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Working Paper on the Policy-Development Process
翻訳文

(社)日本ネットワークインフォメーションセンター
最終更新 2002年8月23日

この文書は2002年5月7日に公開された
http://www.icann.org/committees/evol-reform/working-paper-process-07may02.htm
を翻訳したものです。
JPNICはこの翻訳を参考のために提供しますが、その品質に責任を負いません。


ICANNの発展と改革に関する委員会

ポリシー策定プロセスに関する研究報告書

2002年5月7日

これは、当委員会がさらなる議論を求めてその見解を提示している一連の報告書のうちの一つです。他の報告書と同様、これらの見解は結論ではなく、したがって実際に理事会もしくはコミュニティー全体への具体的な勧告の土台形成となるかもしれませんし、ならないかもしれません。当委員会は、今後数週間コミュニティーがより詳細な議論を行うための焦点を、これらの見解が提供することができればと考えています。

ここをクリックしてこの研究報告書についてのコメントを提出してください。
2002年5月17日までに頂いたコメントが最も有益なものとなります。

はじめに

当委員会は以前、Stuart Lynn氏の提案を改革のスタートポイントとすると述べましたが、Lynn氏の提案は、ポリシー策定の問題について何も詳細には扱っておらず、ただ意思決定の仕組みの合理化の必要性を強調し、それを達成するための構造を提案しているのみです。これは確かに理事会および評議会改革の重要なきっかけの一つですが、このテーマに関係することは他にもあるのです。

ポリシー策定プロセスの議論は、二つの別個でありながら相互に関連する要素を必然的に含んでいます。それらは実質的な意思決定上の基準、および意思決定に到るための手続きです。

I. 実質的な基準

ICANNは、インターネット・コミュニティのさまざまなメンバーが集まり、ドメイン名およびアドレス割り振りシステムに関する技術的調整ならびにその他のポリシー問題を議論し、(好ましくは)全てを拘束する力のあるコンセンサスに到ることも可能な環境であるとみなされていました。このようなアプローチは、多国間政府条約に基づく組織より望ましいアプローチであると考えられていました。それはインターネットのグローバルな特性のために、その他唯一の現実的な選択肢であると考えられたのです。民間セクターによるコンセンサス形成のアプローチは、政府組織よりも迅速で、変化する条件により対応しやすく、また効果的なグローバルポリシーを策定する上でより適切であるだろうと考えられていました。

現在までの結果はさまざまです。ICANNはある分野では非常に効果を発揮してきました。特に、レジストラレベルへの競争の導入、新TLDの創設、および効率的で強制力のない紛争処理プロセスの確立がその成果として挙げられます。しかし、その他の分野ではICANNはそれほど有効ではありませんでした。とりわけ、ICANNはその一部もしくはすべての構成員の利害に関わる問題について意思決定に達する能力を常に示すことはできなかったため、その結果、インターネット・コミュニティーの意図的な選択によってではなく、むしろ不履行により、しばしば何の措置も取られないという事態となりました。

この原因は、ICANNが何らかの措置を取ることができるのは(「できる」でなく「すべき」であるという意見もあります)、ICANNコミュニティー全体の明らかなコンセンサスによって、その措置が支持されている場合だけであるとする明白な組織運営上の前提があるためです。「コンセンサス」は「全員一致」と同義語であると主張する人は、いたとしてもほとんどわずかである一方、コンセンサスは強硬な筋の通った反対意見とは相容れず、そのような反対意見が存在する場合には、ICANNのような「コンセンサスによるポリシー策定」型の組織は合法的に措置を取ることができないと固く信じる人もいます。一方、特定の経済上もしくはその他の利害を有する者が、単に妥協を拒否することによって、ポリシー策定について事実上の拒否権を持つことは容認できるものではなく、このような状況における「コンセンサス」は、強硬な反対意見が存在する可能性も許容しなければならないと主張する人もいるかもしれません。それでも、グローバルなDNSの安定性と相互運用性を維持するために、必要な場合にはICANNは措置を取ることができなければならないものの、 ICANNがその境界線の外で措置を取ることができるのは、そうした措置に対してコンセンサスに基づく支持が存在する時だけであるという人もいるでしょう。

