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ニュースレターNo.45/2010年7月発行

第27回ICANN報告会レポート

2010年3月7日から3月12日まで、ケニアの首都ナイロビで第37回ICANN会議が開催され、本会議の報告会を2010年4月20日(火)に富士ソフトアキバプラザ(東京都千代田区)にて、JPNICと財団法人インターネット協会(IAjapan)の共催にて開催しました。本稿では、報告会のレポートを中心に、このナイロビ会議の概要をご報告します。

前回のソウル会議でIDN ccTLDのファスト・トラックプロセスは承認されたため、会合の焦点は、新gTLDに関する議論に向けられました。したがって、本報告会においても前回に引き続き新gTLDに関連する発表が多く、新gTLDについての動きを掘り下げてお伝えする機会となったのではないかと思います。

はじめに

今回の開催地ナイロビは、外務省が発している海外安全情報によると、4段階ある危険度の1段階目である、「十分注意してください」とされていました。これは、文字通り注意深い行動が呼びかけられるだけのレベルですが、ICANNでは米国国務省から、過激派によるテロ計画の可能性があり、まさにナイロビ会議の会場である、Kenyatta International Conference Centreが標的とされているとする情報を得たとして、2月中旬から頻繁にセキュリティ情報のアップデートを提供していました。

ICANNはこの状況の中で、現地当局やホストとの協力の下、会場と推奨ホテル、その間の交通手段などでセキュリティ確保対策を敷いた上で、ナイロビ会議を予定通り開催することを決めました。それでも、セキュリティ懸念から、渡航を自粛した参加者も少なくありませんでした。実際、日本からの参加者は10人に満たず、リモート参加で登壇する発表者も目立ちました。

しかしながら、理事をはじめとして、登壇や発言によってよく知られた参加者は、概ね現地入りしていたような印象でした。また、一度だけ市中を歩いてみたときも、東アフリカで最も発展した国の首都ということで、街行く人々はビジネスマンが大半で、事前に提供されていた情報から想像されるような脅威を感じることはありませんでした。

新gTLDに関する議論

新gTLDに関しては、前回2009年10月のソウル会議直前にDraft Applicant Guidebook(以下DAG)第3版が発表され、これに基づいた議論が続いています。本会議では、新gTLDプログラムに関して残課題とされていた、商標権保護のための仕組みについて議論が行われました。また、それ以外の課題としては、IDNにおける3文字制限の問題が検討されました。IDN異体字については、2月にパブリックコメント募集がかかった状態でナイロビ会議を迎え、議論が持たれました。このうち、IDNの3文字制限に関して、2文字のIDN TLDを条件付きで認める方向の緩和策が決議されるとともに、その他の課題についても、4月初頭のパブリックコメント募集終了を待って、DAG第4版に盛り込むとされていました。

DAG第4版は2010年6月に開催されたブリュッセル会議前に公表されましたが、RPMを中心とするさまざまな課題が解決したと言えるのか、注視が必要な状況です。


以降、当日のプログラムに沿って、報告会の内容をご紹介します。

開会挨拶

報告会の開始に先立ち、IAjapanの高橋副理事長より開会のご挨拶をいただきました。開始してから9年が経過したICANN報告会の意義および今後の課題について主にお話しいただきました。

ICANNナイロビ会議概要報告

JPNIC理事の丸山直昌より、ICANNナイロビ会議の全体概要について報告しました。特に新gTLD募集におけるEoI(Expression of Interest; 関心表明)について、パブリックフォーラムでの議論、および理事会決議の概要について網羅しました。会の意義および今後の課題について主にお話しいただきました。

EoIとは、新gTLD申請の前段階として、申請文字列および申請者に関する情報を申請者より提出させ、参加した人のみが新gTLDの本申請に参加できるという、事前調整の仕組みです。需要をあらかじめ洗い出すことで、新gTLDプログラム全体の実施計画策定に寄与するというメリットが掲げられていました。前回ソウル会議の理事会で、事務局に検討を指示する決議がなされ、以降パブリックコメント募集も含めて検討中でしたが、今回提案自体が取り下げられることになりました。

写真:丸山直昌
丸山直昌より、ナイロビ会議の概要を報告いたしました。

ccNSO関連報告

株式会社日本レジストリサービスの堀田博文氏からは、国コードドメイン名支持組織(ccNSO)会合での議論のうち、IDN ccTLDの動向、ccTLDマーケティング、DNS-CERT、ワイルドカードの4点について、主にご報告いただきました。ccTLDマーケティングは、新gTLD導入を控えてccTLDの意義を伝えるためのもので、欧州での事例および.JPにおけるドメイン名種別毎の位置付け調査結果について紹介されました。

