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ニュースレターNo.44/2010年3月発行

第26回ICANN報告会レポート

2009年12月17日(木)にJPNIC会議室(東京都千代田区)にて、JPNICと財団法人インターネット協会(IAjapan)の共催により第26回ICANN報告会を開催しました。本報告会は、韓国のソウルで開催された第36回ICANN会議(2009年10月25日~30日)についてご紹介したものです。今回50名近い参加申し込みをいただき、当初の締め切りより早く受け付け終了となるほどの盛況となりました。以下、その模様をご紹介します。

新たな報告会構成

今回はICANN会議の会場がお隣の韓国と比較的近く、日本から多数の参加があったこともあり、新たに4名の方(計8名)より講演していただくことができました。そのため、第1部(ICANN支持組織・諮問委員会についての報告)/第2部(新gTLD関連トピック)という、2部構成とすることができ、最も関心が高まっていると思われる新gTLDについて深く掘り下げることができました。

第1部(ICANN支持組織・諮問委員会についての報告)

○ICANNソウル会議概要報告

JPNICの前村昌紀より、ICANNソウル会議の全体概要について報告しました。AoC※1、新gTLD、IDN ccTLDなどについて網羅しています。詳細については、「ICANNソウル会議報告」をご覧ください。

○国コードドメイン名支持組織(ccNSO)報告

株式会社日本レジストリサービス(JPRS)の堀田博文氏からは国コードドメイン名支持組織(ccNSO)会合での議論のうち、以下の3点について、主にご報告いただきました。

  • DNSSECワークショップでの各TLDおよびルートでのDNSSEC対応状況
  • レジストリにおけるIPv6準備状況
  • IDN ccTLDファストトラックおよび関連する議論

○ICANN政府諮問委員会(GAC)報告

総務省の中沢淳一氏より、ICANN政府諮問委員会(GAC)会合で話し合われた議題のうち、IDN ccTLD(国コードトップレベルドメインの多国文字表記)、新gTLD(分野別トップレベルドメイン)の導入、AoCの3点を主にご報告いただきました。

○GNSO評議会報告

東京大学のラフィク・ダンマク氏より、GNSO評議会について、主にGNSO組織改編およびGNSOが現在抱える課題についてご報告いただきました。氏は新たにGNSO評議員に選出され、ソウル会議より職務を開始されています。

写真:GNSO評議員ラフィク・ダンマク氏
GNSO評議員のラフィク・ダンマク氏

第2部(新gTLD関連トピック)

○レジストリ/レジストラ分離問題

株式会社インターリンクの才門功作氏より、レジストリ/レジストラ分離問題(新gTLD募集にあたり、レジストリがレジストラを運営すること、あるいはその逆について認めるかどうか)についてご報告いただきました。ソウル会議での論点は、レジストラが資本関係にあるレジストリのTLDを扱うことを認めるか否かというものでした。

○新gTLD Expression of Interest WG動向

GMOドメインレジストリ株式会社の大東洋克氏より、新gTLD応募に関する関心表明(Expression of Interest; EoI)ワーキンググループ(WG)の動向についてご報告いただきました。

EoIとは新gTLD申請の前段階として、申請文字列および申請者に関する情報を申請者より提出してもらい、参加した人のみが新gTLDの本申請に参加できるという仕組みです。最初は新gTLD利害関係者がソウル会議会期中に集まって今後の新gTLDについて議論したのがきっかけで、その後公開フォーラムへの提案後、理事会よりEoIとしてスタッフに検討を指示する旨の決議がありました。

この後、新gTLD利害関係者の集まりはEoI WGと呼ばれることになりました。検討中の案によれば、EoIの申請者は申請文字列と申請者についての情報を提供することになり、ICANNはこれらの情報を公開することになっています。

写真:GMOドメインレジストリ株式会社大東洋克氏
GMOドメインレジストリ株式会社大東洋克氏にEoIWGの動向についてご報告いただきました

○新gTLDにおけるRights Protection Mechanismについて

株式会社ブライツコンサルティングのヘレン・ケンニョン氏より、新gTLDによる商標権の侵害を防ぐための仕組みである、Rights Protection Mechanism(商標保護措置)の検討状況についてご報告いただきました。

主な商標保護措置としては、次の3点が想定されています。

  • 登録開始前に利用されることになる商標データベースであるTrademark Clearinghouse
  • 登録開始後に利用されることになる、商標権侵害時の迅速な対応手段であるUniform Rapid Suspension(URS)
  • TLD利用開始後に利用されることになる、レジストリに対する異議申し立て手段であるPost Delegation Dispute Resolution Procedure(PDDRP)
写真:株式会社ブライツコンサルティングのヘレン・ケンニョン氏
株式会社ブライツコンサルティングのヘレン・ケンニョン氏にご講演いただきました

○新gTLD申請における文字列競合・オークションについて

JPNIC理事の丸山直昌より、新gTLD申請の際、複数の申請者より提出された同一または類似の文字列が競合する際の解決プロセスについて、例示および考察についての報告がありました。それによれば、競合がある場合はまずICANNがその事実を公表した上で、コミュニティ優先評価を行い、合格したところのみが残ります。合格した事業者が複数あればオークションとなり、競合がなくなるまでオークションを繰り返すことになります。参加者の利害関係について考察したところ、申請者間での個別調整が行われるのではないか、とのことでした。

最後に、IAjapanの高橋副理事長からご挨拶をいただき、本報告会を閉会しました。なお、次回第37回ICANN会議は、ケニアのナイロビにて開催される予定です。


なお、本報告会の発表資料は、JPNIC Webサイトで後日公開いたします。また、動画も後日公開予定ですので、ぜひそちらもご覧ください。

(JPNIC インターネット推進部 山崎信)

写真:会場の様子
会場の様子

※1 AoC(Affirmation of Commitments: 責務の確認)
米国商務省とICANNとの間の文書で、インターネットの資源管理に関して、両者が果たすべき責務について記載されています。前身の文書であるJPAが2009年9月30日に失効したのに伴い、同日、米国商務省電気通信情報局とICANNの双方により公開され、翌10月1日から発行しました。

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