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2002年4月1日

各位

社団法人日本ネットワーク
インフォメーションセンター

JPドメイン名の登録管理方針に関するJPNICからJPRSへの申し送り事項

目次

1. はじめに
2. 申し送り事項
 2.1  JPドメイン名の基本原則の再検討
 2.2 属性型地域型JPドメイン名の位置付けの再確認と新属性の新設方針に関
    する検討
 2.3  属性型地域型JPドメイン名の仮登録制度の検証と再検討
 2.4 汎用JPドメイン名の予約ドメイン名に関する予約解除方針の検討
 2.5 登録資格不適合なドメイン名に対する扱いの検討
 2.6 登録審査、登録資格要件確認などについての他組織への委任の検討
 2.7 登録者情報の公開・開示と個人情報保護に関する検討
 2.8 手続の簡素化と信頼性の向上に関する検討
 2.9 登録管理組織・登録者・指定事業者の三者の契約関係の検討
3. おわりに

1. はじめに

 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、JPドメイン名登録管理業務を、2002年4月1日付けで株式会社日本レジストリサービス(JPRS)へ移管しました。

 JPNICでは、これまで「ドメイン名検討委員会(DOM-COM)」(2000年度以前は「ドメイン名検討部会(DOM-WG)」)にてJPドメイン名の登録管理方針についての議論を重ねてきましたが、今回の移管に伴い、今後はこの方針策定機能についてもJPRSが担っていくことになります。

本文書は、JPドメイン名の登録管理方針に関して、今後継続的に検討すべき事項として考えられているものをJPRSへの申し送り事項としてまとめたものです。

2. 申し送り事項

2.1 JPドメイン名の基本原則の再検討

 JPNICはこれまで「ローカルプレゼンス(日本に住所を持つこと)要件」「1組織1ドメイン名原則(属性型地域型JPドメイン名)」といった基本原則を堅持してきました。双方共にこれまでのJPドメイン名の登録管理の根幹部分を形成する大方針であると考えていますが、前者については、海外居住の日本人、海外の日本人学校、日本を商圏と考える海外の企業などのニーズがあり、検討すべき余地があると考えます。また、後者については、政府機関の独立行政法人化に伴う組織の合併などで一部例外を認めているケースもあり、社会的状況を見ながら適宜原則の再検討をする必要があると考えます。

2.2 属性型地域型JPドメイン名の位置付けの再確認と新属性の新設方針に関する検討

 汎用JPドメイン名の導入から1年経過したこともあり、属性型地域型JPドメイン名の位置付けと役割について再確認の作業が必要であると考えています。特に、属性型JPドメイン名の各属性に設定されている登録資格要件については、それぞれについての再確認が必要であると考えます。

 また、JPNICとしては、汎用JPドメイン名の導入により、JPドメイン名に対する社会の大方のニーズは満たしたものと考えておりますが、その一方で、属性型JPドメイン名の価値が相対的に上がったという認識も持っております。このような中、新属性の新設という潜在的なニーズについても一定の方針を検討すべきであると考えます。

 その他、地域型JPドメイン名については、現在の構造を再検討するとともに、市町村合併が進んだ場合の対応や新たな政令指定都市が生まれた場合の対応などについても検討をしておく必要があると考えます。

2.3 属性型地域型JPドメイン名の仮登録制度の検証と再検討

 属性型地域型JPドメイン名では、組織を設立・登記する前に、その組織名にてドメイン名登録をしたいというニーズがあることを認識しております。現行の登録規則では、「仮登録」という制度を設け、ある種の事前予約ができる形としています。

 登録規則的には「申請者は、商号仮登記記載証明書その他当センターの定める書類を提出しなければならない」との規定により、属性型地域型JPドメイン名すべてがこの対象となっていますが、これまでのこの制度の活用状況を見るとCO.JPの登録を希望する組織が商号仮登記記載証明書を用いてこの制度を利用するのみとなっております。

 CO.JP以外にもニーズがあるものと想像しておりますが、必要となる提出書類に関する方針・規定等が十分に追いついていないため、申請希望者にこの制度が十分に周知されていない可能性もあると考えています。

 また、現状、仮登録の状態にあるドメイン名が、本登記を行ったその日にインターネット上で使用できるようにしたいという要望に応えられる体制になっておらず、この点についての検討も必要であると考えます。

 商号仮登記との連動が妥当なのかどうかという検討も含め、これまでの同制度の利用のされ方を検証するとともに、社会のニーズを見ながらその再検討をしていく必要があるものと考えます。

2.4 汎用JPドメイン名の予約ドメイン名に関する予約解除方針の検討

 汎用JPドメイン名の導入に当たって幾つかの種類の予約ドメイン名を設定しましたが、これらの一部は将来予約を解除するという前提で設定されたものです。これらの解除についての基本方針およびルールの策定が必要となります。いつどういうタイミングで解除するかという時期的なものについての検討、並びに、どのような方法で解除するかについての検討が必要であると考えます。登録者が特定されるものについては、適切な時期に登録を開始するという方向で検討、また、日本語普通名詞などについては、登録資格要件の必要性についての検討や、抽選方式、入札方式などの登録者選定方法などについても検討する必要があると考えます。

