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ニュースレターNo.42/2009年7月発行

第24回ICANN報告会レポート

2009年4月2日(木)、大手町サンケイプラザ(東京都千代田区)にて、JPNICと財団法人インターネット協会(IAjapan)の共催で、第24回ICANN報告会を開催しました。今回は6名の講演者を迎え、盛りだくさんの内容となりました。以下に、その模様をご紹介します。

ICANNメキシコシティ会議概要報告

はじめに、株式会社日本レジストリサービスの大橋由美氏より、ICANNメキシコシティ会議(2009年3月1日~6日)の概要をご報告いただきました。

メキシコシティ会議には100以上の国や地域から1,219名の参加があり、平均的な規模での開催となりました。会期中はさまざまなセッションが並行して行われ、Joint SO/AC meeting、At-LargeSummitの二つが初の試みとして開催されたことが報告されました。

続いて、特に注目を集めていた、「IDN ccTLD Fast Track」、「新gTLD」、「レジストラ認定契約」の三つのトピックスについて、本会議でのICANN理事会決議と今後の予定をご紹介いただきました。

IDN ccTLD Fast Trackについては、2009年10月の年次会合より前に実装計画の最終案を提出するよう、ICANN理事会から実装計画作成関係者に要請がありました。2009年10月の理事会での採択を視野に入れた動きであるとのことです。

新gTLD関連では、商標保護の方策について検討するための「実装勧告チーム」が組織され、その「実装勧告チーム」へ2009年4月24日までに報告書案を提出することがICANN理事会より指示されました。実装勧告チーム最終報告書は2009年5月24日までに提出され、こちらは公開予定とのことです。

また、ICANN理事会からICANN事務局に対して、以下の指示がありました。

  • 地理的名称の保護範囲について、具体策を検討した上でのgTLD Application Guidebook(以下、「ガイドブック」とする)への反映
  • 地理的名称の保護に関して、実装上生じる課題の洗い出し

レジストラ認定契約(RAA)について、ICANN理事会はGNSOから提案されたレジストラ認定契約の改定内容を支持し、2009年3月6日から30日間パブリックコメントの募集が行われました。続いて、2009年7月31日までに、GNSOにおいてRegistrants RightsCharterの作成やRAAのさらなる改定点の洗い出しといった作業が予定されているそうです。

次回以降のICANN会議は、2009年6月21日よりオーストラリア、シドニーにて、2009年10月25日より韓国、ソウルにて、2010年2月7日からアフリカ地域にて開催される予定とのことです。

新gTLD導入に向けて

JPNIC理事の丸山直昌からは、新gTLD導入に向けた進捗、現時点での課題等について報告がありました。

前回カイロ会議時のアナウンスでは、ガイドブックドラフト第2版※1の次は最終版となる予定でしたが、2009年第3四半期にあらためてガイドブックドラフト第3版が出されることとなり、それに伴い、申請受け付け開始に約3ヶ月の遅れが生じる見込みとなりました。そして、依然として残る課題も多いことから、ポリシー実装に向けて前進しているのか後退しているのかよく分からない、との感想が述べられました。

そして、残る課題のうちガイドブックにも反映すべき重要なものとして、以下3点を取り上げて紹介がありました。

  1. 商標権保護
  2. 既存の権利(Existing Right)に関する議論
  3. Single Enterprise/Corporate TLD(一個人や一企業によるTLDの占有)
JPNIC丸山写真
JPNICの丸山から、 新gTLD導入に関する進捗や課題についてご報告しました。

1.の商標権保護については、トップレベルの文字列に関する商標権侵害問題の他、第2レベルでの商標権保護についても、gTLDの数が多くなると商標権者が各レジストリに優先権を登録する仕組みでは出費が莫大になり大変であるといった意見があるとのことで、先述の実装勧告チームにて、これらの懸念に関する検討がなされる予定とのことです。

2.の既存の権利に関する議論としては、「.bank」をめぐって銀行協会などしかるべき団体に与えられるべきではないかという議論に関して、ICANN事務局では、

  • 特定の業界に限らずopen TLDとすべきである
  • 銀行以外が銀行を名乗ってはいけない国も存在することなどから、銀行業界等には法律上の既存の権利があると考えられる

という二つの見解があることが丸山から紹介されました。

3.の一個人や一企業によるTLDの占有については、コメント期間中にもさまざまな意見があり、認めるか否かまだ結論は示されていないものの、明示的に決定すべき課題として認知され、不明確なまま進むことはなくなったという状況が報告されました。

ccTLDレジストリから見たIDN ccTLDと新gTLD

株式会社日本レジストリサービスの堀田博文氏からは、「ccTLDレジストリから見たIDN ccTLDと新gTLD」と題してお話しいただきました。

はじめに、IDN ccTLDの導入スケジュールについても3ヶ月程度遅れ、2009年12月に募集が始まり、早くて来年初めに新設される見通しが伝えられました。ただし、新gTLD導入はさらなる遅れの可能性もあるのに対し、IDN ccTLDは新gTLDに引きずられてこれ以上遅れることは避けたい様子であるとのことです。

新gTLD、IDN ccTLDに関するさまざまな課題が検討される中、特にccTLDレジストリや国の立場から見て重要と考えられてい るのは、新gTLDに関する検討課題のうち、商標・地理的名称の保護および消費者の混乱への対応であるとのことです。TLDについては、一旦登録された後にUDRPで取り返すのは非常に難しいと思われることからも、事前に保護の対策が講じられるべきであるとの見解が示されました。

