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ニュースレターNo.58/2014年11月発行

JPNIC会員企業紹介

「会員企業紹介」は、JPNIC会員の、興味深い事業内容・サービス・人物などを紹介するコーナーです。

今回は、データセンターという概念がまだ日本でほとんどない1998年にその事業を立ち上げた、株式会社ブロードバンドタワーを訪問しました。

同社は現在では、データセンター事業はもちろんのこと、それを基盤としたさまざまなソリューションを提供しています。またユニークなところでは、ファッション関連の電子商取引(EC)の事業も展開しています。

今回は、日本で最初にデータセンター事業を立ち上げた経緯から、現在のユニークな事業展開に至るまで、お話をうかがいました。

株式会社 ブロードバンドタワー
住所: 〒100-0011 東京都千代田区内幸町一丁目3番2号 内幸町東急ビル
設立: 2000年(平成12年)2月9日
資本金: 2,327百万円
代表取締役社長: 藤原 洋
URL: http://www.bbtower.co.jp/
事業内容: http://www.bbtower.co.jp/corporate/field/
(1) コンピュータプラットフォーム事業
データセンター/クラウド・ソリューション/データ・ソリューション/スマート・エネルギー/その他・海外事業
(2) ファッションビジネスプラットフォーム事業
ECシステム構築支援・運用サービス/TVショッピング支援事業/ファッションホールセールサービス
従業員数: 235名 (2014年9月末日現在)
インターネットが、世界をフラットにする。その概念を他分野でも生かしたい

パイオニアとしてのデータセンター事業の立ち上げと、現在の事業概要

写真:高橋俊之氏、小木曽研氏
お話しいただいた方:
株式会社 ブロードバンドタワー
右:取締役 エンジニアリング統括
高橋 俊之 氏
左:プラットフォーム統括グループ
シニアディレクター小木曽 研 氏

― 貴社の事業概要について、まずは教えてください。

高橋:はい、基本的にデータセンター(以下、iDC)事業者です。あまり知られてないかもしれないのですが、iDC専業事業者としては日本で最初の事業者です。1998年当時、キャリア系、SI系などの電算センターは存在してはいましたが、いわゆる「データセンター」は、独立ベンチャーとしては最初になります。

今では、東京3ヶ所、大阪1ヶ所にセンターを持っています。インターネット系のセンターとして、かなり初期から広帯域のバックボーンを持ち、自社でIPアドレスを分配しながら、複数の経路をコントロールし、独自のナレッジで運用し続けてきているのが特徴です。今となっては当たり前のことですが、設立当初は画期的なことでした。もともと当社の代表の藤原がインターネット総合研究所(IRI)にいて、そういう発想があったのがきっかけです。6月決算なのですが、おかげさまで、今期で16期目を迎えます。

― 本当に日本のパイオニアですからね。藤原社長のお話がありましたが、最初にiDCを立ち上げた時の苦労を教えてください。

高橋:私も入社前の話なので聞いた話にはなりますが、初期は大変だったと聞いています。それなりの大きな場所を確保して、その場所代等に毎月お金が出て行く。当時は「iDCの市場」がそもそもありませんでした。例えて言えば、ジャンボジェットを5年リースしたけれども、ツアーのお客が来ないような状態です。でも、容赦なく維持費はかかります。

キャリアが提供するコロケーション等はありましたが、基本は専用線をつなぐためのものです。その頃社内にたくさんあった構内交換機(PBX)を撤去し、空いたスペースをサーバルームとして利用し始めたのが1997、1998年ぐらいでしょうか。そんな時代です。

だから、iDCを当時に立ち上げようという決断は、今から考えても大きな決断だったと思いますね。自分が当時のトップだったら、入ってもらえるかわからないようなものに毎月数千万円も払えないです(笑)。そして、それに腹を据えて取り組んだ、それがすごいことですね。

そういってキャッシュが全然ないという状態の時、優良なお客様にサービスに加入していただいたため、上場にこぎつけることができました。当時としてはインターネット環境がとても良く、高速回線もあったため、入ってもらえたんだろうと思います。

― そうしたご苦労や、iDCというサービスを理解してもらうための努力というのはどのくらい続いたのでしょうか?

