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ニュースレターNo.61/2015年11月発行

JPNIC会員企業紹介

「会員企業紹介」は、JPNIC会員の、興味深い事業内容・サービス・人物などを紹介するコーナーです。

今回は、間もなく創業30周年を迎える、ニフティ株式会社を訪問しました。

「ニフティ」と言えば、パソコン通信サービスの「NIFTY-Serve(ニフティサーブ)」を思い浮かべる方も多く、国内ではブランドが確立されたISPと言えるでしょう。しかし、そのブランド力にあぐらをかくことなく、創業の頃から色あせていないであろう「ドキドキワクワクを届けたい」という気持ちを持ち続けている姿が、とても印象的な会社でした。

コミュニティやユーザーに寄り添い、安心・安全・快適なユーザーエクスペリエンスを提供しようとする姿勢は、同社が取り組む社会活動にも色濃く表れています。

大きな成長を遂げながらも、まだまだ新しい何かを生み出してくれそう、という印象を強く感じた、楽しい対談となりました。

ニフティ株式会社
住所: 〒169-8333 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー
設立: 1986年2月4日
資本金: 37億4,677万9,000円(2015年3月31日現在)
代表取締役社長: 代表取締役社長 三竹 兼司
URL: http://www.nifty.co.jp/
事業内容: 1. ISP事業
2. Webサービス事業
3. クラウド事業
従業員数: 連結:743名
単体:646名 (2015年3月31日現在)
インターネットを通じて、安心・安全なドキドキワクワクを届けるために

IoTやスマートデバイスを見据えた事業展開

写真:福島敦氏、斉藤尊比古氏
お話しいただいた方:
ニフティ株式会社
左:執行役員(ネットワーク サービス・WEBサービス担当)
福島 敦 氏
右:クラウド事業部 クラウドインフラ部 課長 斉藤 尊比古 氏

―まずは、貴社の事業内容や事業展開の状況について教えてください。

福島:1986年2月に、日商岩井株式会社(現:双日株式会社)と富士通株式会社の合弁会社「株式会社エヌ・アイ・エフ」としてスタートして、来年の2月で創業30周年を迎えます。

1987年4月にパソコン通信サービス「NIFTY-Serve(ニフティサーブ)」を、1996年1月にはインターネット接続サービスを開始しました。その後、ポータルサイト「@niftyトップページ」や「ココログ」など、さまざまなWebサービスを提供してきました。そうした大規模サービスの開発・運用で培ったノウハウを活用して、2010年1月には純国産の本格的なパブリック型クラウドサービス「ニフティクラウド」を開始し、クラウド事業に参入しました。また、昨年(2014年)11月にはLTE高速データ通信・音声通話対応のMVNOサービス「NifMo(ニフモ)」の提供を開始しました。現在は、「ISP事業」「Webサービス事業」「クラウド事業」の三つを軸に、事業活動を行っています。

特に、クラウド事業においては最新技術を積極的に取り入れて、サービスを進化させています。導入実績は2015年7月末で4,000件を突破しました。開始した当初は、ソーシャルゲームが盛り上がりを見せた時期と重なってエンターテインメント向けの案件が多かったのですが、その後導入実績を重ねることで信頼度と知名度を獲得し、パブリッククラウドの普及も追い風となって、現在では新規案件の約7割が基幹システムなどのエンタープライズ向け案件となっています。

当社は、これまでどちらかというと個人のお客さま向け、いわゆるB to Cのサービスが多かったのですが、クラウドサービスの提供により、現在はB to CとB to Bの両方に接点を持っています。ここ最近「IoT(モノのインターネット)」という言葉を目にしない日はありませんが、実際、スマートデバイスがここまで普及し、センサーなどが生活者にとって身近な存在になってきたことで、これらの機器とインターネットをつなげるサービスの重要性が増しています。ビジネスの世界では個人向けと法人向けの壁が低くなってきていると感じていて、当社でもB to B to Cを意識し、IoT化をめざす企業向けのサービスの提供も始めました。

クラウド以外の当社アセットも活用していきます。例えば、NifMoは単なる“格安スマホ”いう位置づけではなく、当社がお客さまに価値を提供し続けるための大切なネットワーク基盤でもあるわけです。

