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ニュースレターNo.67/2017年11月発行

インターネットことはじめ

第2回インターネットを支えるTCP/IPの誕生から普及まで

1973年の開発開始から、2000年代に普及するまで

イラスト:博士

前号*1ではARPANETについて解説しました。 今回はインターネットで30年以上使われている通信プロトコル、TCP/IPについてです。

TCP/IPの開発は1973年に始まりました。 ARPANETで使われていたNCPに替わるプロトコルとしてです。 最初の仕様はRFC 675*2として、 1974年11月に公開されています。 その後、現在のTCP/IPの仕様であるRFC 791*3(IP)、 792*4 (ICMP)、 793*5(TCP)が1981年9月に公開され、 1981年11月に公開されたRFC 801*6でARPANETのプロトコル切り替え完了日が1983年1月1日と定められました*7

また同じ1983年9月に、TCP/IPを標準サポートした4.2BSDというUnix系のOSが公開されました。 ソースコードも含めて教育機関には比較的廉価で提供されたため、 RFCとともにTCP/IPのプログラムを作る際に大いに参照されました。 この頃はいわゆるUnix系のOSで動作するtelnet、ftp、 mailやmhといったところが主なアプリケーションで、 インターネット商用化の前でもあったことから、 TCP/IPは研究者や技術者が主な利用者であるといった状況でした。

これを大きく変えたのが、1991年に公開されたWWWです。 特に、1993年に公開されたNCSA Mosaicというブラウザで、 画像を含むファイルをハイパーテキストの形で統合的に扱えるようになり、 一気にWWWはブームとなりました。

こうしてWWWがブームとなりましたが、Unix系OS以外、 例えば当時使われていたWindows 3.xはTCP/IPには標準対応しておらず、 Webブラウザを使うためには別途TCP/IPのプログラムを導入する必要がありました。 しかし、1995年のWindows 95の発売で状況は一変します。 Windows 95ではTCP/IPが準備されており、 加えて「Microsoft Plus!」による拡張機能として同社製のWebブラウザInternet Explorerが無償提供されるようになり、 インターネットの商用化の進行とあいまって、 TCP/IPが世界的に一気に普及することになりました。

TCP/IPの普及はLANの姿も変えることになりました。 当時、LAN内でのファイル共有には別のプロトコルが主流でしたが、 インターネットの普及に伴いLAN内でもTCP/IPを使うようになり、Windows、 Macintoshともども徐々にではありますが、TCP/IPの利用範囲が広がっていきます。 その結果、 2017年現在ではLAN内でもほぼTCP/IPのみが使われるという状況になっています。

TCP/IPを特徴づける、四つの項目

イラスト:ロボット

TCP/IPにはさまざまな特徴がありますが、代表的な四つとして、 オープン、パケット通信、エンドツーエンド、シンプルがあります。

オープンというのは、TCP/IP規格そのものを誰でも無償で自由に参照できることです。 仕様が公開されない独自規格や、参照に費用のかかる規格に比べると、 開発・実装のハードルが下がります。

パケット通信はデータを複数に分割したパケットの形でやり取りする方法です。 通信中に回線を占有する回線交換方式に比べると、 一つの回線を複数の通信で同時に使えて回線の利用効率が高まる、 ネットワークそのものの堅牢性も向上するといったメリットがあります。 デメリットとしては、通信を制御するためのオーバーヘッドが大きい、 帯域保証が難しいといった点が挙げられます。

エンドツーエンドは、複雑なことはなるべく端末側で行い、 ネットワークはシンプルに保つという原理、原則です。 ネットワークを高機能にすると作るのが大変ですし、 使わない機能満載ということにもなりかねません。

シンプルというのは、文字通りです。 今日的な観点からはあって然るべき機能(セキュリティなど)もありません。 おかげで、比較的作りやすいということになります。

数あるプロトコルの中でTCP/IPが最も普及した理由

イラスト:博士

TCP/IPが開発された1970年代から1980年代にかけ、 広域通信網ではX.25、大型機ではSNA (Systems Network Architecture)、 ミニコンピュータではDECNet、パソコンではIPX/SPXやNetBIOS/NetBEUI、 AppleTalkなど、それぞれの用途に応じたさまざまな通信プロトコルが使われていました。 しかし、TCP/IPはそれらにことごとく打ち勝ち、世界的に覇を唱えることとなりました。

これはもちろん、いくつかの理由が複雑に絡み合った結果です。 しかしTCP/IPが本来備えるシンプルさ・オープンさに由来する作りやすさ・使いやすさ、 そして、当時普及段階にあったWWWという魅力的なアプリケーション(いわゆるキラーアプリ)にも恵まれたのが大きな理由であることは、 間違いないところでしょう。

次回は、WWWのお話です。


*1 インターネットことはじめ 第1回インターネットの先駆け、ARPANETの始まり
https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No66/0320.html
*2 RFC 675
https://tools.ietf.org/html/rfc675
*3 RFC 791
https://tools.ietf.org/html/rfc791
*4 RFC 792
https://tools.ietf.org/html/rfc792
*5 RFC 793
https://tools.ietf.org/html/rfc793
*6 RFC 801
https://tools.ietf.org/html/rfc801
*7 Brief History of the Internet
https://www.internetsociety.org/internet/what-internet/history-internet/brief-history-internet

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