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ニュースレターNo.93/2026年9月発行

人を育て、豊かな未来を支え続ける

株式会社日本レジストリサービス 代表取締役社長
東田 幸樹

JPRSを設立してから、25年が経ちました。 多くの関係者に支えられ、 JPドメイン名の登録管理という重要な役割を担い、 より良いサービスを提供できるよう、 登録のルールやシステム・運用の改善に継続して取り組んできました。 利用者や指定事業者の皆様の声に耳を傾け、 関係者との対話を重ねながら、 安定性と利便性の両立を図ってきたことも、 これまでの歩みの大切な一部です。 また、JPドメイン名登録サービスに加え、 gTLD取次サービスやJPRSサーバー証明書発行サービス、 ブランドTLD総合サービスなどを通じて、 多様化するニーズに応えるとともに、 インターネットの信頼を支える事業者としての役割を拡張してきました。

それらの原点には、 安定性と信頼性を高いレベルで支える運用があります。 JP DNSの安定運用に加え、ルートDNSサーバーの運用への参画、 DNSに関する技術情報・セキュリティ情報の発信、 不正利用対策の推進などを通じて、 JPドメイン名の枠を超えたインターネット基盤全体の安定性と信頼性を高めるための貢献にも努めてきました。 平時の品質確保はもちろん、 万一の障害やインシデントに備えた体制の整備、 関係機関との連携の強化、 運用手順の見直しといった、 運用の品質を高めるための地道な取り組みも重ねています。

インターネットの基盤を支える仕事は、 安定して機能している時ほど利用者に意識されなくなります。 しかし、利用者が安心してインターネットを利用できることは、 今日のデジタル社会の大前提であり、その前提が揺らげば、 われわれの社会活動や経済活動に重大な影響が及びます。 だからこそ、その前提を支え続けることが企業理念に掲げる「インターネットの発展に寄与し、 人と社会の豊かな未来を築くことに貢献する」ことにつながると考えています。

そして今、AIやデータ活用が日常に浸透し、 情報やサービスのあり方が大きく変わる中で、 インターネットの信頼を支えることの重要性は、 これまで以上に高まっています。 新しい技術の普及が進むほど、基盤の安定性や、 利用者が安心してアクセスできる環境の価値が一層問われるようになります。 JPRSは、これまで培ってきた技術と知見を生かしながら、 自らの活動領域を限定することなく、 信頼されるインターネット社会の実現に貢献していきたいと考えています。

こうした取り組みをこれからも継続し、 さらに発展させていくためには、 それを担う人材を育てていくことが欠かせません。 少子化が進み、多くの産業で人材不足が課題となる中、 インターネットに関わる領域も例外ではありません。 AIやアプリケーション開発など、 成果が見えやすく社会的な注目を集める領域に関心が向くのは自然なことです。 一方で、ドメイン名やDNSを含むインターネットの仕組みや、 それを支える仕事の役割や面白さに触れる機会は、 必ずしも多くありません。

JPRSでは、即戦力の獲得だけに頼るのではなく、 社内の教育研修制度を整えるなど、 採用した人材を育てることを大切にしています。 その一方で、自社人材だけでなく、小学校への出前授業、 中学校・高校などへの教材配布、 大学での講義やハンズオンなどを通じて、 若い世代がインターネットの仕組みや、 その信頼を支える仕事に触れる機会をつくってきました。 将来どこで働くかにかかわらず、 インターネットとその信頼を支える領域に興味を持つ人が一人でも増えることが、 インターネット社会全体の持続可能性につながると考えています。

インターネットは、1社だけで支えられるものではありません。 さまざまなサービスを提供する事業者、教育機関、研究者、 それらをつなぐJPNICのような組織やコミュニティなど、 多くの関係者の協力によって成り立っています。 そして、信頼されるインターネット社会を支える担い手を育てる取り組みもまた、 業界全体で進めていくべき課題です。 相互の役割を尊重しつつ、連携を深め、 知見を共有していくことが不可欠だと考えます。

JPRSの25年がインターネット社会にどれだけ貢献してこられたのか。 これはJPRSが答えを出すものではありません。 だからこそ、 インターネットを支える取り組みを誠実に積み重ねていくこと。 そして、次の担い手を育て、社会への貢献を続けていくこと。 それが、私達の答えなのだと思っています。


執筆者近影
プロフィール●東田 幸樹
1977年、東京理科大学理学部卒業。 1978年より同大に勤務し、情報処理センター長補佐、 理学部助教授として研究・教育に従事。 BITNET接続の日本側技術責任者を務め、 BITNETJP/JOINの運用を担当。 JNIC/JPNICの設立・社団法人化に携わり、 運営委員、理事、事務局長、副理事長等を歴任。 2000年、 代表取締役社長として日本レジストリサービス(JPRS)を設立。

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