―クラウド事業は成長分野と位置づけ、海外展開も進めていらっしゃるようですね。

写真: ニフティクラウド ノベルティ

斉藤:はい、先日2015年9月16日に「ニフティクラウド」で北米リージョンの提供を開始しました。また、中国では既に「鴻図雲(ホンツーユン)」というパブリック型クラウドサービスを株式会社クララオンラインと共同で展開しています。この鴻図雲はニフティクラウドの安定したインフラ基盤を採用し、コントロールパネルもニフティのデザインを踏襲していて、いわば中国版のニフティクラウドですね。最近では、お客さまがクラウドを選定する際の基準に「海外で展開できること」を条件として挙げられる商談が多くなってきていて、こうしたサービスは必須だと考えています。

―ニフティクラウドの強みは、何でしょうか。

斉藤:まずそもそもの生い立ちとして、「社内のインフラ部隊が構築してきたWebサービスの基盤があり、それをブラッシュアップして、インフラそのものを商品化したのがニフティクラウドである」という背景があります。Webサービスでは、24時間365日サービスを止めずに高性能・高信頼をめざしてきたので、その価値をオンデマンドでも利用いただけるようにしたのです。

メジャーな他社のクラウドサービス利用者も多いようですが、システムが複雑だったりサポートが手薄だったりして、通常期待するサービスレベルにおける感覚の差を感じるお客さまもいらっしゃるようです。そういったお客さまがニフティクラウドをご利用になると、大変ご満足いただけることが多いですね。

社内のシステム担当者が直感的に使える操作設計で、SLA(サービス品質保証)99.99%という信頼性の高いインフラ基盤を、24時間365日の無償サポート付きでご利用いただけるということが、お客さまからの高評価につながり、サービスの認知度も契約数も伸びているのかなと思います。

コミュニティを支えることで、良い循環が生まれていく

―エンドユーザーの視点になりますが、「ニフティ」と言うと、ISPということ以外では「デイリーポータルZ」や「ココログ」などが思い浮かびます。

福島:「ココログ」は当時、ブログサービスの先駆けとなりました。「デイリーポータルZ」は2002年に開始してもう10年以上が経ちますが、根強い人気があり、近年は企業とのコラボ企画が話題になったり、たまに社長の三竹が記事に登場したりしています。
いずれも、インターネットが普及し始めた頃の「インターネットでもっと情報発信しよう、面白いことをしよう」というカルチャーが色濃いサービスだと思います。当社はそういう文化を大事にしています。また、「ネットとリアルをつなぐ場所」をコンセプトに、お台場で「東京カルチャーカルチャー」というイベントハウスも運営しています。ネットの楽しさや便利さをリアルな世界に持ち込んで、価値を提供したいと考えています。

Webサービスでも主婦向けのチラシ情報サービス「シュフモ」を展開していますが、スーパーへの買い物ついでにクリーニング店などにも寄りますよね。チラシで安い商品を探せるだけでなく、そういった周辺サービスのお得な情報も提供するなど、シュフモを使うことで毎日の生活がより便利になるようなサービスを展開していきたいと考えています。

「コンシューマー」と一言で言っても、個々の趣味嗜好は千差万別です。そこに、直接的に価値を与えられるサービス展開をすることが大切だと思っています。利用者の目線や気持ちに寄り添い、彼らがワクワクできるような事業を展開していきたいですね。

―貴社のそのような姿勢は、パソコン通信時代から、フォーラムやコミュニティを大切にする文化が受け継がれている、ということでしょうか。

福島:そうですね、コミュニティを大切にする姿勢はずっと持ち続けていると思います。そのユニークさは当社の強みかもしれませんね。

―コミュニティに関係するところでは、「国内最大級の、Web系勉強会」と謳う「CROSS(裏表紙参照)」を強力にサポートされていますね。CROSSのようなイベントが生まれてくる貴社の、社内の雰囲気はどのような感じなのでしょうか。

福島:CROSSは、「@nifty エンジニアサポート」という、技術者向け勉強会の会場を無料で提供したり、動画配信に協力したりする活動に集まった社内外のエンジニアたちが中心となって立ち上げたイベントです。現在は協賛という立場で、会社や分野の垣根を越えてお互いに刺激し合いノウハウを共有しようという彼らの活動をバックアップしています。

社内でも、若手エンジニアを中心に部署や専門分野に関係なく豊かなコミュニケーションを取っていると思いますね。情報交換や意思疎通がスムーズだと、非常に高いパフォーマンスが期待できますし、チャレンジ意識も高い会社だと思っています。また、部活制度もあり、業務外での交流も活発です。こうした雰囲気が、社内外を問わずに議論できる環境につながっているのだと思います。