もちろん、概念上の見解がどのようなものであるかにかかわらず、文言の厳密な意味が肝心です。コンセンサスの適切な定義は何でしょう。「維持のために必要な」とはどのような意味でしょうか。要するに、措置が講じられない場合にはDNSが機能しなくなるという意味でしょうか、それとも単に、措置が講じられれば機能が向上する見込みがあるということなのでしょうか。また、後者の場合、「向上」の定義は何でしょう。それは誰の基準によるのでしょうか。

この議論およびこれらの疑問をどのように解決するかということは、ICANNの実効的な運営にとって非常に重要です。本文書は、議論を進めるために、背景および分析を提供し、この議題に関する特定の質問についてのご意見を募集するためのものです。

A. 歴史

ICANNはコンセンサスに基づき運営されるという考えの出所は、米国政府のホワイトペーパーには見当たりません。実際、ホワイトペーパーの中でのコンセンサスに関する唯一の記述が明らかにしているのは、ホワイトペーパーの執筆者は、本ペーパーの中で計画されている民間セクターの組織において、コンセンサスは通常の意思決定手段にはならないだろうと想定していたということです。

「つまりこれは、意思決定プロセスが健全で透明性の高いものであるべきことを意味している。組織の意思決定の根拠については記録され、さらにその記録を一般に公開すべきである。絶対多数による賛同またはコンセンサスを求めることは、利己的な一団による占有を妨げる上で有効である。」

米国政府とICANNとの覚書 (本覚書によって、ICANNは民間セクターの組織として正式に認定され、米国政府はDNSの管理を政府による支配から移行するための取り組みをしている) でも、コンセンサスに基づく意思決定については言及されていません。米国政府に提出された最初のICANN付属定款にも、また米国政府がICANNを承認した時点で施行された改定版の付属定款にも、コンセンサスについての言及はありません。上述の二つの付属定款の中で、唯一圧倒的多数の要件が関係するのは、新しい支持組織の創設、もしくは付属定款の改定であり、それらはそれぞれ理事会の三分の二以上の賛成を必要としています。

それではなぜ、ICANNはコンセンサスによってのみ運営すべき(もしくは、運営することが可能な)組織であるとみなされるようになったのでしょうか。それはおそらく、「ボトムアップ型」のポリシー策定ということを強調した当然の結果でしょう。このコンセプトは、ホワイトペーパーおよびその後の文書の中で頻繁に言及されていますが、「ボトムアップ型のポリシー策定」というその考えも、個人のイニシアチブにおけるコミュニティーの同意を総じて促すような一般的なプロセスに完全に一致するものです。しかし最も可能性が高いのは、この考え方は、ドメイン名支持組織設立の条項を追加した1999年3月31日付改定の付属定款に端を発しているということです。とりわけ、以下の規定は「コンセンサス」という言葉をICANNの公式文書の中で初めて使用したものです。

(d) DNSOのプロセスによりコミュニティーのコンセンサスが得られたとNCメンバーの三分の二以上が判断する場合には、当該コンセンサスの内容をコンセンサス勧告として理事会に提出する。かかる場合、NCメンバーの反対意見を含め(これに限らない)、当該判断に関して理事会が検討する際に合理的に関連し得るすべての資料または他の情報も併せて提出する。DNSOのプロセスによりコミュニティーのコンセンサスが得られたとNCメンバーの二分の一超、三分の二未満が判断する場合には、当該コンセンサスの内容をNC勧告として理事会に提出することができる。かかる場合、NCメンバーの多数意見、少数意見、および個別意見や反対意見に関する説明も合わせて提出する。NCメンバーの二分の一の賛成票が得られなかった勧告案については、その端緒となった機関にそれを返却するか、またはさらに作業を進めるため新しい機関にそれを譲渡することができる。かかる場合、NCは、コンセンサスが得られなかったことを理事会に報告し、かつ、かかる勧告に関して今後何らかの対策を取るための計画手順があれば、それも理事会に報告する。NCは、責任ある関係者により表明される いかなる重大な実施事項や運営上の懸念も、理事会に通知されることを保証する責任を持つ。