高橋:少なくとも2〜3年は続いたと思います。まず、iDCの認知をしてもらわないといけませんが、センターにサーバを預けてまで事業をやる人は当時は少なかったと思います。2003〜4年頃になってようやく、ソーシャルゲームで飛ぶ鳥を落とす勢いだった某社が「社内からサーバをデータセンターに移した」と話していたような記憶があります。ですから、一般のサーバユーザーが使い始めたのは結構遅いんです。2000年ぐらいだと、一歩間違えれば干からびていてもおかしくなかったですね。

現在のデータセンターの様子と、サービス提供状況の変化

― 当初にそれだけ苦労された分の、ノウハウや貴社ならではの強みがあるのではないかと思いますが…?

小木曽:ネットワークのインフラにおいては「大手町」にいろいろ集中しているため、そこへロスなく接続を求められることが多かったですね。その意味で、当社は都市の利便性の高いところにセンターがあります。

データセンターを建設できる建設会社は日本に数社しかなく、電力という観点でも、日本はどこもしっかりしてますので、地方にセンターがあったとしても、別にiDCとして見劣りするわけではありません。

しかし、当社でもたまに地方の提携センターに行くと、やはり地の利は良くないと感じます。そのため、そこにサーバを入れたり、メンテナンスで行ったりするのは負荷がかかります。この辺りが、都市型のデータセンターの優位性です。

― 日本は自然災害が多いですから、東日本大震災のようなことがあると、地域分散のような話も出てきますね。

高橋:バックアップという意味では、地方の重要度も高まっていますが、結局、人間の仕事としては、「感情」とは切り離せないと思うんです。機械も人もメンテナンスしないと動きません。そう考えると、人が働きやすいのが原点ですね。iDCから夜も昼もわからない状態で出てきて、食事や交通に困るのは、精神衛生上悪い部分もあります。何でもかんでも都心にというのは良くないのでしょうが、やはり都心に直結というのは便利だと思います。

― 今はどのような利用者が多いのでしょうか?

高橋:今のメインのお客様はビジネスセクターで、ポータル系の方ですね。名前は出せませんが、初期から大量に使ってもらっています。解約なく安定して現状に至っています。

しかし、ここにきて、環境が大きく変わりつつあることを感じています。当初は「ハウジング」と「ネットワーク」の二本立てでやってきていましたが、最近は「クラウド」が当たり前になり、今は小木曽を中心に、クラウドとネットワークを一体化した「クラウドネットワーク」にも取り組んでいます。しかしクラウドになると、ARPU(Average Revenue Per User:1契約あたりの売り上げ)が下がります。そのため、市場としては正直に言って厳しい状況です。

そのため、次の一手が必要になります。今はまだ内容を詳しく言えないのですが、ネットワークの知識と経験を基本とし、また、iDCのロケーションの良さという利を生かしたサービスを展開していきたいと考えています。ここ1〜2年で大きく変わっていかないといけないと考えています。

― それ以外にも状況の変化や、工夫されているところはありますか?

高橋:初期は箱だけ貸して、お客様に機器を持ち込んでもらっていましたが、サーバ自体の運用やセキュリティなど、だんだん引き受ける部分が多くなってきましたね。

今後は、お客様から見て一本化されたサービスを考えるとか、従来はお客様任せであったアプリケーションについても「エンドユーザーの意見も聞きながらやっていく」などが必要になりそうです。

基本的には「お客様の言うことをきちんと聞いてやっていく」ことが必要ですね。泥臭いですが、これまでもここはきちんとやってきたと自負しています。ですから、そこを、当社の魅力としてもっとアピールできればと思います。

そのため、今はマーケティングにもかなり注力しています。車や携帯電話などは性能だけでは無くイメージで売っている部分もありますが、そのようなイメージ戦略の分野で先行している商品を参考に、いかにうまく製品の魅力を伝えられるかなどを考えていきたいと思います。

ファッション等、分野を超えたサービスとの融合について

― ところで、貴社の事業内容に「ファッションビジネスプラットフォーム事業」と記載されていました。これは一体どういうものでしょうか?