―技術者と言うと、皆さん黙々と仕事に取り組んでいるようなイメージもありますが、人と人とのコミュニケーションが密なんですね。

斉藤:成長することに貪欲なエンジニアが多いと思います。みんな「自分が情報を発信すれば、他の人も発信してくれる」というのをよく理解していますので、一人籠もってコーディングしているというイメージではないですね。

お客さまに叶えたい想いがあり、それをサポートする 〜ニフティの企業理念〜

写真: エントランスの様子
● やわらかなライティングであたたかみのあるエントランス

―コーポレートメッセージ「ニフティとなら、きっとかなう。With Us, You Can.」に、貴社の姿勢がよく表れている気がします。意味や込めた想いについて、教えてください。

福島:「With Us, You Can.」の「With Us」にはニフティがお客さまを応援してサポートしようとするマインド、「You」にはニフティと共に夢を実現しようとするお客さまに主体があるということ、「Can」にはニフティと一緒になら実現できる無限の可能性、といった意味が込められています。このコーポレートメッセージが作られたのは1996年頃で、ISP事業を始める少し前ぐらいですね。お客さまに想いや叶えたいことがあって、ニフティはそれを応援するきっかけであったり、ツールであったり、そういうものを提供していくのだという決意が、今も受け継がれていると思います。

―ISP事業を開始した1996年からだと20年、創業からは30年ということになりますが、お客さまサイドの変化はありますか。

斉藤:個人的には、変化よりも変わらない部分を感じていまして、それはいつの時代も「コミュニティでの活動」が好きなお客さまは多くいらっしゃるということです。ソーシャル系の動きについても、以前はブログで何でも公開し、その後はSNSでクローズドな流れになり、今度はSNSがつながってまたオープンにと、トレンドこそ時代と共に変わってはいますが、「自分がやっていることを伝えたい」「みんなが何をやっているのか知りたい」というマインドを持ったお客さまが多いという根底は変わらないのだと思います。

安心・安全・快適なユーザーエクスペリエンスを提供するために

―貴社は社会活動にも熱心に取り組まれていて、小学校高学年を対象とした出前授業や、保護者・先生向けの講座、インターネット教材の提供をされていますね。

福島:2008年6月から品川区で、2014年からは本社が移転してきたこともあり新宿区で、自社制作したオリジナル教材を使って情報モラル教育の出前授業を行っています。講師は社員が務めるのですが、決まった部署が担当するのではなく、全社的に講師希望者を募って実施しています。また、出前授業は当社が一方的に教えるだけでなく、インターネットを使っている生活者のリアルな声を聞くことができる貴重な場でもあります。若手社員の研修プログラムにも組み込んでいます。

また、昨年(2014年)は、平成25(2013)年度に行った出前授業が文部科学省の「平成26年度『青少年の体験活動推進企業表彰』」にて「審査委員会奨励賞」を受賞しました。今後も社会情勢に合わせた内容を検討し、子供たちがさまざまな問題を自分ごととしてとらえ、自らの判断で行動できるようになることを目指して、活動を継続していきたいと思っています。

―インターネットを安心安全に使えるようにするためには、大事な活動ですね。子供たちはデジタルネイティブでも、保護者・先生の世代はそんな経験をしていないので、ありがたい講座でしょうね。

福島:そうですね、担当者からは、保護者や先生方からの強いニーズがあり、毎回とてもご好評いただいていると聞いています。インターネット教材についてはWebサイトに掲載していますので、広くご活用いただければと思います。

ニフティの社会活動
http://www.nifty.co.jp/csr/

―貴社は、社会活動やコミュニティ重視というイメージと共に、ISPに関連する問題が起こった場合に、中心となり一歩リードしてISPとしての意見を取りまとめているようにも見えています。

福島:もちろん、世の中の変化や法律・省令の変化などは、常に会社としてウォッチし、必要があれば検討を進めます。業界特有のさまざまなテーマに長らく取り組んできた社員も多く、業界内での人的ネットワークがありますから、その中でいろいろと提言もしている、ということかと思います。

備えあれば憂いなし〜IPv6やリスクへの対応〜

―ところで、IPv6対応はなかなか進まないというのが本音ですが、Apple社がApp StoreのコンテンツでIPv6対応を必須とすることを発表するなど、一気に風向きが変わる可能性がありますね。IPv6のご対応について、お気づきの点は何かありますか。