この文言から明らかなことは、「コンセンサス」による勧告だけを理事会に送付するという指示は存在せず、論理上唯一推定できるのは、理事会はコミュニティーのコンセンサスの結果ではない(本条項に記載される基準によれば、少なくともドメイン名評議会の三分の二の票を得られていない)勧告に基づき措置を取ることができるということです。この結論も、米国政府に最初に提出された時点からICANN付属定款に含まれている以下の文言により立証されています。「[本付属定款]は、支持組織の主たる責任の範囲に該当しない問題に対して行動を取る理事会もしくは本法人の権限、または、本法人の目的を推進するため理事会が必要または適切と認定する措置を実施する理事会もしくは本法人の権限を制限しようとするものではない。」この文言は、支持組織からの勧告なく、もしくはそれに反してさえ理事会が措置を取ることを明確に認めており、また圧倒的多数の賛成票が必要であるということを規定していないので、コンセンサスの厳密な意味がどのようなものであろうとも、ICANN理事会が講じることができる措置を明らかに(もしくはおそらく間違いなく)「コンセンサス」 の状態にあるものに法律上制限するものではありません。

ICANNのコンセンサスという考え方のもう一方の(そして今日ではより重要な)出所は、初期のNSIレジストリ契約です。そこでNSIは、ICANNのポリシーを順守するNSIの責務を「コンセンサスポリシー」として認められるものだけに限定することを交渉して決めました。それらの制限は、それ以降各種契約の中に複製されており、以下のように定義されています。

(a)「コンセンサスポリシー」とは、ICANNプロセスに代表されたインターネット利害関係者の間に形成されるコンセンサスに基づいて採択されるものであって、次の形で示されるものをいう。(1)ICANN理事会で採択されたものであること。(2)かかる事項を委任されたICANN支持組織の評議会の少なくとも三分の二の議決により、かかるポリシーを採択すべき旨勧告されたこと。そして (3)(i)影響を受けるグループの間にどれだけの意見の一致と不一致があったかが文書化され、(ii)影響を受ける可能性のあるグループの有する見解を適切に代表させるために利用されたアウトリーチプロセスについて文書化され、そして(iii)提案されたポリシーに対する理由付のある賛成及び反対の内容、およびかかる主張の強さが文書化された、書面による報告書及び補足資料(この中には、提案に関係する支援組織に提出された内容すべてが含まれていなければならない)で示されたものであること。

現在では、類似の規定がすべてのgTLDレジストリ契約に含まれています。それが意味するところは、レジストリ運用者は先に引用した「コンセンサスポリシー」の契約上の定義に当てはまらないICANNポリシーを遵守するために、これらの契約に拘束されることは総じてないということです。

これらの法的な動機が存在しなかったとしても、やがてICANNのような組織が可能な限りコンセンサスを得ようとし、絶対的な必要性がある場合にのみ、明白なコンセンサスに基づく支持のないまま措置を講じようとするのは当然の傾向です。これは、多様な参加者による自主的協力に依存する組織にとっては論理的で適切なアプローチであり、いずれにしてもインターネットの発展の成功の歴史に最も一致するものです。しかしこのような傾向を、正当な措置はコンセンサス(どのように定義されていようとも)の立証にのみかかっているという要件が存在するといった考えと混同すべきではありません。実際にはそのような要件は存在しないのです。ICANNが「コンセンサス」に到るよう努力しているのはコミュニティーの意向を反映しようとするもので、ICANNの設立以来、必須の義務であったことはありません。

