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ニュースレターNo.44/2010年3月発行

第3回IPv4枯渇 Watch
~IPv4アドレス在庫枯渇問題についてのおさらい、現状の把握と要検討項目の再整理~

JPNICとして、IPv4アドレス在庫枯渇への対応について本格的な取り組みを始めてからおおよそ3年が経ちます。この間、JPNIC会員、IPアドレス管理指定事業者の皆さんをはじめ、広くこの問題に関する認識は広まってきており、さまざまな対応策についての検討も進められている状況です。しかし、世間一般、特にIPアドレスを特に意識することなくインターネット接続サービスを利用しているユーザーレベルにまで、このIPv4アドレスの在庫枯渇が認識されている状態にはまだ至っておりません。

そこで今回の「IPv4枯渇 Watch」では、現時点で一体何が明確に分かっていて、何がまだ不明確で検討の必要性があるのか、これまでJPNICやIPv4アドレス枯渇対応タスクフォースにいただいたご意見などを踏まえ、[チェックポイント]として、一度おさらいをしていこうと思います。


[チェックポイント1]

「IPv4アドレス在庫枯渇」の定義と、最新の分析による枯渇時期

IPv4アドレス在庫枯渇に関して、最も基本的で、最も重要なポイントは枯渇する時期が果たしていつなのか、ということです。IPv4アドレス在庫枯渇時期の予測として世界的に最も参照されている、APNICのチーフサイエンティストGeoff Huston氏の最新の予測では、IANAの在庫が枯渇する時期を2011年後半、RIRの在庫が枯渇する時期を2012年の後半としています。

グラフ:IPv4アドレス在庫枯渇時期予測

上記グラフが示すように、ここ数年IANAからRIRへ、概収年間10個の/8ブロック(約1,678万個のアドレス)が分配されています。このペースは現在も衰えていない状況ですので、このまま年間10個ずつの/8ブロックが分配され続けていくとした場合、グラフの1番右側に示す在庫数22は、3年を待たずに消費されてしまう可能性が高いことが分かると思います。なお、在庫数が最後の五つの/8ブロックになった時点で、全てのRIRに一つずつ均等に分配し、IANAの在庫を払底するグローバルポリシーが既に決定していますので、実際にこれまで通り分配できる/8ブロックの数は残り17個となり、前述の通りにこれまでと消費ペースが変わらなければ、今から2年くらいでIANAの在庫が無くなり、Geoff Huston氏の予測時期とも大きくずれることはないと思われます。

一方、RIRの在庫枯渇時期はどうなるのでしょうか?Geoff Huston氏のRIR在庫枯渇予測時期は、最も早いRIRの在庫枯渇時期として2012年後半を予測しています。各RIRのアドレス分配ペースはまちまちで、それぞれの在庫が無くなる時期も異なります。JPNICとしては、当然上位組織であるAPNICの在庫がいつ底を突くのかに最も関心がありますが、Geoff Huston氏の分析では、各RIRの中でAPNICの在庫枯渇が最も早いとされており、氏の予測におけるRIR在庫枯渇時期予測は、イコールAPNICの在庫枯渇時期となっています。

ちなみに、JPNICは現在、独自の在庫は持たず、APNICと在庫を共有しているため、APNICの在庫が枯渇した時点で、JPNICも新たなアドレスの分配ができなくなることになります。


[チェックポイント2]

近づくIPv6接続サービス提供開始時期と普及にともなうIPv6ユーザーの出現

去る2009年12月4日に、NTT東西地域会社から、次世代ネットワーク(NGN)とIPv6インターネットとの接続方式の一つである、「ネイティブ方式」で接続するための事業者選定の結果が発表されました。これにより、現時点で2011年4月と予定されている、NTTNGNを利用したIPv6インターネット接続サービス開始に向けた準備は本格化します。また、総務省の「IPv6によるインターネット利用高度化に関する研究会」における「IPv4アドレス在庫枯渇対応に関する広報戦略ワーキンググループ」に参加しているISP事業者の多くが、2011年4月のサービス開始を目標にして各種の対応を進めているということが報告されています。このような動きから、少なくとも2011年4月以降、IPv6でインターネットに接続するユーザーが、これまでより早いペースで増えていくことは確実です。

それでは、2011年4月以降、どのくらいのペースでIPv6でインターネットに接続するユーザーが増えてくるのでしょうか?基本的に、新規にISPサービスを契約するユーザーの方には、この頃から徐々にIPv6でインターネットに接続するサービスが提供されていくことになると思いますが、既存のIPv4でインターネットに接続しているユーザーは、しばらくはそのままの状態で利用し続けることになりますので、IPv6ユーザーが急速に増加することはないでしょう。しかし、IPv6ユーザーがどの程度のペースと規模でその後増加していくか、現時点ではっきりと見極めることはできません。ただし、少数だとしても、2011年4月以降はIPv6でインターネットを利用するユーザーは確実に増加しますので、そのようなユーザーに対してどのような対応をすべきかについては、今から検討していく必要があります。

