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ニュースレターNo.51/2012年8月発行

永続的なIPv6対応に向けて
~World IPv6 LaunchとIPv4/IPv6検証環境(テストベッド)のご紹介~

IPv4アドレス在庫枯渇から1年以上が経過し、2012年6月6日には“World IPv6 Launch”が実施され、海外の大手コンテンツ事業者などはこの日以降、 恒久的にIPv6対応することを宣言し、IPv6を利用したインターネットの本格展開がなされ始めました。

このような状況を踏まえて、IPv6対応に向けた取り組みをこれまで以上に加速していくことが重要になります。本稿では、この“World IPv6 Launch”について紹介すると共に、皆様のIPv4/IPv6共存・IPv6移行をサポートする、無料で使えるIPv4/IPv6検証環境(テストベッド)についてご紹介します。

World IPv6 Launchについて

World IPv6 Launchがめざすもの

「標準でIPv6対応」、これがWorld IPv6 Launchのキーワードです。

昨年の2011年6月に行われたIPv6試験イベント、WorldIPv6 Day はさまざまな地域から賛同を得られ、大いに盛り上がりました。イベント後もIPv6対応を継続するコンテンツプロバイダーも多く、このイベントはサービスサイトをIPv6対応にする良いきっかけになりました。しかしこのように、コンテンツ側のIPv6対応は着々と進んでいるのですが、実際にIPv6でアクセスしにくるユーザーに関して言えば、IPv4に比べるとまだまだ少ない状況です。

利用者の環境を見てみると、端末のIPv6対応は進んでいるようです。今時のパソコンやスマートフォンはIPv6に対応しているため、ネットワーク環境さえ整えてやればIPv6を使える状況です。ただ、ユーザーが家庭でIPv6のネットワーク環境を導入しようとすると、それなりに知識は必要です。ハードルは大きく2点あります。1点目はISPに申し込む接続サービスです。2点目は利用するブロードバンドルータです。どちらもユーザーがIPv6に対応したものを選ぶ必要があります。こんな状況では、例えば自分の親がこのハードルを乗り越えてIPv6の接続性を用意できるとは思えません。

そこでWorld IPv6 Launch では、「標準でIPv6対応」を目標に掲げて参加条件を設定しました。つまり、普通のユーザーがインターネット接続したくてISPに申し込み、市販されているブロードバンドルータを購入して接続すれば、特に労力や特別な手間をかけずにIPv6接続できてる!! という環境をめざそうとしています。そうすれば、コンテンツ側のIPv6対応とともに、自然とIPv6が一般に利用されていくのです。そんなわけで、今回の参加カテゴリにはコンテンツサイトに加えて、「ネットワークオペレーター」と「ホームルータベンダー」が加わっています。それぞれのカテゴリにおける参加条件は、次の通りです。

[ コンテンツプロバイダー]

  • メインサイトを日本時間の2012年6月6日(水)朝9:00以降、恒久的にIPv6対応させること

[ ネットワークオペレーター]

  • コンシューマ向けのISPを想定
  • 新規ユーザーに提供するサービスは標準的にIPv6対応すること
  • 1%以上のユーザーが実際にIPv6でコンテンツサイトにアクセスしていること

[ ホームルータベンダー]

  • 主要な製品シリーズで標準的にIPv6対応すること

詳しい条件などは以下の情報提供サイトを参照してください。

日本において想定される状況

日本では、東日本電信電話株式会社および西日本電信電話株式会社(以下、「NTT 東西」)の提供する光サービスで使われているIPv6閉域網のIPv6アドレスがユーザー端末に割り当てられていると、IPv4/IPv6対応したサイトにアクセスする際にIPv6→ IPv4のフォールバックが発生する可能性があります。この問題は、前回のWorld IPv6 Day以降も根本的な解決には到っていません。ソフトウェアの更新で問題は軽減するものの、NTT東西の提供する光サービスの普及やIPv6対応端末の普及で影響を受けるユーザーは増えるので、著名なコンテンツサイトがIPv6対応すると影響を受けてしまうユーザーが少なからずいます。

問題の根本的な解決には、影響を受けるユーザーにIPv6でもインターネット接続性を提供してしまえばよいのですが、ユーザーからの申し込みや対応するブロードバンドルータの用意などで課題があり、すぐさま全員にISP側から接続性を提供できる状況ではありません。フォールバック問題を回避するため、ISPによってはAAAA filter の導入を検討しているところもあります。また、コンテンツサイトの側でも、問題が起こる可能性のある日本向けだけにはAAAAレコードを応答せず、日本以外にのみIPv6サービスを展開しようとしているところもあります。短期的には問題を回避するためにこのような動きが出てしまうのはしょうがないかなと考えています。

日本でもいろいろな接続サービスが標準でIPv6対応し、ユーザーがインターネット接続を申し込むと、何ら気にせずともIPv6接続が来ているような環境が必要だと考えています。現在も関連する方々と、より簡単に接続を導入できる環境作りであったり、フォールバック問題の対策、IPv6が普及するための方策を検討しています。「World IPv6 Launch が、IPv6を普及させた良いきっかけとなった」と言われるようなイベントになればよいと考えています。いろいろ大変なことも多いですが、みんなで楽しい未来を描けるように頑張っていきましょう。