高橋:基本的には、ファッションに関する通販の支援事業です。この事業は、子会社が担当しているものですが、立ち上げて、もう10年になります。当初は当社のiDCにおいて、小さなラック2〜3本で始めたのですが、今では本体を超えるような事業規模になってきました。なかなかたいしたものです。

― 「ファッション」とは、一見ITとは切り離されたイメージなのですが、最初にそれを手がけられたきっかけは、どういったものだったでのしょうか?

高橋:単純に、インターネットでモノを売る「EC」ということだったと思います。アパレルは、試着などが必須と思われる世界ですが、そこをインターネットでやろうと。若い子はお店で試着をしなくても、通販で取り寄せて、合わなければ返すということにも抵抗がなかったり、若い感性にフィットしたのだと思いますね。我々にとっては、発想の転換ですね。

― やはり、上の世代は、服を買うというとデパートに行く世代だと思うんですね。しかし今は、クレジットカードで支払いがしやすい時代ですし、店舗では品物が見つからない場合があってもネットでは検索できるとか、人ごみが嫌だとか、行くとつい余計なものを買ってしまうとか、持って帰るのも面倒だとか、確かに「ECの優位性」がファッションの世界ではいろいろありそうです。

高橋:経済産業省の統計で市場を調べてみると、ECでアパレルを販売しているのはまだ全体の4%ぐらいだそうです。ファッション部門のトップは、それが少なくとも10%ぐらい、場合によっては50%程度まで行くかもしれないと予測しています。やはり私なんかも、服をインターネットで購入することはまだしっくりこない世代ですが、結果を出したのは強いです。発想の勝利だと思います。

― 貴社の場合、社内でECに関するプラットフォームもワンストップで提供できる、というのは強みでしょうが、ファッション関係の事業は、その事業割合としても大きくなってきているのでしょうか?

高橋:連結決算で前期売上高が約267億円のうち、2/3がファッションビジネスプラットフォーム事業なので、かなりの割合を占めています。

明治記念館で株主総会をするのですが、個人株主が多い中で、毎年の出席は30人ぐらいでした。しかし、昨年同じ会場で「株主優待ファッションセール」をやったところ、200人以上の人が集まり、ファッションへの関心の高さには驚きましたね。

― ファッション以外でも、貴社ならではのサービスが何かあったりしますか?

高橋:つい最近、天体写真共有アプリ「Open Astronomy」というiOSで動くアプリケーションを、社内ベンチャー・プロジェクトとしてリリースしました。このアプリは、誰もが天体写真を投稿し、閲覧できる、天文ファンのためのSNSアプリです。フォロー、コメントなどのSNSの機能を使うことで、天文仲間たちとのコミュニケーションが円滑にできます。

これは、サーバにSNSも絡めたアプリケーションを乗せるものとしてトライアルとして始めたものではありますが、当社の持つ、ビッグデータ解析に関する知見を生かすことによって、皆さまの科学と技術に関する理解・関心の向上にも寄与したい、という気持ちがありました。

― SNSはある種の閉じたコミュニティでもありますよね。SNSの中で問題が起きるという、暗い話もある中、天文ファンのためのSNSとは、久々に清々しいというか、夢がある話だなと感じます。

高橋:そうですね。そうだと思います。技術側では、「写真を載せる」というアプリを作るのには苦労があったんですよ。というのも、写真にはいかがわしい写真とかいろいろあるので、それを適切に見極める仕組みが必要になるからです。

天文ファン向けの雑誌は、8万部ほど発行されているそうです。そしてその周りには、もう少しライトな層がかなりいるはずです。家電量販店でも、望遠鏡のコーナーは結構広いですよね。こうした層を広げて、たくさんの人に、宇宙の世界を感じて欲しいですね。

