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ニュースレターNo.34/2006年11月発行

JPNIC会員と語る/NECビッグローブ株式会社
インターネットを巡る新たな潮流
~市場環境の変化と新たなビジネスモデルの創出~

今回はNECビッグローブ株式会社(以下、BIGLOBE)を訪ねました。代表取締役執行役員専務 佐久間 洋氏に、今年7月に新会社として設立されたBIGLOBEの事業方針について伺いました。

[参加者紹介] JPNIC会員

  • NECビッグローブ株式会社 代表取締役執行役員専務 佐久間 洋氏
  • JPNIC IP分野担当理事 前村 昌紀
  • JPNIC事務局長 成田 伸一
対談参加者
左から、JPNIC 前村理事、JPNIC 成田事務局長、 NECビッグローブ 加藤氏、佐久間氏
会員名:株式会社NECビッグローブ株式会社
所在地:東京都品川区大崎1-11-1(ゲートシティ大崎 ウエストタワー)
営業開始日:2006年7月3日
資本金: 104億円
U R L:http://www.biglobe.co.jp/(2006年10月5日現在)

新生・BIGLOBEがめざすところ

成田 新会社として独立して営業を始められたBIGLOBE様がめざすところについてお聞かせください。

佐久間 市場環境は、ブロードバンドの急速な浸透や次世代ネットワーク(NGN)の登場、そしてweb2.0の進展などにより、大きな変化の時を迎えていると認識しています。この環境の変化は、通常のビジネス環境に影響を及ぼすだけでなく、企業のビジネススタイルや消費者のライフスタイルまで変えてしまうほどのインパクトがあると捉えており、当社としては、そこに大きなビジネスチャンスがあると考えています。

たとえばNGN環境においては、企業、消費者といったすべての参加者の関係性が、オープンなインターネット環境の場合に比べ、大きく変わってくる可能性があります。そして、それにともないビジネスモデルやサービスのあり方も大きく変わってくると捉えられます。BIGLOBEでは、こうした変化に柔軟に対応し、お客様へ最適なサービスを提供するために、さまざまな業界からパートナー企業を迎えて、各社が有しているノウハウを取り入れた新たなビジネスモデルを展開していきたいと考えています。

BIGLOBEのあゆみは、1986年にスタートしたパソコン通信のPC-VANに遡ります。1996年にはPC-VANとC&Cインターネットサービスmeshを統合してBIGLOBEとして事業を開始しました。パソコン通信の時代が10年。BIGLOBEとしてインターネットとかかわり始めてから今年で10周年。そして、これから先の10年は、FTTHやWeb2.0、NGNといった従来とは異なる環境の中で、新たな事業の姿を描いていきたいと考えています。

BIGLOBEのあゆみ 図表

事業の3本柱は 「ISP事業」「ブロードバンドメディア事業」「プラットフォームサービス事業」

成田 NECビッグローブ株式会社の設立は、市場環境の大きな変化とBIGLOBEにとっての節目の年という要因が重なりあい、まさに機が熟したということだったのですね。次に、BIGLOBE様の主な事業についてお聞かせいただけますでしょうか。

佐久間 BIGLOBEとしては、「ISP事業」「ブロードバンドメディア事業」「プラットフォームサービス事業」の3本柱で事業戦略を展開していきたいと考えています。 まず1つ目の、「ISP事業」についてですが、ブロードバンド接続サービスやモバイルサービス(ユビキタスサービス)の強化、拡大を継続的に行っていきます。同時に、今後さまざまなアプライアンス機器が登場してくることで非常に複雑化するユーザビリティに対応して、個人個人に合ったパーソナルソリューションを提供し、次世代に向けたサービスを創出していきたいと考えております。 2つ目に、「ブロードバンドメディア事業」についてですが、近年のブロードバンドの急速な進展により、“通信と放送の融合”ということがよく言われていますが、融合というよりは、既存のメディアをさまざまな形で補完していく、そういうメディアにインターネットはなっていくと思っています。パートナー企業各社との協力のもと、インターネットと既存メディアのそれぞれの特徴を上手く活かした連携展開により、事業を推進していきたいと考えています。 3つ目の「プラットフォームサービス事業」についてですが、BIGLOBEでは、これまで「ISP事業」のための会員管理や認証といった基盤整備や、「ブロードバンドメディア事業」でのコンテンツ配信や広告管理といったサービス基盤の整備を行ってきました。こうしたさまざまなシステム基盤や基盤技術を汎用化し磨き上げ、ブロードバンドを活用して新たなビジネス展開を図ろうとする企業ユーザー様に向けて提供する、「プラットフォームサービス事業」についても注力していきます。 手前味噌になりますが(笑)、ISP業界の中では、ここまで自らのビジネスモデルを鮮明に打ち出し、それぞれの役割分担とシナジーを明瞭に描いているところは、それほど多くはないかもしれませんね。これもISP事業者の将来の一つの姿だと思います。

