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ニュースレターNo.33/2006年7月発行

巻頭言:新しい技術を支える力

日本語ドメイン名協会(JDNA)代表幹事/米谷嘉朗

インターネットで新しい技術が開発され、それが日常的に使われるようになるまでには意外と長い時間がかかります。ものによって順序の違いはありますが、概ね(1)プロトコルの開発と標準化、(2)アプリケーションの開発と流通、(3)サービスの開発と提供、(4)コンテンツの開発と利用、という4つの段階を経る必要があるからです。一般利用者の目には、これらの段階がすべて見えているわけではありませんので、短い時間で成し遂げられたと感じられることが多いのでしょう。私自身、国際化ドメイン名(IDN:Internationalized DomainName)に関わり始めた当初はその感覚を持っていましたが、現在までに至るIDNへの関わりを通じて今では認識を改めています。

この長い時間、士気を保って活動を継続することは、非常に大変なことです。そのためにはなによりもまず、利用者からの需要があり続けることが必要です。個人的な趣味でもない限り、需要がないものにコストをかけることはできません。とはいえ、その需要も自然発生的に高まってくるものとは限りませんので、進捗状況の報告や利用環境の提供など、一定の普及促進活動を伴う必要があります。また、その技術がインターネットの基盤に関わるものであればあるほど、技術利用に関して利用者の選択の余地は少なくなりますので、その活動には中立性が求められます。

IDNにおけるそのような活動の場として、JPNICを中心に2001年7月に設立された「日本語ドメイン名協会(JDNA:Japanese Domain Names Association)」※1は有効に機能してきたと言えるでしょう。JPNICに事務局を置き、キャリア/ISP・ハード/ソフトウェアベンダ・レジストリを正会員とし、発起人や正会員から幹事を選任する体制で中立性を保ちつつ、設立以来、私が代表幹事を務めさせていただき、熱意ある会員・幹事に支えられ、国内外の有識者の協力を得ながら活動してきました。そして2006年6月1日の総会で所期の目的を果たしたことが確認され、2007年3月末で解散することが決議されました。過去にも国際科学技術通信網利用クラブ(InetClub)やJUNET協会などネット ワーク運用組織が解散した例はありますが、日本のインターネットの歴史において、技術・サービスの普及促進組織が解散するのは、稀な例となるのではないでしょうか。なお、JDNAやその関係者の方々の活動記録は一冊の書籍※2にまとめられ、2006年6月1日に出版されていますので、ご一読賜れば幸いです。

IDNに限らず、インターネットの発展に伴い今後もこのような活動は必ず発生するでしょう。JPNICには、今後もそのような活動の運営を支援する機能を持ち続け、新しい技術を支える力であってもらいたいと願っています。

さて、ここから少し話が変わりますが、ここ数年、子供の校外活動を通じて二つの地域ボランティア活動に参加しています。一つは地域の少年野球リーグの運営で、もう一つは小学校のおやじの会※3というものです。いずれも基本的には休日に子供たちと一緒に体を使って野球や昔の遊びを教えるというものですが、運営に関する連絡は夜間に集会場に集まって打ち合せをするか、電話連絡網を使っています。携帯電話・メールの普及に伴って、ここ1~2年は急速にメールやホームページなどインターネットを使った連絡に移行してきています。

このニュースレターの読者の方々には当たり前のことに思われるかもしれませんが、これは40~50代を中心とした、ここでは親しみを込めてあえてそう呼ばせてもらいますが、「おやじ」世代での動きなのです。メールやWebを使ったコミュニケーションは、冒頭に書いたコンテンツの開発と利用に相当する段階と考えていただいてかまいませんが、まだそれが普及の途上にあるのだということを認識すると、長い時間といった時の長さを感じていただけるのではないでしょうか。

現在の家庭・会社・日本を支える「おやじ」たちや、将来を支える「子供」たちを含めた、さまざまな世代、さまざまなコミュニティにとって違和感なく受け入れてもらえる新しい技術を開発することが、翻って新しい技術を支える力を作り出すことになるのだと思っています。


※1 日本語ドメイン名協会
http://日本語ドメイン名協会.jp/
http://www.jdna.jp/
※2 日本語ドメイン名 インターネット標準策定の「軌跡」
http://インターネット標準策定の軌跡.jp/
ISBN4-8443-2260-5
※3 おやじの会全国組織「おやじ日本」
http://oyaji-nippon.org/

執筆者近影 プロフィール●米谷嘉朗
1988年北海道大学理学部物理学科卒業。同年4月NTTソフトウェア入社。ソフトウェア開発に従事。 1990年同社ネットワーク整備部門に異動し、インターネットとの関わりを開始。 1999年同社インターネット研究部門に異動し、IDNとの関わりを開始。 2000年10月JPNICに出向、IDN標準化および普及事業に従事。 2002年10月NTTソフトウェア復帰。 2003年6月に株式会社日本レジストリサービス入社。JDNA代表幹事。

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