[チェックポイント3]

分配済みIPv4アドレスの再分配の可能性と、それらの使い回しが在庫枯渇時期に与える影響

2009年11月26日に開催されたJPNICオープンポリシーミーティングにおいて、JPNIC管理下のIPv4アドレスも移転可能にする提案が行われました。ミーティングの場でもコンセンサスとなり、その後のコメント期間でも特段の意見が出されず、最終的にコンセンサスに至りました。今後JPNICでの実装に向けた慎重な検討を経て、大きな問題がなければ、ドキュメントへの反映など実装準備が進んでいきます。

それでは、このIPv4アドレスの移転が可能になると、どのようなことが起こるのでしょうか?2009年12月に実施した第2回IPv4アドレス在庫枯渇に関するアンケートにて、このIPv4アドレス移転に関する質問を設けたところ、右記の表のような結果となりました。回答者がJPNIC会員およびIPアドレス管理指定事業者であるため、分配を受けているアドレスのほとんどが利用計画を提出して取得しているものであり、需要はあるものの、逆に余剰を提供するという事業者はほとんどないようです。

◆IPv4アドレス在庫枯渇への対応の一環として、現在禁止されている分配済みのIPv4アドレスの譲渡を認めるルールが議論されています。このIPv4アドレスの譲渡が可能となった場合、手元にあるIPv4アドレスを譲渡する、または、誰かから譲り受けますか?

N=82 回答数
1)現在利用していないアドレスを譲る(売る)つもりである 1 1.2%
2)譲ってくれる(売ってくれる)ところがあれば買うつもりである 26 31.7%
3)譲渡あるいは譲り受ける(売買)ことはしない 27 32.9%
4)その他 28 34.1%

このため、IPv4アドレス在庫枯渇後に余剰空間として提供されるアドレスの大半は、歴史的PIアドレスの空間からだろうと言われています。しかし、JPNICでは既に一度、全ての歴史的PIアドレス割り当て先に利用確認を行い、不要なものを返却してもらっているため、ここから出てくる量も限定的だと考えられます。

もちろん、どの程度のアドレスが譲渡の対象になるかは、実際のところ蓋を開けてみないと何とも言えないところではありますが、他者からの譲渡によってIPv4アドレスを手当てすることは、一時的には可能だとしても、継続的に安定的な量を確保することは困難だと思われます。


[チェックポイント4]

エンドユーザーへの周知の必要性

IPv4アドレス在庫枯渇に関する周知、広報が話題になるたびに、「エンドユーザーへの周知をどうするか?」という事項も、課題となっていました。「在庫枯渇への対応にあたり、エンドユーザーへも正しい情報を伝えておくべきである」という意見がある一方で、「無闇に情報を提供することで不要な混乱を招く可能性もある」という意見もありました。これに関して「IPv6によるインターネット利用高度化に関する研究会」でも検討が行われ、やはりエンドユーザーが全く何も知らされないまま、IPv4アドレス在庫枯渇への対応策を取ることは難しく、適切な情報を適切な窓口から伝える必要があるとされています。そこで、ユーザー向けの広報は、ユーザーの「インターネットの窓口」を担うISPを通じて行うのが適切であり、これを各ISPがある程度統一的に実施するための、情報開示ガイドラインを策定することも検討されています。今後このガイドラインに沿う形で、エンドユーザーへの周知や問い合わせへの対応などがISPに求められていくと思われます。


[チェックポイント5]

日本以外でも進むIPv4在庫枯渇への対応とIPv6導入の推進

今年、2010年の初めに、各RIRおよびその連合体であるNRO(Number Resource Organization)が、メディア向けの発表を行いました。内容としては、2010年1月にIANAからAPNICへ追加割り振りが行われたことにより、IPv4アドレスの在庫が、全IPv4アドレス空間の10%を切ったことを全世界的に周知し、IPv4アドレス在庫枯渇への対応を促進することを目的としたものです。

これまで、IPv4アドレス在庫枯渇とその対応のためのIPv6導入などを話題とするたびに、日本だけが先行し過ぎて、いわゆる「ガラパゴス化」を心配する声も聞かれました。しかし、米国や欧州連合、また中国や韓国などでもIPv4アドレス在庫枯渇への対応として、政府主導にてIPv6導入が推進されてきています。年初のRIRとNROによる広報活動は、さらにこれらの動きを促進するものだと言えます。日本国内でも、世界でのIPv6導入・推進の動きと足並みを揃えて、対応を進めていく必要があります。

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