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ニュースレターNo.40/2008年11月発行

グリーンITとIPv4在庫枯渇

JPNIC理事/株式会社ユビテック 伊藤 公祐

JPNIC News Letterへの寄稿は今回初めてですが、実は2003年にJPNICメールマガジンの6月号に一度寄稿したことがありました。このとき何を書いたのか原稿ファイルを掘り起こしてみたところ、「インターネットと省エネ」でした。今年は洞爺湖サミットでグリーンITなど環境・省エネが最もホットなキーワードになり、また省エネ法も改正され、各企業におけるCO2排出量に関しても本格的な取り組みが活発化してきました。これも何かの巡り合わせなのかと思いながら、グリーンITを題材に取り上げてみました。

インターネットバブルと言われた1990年代後半、海外では急速なインターネットの普及によりデータセンターが増え、さらにそれらにおける電力消費量も急激に増加し、供給量が追いつかないという事態が起きていました。イギリスやニューヨークが停電でダウンした、というニュースもありましたし、日本でも大手町のあるデータセンターがダウンしたというのは記憶に新しいところです。これまでデータセンターの設計は、いかに効率よく一つのラックに多くのサーバを押し込めるかが、デザインのポイントだったと聞いています。また、サーバが暴走しないよう冷却する施設を設計する側も、安全を見て、ある意味必要以上に強力なエアコンを配置した設計にしており、省エネといった概念は、ラックデザイン側、施設設計側双方になかったと思います。

ところが最近の地球温暖化、環境というキーワードで、「グリーンIT」という言葉が生まれ、データセンターのデザインも変わろうとしています。グリーンITには二つの側面、すなわち、一つはIT機器類自体の省エネ、もう一つはITを駆使した設備制御による省エネがあります。データセンターで言えば、サーバもバーチャリゼーションによるデータ処理量に応じたCPU稼動が可能になったり、照明やエアコンも人感センサーによって、人がいる必要なときだけ照明をつけたり、温度分布に応じて冷やす領域を制御したりと、状況に応じたインテリジェント制御が可能になってきています。このようなグリーンIT技術はデータセンターに留まらず、オフィスビルや大学などの設備制御にも展開され始めています。

大学での活動の一つが、JPNIC副理事長でもある東京大学の江崎浩教授がリードされるグリーン東大工学部プロジェクトです。小職も参画し、ITによる設備制御環境を構築するべく各種検証を進めています。測定機器や制御機器との通信にはやはりIP通信が不可欠で、これは新たなIP通信のサービス領域として、今後発展していくと感じています。というのも、省エネは既に海外でも大きな課題ではあるものの、こうした日本でのグリーンIT活動のような事例は海外では少なく、情報共有が求められるほどだからです。

このグリーンITという領域では、計測ポイントと制御ポイントを施設内に数多く配置する必要があり、これまでにないマシンtoマシンネットワークが構築されることになります。全てのポイントでグローバルアドレスを必要としないかもしれませんが、リモート制御や施設間連携によるインテリジェント制御には、グローバルアドレスによるネットワーク構築が必要になるでしょう。そのため、今後各施設でのIPアドレス需要の高まりが予想されます。こうした状況を踏まえると、現在直面しているIPv4アドレス在庫枯渇時期におけるIPv4かIPv6かの選択は、その施設での設備ネットワークの継続性と発展性に大きく影響を与えることになると思います。

IPネットワークは今後も益々発展していくことになるはずです。IP通信の内容も設備データをやり取りする新たなサービスへと展開しています。一方、インターネット自体、発展に必要なIPv4グローバルアドレスの在庫が枯渇するという大きな変革の局面も迎えています。いかに発展を阻害せずにIPv6アドレスによりさらなるインターネットの発展を継続させるか。インターネットコミュニティ全体にかかるこのグローバルな課題に対し、JPNICが何かしらの道筋を示せたらと思う次第です。

※ JPNIC News&Views 2003年6月定期号
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2003/vol085.html

執筆者近影 プロフィール●伊藤公祐 (いとう こうすけ)
1993年スタンフォード大学工学部大学院航空宇宙工学修士課程修了。同年、キヤノン株式会社入社。2001年より慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員、IPv6普及・高度化推進協議会基本戦略ステアリンググループに参画。IPv6割り振り・割り当てポリシー策定に参画。2005年株式会社ユビテック入社。趣味:ゴルフ

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