Q1. コメント募集: 上述の歴史、分析および結論についてのご意見を募集します。

B. 意思決定の現実

[これからは、ドメイン名の分野に関する議論に焦点を当てます。コンセンサスに基づくボトムアップ型のポリシー策定は、概ねアドレスポリシーの分野において有効でした。その主な理由は、アドレス支持組織(ASO)はドメイン名支持組織(DNSO)と異なり、比較的同種の組織により構成されているからであり、それらの組織は、考え方およびポリシー協議において、相違点よりも類似点の方が徐々に多くなってきました。地域インターネットレジストリ(RIR)には、運用と協力、明確で活発なメンバーシップ、そして、議論とコンセンサスを通じた問題解決を強調する文化が発達しているという長い歴史があります。これらの特性はDNSOにはなく、したがってコンセンサスに基づくポリシー策定の努力は、ドメイン名の分野においては非常に難しくなっています。]

ICANNは複雑な組織です。ICANNは、DNSサービスを提供する民間プロバイダーおよびそれらのサービスを購入する顧客、民間の営利組織および非営利の民間および公的組織、政府機関および民間セクターの機関、法人および個人、学者および技術者、標準策定機関および市場に影響力を有する企業を包含しています。このように多様な利害およびリソースの集まった組織が、ほとんどすべての問題について、ましてやDNSの技術的調整に関連するあらゆる問題について、統一の見解に達すると期待するのは楽観的過ぎるでしょう。

そして実際に様々な利害はしばしば一致しません。ICANNが最も効果を発揮した問題は、様々な理由により、そのようなコンセンサスが要求されなかったものです。例えば、ICANNは米国政府との契約条件により、そのような措置を取る権限を与えられている場合、およびその契約に含まれる支援を受けた場合は実効的に活動することができました。その結果、レジストラの競争の導入に反対する可能性があった組織(NSI)は、契約により反対することを阻止され、競争を現実にするために必要な共有登録システム(Shared Registry System。SRS)の設立に協力することを要求されました。同様に、全てのレジストラおよびレジストリが統一紛争処理方針(UDRP)を使用し、それを受け入れるということが契約上の規定によって強制されました。しかし、そのような決定的な要素が存在しない場合、ドメイン名ポリシーについてのコンセンサスを形成するのはほとんど不可能でした。Whoisに関するポリシー、ドメイン名登録削除に関するポリシー、市場慣行に関する問題、ならびに新レジストリサービスの追加といった問題はすべて、コンセンサスの不在のために(ほとんどの場合、 著しく商業上の利害を有する少数の当事者の確固たる反対によって)、そして、ICANNがコンセンサスの存在しない状態で措置を講じることをためらったために、ほとんどの部分が解決されていません。

その結果、理事会への有用で生産的な勧告ではなく、何もしないか、もしくは最低限の数を分母とするコンセンサス(非常に一般的な原則という形で)といった事態がしばしば発生しています。このような状況において、理事会はしばしば自らイニシアチブを取らなければならず、望ましくは下位のポリシー策定組織の作業領域(少なくともまず第一は)となる予定であった詳細を埋める作業をしなければなりませんでした。これはそれほど驚くにはあたりません。ある問題について、商業上あるいは確固とした哲学上の顕著で不統一な種々の意見が存在する場合、議論の後に、それがあらゆる人に受け入れられる共通の意見に常に帰着するというのは尋常ではないでしょう。経済のゲーム理論および人間の性質に関する研究の両方が、この事実について説得力のある証拠を提供しています。

もちろん、ICANNは政府権限を持たない状態でコンセンサス不在のまま措置を行ってはならないと考える人々にとっては、このような行為能力の欠如は特性であり、欠陥ではないのです。コンセンサスが存在しない場合、彼らは「ICANNの介入なく、『市場』は自由に機能することが認められるべきであり、このようにしてのみ、過剰な規制に向かうのを避けることができる」と主張するでしょう。さらに加えて、非政府組織が、事実上、民間企業、およびその企業に反対する勢力に対し、第三者の意見に基づき「規制」権限を主張することは純粋に不適切であると彼らは主張します。彼らの主張によれば、政府の何らかの措置もしくは関係者のコンセンサスが存在しないということは、民間の非政府組織として定義されているICANNという組織が、いかなるものについても、たとえそれがICANNコミュニティー内の他の人々にとってどれほど望ましいものであろうとも、その順守を強制する根拠は存在しないということです。

