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ニュースレターNo.31/2005年11月発行

JPNICは効果的な情報提供を

東北学術研究インターネットコミュニティ(TOPIC)
所在地:宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-3 東北大学情報シナジーセンター内
設 立:1992年12月
URL:http://www.topic.ad.jp/

[参加者紹介]
■東北学術研究インターネットコミュニティ(TOPIC)
幹 事 長◎曽根秀昭氏
技術部主査◎脇山俊一郎氏
■JPNIC
理  事◎竹村 純
事務局長◎成田伸一

TOPIC設立の経緯と歴史

成田 TOPIC(Tohoku Open Internet Community)が設立された経緯と歴史についてお聞かせください。

曽根 日本のインターネットがまだUUCPだった時代に、大学や研究機関を1200bpsの回線で繋ぐ実験が始まり、全国的に拠点大学を中心に大学/研究機関間で専用線やダイヤルアップ回線を使ってIP通信をする取り組みが始められました。

東北地方では、当時この地域のネットワーク関係の面倒をみてくださっていた亀山幸義先生が中心となって、東北大学の大型計算機センターを拠点としつつ、東北地方の研究機関を相互接続するという青写真を描いて進めていくことになりました。1988年に、私が所属する東北大学と脇山先生の仙台電波工業高等専門学校の間をUUCP接続で結んだのですが、その頃がTOPIC設立に至る原点と言えると思います。

当時のインターネットは、草の根的に人と人の繋がりで徐々にネットワークを繋いでいったのですが、インターネットの利用普及の広がりに伴い、草の根的なボランティアによる活動だけでなく、しっかりとした体制作りが必要だと感じたのがTOPICを作る動機の一つとなりました。そして、大型計算機センターの利用者協議会の中で、東北地方のネットワークの構築・運用に関して検討を行い、1992年12月の設立総会でTOPICが正式に設立したのです。

TOPICはJPNIC会員番号7番、すなわち7番目に登録したJPNIC会員です。私たちと同様、地域に根差して草の根的に結成した非営利団体も多くがJPNIC会員の初期メンバーとして登録しましたが、現在残っている団体は数少なくなっています。インターネットの初期の頃から活動しているJPNIC会員一桁の非営利団体が、まだ活動を続けてインターネットの発展に貢献していることは、意味があることだと思います。

左から、TOPIC脇山俊一郎氏、曽根秀昭氏
左から、TOPIC脇山俊一郎氏、曽根秀昭氏

会費制の開始とTOPICの新たな展開

成田 TOPIC設立から13年ということになりますね。これまでで色々と変遷があったと思いますが、一番のターニングポイントは何でしょうか?

曽根 10年程前のことになりますが、TOPICの会員から会費を徴収するようにしたことだと思います。それまで、TOPICでは各会員の回線・機器等の設備は自己負担で用意するのを原則とし、会費を徴収せずに活動してきました。しかし、会費制度の導入を機にTOPICの活動目的を改めて問い直し、情報収集・啓発活動をTOPICの活動の大きな柱として掲げるようになりました。

大都市圏の大学であれば座っていても営業の人が情報を持ってきてくれるし、展示会に行けば最新の情報がいくらでも入ってきます。しかし、東北ではそうはいきません。地域間のデジタルデバイドは顕著であり、この地域では情報収集・啓発活動のニーズは高いのです。

脇山 正直、TOPICが会費制度を導入したのは、JPNICが会費を徴収するようになったからというのが本音です。しかし、現在のTOPICの活動は、東北地方の人たちにとっての有益な情報提供と啓発活動に注力し、その活動に賛同していただいた会員からの会費で支えられているのです。

具体的な活動としては、TOPICからInternet WeekやJPNICのミーティングなどに会員組織の職員を派遣したり、春の講習会と秋の研修会を開催して専門家の講師を呼んで話を聞いたり、東北地区内の情報交換をしたりしています。

曽根 また、TOPICの会費では、情報提供・啓発活動といった事業費の他に、各会員の属性型ドメインの維持料とIPアドレスの維持料も負担しています。これは、互助会的な側面もあるTOPICにとって、各会員の手続きを軽減させることも重要な役割であるからです。

脇山 その後インターネットの普及にともなって会員数が増えたことでTOPICは会費を下げております。

TOPICの取り組み~回線利用・人材育成~

成田 TOPICは、今後3~5年を見通して、どのような課題・目標をお持ちでしょうか?