GNSO評議会報告

GNSO Councilメンバー/東京大学のRafik Dammak(ラフィク・ダンマク)氏からは、GNSO評議会について、中でも新gTLD申請者サポート作業部会(WG)を中心にご報告いただきました。同WGは、ICANNナイロビ会議での理事会にて設立が決議され、その後GNSO評議会にて設立を支持する決議がなされ、Rafik氏がGNSOのリエゾンとして選ばれました。同WGのICANN報告会開催時点での活動状況はメンバー募集中とのことで、活動の方向性は申請費用・料金について定めるのではなく、申請者の支援に専念するということです。

バックエンド事業者から見た新gTLD関連トピック

GMOドメインレジストリ株式会社の大東洋克氏より、EoIをはじめとする新gTLD関連トピックについてお話しいただきました。

大東氏によると、EoIの採用が理事会決議で見送られた理由は、新gTLDガイドブック案作成と並行してEoIを実施することで新gTLDの導入を早めようという提案側の意図だったにもかかわらず、スタッフの労力が割かれることなどで、かえって新gTLDの導入が遅れるためということです。

写真:大東氏
大東氏からはEoIを中心に新gTLD関連のトピックをお話しいただきました。

レジストリ/レジストラ垂直統合

株式会社アーバンブレインのJacob Williams(ジェイコブ・ウィリアムス)氏より、レジストリとレジストラの垂直統合(Vertical Integration; VI)についてお話しいただきました。

VIとは、新gTLD募集にあたり、レジストリがレジストラを運営すること、あるいはその逆について認めるかどうかということです。顧客データを保護するために慎重な方針にとどめるという観点から、レジストリとレジストラを分離し、同時所有(co-ownership)は認められない、という決議が今回のナイロビ会議で開催された理事会でなされました。

同時に、現行の分離ポリシーを変更した場合の影響などを研究するため、GNSOでVIについてのWGが設立されています。

写真:Jacob Williams氏
Jacob Williams氏には、GNSO評議会についてご報告いただきました。

新gTLDにおけるRights Protection Mechanisms

株式会社ブライツコンサルティングのHelen Kenyon(ヘレン・ケンニョン)氏より、新gTLDにおける商標権保護メカニズム(Rightsa Protection Mechanisms; RPM)についてお話しいただきました。

RPMが、

  • 登録開始前に利用されることになる商標データベースであるTrademark Clearinghouse
  • 登録開始後に利用されることになる、商標権侵害時の迅速な対応手段であるUniform Rapid Suspension(URS)
  • TLD利用開始後に利用されることになる、レジストリに対する異議申し立て手段であるPost Delegation Dispute Resolution Procedure(PDDRP)

の3点からなることはこれまでと変わりありませんが、それぞれの詳細についてご説明いただきました。

.xxxの復活?

JPNICの前村昌紀より、以前2003年のgTLD追加第2ラウンドで応募があった、アダルトコンテンツ用TLDである.xxxの動きについて報告いたしました。ICM Registry社が応募事業者である同TLDは、2007年には理事会で応募が却下されたものの、ICM社はその後ICANNが定めた紛争解決プロセスである独立審査パネル(Independent Review Panel; IRP)に提訴し、IRPはICM側の主張を認める裁定を下しました。これはすなわち、.xxxの応募を承認すべきであるという勧告がICANNに対してなされたということです。

ICANN政府諮問委員会(GAC)報告

最後に、総務省総合通信基盤局電気通信事業部データ通信課の中沢淳一氏より、ICANN政府諮問委員会(GAC)会合で話し合われた議題のうち、主に新gTLDの導入およびGACの役割についてご報告いただきました。


写真:会場の様子
会場の様子

本報告会の発表資料および動画をJPNIC Webサイトで公開しています。ぜひそちらもご覧ください。

http://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/index.html

おわりに~アフリカの地における、ICANNミーティングが持つ意義~

今回のICANN会議は、アフリカ開催だからということか、現地の業界や参加者とICANNの主要メンバーとの交流が図られるイベントが目に付きました。ケニアICT協会とICANN理事・出席者との交流ディナーがアレンジされたり、GNSO恒例の朝食会合に現地業界団体の代表が参加したりしていました。

ICANNでの話題は、まだまだドメイン名に関することが多く、網羅的とは言い切れないかもしれませんが、全世界からインターネット関係者がアフリカ地域に定期的に集まるという意味において、アフリカにとって、ある種、唯一無二な会合であることは確かです。ICANNの主要メンバーが、アフリカのインターネット振興に関しても積極的に取り組んでいる姿が印象的でした。

次回ICANN会議は、2010年6月20日から25日まで、ベルギーのブリュッセルで開催されます。

(JPNIC インターネット推進部 前村昌紀/山崎信)

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