(株式会社インターネットイニシアティブ 松崎吉伸)

無料で使えるIPv4/IPv6検証環境(テストベッド)の利用のご案内

JPNICは、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース、IPv6普及・高度化推進協議会、独立行政法人情報通信研究機構のご協力と連携のもと、IPv4とIPv6の共存や、IPv6導入に向けた試験を行うことができる検証環境(テストベッド)を、2011年12月5日より、無料で提供しています。

このテストベッドでは、自社ネットワークのIPv4/IPv6デュアルスタック化、サーバ・アプリケーションのIPv6化、デバイスのIPv6化に向けた検証といった、IPv4在庫枯渇に対応して導入が必要とされている技術について、幅広く検証していただけます。ご利用の際には、機器ベンダーおよびサービスプロバイダーのオペレーター陣が検証についての検討に協力する他、ご利用になる方の要望に合わせた機器構成、ネットワーク構成を構築することが可能です。

テストベッド概要

○運営:
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
○協力:
IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース
IPv6普及・高度化推進協議会
独立行政法人情報通信研究機構
○テストベッド設置場所:
慶應義塾大学新川崎タウンキャンパス
○テストベッドが提供する接続性
* IPv4インターネットコネクティビティ(full route)
* IPv6インターネットコネクティビティ(full route)
*マルチホーム環境
○費用:
施設設備利用には特に必要ありません。機材持ち込みの場合、輸送費は、参加者に負担いただきます。
○検証期間:
テストベッド使用開始から1ヶ月程度
○提供期間:
2013年3月末まで(予定)
○利用申し込みの簡単な流れ:
  1. http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv6testbed/をお読みの上、利用申込書をお送りください。
  2. 申込書受領後、利用の可否について、JPNICよりご連絡させていただきます。テストについては、IPv6への卓越した知識を持つ専門チーム(IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース+IPv6普及・高度化推進協議会メンバー)が、検証システム設計、コンサルティングおよび検証作業補助などで協力します。
  3. テストベッド利用後は、指定のフォームで、簡単なアンケートにお答えいただきます。

テストベッドの利用例

大規模ISPの検証例
*アクティブ系、スタンバイ系の冗長性を持たせたネットワーク構成の構築
- アクティブ系のネットワーク機器にIPv6の設定を行う際はスタンバイ系にトラフィックを迂回させ、ユーザーセグメントへの影響が発生しないようにBGP、OSPF等の設定を実施
*複数箇所でIPv6の設定を削除し、人為的なIPv6のネットワーク故障を発生させ、その間IPv4の通信断が発生しないことを確認等
*ネットワークに合わせて機器構成、ネットワーク構成は変更可能
ケーブルテレビ事業者の検証例
* CMTS(Cable Modem Termination System)とケーブルモデムの組み合わせ試験により、IPv6への移行に適した組み合わせを検証、デュアルスタック移行の手順を参照しながら実際の設定実施、デュアルスタック環境でのオペレーションの検証
-CMTSは国内で一般的に使用されている2社の製品を用意
- ケーブルモデムは国内で一般的に使用されている製品を多数用意
- 自社で利用されている機器も持ち込み可能
サーバの検証例
* IPv6移行のための基本的な設定
- アドレス設定、Bonding、アクセスコントロール、パケットフィルタ等
* IPv6移行のためのアプリケーションの設定
- Apache、メール、DNS、NTP等
*その他、要望に合わせた構成・検証の実施が可能
中小規模ISPの検証例
*中小規模のISPの構成は、以下の5パターンを想定
  1. BGPでマルチホーム接続を行っている状態で、両方の上位接続にIPv6を導入
  2. BGPでマルチホーム接続を行っている状態で、片方の上位接続にIPv6を導入
  3. BGPでマルチホーム接続を行っている状態で、IPv6接続専用ルータを別に用意し、両方の上位接続にIPv6を導入
  4. BGPでマルチホーム接続を行っている状態で、IPv6接続専用ルータを別に用意し、片方の上位接続にIPv6を導入
  5. 一つの上位ネットワークとstaticで接続している状態で、上位接続にIPv6を導入
*ネットワークに合わせて機器構成、ネットワーク構成は変更可能
*それぞれのケースで人為的なIPv6のネットワーク故障を発生させ、IPv4の通信に影響がないことを確認できる
データセンター事業者の検証例
* IPv4で構築されたデータセンター事業者のバックボーンをIPv4/IPv6デュアルスタックへ移行する際の構成確認や手順検証を行い、確実な移行を確認
*ユーザー収容周りにおける冗長化プロトコルのデュアルスタック化の実装確認や移行手順の確認等
ユーザー環境の検証例
*ホームルータを設置し、Windows XP、Windows Vista、Windows 7、Mac OS X のIPv6移行検証を実施
- ホームルータの設定
- TCP Fallback問題、マルチプリフィクス問題、重複アドレス設定等

詳細は URL: http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv6testbed/ をご参照ください

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