前村 これまでの事業展開で築いてきた「ISP事業」を基幹に据え、他業種との連携により「ブロードバンドメディア事業」においてさまざまな価値の高いサービスを引き出し、そこで培った基盤技術を「プラットフォームサービス事業」として広く提供していく、ということですね。

佐久間 「ブロードバンドメディア事業」では、「BIGLOBEViDEO STORE」という有料のコンテンツサービスを展開する一方で、広告型のビジネスモデルの今後の動向をにらみながら、「BIGLOBEストリーム」という無料で視聴できる動画ポータルサービスも展開しています。また、アライアンス企業各社の専門ノウハウとBIGLOBEが有する集客力やEC基盤などを組み合わせることで、新たなサービス価値の創造にも取り組んでいきます。たとえば、大和証券グループ本社や三井住友銀行と連携して金融サービスサイトを展開、住友商事とは、専門ノウハウの提供による新たなEC関連サービスの検討、電通、博報堂とは新しいブロードバンドメディアを一緒に作り込んでいくパートナー関係を構築したいと思っています。このように冒頭で申しました通り、NGNやWeb2.0という新たな潮流の中で、これらを機会として新しい事業ドメインを創出したいと考えています。 また、“情報”というものの意味や価値がますます重要になる中で、今後我々がきちんと提供していかないといけないのは、コンテンツマネージメント、広告配信管理といったプラットフォームの部分と、多様なアプライアンス機器がネット接続することで、さまざまな場面で発生する新たなメディア接点への対応になると思っています。NECはパソコンや携帯電話のメーカーでもありますので、機器連携ソリューションの提供についても積極的に取り組んでいきたいと考えています。今後、アプライアンス機器というものがお客様にとっても、非常に重要になってくると思いますので、インターネットと連携させた新たなサービスを提供できればと思っています。

成田 さまざまな企業と連携したサービスを展開する上で、BIGLOBEの強みはどこにあるとお考えでしょうか?

佐久間 非常にユニークで特徴的なサービスとして位置づけています「プラットフォームサービス事業」を例にしてご紹介しますと、まず「ISP事業」をはじめとするBIGLOBE事業全体を通じて培われた信頼性と安全性という部分が、評価を頂戴している点(強み)だと思います。 さらに、BIGLOBEサービス基盤の上で、さまざまな企業と連携してあらゆる局面に柔軟に対応できるという点についても評価いただいております。たとえば、自社で有するさまざまなコンテンツをブロードバンドで配信されている「第2日本テレビ」という日本テレビ様のサービスについても、そのコンテンツ配信基盤はNECビッグローブで提供しています。ここでもアクセスが大量に集中するようなことがあるのですが、我々のプラットフォーム基盤を支えている部隊とマーケティング部隊が一緒になって、運用でカバーすることで安定したサービスを提供しています。このように瞬間的なトラフィックの集中にも十分に対応可能なスケーラビリティを持つBIGLOBEサービス基盤を上手く活用することで、必要以上に過大な投資を要求しない柔軟性が企業ユーザー様に喜ばれております。 また、構築スピードという点でも評価いただいております。我々は既に信頼性の高いプラットフォームをもっていて、それをコンポーネント化、メニュー化してますから、依頼をいただいてから短期間で造り上げることができるのです。実際自分達で使って磨き上げてきたものですから、信頼性とスピードには大きな自信を持っています。

佐久間洋氏 近影
NECビッグローブ株式会社 代表取締役執行役員専務佐久間洋氏

NGNとWeb2.0で変わるインターネットの世界

前村 NGNが注目を集め、ネットワークサービス事業に関わる領域は広がりをみせておりますが、こうした現在の日本のインターネットの状況をどのように思われますか? また、今後の日本のインターネットはどのような方向に進んでいくと思われますか?

