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ニュースレターNo.72/2019年7月発行

インターネットが支える、高度に情報を活用する未来の実現に向けて

JPNIC理事 佐々倉 秀一

ユニコーン企業の代表格として知られる、 米ウーバー・テクノロジーズ社が2019年5月に上場しました。 予想に反しての低調な株価の推移やドライバーの個人情報を巡るリスクなどで、 何かと話題になっていますが、 同社は移動を便利にしたいというユーザーニーズ(待ち時間短縮、事前の運賃把握、 安心/安全)とドライバーのニーズ(自家用車活用、柔軟な勤務/給与体系、 安心/安全)の双方に応えた革新的なサービスの創出により、 ライドシェアという新たなビジネスモデルを確立しました。 同社がこのサービスをスピーディーにリリースできた要因の一つは、 決済・通話/SMS・地図情報などの機能については自社で開発をするのではなく、 複数のクラウドサービスを活用し、 それぞれが持つ情報やデータベースをAPI (Application Programming Interface)で連携させ、 自らは効率的な配車の仕組みや使いやすいユーザーインタフェース等の開発に注力したことであると言われており、 マイクロサービスの組み合わせによるデジタルトランスフォーメーション(DX)の成功事例と言えるでしょう。

また、日本では、政府がSociety5.0で「サイバー空間(仮想社会)とフィジカル空間(現実社会)を高度に融合させたシステムにより、 経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会を目指す」と提唱しています。 これまでのSociety4.0(情報社会)では情報活用等で人が実施することによる限界がありましたが、 Society5.0では、IoTによる様々な知識/情報の共有、 従来独立していた情報の連携とAIによる分析により必要な情報がタイムリーに提供され、 ロボティクスや自動運転といった新技術と組み合わせることで新たな価値を創出し、 従来対応できなかった課題を解決するとされています。 このように様々な技術が発展し、蓄積される情報の内容や量が爆発的に増加していく中で、 これらの情報を活用したDX化は、加速的に進んでいくでしょう。

多種多様なサービスや、大量の情報がクラウドに集積され、 クラウドから提供される最新の機能や、 蓄積された情報の分析結果を高度に活用していく未来においては、 これらを繋げるインターネットが通信の主軸となり、 一層重要な社会基盤に発展していくことは論をまたないところですが、 インターネットがその役割を担っていくには、 取り扱う情報の量や重要性も踏まえた、 データを安定的かつ柔軟に媒介できる『ネットワーク基盤としての発展』と、 『サイバー攻撃に対する高い防御能力の具備』が一段と必要になってくると考えます。

『ネットワーク基盤としての発展』では、 様々な情報をIoTやAI等を用いて効率的に収集/活用できる仕組みを実現していくため、 5Gなどの無線通信、ベストエフォート型を含む有線通信の双方において、 通信の高度化が求められます。 インターネットを活用するネットワークサービスでは、 流通する情報が増加し続けるため、 情報の内容に応じて通信を効率的に行うことが求められており、 これには流通する情報の可視化と制御が必要になります。 この実現にはサービスの利用者や提供者、情報の保有者といった複数の関係者の間で、 社会的課題の解決など、 我が国がこれから目指すべき方向を踏まえたコンセンサスを形成していく必要があるでしょう。

また、IPv6対応の推進も課題です。 IPv4アドレスの在庫が枯渇して既にかなりの時間が経過しましたが、 我が国でのIPv6通信の利用の拡大は、諸外国に比べると低水準に留まっており、 IoTの一層の拡大に向けてIPv6の活用を加速させていくことが重要です。

『サイバー攻撃に対する高い防御能力の具備』では、従来、 個人の手元や企業内にあった様々な機能やデータがクラウドに集積され、 ネットワークを介した柔軟な連携が加速し、自動運転や医療、 防災などのミッションクリティカルな社会システムを支えるインフラとしてインターネットが活用されていくことから、 セキュリティの確保/高度化が非常に重要になります。 マルウェアやDDoS攻撃などをはじめとするサイバー攻撃が日増しに複雑化する中、 これらの脅威に対して、利用者の拠点内のみならず、利用するクラウドサービス間や、 これらを繋ぐネットワークなど、多層的な対策/取り組みを進めていく必要があります。

このような課題の解決や、 社会インフラとしてのインターネットの継続的な発展/高度化には、 情報やサービスの利用者(企業・コンシューマ)と提供者(通信事業者・クラウドサービス事業者)など、 インターネットに関わるあらゆる組織や個人の取り組み、スキルアップが不可欠です。 JPNICでは、Internet Weekや各種セミナー、ホームページ等を通じ、IPv6技術やDNS、 ルーティング、セキュリティに関する啓発・情報発信を行っておりますが、 これらをぜひ活用いただきたいと思います。 JPNICではこのような活動を通じて、より豊かな社会の実現に向けて貢献していきます。 今後もJPNICの活動にご期待ください。


執筆者近影 プロフィール●佐々倉 秀一(ささくら しゅういち)
NTTコミュニケーションズ株式会社取締役 ネットワークサービス部長。 企業向けOCNサービスの企画開発、 インターネットマルチフィード株式会社およびJPNAPの立ち上げに従事。 NTTレゾナント株式会社でのコンテンツビジネス推進、 NTTコミュニケーションズ株式会社での経営戦略策定を担当した後、 現在はNTTコミュニケーションズ株式会社のデータネットワークサービス(VPN・OCN・モバイル)を統括。 2018年よりJPNIC理事(分野担当(新技術))。

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