NORTHの活動のターニングポイントは平成9~11年頃に迎えました。この頃になると北海道にもプロバイダが多くできてきて、NORTHのプロバイダとしての役割は小さくなりました。次第にその役割は、人材育成、技術開発や地域に根差した分野での活動に移行していったのです。この時期のエポックメイキングな出来事としては、一つに省際研究情報ネットワーク(IMnet)※3との相互接続、そして情報G7のGIBN(Global Interoperability for Broadband Network)プロジェクト※4への参加があげられます。GIBNとの接続のための衛星回線使用の調整や、北海道地域外の大きなネットワークとの接続のための調整・実験など、この地域におけるインターネットの技術レベルをあげるための様々な実験を行ったのがこの時期です。

次のターニングポイントはNPO法人化です。それまでの活動は任意団体としてやってきましたが、法的な枠組みが出来たことで2003年にNPOとして認可されました。

成田 NPOになられたのは一昨年ということですね。どのような経緯でNPOとなられたのでしょうか。

辰巳 任意団体でやっていると良いこともありますが、任意団体故に正しく評価されないこともありました。社会的に認知される組織となるためにも法人格を持つことが重要だったのです。たとえば、NORTHは、それまで国のプロジェクトに参加したりしていることで、全国レベルでは認知されているにも関わらず、北海道の中では意外に認知度が低かったのです。それがNPO法人となったことで、北海道庁との共同実験が認められるようになったり、北海道庁と共催のイベントなどを盛んに行えるようになってきました。

左から、NORTH辰巳治之氏、JPNIC成田事務局長、JPNIC竹村理事
左から、NORTH辰巳治之氏、JPNIC成田事務局長、JPNIC竹村理事

NORTHの事業の3本柱~フォーラム、シンポジウム、地域展開~

成田 現在のNORTHの主な事業についてお聞かせください。

辰巳 まず一つはフォーラムの開催です。東京界隈にいれば簡単に入手できる情報が北海道ではなかなか接することができません。そこでNORTH先端技術フォーラムというのを開催し、企業による製品や技術の紹介を皆で聞いて議論をするということをしています。NORTH先端技術フォーラムで紹介された開発品が、その後実際に導入される例は意外と多いようです。

二つ目は、年に1回開催の研究成果を発表するシンポジウムです。また、これら研究成果は冊子にまとめ、ISSN番号を取得し定期刊行物として国会図書館に提出をしています。これは、我々の足跡を歴史に残していく重要なアクティビティの一つと考えています。

そして三つ目は、最先端技術を使った地域展開です。北海道で活動する他のNPOと連携して、ITを活用した地域での活動を展開しています。その一つに札幌シニアネット※5との活動があります。

これからITが本当に役立つのは、インターネットと距離があると言われてるお年寄りや障害者たちにとってだろうと思うのです。そういう人たちこそ、コンピュータやネットワークを使うべきと考え、札幌シニアネットさんと協力して「シニアネットワーク」というインターネットを使ったコミュニティネットワークの提供を行っています。「シニアネットワーク」は、イベントの連絡やお年寄り同士の情報交換に使われるなどシニア世代の交流の場として非常に幅白く活用されており、お年寄りの心と心を繋ぐという意味でも、真のネットワークと言えると思います。

また、今後急速に高齢化社会へと向かう日本にとって、お年寄りが有している知識や経験を活かしていろいろなことに貢献していただける場を提供し、実際にお年寄りが若干の収入を得られるような仕組みができれば、素晴らしいことだと思います。その仕組みの一つの可能性として、インターネットによる双方向の情報提供が考えられます。実は、NORTHのホームページもシニアネットの人に作っていただいているんですよ。

その他、NORTHでは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)※6のホームヘルスケアのプロジェクトに参加したり、今後はNPO法人札幌チャレンジド※7と障害者のためのネットワーク技術の活用に向けた取り組みも検討をしているところです。

成田 なるほど、フォーラム、シンポジウム、地域展開の3つの柱で取り組まれているということですね。

辰巳 はい、接続事業は、ビジネスで安く良いものを提供する事業者が出てきているので、我々は実験など他では出来ない分野に取り組んでいます。また、札幌市エレクトロニクスセンターにあったNORTHのNOCを、北海道で唯一の道立大学である札幌医大の情報センターに移し、より一層北海道全体に根差した活動に取り組んでいます。

成田 コンセプトとしては「北海道のNORTH」ということですね。

辰巳 そうですね。北海道に足場を置きますが、会員には、道内の企業だけでなく、全国の企業に入っていただき、情報交換をしながらやっています。

コンテンツの組み合わせで全く違う価値が生まれる

竹村 これまでお話を伺っているところによりますと、NORTHの活動は地域のコンテンツを対象としたものが中心となってきたようですが、そうした考え方になった経緯はどのようなものでしょう。

辰巳 地域にはコンテンツがないという意見がありますが、私は地域にコンテンツがないとは思いません。実際にはコンテンツは多くあるのに、それがデジタル化されていないことに問題があると思うのです。デジタル化されていれば、地域外の人にとっても有用な情報はたくさんあると思います。コンテンツは、ニーズオリエンテッドで考えていけば色々とあると思います。

竹村 NORTHは非常に活発に活動をされていますが、そうしたパワーはどういうところにあるのだと思っていますか?

