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ニュースレターNo.50/2012年3月発行

APNIC32カンファレンス報告
IPv6導入に関するAPNIC地域の動向報告

APNIC32カンファレンスの3日目に当たる2011年8月30日(火)には、IPv6への移行技術について議論を行うIPv6 Transition Plenaryが終日開催されました。IPv4在庫枯渇やIPv6移行技術、および2011年6月8日(水)に実施されたWorld IPv6 Dayに関する議論が行われました。

このIPv6 Transition Plenaryのプログラムは四つのセッションから構成されており、それぞれのセッションでは、アジア太平洋地域での各国組織とISPなどのIPv6の普及や取り組み状況に関する紹介の他、World IPv6 DayにおけるGoogle社、Facebook社、Yahoo!社およびLimelightNetworks社での事例紹介などが行われました。

本稿では、世界規模で行われたIPv6のトライアルであるWorld IPv6 Dayに関して、データ解析を中心としたプレゼンテーションのあった、四つ目のセッションについてご紹介します。

IPv6 Transition Plenary Session 4

このセッションの前半ではライトニングトークがありました。その中では、株式会社クララオンラインの白畑真氏より、Tokyo 6to4プロジェクトの紹介、およびWorld IPv6 Dayにおけるトラフィックの観測について報告が行われました。

Tokyo 6to4プロジェクトが開始する前は、日本には6to4リレールータがなく、日本の6to4ユーザーのトラフィックはアメリカやヨーロッパを経由していて、パフォーマンスや安定性があまり良くない状況が続いていました。しかし、プロジェクトの開始後、6to4ユーザーのトラフィックは東京を経由することになり安定し、RTT(Round Trip Time)も200msから10msへ改善したとのことでした。また、World IPv6 Dayのあった6月8日のTokyo 6to4のネットワークトラフィックは普段とあまり変化がなく20~30Mbpsだったこと、逆に、TCP failure rateは以前は4%程度だったのが、6月8日は48%ほどに増加したことなどが紹介されました。これらの理由として、World IPv6Dayでは6to4を利用するユーザーが増加したものの、その接続になんらかの問題が発生しているのではないかと推測されるとのことでした。

セッションの後半では、World IPv6 Dayおよびその前後での技術調査について、APNICのGeoff Huston氏、RIPE NCCのEmile Aben氏、Hurricane Electric社のMartin Levy氏より報告がありました。

まずはじめに、APNICのGeoff Huston氏より、ここ1年ほどのインターネットユーザーのIPv6接続状況に関する動向調査について報告がありました。Huston氏の調査は、WebページにJavascriptコードを埋め込むことにより、ユーザーのWebブラウザ環境がIPv6に対応しているかを試験することで行われました。

その結果は、IPv6ネイティブ環境のユーザーは0.4%、6to4トンネルが利用可能なユーザーは4%、Teredoも含めたIPv6が利用可能なユーザーは28%程度だったとのことでした。ただし、これらの各環境について、IPv6接続が失敗する割合についても調査したところ、IPv6ネイティブ環境のユーザーでは2%、6to4環境では12%、Teredo環境では45%も接続に失敗することが観測されたとの報告があり、トンネルによるIPv6接続環境にはかなり問題があるという見解が示されました。

次に、RIPE NCCのAben氏より、RIPE NCCにおけるWorld IPv6 Dayの状況調査結果に関する報告がありました。RIPE NCCでは、2011年6月1日(水)から6月11日(土)にかけて、40ヶ所の拠点から53のサイトに対してDNSのAおよびAAAAレコードの状況、ping、tracerouteおよびHTTPの接続状況などについて観測を行いました。大部分のサイトではWorld IPv6 Day開始と同時にAAAAレコードを追加し、終了と同時にAAAAレコードが削除されたことが観測されましたが、一部のサイトにおいてネガティブキャッシュ※1が発生したことが報告されました。

またあるサイトでは、World IPv6 Day終了後IPv6によるサービスが停止したにもかかわらず、しばらくの間AAAAレコードが消去されなかったため、エラーが発生するなどの事象も観測されたそうです。さらにWorld IPv6 Day終了後のAAAAレコードの登録状況も調査され、終了後も削除されずに残っているサイトがいくつかあったことから、World IPv6 DayをきっかけにIPv6でのサービスも利用できるようになった可能性があるサイトも散見されるとの報告がありました。

最後に、Hurricane Electric社のLevy氏より、World IPv6Day前後での経路情報や、同社のIPv6トランジット網のトラフィック量について報告がありました。IPv6アドレスを広告するASNの数はIANAのIPv4在庫枯渇をきっかけに増加傾向が強まり、World IPv6 Dayでも若干の増加が見られたとの報告がありました。トラフィック量については、World IPv6 Day開始前まではほぼ横ばいで推移してきたものが、World IPv6 Day当日に急増、終了とともに減少したものの、開始前と比較してトラフィック量は増え、終了後は開始前の約2倍になったとの報告がありました。


次回2012年2月27日より開催されるAPNIC33カンファレンスの頃には、RIPE NCCのIPv4アドレス在庫枯渇も近づき、国際的なIPv6の導入が本格化すると考えられます。今後も、APNICなどのRIRのミーティングでの国際的な調査や導入状況などについて、報告してまいりたいと思います。

(JPNIC 技術部 小山祐司)


※1 ネガティブキャッシュ
「存在しないDNSレコードである」という情報の蓄積。DNSの名前解決に失敗したときに、短期間に何度も再検索しないよう間隔を開ける負荷軽減のための仕組み。ネガティブキャッシュが有効な間はDNSレコードが引けなくなるため、例えばサイト名からIPアドレスを検索することが不可能になります。

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