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ニュースレターNo.42/2009年7月発行

ICANNメキシコシティ会議報告
新gTLDの導入をめぐる話題を中心に

地図:開催地

2009年3月1日から6日まで、メキシコの首都メキシコシティにてICANN会議が開催されました。2008年11月末に発行したJPNIC News & Views vol.597※1では、前回のカイロ会議における、新gTLDの導入に関する議論の状況をお伝えしました。本稿では、その後のアップデートをお伝えします。

ガイドブックドラフト第2版の公開

2008年10月23日に、カイロ会議での議論に向けて、新gTLD導入に関するドラフト版RFPとなる「Draft Applicant Guidebook(以下、ガイドブックドラフト版)※2」がICANNより公開されたことは、前述のメールマガジンにてご報告しました。その後のカイロ会議での議論や、2008年12月15日まで行われた意見募集に寄せられたコメント等を反映させた修正版として、2009年2月18日には、「Draft Applicant Guidebook, Version 2(以下、ガイドブックドラフト第2版)※3」が公開されました。

ガイドブックドラフト第2版では、申請料金を返金する条件の追記、申請文字列を地理的名称とする場合の要件の明確化、申請されたgTLD文字列がIDN ccTLD Fast Trackで申請された文字列と類似している場合の取り扱いの明確化、レジストリ契約案に記されるICANNへの手数料(Registry-Level Fee)等の修正、といった内容が主な変更点となります。

なお、この時点までに寄せられたコメントの内容は、ガイドブックドラフト第2版と同時に公開された「New gTLD Draft Applicant Guidebook: Analysis of Public Comment※4」にて確認できる通り、ガイドブックドラフト版の内容へのコメントのみならず、新gTLDの導入に関わる重要な問題についてのコメントも含まれていました。ICANNスタッフがコメントの内容を検討した結果、

  • 商標保護
  • ルートゾーンの処理能力に関連する安全性や安定性の問題
  • 新gTLD導入に伴い、フィッシングやなりすまし等の悪質行為が増加する可能性
  • 新gTLDが要求されていることの証明と市場への影響に関する分析

といった点については、新gTLD導入前にさらに検討、研究、協議等が必要であると判断しました。そこで、それらの問題についてもガイドブックに反映するために、2009年第3四半期にあらためてガイドブックドラフト第3版を出すこと、またそれに伴い、2009年12月よりも前に申請受け付けを開始する見込みはないことが、ICANNのアナウンスメント※5にて告知されました。

メキシコシティ会議での反応

カイロ会議と同様に、メキシコシティ会議においても、ガイドブックドラフト第2版に基づき、新gTLDの導入について多くの議論が行われました。

ガイドブックドラフト第2版における変更点の概要説明や質疑応答が行われた「New gTLD 2nd Applicant Guidebook Q&A」というセッションにおいて、今後のスケジュールについて質問があった際、ガイドブック最終版を2009年10月に公開し、4ヶ月の公示期間を設定するために公示期間の開始を2009年8月とすれば、申請受け付けを2009年12月に開始できると計画していたことが、ICANNスタッフより説明されました。しかしながら、前述のごとく今後対応すべき問題も出てきたため、それらが2009年6月までに解決されれば計画通りに進めることも可能だが、7月や8月になってしまうと申請受け付け開始は2010年2月になるだろうということも加えて説明されました。

また、パブリックフォーラムでも、かなりの時間を割いて新gTLDの導入に関する質問やコメントが受け付けられました。コメントとして、

  • 次にガイドブックドラフト第3版を出すということだが、申請に向けて準備を整えている者からすると、これ以上新gTLDの導入を遅らせないでほしい。
  • かなり複雑な手続きになっており、時間がかかる原因にもなっていると考えられるので、もっと簡素化すべきだ。
  • 申請料金をUSD 185,000に設定したままだと、営利目的で多数の登録者を見込める申請者のみが申請できて、小さなコミュニティのためにTLDを申請することは難しくなる。地域コミュニティのために、別の料金を設定するという考え方もあるのではないか。
  • 新gTLD導入のためのコストを計算し、費用回収できるような料金設定にしたということだが、どうしてそこまでコストがかかると計算されてしまうのか理解できない。
  • 中国語、日本語、ハングルでは、1文字や2文字でも意味を成す単語となり得ることもある。IDN TLDにASCII TLDと同様の規則をあてはめて、新gTLDは3文字以上でなければならないとする制限は不適当である。
  • 商標保護や消費者保護の問題に対応してから、新gTLD導入を進めるべきである。

といったコメントが寄せられ、前回のカイロ会議と同様に、メキシコシティ会議においても、スケジュール、申請料金、新gTLDとIDN ccTLDとの関係については引き続き複数のコメントが寄せられました。また、ICANNが今後検討や協議を行っていくとした商標保護、消費者保護の問題への対応や経済性調査の実施についても、ぜひとも進めていくべきであるというコメントが寄せられました。

最終日のICANN理事会では、商標、消費者保護等の専門性を有し、国際的にも多様なメンバーからなる実装勧告チーム(Implementation Recommendation Team, IRT)を結成し、新gTLD導入に関連する商標保護の問題についての解決策を提案するよう、GNSOの知的財産部会に対して要請することを決議しました。

また、この要請にあたり、ICANN理事会は、このIRTに対し、2009年4月24日までに意見募集用の報告書ドラフトを提出すること、ならびに2009年6月のシドニー会議で討議すべく、2009年5月24日までには最終報告書を提出するように、という条件も併せて付しています。これは、ICANNスタッフがガイドブックドラフト版に寄せられたコメントを精査した結果、商標保護を含む実装課題について、コミュニティからの意見をさらに集約し、分析を行う必要があると判断したことが大きく関係しています。

2008年6月のパリ会議において新gTLDに関するポリシー策定プロセスが終息し、ポリシー実装フェーズに入ったのもつかの間、上記の理事会決議により、部分的ではありながらも、再びポリシー策定議論が行われることになりました。今後検討や協議が行われる問題の進捗状況によっては、ガイドブック最終版の公開や申請受け付け開始の時期が、さらに変更される可能性も残していることを感じさせつつ、メキシコシティ会議は幕を閉じました。


本会議の報告会を、2009年4月2日(木)に東京、大手町サンケイプラザにて、開催いたしました。報告会の詳細については、「第24回ICANN報告会レポート」をご覧ください。

flickrに投稿されているパブリックフォーラムの様子
flickrに投稿されているパブリックフォーラムの様子

(インターネット推進部 高山由香利)


※1 JPNIC News & Views vol.597 ICANNカイロ会議報告
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2008/vol597.html
※2 New gTLD Program: Draft Applicant Guidebook(Draft RFP)
http://www.icann.org/en/topics/new-gtlds/draft-rfp-24oct08-en.pdf
※3 Draft Applicant Guidebook, Version 2
http://www.icann.org/en/topics/new-gtlds/draft-rfp-clean-18feb09-en.pdf
※4 New gTLD Draft Applicant Guidebook: Analysis of Public Comment
http://www.icann.org/en/topics/new-gtlds/agv1-analysis-publiccomments-18feb09-en.pdf
※5 Draft Applicant Guidebook: What You Told Us
http://www.icann.org/en/announcements/announcement-3-18feb09-en.htm

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