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ニュースレターNo.67/2017年11月発行

INTERNET ♥ YOU No.2

■プロフィール

大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台/大江 将史

1975年生まれ、2003年奈良先端大情報科学研究科博士課程了。 同年、文科省国立天文台天文学データ解析計算センター助手、 現、大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台天文データセンタ助教。 同台の情報基盤の設計運用、CSIRT業務、クラウドシステムの設計運用を通して、 天文学と情報ネットワークの融合、行動解析に基づくインシデント抑制手法、 フラッシュストレージの性能解析に従事。

タイトルバック

WIDEプロジェクトのボードメンバーであり、 東日本大震災での復興支援にも取り組んでいらっしゃる国立天文台の大江将史さんに、 ユニークな経歴、インターネットセキュリティへの問題意識などを語っていただきました。

大江さんのインターネットとの出会い

1台のモデムが人生を変えたと思います。 実家は、代々観世流の能楽師を務めており、私は能楽師となるべく修業を積んでいました。 能の世界では、役を務めるとご褒美がもらえるという仕組みがあり、 中学生2年の頃に興味のあった2400bps/MNP4のモデムをいただきました。 そして、通信の面白さに触れ、PC-VAN、Nifty-serve、 草の根BBSへの連夜のアクセスや、 BBS開局のために徹夜でBBSシステムのプログラミングを行うなど没頭しました。 師である父は、没頭する子を見てうすうすダメだと思っていたみたいです。 私自身は、能楽師になるつもりで大学に進学しましたが、そこで、 不幸にもUNIX(NEWS、FreeBSDとLinux)に出会ってしまい、 気持ちは能楽師<コンピューターサイエンスとなり、 能楽師への道を離れ奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)に進学しました。 当時同大学院の山本和彦さんや山口英さんの薫陶を受け、そして、 WIDEプロジェクトにて、IPv6、無線LAN、衛星通信、情報セキュリティなど、 さまざまなことに取り組みました。

国立天文台での業務

国立天文台では、情報基盤システムの設計運用やSOCを業務としています。 また、ネットワークと天文学がリエゾンする課題にも取り組んでいます。 例えば、2009年の皆既日食映像を硫黄島から実験衛星でテレビやインターネットへ中継、 天文観測データの広帯域伝送などがあります。 また、情報セキュリティシステムの開発運用や、 フルフラッシュストレージによるクラウドシステムの構築・運用にも取り組んでいます。

最近のインターネットに対して思うこと

今の情報セキュリティはいわば城壁を高くし、穴をふさぐ対策に終始しています。 しかし、ことの本質は、インターネットを利用する者の情報リテラシーの欠如です。 我々は、教育により、道路に飛び出すようなことはしませんし、 道端に落ちている水のボトルは飲みません。 しかし、今のインターネットは、例えるならば、 道路に飛び出す人や封の開いている水を飲む人が多数いる状況で、その対策として、 道路に高い柵を作るとか水の検査薬を売るといったことをしているのです。 私は、この状況が健全とは感じません。 柵や試薬の開発を否定はしませんが、 限られたリソースを過度に投入することは問題だと思います。 故に、教育システムの長期的な構築が、デジタルネイティブ世代を迎えて、 重要なことだと思います。 空白期間が長ければ、知識格差が広がり、結果として、社会負担につながります。

技術的に興味のあること

共助したことをブロックチェーン技術により記録し、 評価する仕組みがあれば、 社会負担を軽減するバイアスがかかるのではないかと思います。 例えば、車の運転において、 直進車が右折車への進路を譲ることを良しとして評価すれば、 対面の渋滞が軽減され、道路のインフラコストを軽減できるかもしれません。 セキュリティ対策が不十分な人を支援した人を評価すれば、 インシデントは減るかもしれません。 このように、共助を促す仕組みがあれば、セキュリティ分野では、 パラダイムシフトが生じて、適切な産業構造になるのではないかと思います。

大江さんから愛情のこもったメッセージ

自分は、いい意味で人生を変えた人がたくさんいます。 いまの自分があるのは、 間違いなく能楽師への道を離れるきっかけとなったUNIXのおかげであり、 より学ぼうと進学したNAISTで出会った先生や仲間は、 自分の人生を大きく変えたと思います。 だから、自分も、人に何か遺せるような生き方をしていきたいと思っています。 そして、若い人には、そんないい人に出会えるよう、 いろんなことに挑戦してほしいと思います。 決めた目標にスマートに進むことは、ネット世代らしい生き方かもしれませんが、 コーディングに一つの解がないように、 楽しみ半分で寄り道するような挑戦をしてほしいです。 自分でやってみるということは、 人生や考え方を変えるきっかけになるかもしれません。 ネット、コーディング、セキュリティ、料理、DIY、子育てにしても、 その過程で得られた経験は宝です。

イラスト:天文台

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