辰巳 それはNORTHが、人と人とのネットワークとして多角的に運営されてきたことにあると思っています。ネットワーク、情報の繋がりは非常に重要です。JPNICの会員を継続しているのも、会員であることにより得られる情報がNORTHの活動を活性化してくれていると実感しているからです。

戸倉 NORTHの活動はボランティアによって支えられています。ボランティアだからこその熱意がアクティビティをあげ、それぞれが楽しくやりがいをもって働けるのだと思います。

竹村 今これだけ元気に活動しているNORTHさんから見て、JPNICは今後どのように変っていくべきだと思いますか?

辰巳 地域の現場で活動していると、困ったことが目の前にあるのです。その一つ一つを解決していくことが我々の活動につながっているのだと思っています。しかし東京で日本全体のことを考えると、そうした個々の問題がはっきりと見えなくなってくるのではないでしょうか。そこから出てきた一つの答えは、重要なのはコンテンツの量ではなく、いかに良いコンテキストを導くかということです。つまり、コンテンツを組み合わせるだけで、全く違う価値が生まれてくるのです。たとえばAとBが噛み合わずに空回りしているところにCを入れると動き出すといったことがあるように、JPNICには、そういう橋渡しの役割を期待したいです。

コーディネーション力の育成

成田 地域における人材育成については、どのようにお考えですか?

辰巳 人材育成というのは、非常に重要な課題だと思っています。それをまず担うのは大学ということになると思いますが、我々も上手く協調し色々なプロジェクトに展開していければいいと考えています。

大石 若い人材を発掘することよりも、むしろ若い人材を地方に定着させることのほうが難しい現状です。若者の志向は東京を向いているでしょうし、必然的に彼らの活躍の場も東京に多いのでしょう。こうした活動を続けていくためには、利害を越えた志のようなものが必要で、地方に志をもった若い人がどれだけ留まってくれるかがキーだと思います。

竹村 この地域で必要となってくるのはどのような人材でしょうか?

大石 地方にとって必要なのは、コーディネーション力だと思います。ネイションワイドなISPさんにとって北海道の事情を知らずに相互接続するのは難しいのです。そこを広域ルーティングの知識を持ちながら、上手くコーディネーションしていける人材を育てていくことが重要だと思います。

成田 最後に、JPNICにメッセージをお願いします。

辰巳 IPv6の促進を一生懸命やって欲しいです。まずは実験レベルのプロジェクトをJPNICが募集してみてもいいと思います。インターネットはこれまでそうした実験の積み重ねの中で発展をしてきたと思います。

成田 そうですね。上手くいっているものしか残っていないのがインターネットですよね。

辰巳 良いものだけを出したいと思い自信がないとやめておこうとなりがちですが、まずはやってみることが大切です。JPNICには、ぜひ自信をもって頑張って欲しいです。

 皆がインターネットを使う時代だからこそ、限られた対象への情報発信に留まらず、広く世間を対象とした情報発信をしていくことで、JPNICが存在意義を高めていけるといいと思います。

成田・竹村 皆さんとコミュニケーションを取りながら取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。


※1 JUNET:
電話回線を用いて日本の学術組織を中心として構成された研究用コンピュータネットワーク。1984年10月に実験が開始され、1994年に終了した。
※2 NOC:
大規模なネットワークを局所的ではなく集中的に管理するための施設。通常24時間365日体制でのネットワーク監視、障害発生時の即時対応を行う。
※3 省際研究情報ネットワーク(IMnet):
科学技術振興事業団が1994年に運営を開始した研究情報ネットワークの名称。各省に属する研究機関やネットワークを相互に接続し、研究情報基盤の共有化と国際的な流通等に資するための基盤ネットワークとして整備された。2003年3月末に国立情報学研究所が運営する学術情報ネットワーク(SINET) に統合された。
※4 GIBNプロジェクト:
情報G7のプロジェクトの一つで 各国の超高速通信実験網間を国際光ファイバー・ケーブルや国際通信衛星で相互接続して行われた国際共同プロジェクト
※5 NPO法人札幌シニアネット:
http://www.north.ad.jp/ssn/
※6 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO):
http://www.nedo.go.jp/
※7 NPO法人札幌チャレンジド:
http://www.s-challenged.jp/

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