― 最近では、スーパームーンが話題になっていました。空には、人を引き付ける何かがありますね。子どもにも興味を持ってもらいたいですし、日食などに合わせたイベントをしたり、そこでうまくコンテストをしたりなどができると面白いかもしれません。

高橋:天体は一番計算ができなさそうで、実は最も物理的な世界です。天測では、自分の位置を調べるということもできますし、子どもに興味を持ってもらうのは重要ですね。

ビジネスの話となると、つい「広告収入」と考えてしまいがちですが、B2Cとしては、まずは「コミュニティ」を作ることが必要と考えています。こうしたコミュニティから、コミュニティサイトなどができるような展開になると良いですね。

今後どういう展開をしていこうかと考えていましたが、話してみるといろいろアイデアが出てくるものですね。非常に力づけられました。

クラウド化による事業の近未来

― IT企業としてファッションというユニークな部分にも取り組まれているということですが、ITの部分では、「Cloud&SDN研究所」を作られましたね。

高橋:私も経験的によく分かりますが、現場にいると、なかなか新しいものに専念するという研究的な分野に取り組むのは難しいんですね。その上、「絵に描いた餅」ではなく、使えるものにして、初めて生きるものなんです。ですから、クラウドやSDN(Software-Defined Network)は今やっておかないといけないと感じ、そういう意味で独立させて、今年で2年目になります。社長の藤原の発想です。

― 結果、どのようなサービスを具体的に提供されていますか?

高橋:マシンやネットワークなどのインフラそのものを、仮想などの仕組みを使って、インターネット経由のサービスとして提供する、「IaaS(Infrastructure as a Service)」と呼ばれるサービスを提供しています。仮想のスペックで足らない部分については物理サーバで補う仕組みで、お客様の要望や費用負担に合わせ、組み合わせて提供できるサービスとしています。お客様ごとに要件が違うので、お客様専用のプライベートクラウドのようにカスタマイズして提供できる環境の提供を進めていますね。

― こうしたサービスに対しての、お客様からの要求はどうでしょうか?

高橋:一言で言えば、厳しいことは厳しいですね。どのぐらいのボリューム、パフォーマンス、帯域が欲しいか等々、要求がそれぞれ異なります。要望に合わせてカスタマイズして提供しています。

特に最近増えているサイバー攻撃等については、我々が運用しているネットワーク自体には帯域が十分あり、攻撃を受けたところで、サービスに影響が出ることはなくあまり苦労していません。しかし、その先のお客様は契約の中の限られた帯域やリソースでその先のユーザーにサービスを提供しているため、サービス外の通信が発生すると苦労されているのが見て取れます。そういうところを一緒に協力し、お客様のサービスが影響なく情報発信できるように取り組むのが我々の仕事です。お客様とフランクに相談してもらえるような関係を構築するよう務めています。

― 確かに最近はサイバー攻撃やDDoSも多いですね。それに向けてのサービスは何か考えていらっしゃるのでしょうか?

小木曽:はい、ネットワークに関わる部分として重要なのは「DDoSの防御」、実際には「抑止」ですが、このDDoS周りのサービスを今回リニューアルしました。

リニューアルでは、機能面でいろいろ付加価値をつけました。特に大きな変更は、従来は何かあった際のレポートは月次で提供してきましたが、「今どういう状況なのか知りたい」というご要望に応じて、今、何が起きているのかをリアルタイムで見ていただけるようにしたことですね。これで状況がすぐにわかります。

高橋:それに以前から、DDoSはそもそも顧客のシステム側で防御するものではなく、上位の方で抑えて欲しいという要望は多かったのです。個別の鍵は個人でかけるんだけど、町の治安はデータセンターが守るというイメージですね。

― これからiDCに対し、そうした要望が増えてきそうですね。それとは別に、著作権の世界でも、クラウドに補償金を課すという話も上がっており、iDCにも要求されるハードルがどんどん上がってくる気がします。

高橋:どこでもそうですが、そうやって日本の事業者に足かせがかかるようになると、サーバが海外に行ってしまってしまう、という現象は増えるでしょう。それが良いのかどうかは、まだわかりません。

