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ニュースレターNo.67/2017年11月発行

ライフラインとしてのインターネット

JPNIC理事 長谷部 克幸

スマートフォンの普及、ソーシャルメディアの活用により、 インターネットは多くの人にとって欠かすことのできない、 重要な役割を持つこととなりました。 1995年1月の阪神淡路大震災によって、 被災地では電気・ガス・水道などのライフラインが絶たれた状態においてもインターネットとの接続は保たれていたことから、 ライフラインとしてのインターネットの役割が議論されてきました。

ライフラインの要件として、①いつでもどこでも誰でも、 ②安心安全、③快適の三つが挙げられます。 「いつでもどこでも誰でも」は必要不可欠な情報およびサービスがあらゆるときにどこでも誰でも利用できること、 「安心安全」は安心して任せられいつも安定して利用できること、 「快適」は利用環境や状況に影響を受けにくい性能であることになります。

利用者から見た場合、インターネットへの依存性が高くなった分、 利用できないことによる影響も大きく、 障害に対する影響をできるだけ局所化することが求められます。 元々障害に対する影響の局所化を考え、 自律分散システムとして作られたインターネットは、 ライフラインとしてのこの要件を満たしていたことになります。

しかしながら、昨今のGoogle社、Facebook社、Microsoft社、Akamai社、 Limelight社に代表されるHypergiants(大手コンテンツプロバイダーおよびCDN事業者)へのコンテンツの集中により、 Hypergiantsでの障害やHypergiantsと利用者間の経路障害が自律分散システム上でも利用者にとって大きな影響を及ぼすようになってきました。 Hypergiantsへのコンテンツ集中および誰もが使えるライフラインとなった分、 今まではそこまで騒ぎにならなかった障害が、 ニュースとなってマスコミに取り上げられるまでになりました。

サービス利用を意図的に不可能とする経路ハイジャックやDDoS攻撃だけでなく、 ドメイン名とIPアドレスを変換するDNSサーバの障害、 さらには設定ミスによる意図しない経路ハイジャックによる障害なども、 利用者にとっては同様に依存度合いが高いライフラインの消失となってしまうのです。

一元管理者がいないインターネットでは、国内外のステークホルダーと、 インターネットの運用上の諸問題に対する取り組みの在り方である「インターネットガバナンス」の中で、 途上国における基盤インフラの整備や情報の自由な流通(ネット中立性)、 インターネットの在り方などとともに、 インターネットのセキュリティ・安定性・復元性についても議論が行われています。

JPNICでは、この「インターネットガバナンス」に対し、 国内外のインターネット政策に関する調査研究や、 国内外のインターネットガバナンス会議体・組織における議論や政策検討への参画、 意見調整、および提言の発信を行っています。 具体的な一例として、①インターネットガバナンスに関して、 適切な状況認識の上で充実した検討ができる基盤を日本国内に構築する、 ②インターネットガバナンスに関する提言を行い、 グローバルな方向性への反映と日本国内での実装を準備する、 という二つの目的のもと発足した日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)の事務局として、 IGF-Japanと連携し、 日本におけるNational IGFとして「Japan IGF」を構成しています。

また、JPNICでは、 通信事業者が自身の経路情報を登録するルーティングレジストリ(JPIRR)を運用しています。 インターネット上の全経路情報とJPIRRに登録されている経路情報を比較し、 差異がある場合にはアラートを発する経路奉行と連携し、 経路ハイジャック通知用に登録されたメールアドレスに通知を行うことで、 経路ハイジャックに「気づく・知らせる」機能を提供しています。

このように通信事業者やインターネットコミュニティをはじめとした国内外のステークホルダーにより、 ライフラインとして日々その重要度が増し、 「いつでもどこでも誰でも・安心安全・快適」であるために、 さまざまな取り組みがされています。 そのような取り組みがされているインターネットではありますが、 障害は日々発生しています。

インターネット接続ができない際に、 利用する側としても事前に対処する方法を理解、学習しておくことで、 原因を確認し、復旧することも可能となります。

例えば、DNSサーバ障害かどうかの確認方法、 DNSサーバ障害であった際にPublic DNSサーバなどの他のDNSサーバを参照する方法、 ネットワークの障害を確認する方法、 さらにはWi-Fiやモバイル等他の通信手段へ切り替えることを理解することで、 通常のトラブルに対応することが可能となります。

すでにライフラインとしての役割を果たすインターネットではありますが、 電気・ガス・水道と同じように供給網に頼るだけでなく、 仕組みを利用者自らが理解することで、さらに利便性が増すと考えます。


執筆者近影 プロフィール●長谷部 克幸(はせべ かつゆき)
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社ネットワークサービス部担当部長。 国内外NTT研究所において計算機ネットワーク、分散情報提供システム、 分散IXの研究開発に従事するとともに、ネットワークの設計・構築・運用を行う。 NTTでの国内外IPビジネス立ち上げに従事。 情報通信研究機構、WIDE Projectにて次世代ネットワークアーキテクチャの研究活動を継続。 JPNIC理事(IPv6推進担当)

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