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ニュースレターNo.59/2015年3月発行

APNIC 38カンファレンス報告 全体およびアドレスポリシー関連報告

2014年9月9日(火)〜19日(金)に、オーストラリア・ブリスベンにて、APNIC 38カンファレンスが開催されました。APNICカンファレンスは、APNICの本拠地があるオーストラリアで開催されることが多いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は2010年8月のゴールドコーストでのカンファレンス以来、4年ぶりの開催となります。また、APNICの本拠地であるブリスベンでの開催は、2000年10月以来、およそ14年ぶりとなり、普段はオフィスで業務を行っているAPNICスタッフも多数参加していました。普段はメールや電話でのやり取りを行っていたAPNICスタッフとも、実際に顔を合わせて相談などを行う機会も何度かあり、JPNICスタッフとAPNICスタッフとのコミュニケーションを深める、良い機会となりました。本稿では、このカンファレンスの模様をご紹介します。

APNIC 38カンファレンスの概要

今回のカンファレンスには、47の国や地域から331名の参加登録があり、そのうち、日本からの参加者は15名程度でした。毎年2月〜3月に開催されるAPRICOT/APNICカンファレンスに比べて半分程度の参加者数となりますが、その分、参加者同士の距離は近く、アットホームな雰囲気であるように感じました。

カンファレンスは「チュートリアル」、「APOPS(Asia Pacific Network Operators Forum)」、「SIG(Special Interest Groups)」、「BoF(Birds of a Feather)」、「AMM(APNIC Member Meeting; APNIC総会)」などから構成されています。その他にも、APNICとの関連の深いAPIX(Asia Pacific Internet Exchange Association)、APTLD(Asia Pacific Top Level Domain Association)、APCERT(Asia Pacific Computer Emergency Response Team)やISOC-AU(The Internet Society of Australia)などの組織が主催する、会議やセッションの時間が設けられていました。

当日の資料、ビデオ、発言録は、以下のAPNICカンファレンスのページに掲載されています。今回参加できなかった方や現地での発言を聞き逃した方も、これらの資料を一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

http://conference.apnic.net/38/program

今回はこれらのセッションの中から、主なものをいくつかご紹介します。

IANA機能の監督権限移管に関する提案と、インターネットガバナンス関連の動向について

IANA(Internet Assigned Numbers Authority)は、「ドメイン名」「番号資源」「プロトコルパラメーター」の、三つの重要なインターネット資源に関わる機能を担っています。これらの機能について、米国商務省情報通信局(National Telecommunications and Information Administration; NTIA)が持つ監督権限を移管する意向を2014年3月14日(金)に発表しました。この発表を受けて、移管後においてIANA機能の監督権限がどのようにあるべきかについて、各所で議論が進められています。APNICやJPNICにおいても、IANA機能の監督権限移管に関する情報提供を行っております。

日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)のメーリングリストや、IP-USERS MLでもお知らせしていますが、今回のカンファレンスに先立ち、APNICからは、IANA機能の監督権限移管に関する提案が行われました。

提案では、「円滑なIANA機能の維持」「番号資源に関わるIANA機能についてのICANNとNRO(Number Resource Organization)間の役割・責務の明文化」の2点に重点を絞った内容となっています。提案の背景やその内容について、すべてを紹介することができませんが、APNICのブログに詳細が掲載されていますので、そちらをご覧ください。

カンファレンス期間中には、APNICが主催するものとしては、会議に参加して直接議論できる唯一の機会として、IANA機能の監督権限移管に関する理解を深め、この提案について議論を行うことを目的としたセッションも設けられました。

セッションでは、提案内容が一通り説明された後、議論に移りました。提案内容に踏み込んだコメントや提案への反対意見はなく、原案通りの内容で他の地域インターネットレジストリ(Regional Internet Registry; RIR)に提示することとなりました。なお、2014年12月の各RIRでの提案取りまとめまで、まだ時間は残っていますので、会場での議論は終了しましたが、カンファレンス後も専用のML※1を利用して、議論を継続していくことになりました。

その他のインターネットガバナンス関連の特徴的な動向としては、これまでインターネット業界、インターネットに関連するコミュニティや、政府関係者などで構成されていたPPAC(Public Policy Advisory Committee)によるセッションの再検討が行われたことが挙げられます。

これまでのPPACの参加者にとらわれず、さまざまな関係者を巻き込んだ議論の場とすることを目的として、Cooperation SIGを立ち上げることがAPNIC事務局から発表されました。Cooperation SIGでは、公共政策、ネットワークセキュリティの規制、WHOISのプライバシー等について議論が行われる予定です。

