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ニュースレターNo.38/2008年3月発行

各ワークショップの概要

以下、筆者が出席したワークショップの様子をいくつか簡単にご報告いたします。

Workshop-Qualifying, Quantifying, and Meeting the Challenge of Internet Access Costs

[概要]

途上国におけるインターネットアクセスコストの低減化に向けて、何ができるかをテーマに、世界各国におけるブロードバンドの発展状況、政策を共有するワークショップでした。日本の関係者としては、モデレータを富士通株式会社の加藤幹之氏が務め、パネリストの1人として総務省の森清審議官が登壇し、日本のケースを紹介していました。出席者は80名程度でした。

会場からは、e-Japan政策実行時の政府からの援助資金と、民間からの投資資金との割合を問う質問がありました。その質問に対し、日本の場合はほとんどが民間の投資資金であり、必ずしも援助資金を出さずとも、政策を明確に発表することによって投資を促し、アクセスコストを低減化させる方向へ導くことは可能ではないかとの回答がなされていました。

また、前日のCritical Internet Resourcesのセッションで出たIPv4からIPv6への移行問題を取り上げ、途上国としてはIPv6への移行が問題ではなく、インターネットへのアクセス自体がないことが問題であり、先進国のユーザーがわずかずつでも資金供出することが必要ではないかという会場からの発言もありました。

ワークショップの結論として、アクセスコストを低減させる要素としては、政府の政策立案、国際協力、民間の努力、およびその組み合わせがあるという共通認識を確認し、終了となりました。

写真:ワークショップの様子
JPNICが共催団体の一つとなって、“IPv4 to IPv6: Challenges and Opportunities”と題したワークショップが開催されました

Workshop-Functioning of the Domain Name System

[概要]

出席者は150名程度で、会場は満員となりました。DNSがどのように機能しているかを説明するワークショップで、CENTR、IANA、APTLD、英国政府、ISOCからのパネリストが、それぞれ現状のDNS管理状況について説明を行いました。説明の中では、英国政府の担当者が、以下の発言を行ったことが注目されました。

  • DNSは現在、実際の商取引に欠かせないものだと認識しており、それゆえに現在よりもプロフェッショナルな管理のプロセスが必要である。
  • DNSシステム自体の強固さは、IANAの改善によって良い方向に進みつつある。また、システムへの利害関係者の関与は、GACやCCNSOという枠組みによって、これも良い方向に進みつつある。
  • 米国政府がルートサーバの管理に関与していることについて、脅威と見る見方があることは知っているが、同時にセーフガードという見方もできる。IANAが適正な手続きに基づいてルートサーバの管理を行っていることを、保証しているという考え方もできるのではないか。

会場からは、ルートサーバ運用者同士の連絡はどのように取っているのかといった質問や、ccTLD運用者の再委任(Re-delegation)の手続き等に関する質問がありました。

モデレータのまとめとして、ccTLDとIANAの関係は改善され、ICANNとの正式関係構築のプロセスが進みつつあること、IANAでの手続き自動化が進み、その速度も上がっていること、ccTLDはDNS全体の名前空間において重要な位置を占めるがゆえに、国家主権(sovereignty)との関係にも留意する必要があることを指摘して、終了となりました。

写真:Vint Cerf氏
ワークショップで発言するVint Cerf氏

Workshop-Governance Frameworks for Critical Internet Resources

[概要]

会場は満員で100人程度の参加がありました。ISOC、London Metropolitan Business School、他NGOのパネリストから、現状のインターネットガバナンスに対する意見表明を行い、ガバナンスのあり方を議論するワークショップでした。パネリストの発言では、現在のICANNが抱える課題を指摘する意見が続出しました。主な意見は以下の通りです。

  • ICANNはDNSの究極的管理者であり、政治的監視(political oversight)が必要であることは明確である。また、理論的にはccTLDのルートゾーン変更や再委任(Re-delegation)を否定することさえできる。このことをどう整理するのかが課題である(Fernando Barrio氏、London Metropolitan Business School教授)。
  • いろいろな意味でセキュリティは重要である。重要であることに関してはより多くの人を巻き込んだガバナンスが必要であり、現状それが十分だとは思えない(Gurumurthy Kasinathan氏、インターネットガバナンスを考えるためのインドのNGO“ITfor Change”の創立者)。
  • 米国も含め、いかなる国もインターネットのガバナンスに関し、拒否権(veto)を持ってはならない(Carlos Afonso氏、ブラジルのNGOである、ブラジルインターネット運営委員会のメンバー)。

この後表明された意見について議論が行われた後、モデレータがパネリストに対し、「ICANNには問題があるものの、ICANNの存在を否定するものではないという理解で良いか」という問いかけを行ったところ、全パネリストが同意し、今ある枠組みをどう改良していくかを検討すべきとであるいう結論となり、ワークショップは終了しました。

写真:ワークショップの様子
ワークショップには大勢の参加者が集まり、 活発な議論が行われました

Workshop - The Root Server System

[概要]

ルートサーバの仕組み、運用状況をテーマにしたワークショップでした。ワークショップの冒頭で、モデレータが「ここはチュートリアルセッションであり、ガバナンスを議論するところではない」と念押ししたのが印象的でした。出席者は80人程度でした。

まず、Afilias社の担当者から、hostファイル管理の時代からDNS誕生までの歴史を説明した後、ルートサーバの概要紹介があり、現在はエニーキャスト技術の導入により、実際のルートサーバ数が格段に増加していることについて、説明がありました。

この後、Iルート、Fルートの運用者、およびミラーサーバ運用者からの説明が続きました。特にケニア、メキシコ、バングラデシュのルートサーバ運用者から、自国にルートサーバのミラーがあるおかげで、名前解決の速度が速くなった、トラフィックが国内に閉じるようになり、海外インフラへの投資を抑制できたなどのメリットを享受しているという内容のプレゼンテーションが注目を集めていました。

参加者からは、ルートサーバのミラーを各国に置くという勧告をしてもいいのではないかというコメントも出ていました。

(JPNIC IP事業部 穂坂俊之)

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