このような意見にももっともな点があります。良識のある人でICANNがインターネットの「規制者」になるのを見たい人はいないでしょう。他方、これは次のような難しい問題を巧みに避けています。つまり、もしいかなる措置についてもコンセンサスが要求されるのであれば、 限られた商業的利害を有する人々が、自身の利害に即座に関係しないコンセンサスについて拒否しようとするよこしまな動機を生むことはないのだろうかということです。私達は、もし直接商業上の利害を有する当事者がコンセンサスによる見解に到ることができなかったにしても(おそらく特にそのような場合)、適切な構造を持ち機能するICANNこそ、そのような議論を解決する理想的な仕組みだと信じています。ICANNが適切な構造を持ち、機能しているならば(そしてこれらは明らかに重要な前提です)、現在他にグローバルな代替物が存在しない状況では、ICANNがDNSに関する問題をグローバルに解決するための、望ましく、かつ潜在的に有効な手段となります。

インターネット、およびその構成要素であるドメインネームシステム(DNS)がグローバルなリソースであることは事実です。DNSは複数の国家の規制アプローチに従うことはできません。少なくとも、インターネットが引き続きより多くの機会をより多くの人々に、相対的に安価な費用で提供できるようにすることを目標とするならばです。そしてどのような事情があるにしても、このリソースの性質を考慮すると、国家による規制は有効ではない可能性があります。その結果、選択肢は何らかのグローバルな政府機関、もしくはグローバルな民間セクターの組織ということになります。それ以外に実際に機能する選択肢はありえないように思われます。

一つの妥当な意見として考えられるのは、インターネットとDNSの特性、つまり、グローバル性、ならびに継続的に機能していく上での相互運用性および安定性という重要な役割を考慮すると、一方で個人、グループおよび組織の合法的な私的利害と、他方でインターネットの継続的で効果的な運用における膨大な公益のバランスを取るには、ICANNのようなグローバルの民間セクターによる組織が理想的な手段となるというものでしょう。私達が理解し認めているのは、これが当てはまり得るのは以下ような責任を担う場合だけであるということです。つまり、(1)ICANNの適切な構造と運営。重要な点は、その活動の範囲がDNSの継続的で効果的な運用(安定性、相互運用性、有用性)の維持、推進、もしくは向上に合理的に必要なものに適切に制限されていること。(2)全ての利害関係者がオープンで透明性のある方法により議論することができること。(3)オープンで透明性のあるプロセスを通じてICANNの意思決定を生み出せるようにすること。ならびに(4)そのような決議がグローバルなリソース、つまりインターネットを通じて実効的(つまり強制力のあること) となり得ること。 しかし、これらの条件を前提とすると、そのようなICANNは、ある特定の問題に関する決議が全員の好むところではないとしても、グローバルなインターネット・コミュニティーの多くの(ほとんどではなくても)人にとって大きな価値があるように思われます。

Q2. コメント募集:上述の議論に関するコメントを募集します。特に、明確なコンセンサスが存在しない場合でさえも、適切に限定された分野における意思決定を行う能力を備えた、適切な構造を持つ機能的なICANNは、有用で望ましい組織となるという当委員会の結論についてのご意見を募集します。

C. 実際的なアプローチ

ICANNは可能な場合、常にコンセンサスに基づくポリシー策定に重点を置く組織であり、またそうであるべきです。これは過去の成功に最も一致する慣行であり、今後グローバルなインターネット・コミュニティー全般にわたって、広範な支持および順守を生じさせる可能性の高いものです。