佐久間 NGNの登場については、固定網と携帯網が統合されるIPベースの統合ネットワークが実現されるとか、ベストエフォート型サービスのtheインターネットに対して、ギャランティ型サービスが実現できるとか、ネットワークに付加価値を持たせることができるなど、さまざまなことが言われています。しかし、NGNがどんなに進展したとしても、オープンなtheインターネットの良さは未来永劫変わらないと思っています。本来インターネットが持っているフィロソフィーは活かしていくべきだと考えます。 また、コンテンツ配信のマルチキャストやIPv6の問題など、インターネットを取り巻く先進的な技術やサービスと言われてきたものが、本当の意味で普及しているかというと現実はそうでもなく、まだまだこれからさまざまな問題をクリアしていく必要があります。そこで登場してきたNGNの存在は、インターネットの世界をもっと使い勝手のいいものに広げていこうという動きの原動力になるのではないかと思っています。IPv6などが本当の意味で普及してくると、もっともっと新たな使い方が出てくるわけですから、NGNがそのきっかけになればいいのではないでしょうか。 さらに、Web2.0についてですが、これもネットワークを使う個人、企業のそれぞれの関係性を変化させていくものだと思っています。たとえばマーケティングを例にあげますと、個人と個人の関係性の中でCGM(Consumer Generated Media)ですとか口コミマーケティングが生まれ、それが新しい消費スタイルになっていきます。まさにインターネットを通じて、人と人、人と企業の関係性に変革をもたらすと思っています。

前村 インターネットとNGNやWeb2.0など新しい技術の特徴も活かしつつ、オープンでありつつ、各ニーズに応じた最適な環境を創造するという本来のインターネットがめざしていたものに近づいていく感じがしますね。

佐久間 “インターネットでオープンにワールドワイドに楽しみたいし、あるサービスについてはセキュアに守られたNGNがいい”というように、多様化、高度化するユーザーニーズに対応するために、それぞれの技術は共存すると思っています。どちらか一方だけでということではなく、インターネットの世界にNGNでこそ享受できるQoSやセキュリティなどが入ってくることで、また新たにネットワールド全体の実現力が向上します。それによって本来インターネットが目指していたものが実現できるかもしれない、と考えています。 一方で、NGNやWeb2.0といったものを導入したビジネス展開が拡大/加速されていきますと、利用者にとっては、情報が氾濫したり、情報が複雑化するという状態に直面することとなり、欲しい情報になかなかリーチしづらくなってくるという問題が危惧されます。そこで、これからは情報そのものと人との接点をサポートする技術・サービスが必要になってくると考えています。BIGLOBEでは、NECが有するマイニング技術、レコメンド技術を活用することで、利用者が潜在的に持っているニーズの選別を支援する機能を実現し、次の時代のネットワールドを構築していきたいと思っています。

BIGLOBEの成長戦略概要 図表

前村 ユビキタスネットワークの実現という点では、NECビッグローブとしては、ネットワークの提供とソリューションの提供のどちらを行っていく立場なのでしょうか?

佐久間 ソリューションの提供ですね。インターネットとNGNの活用、様々なユビキタス端末との連携などを通して、シームレスかつセキュアでパーソナライズされたサービスを提供していく必要があると考えています。

前村 ユビキタスになったら、ブロードバンドになったら、ホームネットワークになったらという大雑把な絵はよく見ますが、ここまで具体的で現実的に未来を見据えた事業展開のお話をお聞きすることは、なかなかありませんね。情報処理の技術がアシストしながら、実際に生活が豊かになっていくことが想像できて、大変迫力を感じました。

ブロードバンドメディアの可能性

成田 事業の3本柱についてお話しいただきましたが、今後事業を行っていく上で、各々のウェイトをどのようにおいていくとお考えですか?

