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ニュースレターNo.34/2006年11月発行

第16回ICANN報告会レポート

2006年7月19日(水)、九段会館(東京都千代田区)にて、JPNICと財団法人インターネット協会の共催で第16回ICANN報告会を開催しました。以下に、報告会の内容を項目別にご紹介します。

ICANNマラケシュ会議概要報告
ドメイン名マーケットプレイスに関する議論について

JPNICの穂坂俊之より、ICANNマラケシュ会議(2006年6月25日~30日)の概要報告を行いました。会議スケジュールと本会議でのトピックをご紹介した後、主な理事会決議の内容(ICANN2006年度予算案承認の件、理事の交代、新gTLD創設プロセスの促進に関する決議)とドメイン名マーケットプレイスに関する議論についてご報告いたしました。

ドメイン名マーケットプレイスに関する議論と主な理事会決議の内容は、下記にてご参照いただけます。

JPNIC News & Views vol.368【臨時号】2006.7.10
ICANNマラケシュ会議報告
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2006/vol368.html

IDNに関する動向

マラケシュ会議では、多くの会議でIDN(Internationalized Domain Name:国際化ドメイン名)に関連する議論がありました。そこで、株式会社日本レジストリサービス(JPRS)の堀田博文氏より、IETFでの議論も交え、IDNに関する動向のご説明がありました。

IDNの標準化は、日本を含むアジアのccTLDレジストリが推進的役割を担う形で1990年代末にはじまり、2003年3月に基本プロトコルがRFCとして発行されると、IDNが世界中で正式サービス化されました。2005年頃からは、多くのTLDでIDNサービスが急激に進展する興味深い動きが見られます。これは、日常生活でASCII文字を使うことがない国や地域からの、IDN TLDに対する要求の高まりが関係しています。

IDN TLDはルートDNSへのIDN登録であり、技術面、サービスポリシー面でグローバルな調整が必要になります。そこで、最近ではポリシー調整の動きのほか、2006年7月にはDNSにNSレコードを追加する技術実験が開始され、DNAMEを用いた実装方法について机上検討が行われています。

しかしながら、IDN TLDレジストリの選定基準やICANNとの契約条件との関係などのポリシー検討が残されており、オルタネート・ルートの懸念なども残るため、今後の動向が注目されるとの報告がありました。

ccTLDの動向

引き続き、JPRSの堀田博文氏より、マラケシュでの国コードドメイン名支持組織(ccNSO)会合で話し合われた議題について報告がありました。

トピックとして、アフリカのccTLD連合組織(AFTLD)が発足し五つの地域連合となったこと、各ccTLDがICANNに資金拠出する際の参考となるパターンを検討する予算ワーキンググループの活動、IANAの業務処理向上に貢献するIANA WGの活動などが報告されました。

また、ICANN付属定款のccNSO関連部分が改訂され、ccNSO加盟の意義が分かりやすくなったことで、加盟して内からICANNを良くしようという傾向が加速され、議論の発展が見られる点が最近の傾向として伝えられました。

再びWHOISについて ーgTLDの最近の話題からー

GNSOでは、ドメイン名マーケットプレイスに関する議論と並んで、前回のウェリントン会議に引き続きWHOISの議論がトピックとなりました。そこで、JPNIC理事の丸山直昌より、「再びWHOISについてーgTLDの最近の話題からー」と題し、前回報告した内容についてアップデートを行いました。

2006年4月以降の動きとして、まずWHOIS TFが最終報告書※1で二つの定式(Formulation)を示しました。これを受けてGNSOは、投票により「WHOISの目的としてFormulation1(DNSデータの設定にかかわる問題を解決できる人(団体)に連絡を取るために十分な情報を集める)を選択する」ことを決めました。この選択は、今後WHOIS TFが活動していく上での指針と捉える旨も伝えられています。

しかしながら、Formulation1ではドメイン名登録が引き起こす社会的・法的問題を解決する際に解決できる人(団体)に連絡を取るための十分な情報が取得できなくなるのではという懸念がGACから示され、GNSO評議会の場でも議論が振り出しに戻りました。

結果として、Formulation1の定義に賛成した評議員はその理由とFormulation1をどう理解しているか説明する、ICANNスタッフは各国政府やコミュニティによりどのような解釈が表明されているか要約する、などが宿題事項となりました。

マラケシュ会議でも、WHOISの目的に関する議論が一筋縄では行かないことを再認識させられ、そうであるからこそ、GNSOひいてはICANNの存在意義が問われる問題であると言える、とのコメントがありました。

報告会の様子
JPNICの穂坂よりマラケシュ会議の全体報告が行われました。

ICANN政府諮問委員会(GAC)報告

総務省の糸将之氏より、政府諮問委員会(GAC)に関する報告がありました。ご報告いただいた内容のうち、次の3点をお伝えします。

まず、WHOISの目的についてGAC - GNSOのjoint sessionを開催し、前述の報告にもある通りGNSOは2案のうちFormulation1の定義で合意し、年末に向け引き続き検討していく旨GNSOより説明があったことが報告されました。