脇山 ここ数年話題になっているのは、回線をどうするかということですね。デジタル専用線からATM専用線やイーサネット専用線に変わるなど、いろいろな回線のサービスが増えてきています。それらをいかにうまく使ってTOPICのネットワークを時代に合ったものにしていくかという点が、参加している会員組織にも関心のあるところだと思っています。

曽根 また、回線は完全な自己負担としていますが、一つの回線を複数の大学で利用することで費用を折半できないか、などの検討もしているところです。そうしたことで、TOPICの互助会的な効果が発揮できないかと模索していますが、色々と課題が多くなかなか実現ができないでいます。

脇山 各大学とも、会計的な見直しの中、固定費である回線をいかに高速化しつつコストを削減していくのかが課題となっていて、そこにTOPICとして何らかの解が出せないか考えているのです。

成田 難しそうな取り組みですね。総論賛成でも各論で合意するまで非常にエネルギーが要るのではと思います。

曽根 共有回線の契約の名義人はどうするか、費用分担はどのようにするか、ある大学が契約した回線を別の大学が使う処理をどうするかといった悩ましい問題を一つ一つクリアしていく必要があります。

竹村 その調整には相当な手間がかかりそうですね。

曽根 また、回線の余剰帯域を研究ネットワークに使うなど、回線を多様に使うことも考えており、TOPICの技術部で検討を進めているところです。

脇山 そしてもう一つの課題は、後継者をどのように育てるかということですね。

曽根 東北地方のインターネットには、一人で全ての役割を担っているケースが多いのが現状だったりします。現状では一人で十分手が足りているからなのですが、東北地方のインターネットが発展してくるとそうはいかなくなるはずです。発展しないから一人でも大丈夫なのか、一人でやっているから発展しないのか、このことは東北地域のデジタルデバイドの問題と密接に関係していると思います。

また、人材育成の問題は、地域に限らず日本のインターネット、世界のインターネット全体の問題でもあります。今後10年間、日本のインターネットは大変な試練の時を迎えると、最近よく言われます。

インターネットを盛り上げてきたいわゆる村井純世代が、今50才前後になり、今後10年のうちに、企業にいる人は定年に差し掛かり、大学にいる人も現場に携われない立場になっていきます。そうなると一気に人材が枯渇するんですよね。今後日本のインターネットをどのように持続可能にするかというのは、JPNIC、TOPICを含めたインターネット社会の課題だと思います。

成田 恐らくテクノロジー的なところでは問題がないのかと思いますが、やはり上の年代の層が厚いために、若い世代はコーディネーションの経験が少ないのが問題なのでしょうか。

曽根 上の年代が活躍しているために、若い世代に経験を積む機会がめぐってこないのでしょうね。

東北地域のメンタリティと情報提供のあり方

成田 人材育成という大きな課題に対して、さきほどお話のあったTOPICが取り組まれている情報収集・啓発活動の意味は大きいと思いますが、どのようなことに留意して活動されていますでしょうか。

脇山 今、世の中で旬の話題を正確に捉え伝えることがまず大切だと思っています。東北地方の人たちにはやはりデバイド感があって、インターネット上の全国的な情報を、我が身のこととして受け止められない感覚があります。そこで東北の人たちにも、様々な話題について切実に受け止めてもらえるよう、春の講習会や秋の研修会といった場で情報提供や情報交換をしています。

竹村 必要とされるのがテクニカルな人材よりも、むしろコーディネーション力のある人材だとすると、研修や情報交換の場でそうしたコーディネーション力を養うことができると思います。そうした人の繋がりというのを地域間で閉じたほうがいいのか、全国に広めていくべきなのか、どのようにお考えでしょうか?

曽根 両方なのだと思います。当然広めていくべきではあるのですが、一方で東北の各地方には「全国の話は私たちには関係ない」といった感覚が少なからずあるのが現状です。「これは我々にも関係する情報ですよ」という言い方をしないと切実に受け取ってもらえないことも多々あります。

竹村 なるほど、全国的な問題を、いかに自分の問題として位置づけられるかというのが課題になってくるわけですね。

曽根 東北地方の人たちは経験していないものには慎重で、そこから一歩踏み出してもらうためのアプローチの仕方を考えています。

脇山 そうしたメンタリティの傾向は産業界にもあって、JANOG※1への東北からの参加者は産学合わせて全体の数%程度だったりするのです。東北地方の人たちにとって、Internet WeekやJANOGという場は非常に敷居が高いと感じているのかも知れません。

この地域の人たちにとっては、今インターネット社会でどういうことに関心が持たれているのか、ダイジェストでもいいので、地元で聞ける機会が増えるといいと思っています。たとえばTOPICの春と秋の講習会や研修会で、JPNICにそうしたセッションを担当してもらうこともアイディアとしてあります。

曽根 JPNICが主催でなくても、地域でやっているセミナーに参加してもらうだけでも意味があるので、ぜひ連携していければいいと思っています。また、そうしたことはTOPICだけでなく、他の会員に対しても出張プラグラムを準備し提供することで、JPNICも地域における人材育成に貢献できると思います。

成田・竹村 はい、JPNICでも各地域のみなさまと協力・連携していけるよう前向きに検討していきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。


※1 JANOG:JApan Network Operators' Group
インターネットにおける技術的事項、および、それにまつわるオペレーションに関する事項を議論、検討、紹介することにより日本のインターネット技術者、および、利用者に貢献することを目的としたグループ。

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