また、地理的名称TLDに関するccNSO内の議論として、ISO3166-1に対応する国名/地域名は、どんな言語であっても国名/地域名を意味する文字列であればccTLDとして扱われるべきであることや、都市名等はgTLD申請者が地域名であるとの意図を持つ場合には、その地域(都市等)の承認/無反対の表明を必要とするべきといったコメントを提出予定であることについて紹介がありました。

株式会社日本レジストリサービスの堀田氏写真
株式会社日本レジストリサービスの堀田氏からは、 ccTLDレジストリの立場から見た、 IDN ccTLDと新gTLDの関わりについてお話しいただきました。

ICANNアドレス支持組織(ASO)報告

NTT情報流通プラットフォーム研究所/ポリシーワーキンググループの藤崎智宏氏からは、ICANNアドレス支持組織(ASO)の活動についてお話しいただきました。

ASOのミーティングは毎月1回の電話会議が行われている他、RIRのミーティングに合わせて最低年1回のオンサイトミーティングが行われており、毎回ICANN会議に合わせてオンサイトミーティングが開催されるわけではないとのことですが、ICANNメキシコシティ会議中にはASO関連の二つのトピックスがあったことをご紹介いただきました。

一つ目は、ASOが勧告したグローバルIPアドレスポリシーが、ICANN理事会で正式に承認されたことです。これにより、IANAのIPv4アドレス在庫が/8×五つとなった時点で、各RIRに/8を一つずつ配布することが決定されました。

また、回収したIPv4アドレスをIANAプールに戻すこと、および在庫枯渇後の再割り振り手順について、現在、提案が五つのRIRによってされており、この内容についての説明が、GAC会合にてASOメンバーからなされたそうです。

IPv4アドレスの在庫枯渇、IPv6アドレスの導入については、今後もICANNでの議論が予想されるとの見通しが語られて、藤崎氏の報告は締めくくられました。

ICANN政府諮問委員会(GAC)報告

総務省の柳島智氏より、政府諮問委員会(GAC)で議論されている主要議題についてお話しいただきました。
IDN ccTLD、新gTLDについては、GACから理事会に対する助言事項をご紹介いただきました。中には、状況の異なる各国の状況を考慮したGACならではの助言事項も多く見受けられます。

例えば、柳島氏からは、

  • ICANNとIDN ccTLD運営事業者との契約については、ドメイン名の安全・安定的運用のためにDoR(Documentation of Responsibility)を取り交わすことが奨励されるが、あくまでも任意であること
  • 多くの国がIDN ccTLDの導入準備を進めていることを鑑み、2009年10月のICANN会議の理事会で導入が決定されるべきであること
  • 新gTLD導入に関して、少数民族や発展途上国のように18万5,000ドルを負担してドメイン名登録を行うことが難しい申請者を考慮して、非営利目的のための社会・文化的TLDというカテゴリーを設けること

などといったGACからの助言事項が紹介されました。

また、ICANNと米国政府が結んでいる共同プロジェクト合意(JPA)について、2009年9月に期限を迎えた後にICANNが取り組むべき事項に関して、2009年2月に出された実行計画案についての意見交換が、本会議のGACにおけるトピックの一つとなりました。実行計画案は概ね好意的に受け止められたようですが、検討時間が不十分であったことから意見提出は見送られることになり、次回シドニー会議でGACとしての見解を示す予定とのことです。

At-Large Summit報告

財団法人ハイパーネットワーク社会研究所の会津泉氏より、今回初めて開催されたAt-Large Summitについて報告がありました。

At-Large Summitは、2月28日から3月5日にわたって、全世界112ALS(At-Large組織:At-Large Structure)中88ALS、92名という多くの参加者を迎えて開催されました。参加者は五つのワーキンググループに分かれてテーマ別に議論を行い、26ページにも及ぶドキュメントを作成されたとのことです。議論されたテーマは以下の五つです。

  • At-Large Engagement in ICANN
  • The Future Structure & Governance of ICANN
  • New gTLDs & IDNs
  • Transparency & Accountability
  • DNS Security issures within ICANN's Mandate

組織としては、2008年にRALO(RegionalAt-Large Organization)が成立して正式な組織となりましたが、今回はその活動を通してICANNでのAt-Largeの認知がより確立したと言えるだろうとの認識が示されました。

会津氏は、At-Largeの真価が問われるのはこれからだと考えています。そして、日本でのインターネットガバナンスについて、

  • 日本でICANN会議の報告をするだけでなく、日本からICANNへのインプットも行うべきではないか
  • 従来「インターネットコミュニティ」と称されていた狭い範囲の関係者だけの関与ではもはや不十分であり、利用者(企業・個人) の意見が重要であること
  • 日本でうまく進められている活動についてもっと他のアジア諸国と協調するべきであること

などといった、さまざまな問題意識を示されました。


本報告会の発表資料および動画は、JPNIC Webサイトでも公開しております。ぜひこちらもご覧ください。

http://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/20090402-ICANN/

(JPNIC インターネット推進部 佐藤香奈枝)


※1 Draft Applicant Guidebook, Version 2
http://www.icann.org/en/topics/new-gtlds/draft-rfp-clean-18feb09-en.pdf

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