なお、2案いずれにも懸念が示され、WHOISの有用性とプライバシー保護のバランスを考慮し、次回会議に向けて議論が進められることとなり、次回会議でGACの見解が作成される予定とのことです。

二つ目は、日本政府代表の議事のもとIPv6の問題を検討するWGが開催され、ICANN/IANAからRIRへのIPv6アドレス割り振り方針承認作業の進捗を含めIPv6に関するNRO/ASOの活動が報告されたことが伝えられました。途上国側からは、先進国に有利な割り振りであるのではとの懸念が示されたものの、その点に配慮した割り振りとする旨が回答されたとのことです。

三つ目は、2006年9月末に期限を迎えたICANNと米国商務省とのMoUに関するGAC内の議論についてです。ICANNによりインターネットが長期的に安定運用されてきたことを評価し、各関係諸機関との連携を継続していくべきである、という意見が多かったようですが、米国の関与については様々な意見があるようです。

インターネット資源管理について、各国が平等にかかわることが重要であるとのブラジルの意見や、途上国からの参加が重要とのシンガポールの意見があったことも伝えられました。

ICANN At-Large諮問委員会(ALAC)報告

財団法人ハイパーネットワーク社会研究所副所長の会津泉氏より、At-Large諮問委員会(ALAC)の活動内容が報告されました。

ALACのミッションであるRALO(Regional At-Large Organization : 地域別At-Large組織)形成への取り組みについては、APRALOやEURALO形成への進展が見られ、他の地域でもRALO準備会議が行われているなどの進捗が報告されました。

ICANNと米国商務省とのMoUに関するNTIA(National Telecommunications and Information Administration : 電気通信情報局)のコメント募集に対しては、マルチステークホルダーの枠組みを強化し、エンドユーザーがより積極的に関与できる、真のマルチステークホルダーの枠組みを実現できるように要求するなどのコメントを、ALACとして伝えたことが報告されました。

ALAC内では、ALACの機能が強化されてきていると感じ取れるのもの、より効果的な機能を発揮するためには、ICANNとのかかわり方や諮問委員会という形そのものの見直しが課題として考えられているそうです。また、WHOISやIDNなどのポリシー議論にも取り組んでいますが、ALACの15名がエンドユーザーの意見を反映しきれているのか、といった問いかけもあり、ユーザー調査の実施が提案されているとのことです。日本におけるALACへの関心や期待についても興味があることが伝えられました。

ICANN理事からの報告

株式会社ネオテニー代表取締役社長の伊藤穰一氏より、Webページ上の理事会決議の内容(http://www.icann.org/minutes/resolutions-30jun06.htm)に沿ってコメントがありましたので、いくつかのトピックについてお伝えします。

- Progress on ICANN Board/GAC Joint Working Group
ICANNと米国商務省とのMoUが間もなく期限を迎えるにあたり、MoUに対してはICANN理事会内でも米国政府内でも様々な意見があるようです。そのような状況下で、今後は特にICANN理事会とGACとの関係が重要になると考えられ、理事会としても注目するワーキンググループであることが伝えられました。
- Board Resolution Regarding New gTLD Process
先般のVeriSignとの.com契約についてはコミュニティよりネガティブな反応が多数寄せられたため、gTLDを増やし競争原理を働かせることに積極的であると意思表示したい、理事会の意向が込められた決議と言えるそうです。
- Board Resolution Regarding WHOIS Policy Process
理事会内でも意見が二分しているが、いずれにしても理事会としてのプレゼンスが求められる場はないので、理事メンバーであっても個人で議論に参加している状況にあるとのことです。
- NomCom Chair Appointment
NomCom ChairにEugenio Triana氏が選出されたことに関連してNomComの活動についても触れ、後任の理事長選出が大きな課題となっていることが伝えられました。
- SSAC Reports on Domain Renewal Considerations
ドメイン名登録に関する問題(ドメイン名テイスティングなど)が顕在化する昨今の事情を反映して、マラケシュ会議期間中にはドメイン名マーケットプレイスワークショップが開催され、レジストリとレジストラでそれら課題を解決していこうという風潮であることが伝えられました。

続いて、理事会決議以外の項目として、ICANNと米国商務省とのMoUについて触れられ、9月が期限でありながら今回の会議で議論されなかったことは不思議であり、またこの件についてICANNスタッフから理事会への情報伝達も少ないとの状況をお知らせいただきました。

今回の会議は、全体的に穏やかな雰囲気で議事が進んだ印象がありますが、トピックスの内容は今後の動向が気になるものが多くあります。次回会議(12月2日~8日、ブラジル サンパウロ)でも、それぞれの進展を注目したいと思います。

(JPNIC インターネット推進部 高山由香利)


※1 Final task force report on the purpose of Whois and of the Whois contacts (15 March 2006)
http://gnso.icann.org/issues/whois-privacy/tf-report-15mar06.htm

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