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ニュースレターNo.46/2010年11月発行

クラウド時代の先に何を見るか?

JPNIC理事 岡田 雅也

私のインターネットとの出会いは1994年。当時、1968年にスタンリー・キューブリック監督が描いた「2001年宇宙の旅」に出てくるHALという大型コンピュータが、20年という間に膝の上に乗るノートパソコンになったという話をしていました。一方、ネットワークは、音声を中心とした電話網からの脱却として、IP網による低速系での“情報コンセント”サービスを1996年に提供。それからわずか5年後の2001年、“ブロードバンド元年”と言われる高速系での情報コンセントが、一般家庭向けに提供開始され、モバイルでは世界初の3Gが始まり、本格的な常時接続の提供にISP事業者としてワクワクした時期でした。

デジタルコンテンツ化やクラウドと言うグローバルな波が起きている2010年現在、21世紀型のコミュニティはこれからどうあるべきなのか。私は、“収束と拡散”がキーワードだと思っています。企業はシステムを収束し、個人はコミュニティを拡散していく、クラウドとツイッター等、これからの新しい社会は、このような収束と拡散の間をつなぐことから大きな世界が起こってくるのではないかと思っています。

閉じた社会活動が、別な活動との同調やリアルなきっかけにより、新しいことが生まれる。点と点がつながる、個人の複数ドメインがつながる、“拡散”による偶然性から生まれる新しい分野が、もっとリアルな世界につながっていく。経済が不透明な時代だからこそ、企業がめざすこと、個人がめざすこと、その合理的で効率的な社会システムを作ることが大事で、“収束と拡散”の仕組みに“需要と供給”のバランスがとれるプラットフォームが、地球規模として必要なのかもしれません。

マイクロファイナンス(低所得者向けの小口金融)で成功している社会起業家のお話を伺ってみて感じることは、一つの小さな強い思いが、ネットを使って世界の人達を動かし、世界の人々のために貢献することができているということです。“インターネットを健全に使う道を築いているんだ”という話を聞き、ICTが持つ革新性と人の思いをつなぐ可能性について、私自身再認識させられました。

今まで私が一貫して考えてきたのは、“人に優しい通信”の提供です。“それには、映像通信、コンピュータ通信だ”と思い、ネットワーク作りをしてきましたが、最近あらためて“それは、心をつなぐこと”だと感じています。人に感動を与えることが、人と人との心をつなぎ、世代も、国も、言葉も、障害も越えて伝わる。この心をつなぐ仕組みにインターネットの世界の可能性は、無限大にあると信じています。

“素晴らしい何かが起こる”…ボーマン船長(2010年宇宙の旅

JPNICの役割は、ネットビジネスを行っている人には直接的に目に見えるものではないと思いますが、ネット社会が安心して安定に運用できるためには、その時代時代の課題を解決して、健全な運用とその周辺の環境作りが必要です。ネットを支える人ひとりひとりが、前向きな形で活動へ参加し、オープンに意見交換を行い、コンセンサスをとりながら支えていくボトムアップ的な活動とあわせ、日本発信型で貢献していくことが大事だと考えています。


執筆者近影 プロフィール●岡田 雅也(おかだ まさや)
NTTコミュニケーションズ株式会社プラットフォームサービス部
1986年群馬大学工学部卒業、同年、日本電信電話株式会社入社。80年代後半FTTHの実現に向けた光CATV開発に従事、90年前半より、マルチメディア実験にてATM/IP網設計。OCNの立ち上げ、ADSL/光化対応。2000年前半より、法人向けモバイル、統合VPNのサービス企画。IPv4枯渇対応/IPv6化推進。現在、企業向けSaaS/クラウド型プラットフォームサービス事業に従事。2010年よりJPNIC理事。

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