2.5 登録資格不適合なドメイン名に対する扱いの検討

 倒産や合併などによりすでに存在しない登録者のドメイン名や、登録時点では登録資格不適合であったものの登録後に要件が満たされたドメイン名など登録規則の観点から登録資格不適合なドメイン名が存在している可能性があります。これらのドメイン名が顕在化した場合の対応についての一定の方針を策定する必要があると考えます。

 また、逆の観点から、なぜ登録資格不適合なドメイン名が出てくるのかを考察することにより、登録方針や登録規則を再検討するというアプローチもあり得ると考えます。例えば、登録時点では登録資格不適合であったものの登録後に要件が満たされたドメイン名などが多く存在するとするならば、先にも書いた通り、組織を設立・登記する前にドメイン名を登録したいというニーズがあるという判断もできると思います。このような場合、前出の仮登録制度との絡みで検討を進めることも有効であると考えます。

2.6 登録審査、登録資格要件確認などについての他組織への委任の検討

 これまで、登録者の登録資格要件の最終確認はJPNICが行うという体制をとってきました。今後はJPRSがこの役割を担うことになりますが、特定の属性に関する登録審査、あるいは、登録資格要件の確認などについて他組織に委任することにより、登録の効率化を図るということも今後の重要な検討事項であると考えます。

 例えば、AD.JPに関しては、JPNICがJPRSからの委任により、その登録資格要件の確認を行うことになっています。

2.7 登録者情報の公開・開示と個人情報保護に関する検討

 JPNICはこれまでインターネットの自律協調分散による運用の立場から、ドメイン名の登録者の情報を原則として公開・開示してきました。その一方で、個人ユーザの増加および個人情報の保護に対する関心の高まりなど、個人情報保護の要請が強まっております。また他方では、ドメイン名の悪意に基づく不正な登録・使用による紛争を解決する手段という観点から登録者についての正確な情報の公開・開示の要請も出てきております。これら複数の相異なる要請について、整合性をとった方針の策定と運用が必要であると考えます。

 また、現在、属性型地域型JPドメイン名と汎用JPドメイン名において、登録者情報の公開・開示の実施方法が異なっており、一定の方針に基づいて再検討を行うことが必要であると考えます。

 その他、登録データの内容の正確さを向上させるための施策、公開データベース(WHOIS)の目的外使用に関する対応方針、ドメイン名リストの取扱方針、などの検討も必要であると考えます。

2.8 手続の簡素化と信頼性の向上に関する検討

 現在の登録申請業務を見直し、適切な簡素化を行うとともに、電子的な認証を含む信頼性の向上について継続的に検討する必要があると考えます。

 特に、属性型地域型JPドメイン名では、申請に当たって書類の提出が求められる場合がありますが、電子的な認証の導入を図ることにより、信頼性の向上だけではなく、登録審査手続の作業の効率化にもつながるものと考えております。

2.9 登録管理組織・登録者・指定事業者の三者の契約関係の検討

 現在のJPドメイン名の規則体系は、登録管理組織と登録者との関係を規定する「登録規則」と、登録管理組織と指定事業者との関係を規定する「取次規則」から構成されており、登録管理組織・登録者・指定事業者の三者の関係、およびそれぞれの権利・義務を規定するものとしては、さらなる充実を図る必要性があると考えています。今後、これら三者の関係性を明確にした登録規則、サービス契約の体系作りを検討する必要があると考えます。

3. おわりに

 JPドメイン名の登録管理組織としてのJPNICの源流は、1989年4月のjunet-adminによるJPドメイン名の登録開始に始まり、以来、1991年12月に設立したJNIC、1993年4月に任意団体として発足しその後社団法人となるJPNICへと続いてきております。この間、属性型JPドメイン名、地域型JPドメイン名、そして、汎用JPドメイン名の導入という形で日本のインターネットコミュニティのニーズに応えるとともに、その安定的な運用を継続してまいりました。また、この過程で、不正なドメイン名の登録・使用に対する対策としてJPドメイン名紛争処理方針を策定するなど、社会的な観点においても、JPドメイン名が安心して利用できるようその仕組み作りにも力をさいてきました。

 インターネットが社会の基盤として急速に広がっている今日、その一画を担うドメイン名の役割・価値は今後も益々大きなものになっていくと思われます。

 JPドメイン名の登録管理業務は、この4月1日をもってJPRSに移管されましたが、これまでJPNICが築き上げてきたものをさらに発展させ、日本のそして世界のインターネットの成長と発展に寄与していくことを願っています。

※2002年4月15日、2.7に一部正確でない表現がありましたので修正を加えました。

以上

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