メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索

ニュースレターNo.38/2008年3月発行

第55回RIPEミーティング報告

第55回RIPEミーティングが、2007年10月22日(月)から26日(金)まで、オランダのアムステルダムで開催されました。参加者は世界40ヶ国から375人と報告されており、会場は椅子の空きを探すことが難しいほどの盛況でした。

以下に、今回の会議で議論されたIPアドレスポリシー関連事項を報告いたします。

写真:会場の様子
会場の様子

IPv4アドレス在庫枯渇に関するETNOの姿勢表明

2007年10月23日に行われたIPv4在庫枯渇関連セッションでは、ヨーロッパの電気通信ネットワークオペレーターの団体であるETNO(European Telecommunications Network Operators' Association)から、IPv4アドレス在庫枯渇に関する姿勢表明が紹介されました※1。内容は以下の通りです。

  1. この問題は既存のIPアドレスコミュニティで対処すべき事項であり、政府や規制当局が介入すべきものではない。
  2. IPアドレスの割り振りは、これまで必要に応じて、必要なだけ行ってきており、今後もそのやり方を続けるべきである。
  3. IPアドレスの取り引きは、公平と節約の原則に反する行為であり、これを許すべきではない。
  4. IPアドレスポリシーの策定は、既に確立されているプロセスを使って進めるべきである。
  5. 歴史的(Legacy)IPアドレスの回収努力は、これまで通り進めるべきである。

会場からはこの姿勢表明に対し、「つまりは枯渇するに任せて何もしないという姿勢表明に見える」というコメントがありましたが、このコメントに対しては「何もしないということではなく、あまり特別なことはすべきでないということである。また、現在行われている枯渇に関するポリシー議論は継続すべきである」との回答がなされています。

RIPEによるIPv4アドレス在庫枯渇に関する声明

上記の姿勢表明とは別に、RIPEとしての声明文の検討が、アドレスポリシーWGとIPv6 WGのセッションで行われ、最終日に声明が発表されています※2。内容は以下の通りです。

  1. IPv4アドレスの在庫はここ2年ないし4年で枯渇する可能性が高く、将来の成長に十分なアドレス量を提供できるのはIPv6である。従って我々は、IPv6の広範な採用を奨励する。
  2. 既存のIPアドレスポリシー策定プロセスは、今までもコミュニティのニーズを満たしてきており、これからも満たし続けることを我々は確信している。
  3. サービスプロバイダは、自身の提供するサービスをIPv6で利用できるようにするよう、我々は勧告する。また、非常に多くのアドレスをこれから必要とする者はIPv6を採用すべきである。
  4. 政府は、全ての市民が将来の情報社会に参加できるよう、独自の役割を果たすべきである。

IPアドレスポリシー関連セッション

今回のミーティングで議論された、IPアドレスポリシー提案の概要と結果を、以下にご紹介いたします。

(1)IANAからRIRへのIPv4アドレスの最終割り振りに関するポリシー

IANAにおける/8の在庫がある個数(n×5個)まで減った時点で、在庫残のIPv4アドレスを各RIRに同じ量(n)ずつ、全て割り振りきってしまい、IANAからRIRへのIPv4アドレスの割り振りを終了するという提案で、他RIRへ提出されているものと同一です。

今回のミーティングにはこの個数を前提に、下記2通りの案が提示されました。

  • IANAの/8の在庫が10になった時点で、5RIRに二つずつ/8を割り振る。(n=2)
  • IANAの/8の在庫が5になった時点で、5RIRに一つずつ/8を割り振る。(n=1)

議論では、IANAからRIRへの最終割り振りに関するポリシーの必要性について賛否両論がありましたが、最後にRIRが受け取るべき/8の個数が1(n=1)であるならば賛成できるという意見もあったため、n=1を前提としてポリシー提案文書を書き直し、メーリングリスト上で継続議論する、という結論になりました。

(2)IPv6アドレスポリシーの再構築提案

既存のIPv6アドレスポリシーについて複数箇所を修正し、現在のポリシーをより単純化することによって、割り振りを受けられる組織の対象を大きく広げる提案です。具体的な修正提案箇所は以下の通りです。

  • /32の最小割り振りサイズの制限を撤廃し、HD-ratioをベースに必要に応じたサイズの割り振りを行う。
  • エンドサイトは割り振りを受けられないという制限を撤廃し、ある程度のネットワーク規模があれば全て割り振りを受けられるようにする。

会場からは、ここまで割り振り対象を広げることはルーティングテーブルの観点から賛成できないという意見や、今この提案が果たして必要なのか疑問だといった意見があり、総じて否定的見解が多い状況でしたが、メーリングリスト上で継続議論することとなりました。

写真:ターミナルルーム
ターミナルルームの様子

(3)プロバイダ非依存アドレスに関する議論

RIPE NCCでは、プロバイダ非依存アドレス(PIアドレス)の割り当てを受けるのにマルチホームする必要が必ずしも無いこと、また、エンドユーザーとRIPE NCCが直接の契約関係を持つ必要が無く、接続LIRを通じた簡易な申請ができることなどから、PIアドレスの割り当て量が非常に多くなっています。

上記の事情から、現在PIアドレスの割り当てを受けているエンドユーザーとRIPE NCCとの間には直接の契約関係が無く、PIアドレスの割り当て先を正確に把握することが難しいという大きな問題があります。

これを解決する手段として、PIアドレス割り当てに際してはエンドユーザーとRIPE NCCとの間で契約を締結し、直接課金を行うこと、使われていないPIアドレスは回収することを契約に明記することなどの提案がなされています。

会場ではこの提案に対して賛成意見が強く、今後さらにメーリングリスト上で詳細について議論することとなりました。

次回のRIPEミーティングは、2008年5月5日から5月9日まで、ドイツのケルンで開催される予定でしたが、ベルリンに変更となっています。

(JPNIC IP事業部 穂坂俊之)


※1 ETNO: IPv4 Exhaustion
http://www.ripe.net/ripe/meetings/ripe-55/presentations/mcfadden-etno.pdf
※2 RIPE Community Resolution on IPv4 Depletion and Deployment of IPv6
http://www.ripe.net/news/community-statement.html

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

このフォームをご利用した場合、ご連絡先の記入がないと、 回答を差し上げられません。 回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2020 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.