佐久間 BIGLOBEは、今まで「ISP事業」を中核として事業を展開してきましたので、現在は「ISP事業」が全体の半分以上を占めていますが、中期的には「プラットフォームサービス事業」と「ブロードバンドメディア事業」を合わせた領域がBIGLOBE事業全体の半分強を占めるようになると考えています。また、今後「ISP事業」のサービスの中身は進化していきますので、それが他の二つの事業にもいい影響をあたえていくと思っています。

成田 なるほど、そうするとこれだけコンセプトが明確であれば、NECの中でやるという選択肢もあったのではないかと思いますが、出資を募って会社を設立した理由はどこにありますか?

佐久間 まず、「ISP事業」や「ブロードバンドメディア事業」に関連するサービスを充実させてこそ、自らのプラットホームが磨かれると考えています。そのサービスをきちんと充実させるために、外部のノウハウが欲しかったというのがひとつですね。分社化により、サービス提供における有力なアライアンスパートナー各社に株主として事業に参加していただく。すると、単なる業務提携による場合とは、ノウハウ提供の仕方が違ってきます。もうひとつの理由は、新たな事業展開を行う際には、従来以上に意思決定のスピードも必要になりますので、小回りの効く体制にしたかったということです。 加えて、独立した企業体としての経営面の観点から、BIGLOBEが展開するそれぞれの事業の特徴と全体の運営方針についても触れておきます。「ISP事業」はみなさんご存じの通りですが、「ブロードバンドメディア事業」は固定費型のビジネスモデルであり、一つの番組があたるかあたらないかで、広告収入が大きく違ってくるという特徴があります。同じコンテンツ調達コストでも、視聴者が増えれば広告収入が増えるという構造は、どこで視聴者を増やせるかが見極めづらい現状では、投入コストのマネジメントが非常に重要になってきます。しかしながら、一定のボリュームを越えれば大きなゲインが得られるビジネスでもあります。 「プラットフォームサービス事業」はソリューション型なので安定的なビジネスモデルです。初期SIの部分は通常のソリューションビジネスと同じくらいなのですが、BIGLOBEの大規模なプラットフォームの中で運用していますので、その運用のコスト低減によって、利益をある程度確保できるという特徴を持っています。 BIGLOBEが展開する三つの事業は、それぞれ全く違うビジネスモデルの特徴をもっていますので、上手く全体のバランスをとりながら、シナジーの最大化を図るように運営していきたいと考えています。

成田 「ISP事業」は10年間競争されてきたので、ある程度読めると思いますが、「ブロードバンドメディア事業」というのは収入が読みきれないところがありますよね。

佐久間 ご指摘の心配も全く無いわけではありませんが、電通、博報堂といった広告業界のトップに入っていただけたということは、ネットの可能性、ポテンシャルに対する期待の現れだと思っていますし、事業拡大にチャレンジする価値が十分にある領域だと捉えています。

前村 まだまだ広告主のみなさんにとっては、放送が一番効果的な宣伝媒体という認識が強いかと思います。そこをどのようにインターネット上のコンテンツに広告をつけていくかというのを一生懸命思案しているところで、この分野は今から成長していくところですね。

佐久間 インターネットは、一方向的な認知だけではなく、双方向的なさまざまなアクションが可能な媒体ですから、インターネットならではのメディアとしての特長を十分に活用することが、重要であると思います。今後は放送における広告とともに、ブロードバンド広告もあわせて展開するということを前提に、広告の制作段階で放送とインターネットの両方を想定した企画をたてることで、より相乗効果のある広告が実現できると考えています。

成田伸一 近影
JPNIC事務局長 成田伸一

NGNの特性により極立っていくインターネットの魅力

前村 BIGLOBE様の事業展開とNGNの関連性についてお話をお聞きし、インターネット上にあるリッチコンテンツが切り離されてクローズドネットワークを構築していく、その最たるものがNGN上のプラットフォームサービスとしてあるのではないかと思いました。用途によりクローズドネットワークとして切り離されることで、インターネットの特性はより極立っていくと思っていましたので、大変共感しました。

佐久間 これまで、インターネットの世界で描かれてきた技術や制度/ルールを、NGNが商用化するまでのこの中期的な期間にきちんと描き直すことができれば、インターネットのポテンシャルをもっと引き出せるはずです。その意味でNGNが登場したのは良いきっかけだと思っています。NGNの特性を活かしてクローズドネットワーク上で展開されるサービスの中には、インターネット上でも同様のことが実現できるものも含まれていると思われますので、その点からも、インターネットが見直されるという展開は十分に考えられます。つまり、NGNの進展がインターネットの進化の原動力にもなりえると捉えられますので、きちんとしたルールを描いておく必要があると思います。