他方、コンセンサスを希求するあまり、インターネット・コミュニティー内の他の人々のニーズもしくは要求と一致しない私的もしくは非常に限定された目的を持つメンバーに、拒否権を認めることがあってはならないという意見が増えています。 当委員会の見解では、最適なシステムは、達成可能な場合にはコンセンサスを形成することが非常に望ましいということを認めつつも、しかし状況によっては、コミュニティーの一人もしくは少数のメンバーによる単独の断固とした反対に優先して決定に達する必要性を認めることができるというものです。

Q3. コメント募集:この結論について、特にこれが適切となる具体的な状況についてのご意見を募集します。

Q4. コメント募集:どのようにすれば、ICANNの権限の範囲をDNSの継続的で効果的な運用の維持、推進および向上に必要な分野に、合理的に制限することができるかについての提案を募集します。これとは別に、ここで述べる基準とは異なる提案を、何故それがグローバルなインターネット・コミュニティーのニーズによりふさわしいのかという説明とともに募集します。

このように、合理的な解決の一つは、ポリシー策定について可能な場合は常に、影響を受ける人々の意見すべてを聞くこと、かつオープン性と透明性を保証するプロセスおよび手続きを通じてICANNにコンセンサスを追求させ、その後コミュニティー全体の最善の利益について得た知識に基づき、ICANN理事会にその問題についての意思決定をさせるというものでしょう。理事会がICANNを構成する組織からのいかなるポリシー勧告も軽々しく無視しないことを確実にするために、ICANNの付属定款の規定を、そのような組織からの適切に文書化されたコンセンサスに基づく勧告を受け入れる場合には過半数を要求し、そのような勧告に著しく相違する措置を取る場合には圧倒的多数(三分のニ?)を要求するようにすることもできます。

Q5. コメント募集:理事会が下位ポリシー策定組織のコンセンサスに基づく勧告を受け入れない場合には、圧倒的多数を要求するというこのコンセプトについてのご意見を募集します。また、もしこのコンセプトが望ましい場合、厳密な要件はどのようなものであるべきかについてのご意見を募集します。

これは全当事者がコンセンサスによる解決に向けて取り組むことを保持しようとするものです。しかし理事会に(理事会の選考プロセスが広範な代表を生むものであるという前提に基づき)的確な判断の実施を認めるものです。圧倒的多数の規定が付属定款に含まれ、独立再審査プロセスもしくは類似の仕組みが存在するのであれば、そのような基準が満たされているかどうかの再審査が行われるでしょう。

Q6. コメント募集:理事会の措置に対するそのような制限を再審査すべきかどうか、もしすべきであればどのような基準に基づき、だれが再審査するのかについてのご意見を募集します。

II. 手続き

現在までのポリシー策定プロセスに関する主な問題は、適切なポリシー策定の構造が欠如していることです。ドメイン名支持組織(DNSO)は独自のプロセスおよびスケジュールを規定することを任されましたが、実際的な管理もしくは制限が存在せず、通常専任のスタッフによるサポートはありませんでした。完全にボランティアによる参加のため、結果はよくてもむらがあり、その成果はほとんどの場合遅いか、極めて一般的であるか、またはその両方でした。ICANNの設立からのほぼ4年の間に、コンセンサスポリシーと呼べるような成果が生まれたのはほんのわずかです。

Lynn氏が提案しているような、ポリシー策定の取り組みに注力する専任スタッフは、この問題を解決するための非常に重要な手段の一つです。しかしこれに加えて、ICANNの使命に適切に関連したこれらのポリシー策定のための一連の原則および手続きを策定する必要があります。[ICANNの使命を全般的に説明するための取り組みとして、最近当委員会が発表した「ICANNの使命および核となる価値に関する研究報告書」を参照してください。]

これらの原則および手続きは、周知活動を義務付け、全ての利害関係者によるインプットの機会を確実にし、勧告につながる意見と分析の両方を文書化した記録の作成を要求し、少なくとも現状報告書作成の期限を明確に定めるものです。これらはまた、必要もしくは適切な場合、ある時期までに理事会が自由に勧告を主張し、そして、必要もしくは望ましい場合には、理事会に特定の問題について現在の制度の枠組みを越えて助言を求める自由を与えるものです。