一方、物理的なセキュリティを考慮しなくて良いのは、日本のメリットです。これが例えばアメリカだと、物理的な侵入者も多いので、セキュリティがとても厳しく入退館がかなり大変です。でも日本だとそこまでではありません。そこは治安のいい日本ならではのメリットです。ガードマンも拳銃を持たなくて済むし、セキュリティにコストをかけなくて良い分、「中身にお金をかけられる」というメリットがあるんですね。ですから、サーバが海外に行ってしまうのは残念なことです。

ヒエラルキーや既存の概念を突き崩す「インターネット」 〜インターネットとは?〜

― 話は変わりますが、貴社は藤原社長が有名人で、コミュニティでご活躍の方も多く、闊達なイメージがあります。実際の社風はどうなのでしょうか?

高橋:そうですね、社内で技術情報の交換は積極的にしてますが、私自身は、下から食って掛かられることも少なく、若干社員がおとなしいかもと思っています。そしてこの業界にしては、風変わりな人は少ない気がします(笑)。

― 高橋さん自体はいつからここにいらっしゃるのでしょうか?

高橋:今年でちょうど8年目になりますね。もともとはキャリアで、公衆交換電話網の伝送を担当していました。入社前は、IPネットワークなんて、実は、名前とイメージぐらいしかわからなかったのですが(笑)、そういう意味で、ここの業務をまだ完全に理解している訳ではないのかもしれませんが、運用をしていた経験で「現場で何が起きているのか」はわかるのでやってこられました。お客様に損が出るのは一番困るので、それを避けるべく頑張ってきました。今は社内でエネルギー関係のビジネスにも取り組んでいます。

― エネルギー関係のビジネスとは、具体的に何をされているのでしょうか?

高橋:はい、単純な話で、ITにつなげる種としての太陽光発電です。発電所が稼働して1年になりますが、出掛けて行ってエンジニアがいたずらしては、どうやれば一番欲しいデータが取り出せるのかを、試行錯誤しています。こういうデータの流通は、ヒエラルキーでは無理ですね。

― 「ヒエラルキーでは無理」とは?

高橋:私は、構造的にヒエラルキーを崩したものがインターネットだと思っています。ヒエラルキーがある会社だと、平社員と社長が使う言葉が違ったりしますが、インターネットはフラットで、そういうところがありません。

また、「見た目ではなかなかわからない」ということも、この業界で働くようになって感じたことです。ここに入社した時もそうですし、お客様のところに行っても感じたのですが、年齢も若く、髪は長髪であったり、服装はTシャツであったりして、しかもその上、肩書きは部長だったりしてびっくりしました(笑)。そういう体験はカルチャーショックでしたね。しかし、見た目がラフでも、中身はすごくしっかりしています。やっぱり人は見た目じゃないなと感じます。

あとは用語も違いますね。キャリアでは「積滞(せきたい)」とか「輻輳(ふくそう)」などと難解な漢字が飛び交っていますが、インターネットでは横文字が多いです。

この「フラットである」というインターネット特有の概念が、もしかしたらキャリアがIPをうまく扱えていないように見える原因の一つではないかと思えます。キャリアのサービスでも、携帯電話事業がうまくいってるのは、そこだけ電話とは異なる概念で運営しているからなのではないかと。そうでないとついていけないんだろうと思います。

― そうすると、高橋さんにとってのインターネットとは、「フラットなもの」ということになりそうでしょうか?

高橋:はい、そうですね。そこは藤原もそう言っているところです。

ヒエラルキーになると、どこがボトルネックになっているのか、詰まっているかわかりません。しかし、フラットだとすぐにわかります。そういうフラットという概念が徐々に浸透してきたように感じています。

今、エネルギーに当社が取り組んでいる話をしましたが、「配電」という言葉は「電気を配ってやっている」という意味ですが、最近は「ちょっと違うだろう」と感じています。電力の融通についても、インターネット的に、うまくできないか、と思うのです。エネルギーを無駄に使わずに融通するのに、インターネットがうまく利用できないかと、そんなことを今はよく考えています。

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