福島:各社と同様にIPv6対応に取り組んでおり、当社として日本ネットワークイネイブラー株式会社にも出資していて、現時点では特に課題は無いと思っています。

コンテンツ側から見ると、必ずしもIPv6が必須ではないことから、IPv6化が進みにくい状況ですが、M2M(Machine to Machine)やホームIoTなどの普及により、IPv6化への対応が一気に進むと考えています。

―接続サービスでは、デフォルトでIPv6を提供していらっしゃるかと思いますが、既存ユーザーのIPv6対応も進めていらっしゃるのでしょうか。

福島:既存ユーザーへのIPv6対応については、強制しているわけではありません。利用者がノーオペレーションで対応できるのなら良いのですが、現状では申し込んで、下手をしたらホームゲートウェイ(HGW)も変えて……と手間がかかる割に、利用者が具体的なメリットを感じにくい。そこが問題だと考えています。ただ、光コラボでの申し込み手続きの簡素化や、市販の無線ルータの対応が進んでいることで、解消に向かっています。

―福島さんは、IPv6普及・高度化推進協議会の理事でもいらっしゃいます。今年や来年あたりで、IPv6を取り巻く状況が大きく変わりそうな雰囲気もありますが、いかがお考えでしょうか。

福島:当社においては、IPv6は伸びてきています。IoTで注目されているBluetooth 4.2もIPv6に対応するなど、モノ自身が固有のアドレスを持つ環境も整いつつあり、IPv6の活用が拡大していくと考えます。

―日本という土地柄、特に自然災害対応は重要になるかと思います。リスク対応についてもお聞かせください。

福島:基本的にデータセンターは、クラウドも含めて国内で分散・冗長化しています。DNSサーバも含めて対応は完了していて、仮に被災してもサービスを継続できる対策を採っています。

―JPNICに対するご要望はありますか。

福島:JPNICに対してというわけではないのですが、足回りの世界で見るとトラフィックが急激に増えてきています。いつも予測を超えるペースで増えていて、そうするとコスト負担増につながってしまいます。でも、加入者には負担いただけない、というのが頭の痛いところです。外資の映像配信サービスなどが出てきて、トラフィックが激増するわけです。そのような会社が最終的に成功するかは別としても、少なくとも今の時点では収益を上げて事業拡大できている。こういう実態のジレンマが、どうにかならないのか、とは思います。

―いわゆる「タダ乗り論」のような話ですね。2020年の東京オリンピックの頃には、観戦者の多くがスマートデバイスを用いて4K映像をツイートして……、といったようなことになると、今では想像できないようなコンテンツ量になるとの予測もありますね。

福島:固定系キャリアであれば、どこにでもある話ではありますが。例えば、スマホはオフロードで使う流れになってきています。自宅に帰ってから使うとなると、ピークに近い時間帯になります。携帯電話事業者としては投資を最適化できているが、その被害を受けるのは接続系です。そこはどうにかならないのかとは思うものの、1社でブレークスルーを作るのは難しい。

東京オリンピックの頃には、映像は8Kになるんじゃないでしょうか。そして、さらにIoT化が進み……などと考えると悩ましいですが、新しいイノベーションを創出するサービスの拡大により、解決すべきことだと思います。

また、個人情報やマイナンバーなど、個人の情報をいかに活用して新しい事業につなげるかという流れがある一方で、その取り扱いはとても重要です。デバイスなどのセキュリティについては、これまでに高度なノウハウが蓄積されているものの、データ自体のセキュリティをどう守るのかという問題は残ります。いろいろなところで研究会などが開かれていますが、ビジネスの世界が追いついていけるのかが気になります。

JPNICの活動に直接的に関係しないかもしれませんが、インターネットという枠組みで考えると、大事なことだと思っています。

―JPNICが直接的に対処できなくても、みんなで話せる場などをうまくコーディネートできると良いかなと思います。ご意見ありがとうございます。さて、それでは最後の質問になりますが、貴社にとってインターネットとは、どのような存在でしょうか。

福島:生活者にとって、安心・安全・快適なユーザーエクスペリエンスを提供できる環境がインターネットなんだと思うんですね。単純に「つなぐ」という技術的なことは絶対必要ですが、それに加え、常に利用者の立場に立って、何を提供するとワクワクしたり便利だと感じていただけたりするのか。そこがすべての発想の原点であるべきだと思います。そのためのさまざまな課題は会社として解決していって、人々の生活を便利で豊かにするサービスを世の中に提供し続ける。そのための環境がインターネットだと思います。

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