前村 「インターネットのanyone-to-anyoneが自由に通信できるプラットフォームがやっぱり必要だよね」というところに回帰していくのかもしれませんね。インターネットは、anyoneとanyoneの通信だからこそスパムといったさまざまな問題が出てきますし、グローバルだからグローバルコーディネーションが必要になってきます。こうした難儀な問題に皆が真摯に取り組むのは、インターネットの本質に魅力があるからだと思います。また、セキュリティや著作権といった問題はNGNのようなクローズドネットワークでは起こりにくいとは思いますが、インターネットの世界でこうした問題に取り組む中で磨かれる良い技術を、NGNで取り入れることができるかもしれません。そうなりますと、それぞれの特性を活かしつつ二つのネットワークが共存していくという方向性は、なるべくしてなるという気がしますね。商用インターネット提供開始以来、ISPという言葉はユーザーにインターネットアクセスのサービスを提供する事業者に対して使われていましたが、NGNのインターフェース仕様では、ISPという言葉はより(サーバ上で構築されるような) サービスを提供する事業者という意味合いで使われていることに気づきました。

佐久間 BIGLOBEは、これまで接続サービスを中心に事業を展開してきたわけですが、これからは、本当の意味でのインターネットサービスをトータルに展開していくために、いろいろなチャレンジをしていきたいと思っています。

前村昌紀 近影
JPNIC IP分野担当理事 前村昌紀

JPNICに期待すること

成田 最後に、貴社がインターネットに取り組んでいくにあたって、JPNICに期待する役割についてお聞かせいただけますでしょうか?

佐久間 国民全体の財産であり、共有の社会基盤とも言えるインターネットを健全な形で維持・拡大させていくためには、信頼される機関によるIPアドレスの管理やIPv6利用に関わる諸課題への対応やルールの策定を行い、公正な運用・管理を行っていくことが、極めて重要であると認識しています。 特にこれからIPv6が普及していく中で、世界の資産であるIPアドレスの問題に対しては、正しい理解に立って、公平中立なマインドで行動できる人が、その普及に参画すべきだと考えます。もちろん、あくまで自由競争の中でオープンに行われることが前提ではありますが、きちんとしたマネージメントができないと、大きな混乱やインターネットの健全な成長にとって阻害要因になるものと思います。

前村 しばらく前までは、IPv6ではアドレス空間に余裕があるから、とにかく節約より単純化を優先するべきだといわれていましたが、9月のAPNICオープンポリシーミーティングでは、IPv6でも節約に配慮するべきだという考え方が大勢を占めていたと思います。つまり、IPv4も設計された25年前には想像も付かない使われ方をされIPv4アドレスが枯渇を迎えようとしているということは、IPv6でも同じことがおきかねない、ということです。

成田 IPアドレスの問題も、まさにガバナンスなんですよね。

佐久間 まだまだインターネットガバナンスを切実な問題として認識している人は少ないんですよね。

前村 そういう意味では、JPNICに一つできることは、IPアドレスがグローバルなルールによって管理・運用されていることの重要性の啓発活動をしっかり行っていくことなのだと思います。

成田 JPNICは、JNICの時代からルールを決めるというのは皆で決めてきましたが、今後も社団法人として、会員のみなさんにイニシアティブをとっていただき、インターネットの健全な発展に寄与していけるよう努めていきたいと思います。

前村 今回いただいたメッセージを参考にさせていただきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

JPNICに期待すること

国民全体の財産であり、共有の社会基盤とも言えるインターネットを健全な形で維持・拡大させていくためには、信頼される機関が、IP化に対応したIPアドレスの付与・管理並びに、IPv6利用に関わる諸課題への対応や、そのためのルール策定を行い、公正な運用・管理を行っていくことが、極めて重要なことであると認識しています。

これらの対応は、国としてのインターネット資源管理を含む「インターネットガバナンス」へ対応問題であるとも捉えられ、我が国においては、JPNICが、まさにその重要な役割を担う主要組織・機関でありますので、これからもインターネットの健全な発展に向け、益々の活動を心より期待するものです。

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