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ニュースレターNo.65/2017年3月発行

IGFグアダラハラ会合(IGF 2016)報告

2016年12月6日(火)〜9日(金)(Day 0:12月5日(月))にかけて、メキシコ・グアダラハラで「Internet Governance Forumミーティング(IGF 2016)」が開催されました。IGFはインターネットガバナンスに関する課題について、さまざまな関係者で幅広く議論するための国連主催の会合です。200を超えるセッションのうち、半数以上のプログラムは公募に基づき「Multistakeholder Advisory Group (MAG)」と呼ばれるプログラム委員(さまざまな地域や立場より構成された約50名のメンバー)が選定します。私自身も本年までTechnical CommunityからのMAGメンバーを務め、プログラム選定にも関わってきました。本稿では、このIGF 2016についてご報告します。

IGF 2016の特徴と主な議論のテーマ

今回のメキシコでの会議は、IGF開催期限の延長が2025年までと国連総会にて承認されてから初めての開催でした。そのため最終日には、今後10年のIGFの改善について、国連事務局やMAGのチェアが参加者からヒアリングを行うセッションも開催されました。政府に限らず、誰もが参加できる場としてのIGFの改善は、開発のための科学技術委員会(CSTD)等、国連のその他の場でも議論されてきたテーマです。本セッションは、IGFの運営に責任を持つ国連経済社会局(UNDESA)の担当者に、IGF参加者が直接インプットを行える機会でした。

またIGFとしては、今後10年の改善に対するインプットを待たず、既に並行してできる改善は一部進めています。年に1度の会議での議論で終わるのではなく、課題に対する検討を継続的に進め、具体的な成果を示すべく、過去3年は“Intersessional Work”として括られる各種活動を実施しています(以下、「成果文書・継続活動」参照。初心者向けプログラムや屋外スペースを利用して気軽に議論できる場を設ける等の試みも行いました)。

なお、National Regional IGFとの連携強化、日本のIGFへの関わりはJPNICブログでもご紹介していますので、詳しくはそちらをご覧ください。

写真: IGFグアダラハラ会合の様子
● IGFグアダラハラ会合の様子

主な議論のテーマ

今回のIGFは「インターネットを基盤とした継続的な発展」が会議のメインテーマでした。これは、インターネットを基盤として国連の2030年ミレニアム開発目標をどう支援できるのかを念頭に置いたものです。

また、IGF 2016ではTPPなど貿易協定のあり方を議論したセッションも開催されました。これはインターネットが基盤となる経済活動への着目が増えてきていること、また、国際的な貿易協定の中でインターネットが関わる場面が増えた動向を反映していると言えそうです。

その他、主に議論されたテーマは、以下の通りです。

  • 「(途上国や都市部以外の地域への)アクセス提供」(IXP、IPv6普及促進、コミュニティネットワークの提供)
  • 「サイバーセキュリティ」(政府、法執行機関、その他関係者間の連携のあり方、IoTセキュリティ)
  • 「人権」(監視とプライバシー、忘れられる権利、インターネット情報へのアクセス)
  • 「若者の参加促進」

IGF2016各セッションのアーカイブや、MAG議長による会議の総括は、IGFのWebサイトをご覧ください。

IGF Webサイト
https://www.intgovforum.org/multilingual/

成果文書・継続活動

ここでご紹介する活動は、会議開催の数ヶ月前からオンラインで議論を重ね、その成果もオンラインで残ったり、または活動が継続されたりすることに重点が置かれています。IGF開催期間延長の国連による承認が必要となる目前の2014年から、これらの取り組みを開始/再活性化を行うことで、特定の課題に対して年に一度の会議で議論して終わるのではなく、交渉ではない形で、特定の課題に対して具体的な対応を示すことをめざしたものです。

Best Practices Forum

毎年、その年に重視される四〜五つのテーマが選定され、今年は「Gender and Access」「IPv6」「IXP」「Cyber security」の四つのテーマについて取り組みました。いずれのテーマもIGF会議の半年以上前から誰もが参加できるメーリングリストと電話会議での議論を経て文書化に取り組み、意見募集の上、最終的な文書はIGFのWebサイトで公開され、主な関係者機関やコミュニティへ周知されます。

Policy Options for Connecting and Enabling the Next Billion(s) - Phase II

2015年に続き、次の10億人をインターネットにつなげる上での各種施策について文書化しました。

Dynamic Coalitions

特定のテーマについて継続的に議論・活動を行うグループで、参加は誰にでも開かれており、現在は16のテーマに対して、Dynamic Coalitionグループが設けられています。

資源管理・技術動向に関する議論

JPNICは番号資源の管理を担うレジストリとして、資源管理や技術動向に関わる議論を軸に参加しましたので、それらに関する議論を簡単にご紹介します。

IPv6の導入に向けた経済要因に関する取り組み

2015年より継続しているIPv6に関する最適事例を文書化する取り組みで、2016年は経済的モチベーションに重点を置き、ケーススタディを公募して20を超える事例を集め、文書化しました。

IoTとインターネット

IoTを取り巻く検討課題に対して、別の仕組みで検討するのではなく、既存のインターネットにおける決めごとの枠組みの中で対応していくこと、IoTベンダーはインターネットのエコシステムを認識してその中で対応していくこと、複数の標準化活動間の連携の重要性等が語られました。

DNSの分断化

Yeti DNSの目的とRoot DNSとの関係および影響について、IABチェアのAndrew Sullivan氏、L-rootの運用者であるRIPE NCCのCIO Kaveh Ranjbar氏、Yetiに関わっているPaul Vixie氏が議論を行いました。

Yeti DNSは、IANAの管理するすべてのTLDデータをYeti DNSシステムに反映し、実際のルートDNSへの影響に関する各種実験を実施しています。しかしこの実験は、技術的にAlternative Rootとなり得る可能性があるため、その影響についてさまざまな意見があることから、登壇者それぞれの立場から議論が行われました。

Yeti DNS:
https://www.yeti-dns.org/
Paul Vixie氏によるYetiの目的を説明した執筆記事:
http://www.circleid.com/posts/20160330_let_me_make_yeti_dns_perfectly_clear/

IXPおよびCDNを利用したコンテンツデリバリーのあり方

Cloudflare社、Ams-IX、ISOC、CGI.br等のパネリストが、途上国における中小ISPによるコンテンツソースとして、IXPに接続してCDN cacheとそのコストを共有する利点と課題を議論しました。

その他資源管理・技術動向に関する議論

CGNの利用に伴う法執行機関とIPアドレス利用者の特定における課題、国際化ドメイン名や国際化電子メールアドレスについて議論するセッションも開催されました。

次回のIGF

来年のIGF 2017はスイスがホスト国となり、2017年12月18日(月)〜21日(木)にジュネーブで開催されることが、Closing Ceremonyで発表されました。

写真: IGFグアダラハラ会合の様子
● IGFグアダラハラ会合の様子

(JPNIC インターネット推進部 奥谷泉)

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