ポリシー提案について

今回のカンファレンスでのポリシー提案は、藤崎智宏氏(日本電信電話株式会社)による、「申請に応じたIPv6デフォルト割り振りサイズの拡張提案」の、1件のみでした。

この提案では、申請者が割り振りを受けるIPv6アドレスの用途を明確にすれば、追加の確認なしに/29(/32を8個分)を上限として割り振りを受けることを可能とする、という内容です。英語での記述となりますが、提案の詳細については、次のWebページをご覧ください。

当日の議論では、APNICの審議担当マネージャーから、拡張した割り振りを認める基準が明確ではなく、申請処理に支障を来すのではないかという懸念が示されました。また、IPv6の逆引きでは、/32、/28、/24という単位でゾーンが委任されますが、IPv6の逆引きをできるだけ容易に運用できるよう、割り振りの最大サイズを/29ではなく/28とした方が良いのではないか、というコメントも会場の参加者から出ていました。

前回のカンファレンスから引き続き議論されているこの提案は、残念ながら、今回もコンセンサスに至りませんでした。MLや当日の議論を踏まえて、提案者の藤崎氏より、提案を取り下げとする旨の報告がありました。

コンセンサス確認の方法について

APNICカンファレンスでは、ストリーミングやチャットのサービスが提供されており、直接会場まで出向かなくても、当日の議論に参加することが可能です。しかし、参加者への意思確認は挙手に限られているため、会場以外からの参加者は意思確認に参加できない、という状況になっています。

前回カンファレンスの際に、会場以外からの参加者も意思を表明できるようなシステムを試作することが、APNIC事務局から発表されていました。今回のカンファレンスでは、先ほどご紹介したポリシー提案での議論の際に、試作されたシステムを利用して、会場、会場外を問わずに参加者の意思確認が行われていました。

試作されたシステムは現在も公開されており、次のURLから利用可能です。

ただし、コンセンサスに至ったかどうかの判断はシステムのみではなく、議論の内容も踏まえて、ポリシーSIGのチェアが行うことになっています。このシステムによる意思表明の結果は、議論の内容と同じく、参考情報として利用されるのみとなっていました。チャットでもコメントを述べることができるような仕組みになっており、リアルタイムに経過が表示されるため、これから意思表明を行おうとする人に影響を与えてしまうのではないか、システムを利用する際の本人確認はどうやって行うかなど、利用者からのコメントが多く寄せられており、本格的に利用するためには、まだまだ解決すべき問題は多いように感じました。

また、こういったシステムの利用にとどまらず、いろいろな背景を持った多くの人が、今後の議論に参加するための方法を考える時期に差しかかっているのではないかとも感じました。

NRO NCの選挙とポリシーSIGのCo-Chair選挙について

今回のカンファレンスでは、RIR全体として外部組織との調整が必要な場合に、全RIRを代表する組織であるNRO(Number Resource Organization)の、アジア太平洋地域を代表するNC(Number Council)の選挙が行われました。

現職でインド出身のNaresh Ajiwani氏に代わり、同じくインド出身のAjay Kumar氏が選出されました。2015年1月1日(木)から2016年12月31日(土)まで、グローバルIPアドレスポリシーの施行にあたり、ICANN理事会に勧告を行う役割を担います。

また、ポリシーSIGではCo-Chairの選挙が行われ、現職の山西正人氏が再選されました。今回のカンファレンス直後に、ChairのAndy Linton氏が退任を表明しChairが空席となったため、山西氏は次回カンファレンスまでChair代行を務めることも発表されています。

次回以降のAPNICカンファレンスについて

APNIC 39カンファレンスは、APRICOT 2015と共催で、2015年2月24日(火)〜3月6日(金)に福岡市で開催されました。京都市で開催されたAPRICOT 2005/APNIC 19カンファレンス以来、10年ぶりの日本で開催となりました。このAPNIC 39カンファレンスの概要は、P.17の「『APRICOT-APAN 2015 福岡会合』のご紹介」でも取り上げていますが、詳細は次号にてご報告する予定です。

また、APNIC 40カンファレンス(2015年8〜9月頃開催予定)はインドネシア・ジャカルタ、APNIC 41カンファレンス(2016年
2〜3月頃開催予定)はニュージーランド・オークランド、APNIC 42カンファレンス(2016年8〜9月頃開催予定)はバングラデシュ・ダッカでの開催を予定している旨も、併せて発表されています。

写真:Opening Ceremony and Keynotesの様子
● Opening Ceremony and Keynotesの様子

(JPNIC IP事業部 川端宏生)


※1 IANAxfer mailing list
http://mailman.apnic.net/mailman/listinfo/IANAxfer

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