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ニュースレターNo.4/1995年7月発行

1. 巻頭言 若者の「気軽な乗り」の精神に学ぼう English Page

国際理学ネットワーク運営委員会委員長
(東京大学理学系研究科物理学専攻)
釜江常好

明治時代初期に西洋から科学技術導入をした歴史を読むと、 この10年間のインターネット導入の歴史に似ていることに気がつく。 過去の先例はないし、新技術に明るい上司もほとんど居なかったため、 管理とか管掌と言った発想と無縁なまま、大学や研究所、 企業に浸透していった。 これら先駆者には、 将来大きく育つ技術であることが判っていたにも関わらず、 極端な金儲け主義に汚染されることもなく、裾野を広げて行った点も、 良く似ている。

明治時代も後半に入ると、科学技術は国家の役に立つことが判り、 鳴り物入りで宣伝されるようになる。 若者の「気軽な乗り」の精神は、 国や大学や大企業の「委員会」に取って代わられてしまう。 国家規模で統一して取り組まねばならない科学技術も数多くあるだろうが、 そうでない科学技術も同じ位多くある。 明治後期以降の日本の歴史が、 ある種の学問や技術の進展を難しくしてきたような気がする。

米国や欧州などの優れた大学は、 若者の「気軽な乗り」を奨励する雰囲気を持っている。 教授も、若者と一緒に新しい発想に乗り、 新しい科学技術の誕生や進展の推進役となっている。 大学の学長も学部長も、 「委員会」のリーダーシップを取ることよりも、 大学が新しい科学技術の源になることに喜びを感じている。 日本の大学は、名目予算額では、これらの大学を追い抜きつつある。 インターネットの進展を担ってきた若者の「気軽な乗り」の精神を持てば、 大学は、 日本的組織が得意としなかった科学技術の拠点となることができると思いたい。

旧来の学問、科学技術は、ネットワークにつながることで、 再生しようとしている。 大型ハードウェアーがなく分散型のこれらの技術は、 日本が不得意としてきたものの典型である。 いまこそ大学が、 これら新技術進展の中心となるべく名乗りをあげるべきではないか。 全ての学部が、全ての学科が、 情報ネットワークとは何らかの接点をもっており、 いろいろなプロジェクトが構想出来そうだ。 ぜひ老いも若きも、「気軽な乗り」で、 ネットワークの先に続く新しい発想を出し合おうではないか。

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