そのような手続きは以下のような感じになるでしょう。

  • ICANNは引き続きボトムアップ型のポリシー策定組織として運営されるものとします。これが意味するところは、全般的な問題として、ポリシー問題について議論することが望ましく、また、勧告はそのようなプロセスを管理するために設立されたICANN組織を通じてコミュニティーからもたらされることが望ましいということです。あるいは、スタッフもしくは理事会の主導によるポリシーについては、理事会による決定の前に、評価と勧告のためにそのようなICANN組織に付託することが望まれます。
Q7. コメント募集:このような前提は正しいでしょうか。ICANNには、中間のポリシー策定組織は必要なく、単に特定の利益グループもしくは個人が理事会へ直接意見提供を行うことに頼るべきであると主張する人もいます。この点についての具体的な分析もしくは提案をお寄せください。
  • それらのポリシー策定組織は、コミュニティーの意見を収集し、その意見を評価し、さらに、それらの意見に合致するか、もしくは不一致を明確に説明する勧告書を作成するための適切なプロセスの実施に責任を負うものとします。そのようなプロセスはワーキンググループ、タスクフォース、パブリックコメント、もしくはこれらの手段を混ぜ合わせたものを伴い、ICANN理事会へのドラフト・レポートおよび勧告書の作成を目指すことになります。本プロセスは期間を定めるものとします。おそらく30日から45日以内でしょう。
Q8. コメント募集:このような状況の中での「適切なプロセス」とはどのようなものでしょう。適切なプロセスは標準化すべきでしょうか。それとも別個の問題については別途のプロセスを使用する理由は存在するでしょうか。ポリシー策定組織にはこれに関連してどのような具体的な指示を与えるべきでしょうか。もしくは別の言い方をすれば、それらはどの程度の裁量を有するべきでしょうか。

Q9. コメント募集:本プロセスは期限を定めるべきでしょうか。もし定めるとすれば、どのようなものですか。期限はどのようにしてもたらされるべきでしょうか。
  • そのようなドラフト・レポートはすべて以下の事項について明確に記述するものとします。(1)勧告の根拠、(2)コミュニティーからのインプットを生み出すために取られたステップ、およびそのインプットの性質、(3)異議の特定と理由、(4)提示された勧告に関連して特別に時間的考慮が必要かどうか。
Q10. コメント募集:この見解は正しいでしょうか。ドラフト・レポートに必要なその他の要素はあるでしょうか。
  • そのようなドラフト・レポートはすべてレビューおよびコメント募集のために一般および/もしくはその他のICANN組織に少なくとも30日間公開され、その後ポリシー組織は15日以内に報告書および勧告書を完成し、それらを理事会に提出するものとします。その後理事会は措置をとるか、またはICANNコミュニティーもしくは外部コンサルタントもしくはその分野の専門機関の意見をさらに募集することもできます。
Q11. コメント募集:これは適切な手続きでしょうか。 これらの時間制限は適切でしょうか。理事会が外部のコンサルタント、既存の民間もしくは公的機関その他の助言を求めることができるようにすることを制限する理由は存在するのでしょうか。そのような助言が存在する場合、公式に記録しなければならないでしょうか。または、そのような助言が望ましくない、もしくは不適切な状況はあるでしょうか。
  • 一旦理事会が暫定的な決定に到った場合、理事会は暫定的な決定と説明を公表し、その決定に関するコメントを募集する妥当な期間を認め、その後その決定と適切な説明を完成させ、直ちに公開することになります。
Q12. コメント募集:これは適切な手続きでしょうか。それともこれは実際に何の利益もなく不必要に決定を遅らせるものでしょうか。

当委員会の見解では、ICANNのポリシー組織が報告書および勧告書を作成する期限を厳格に定めることは、その案件がどのように開始されたかどうかにかかわらず重要です。緊急の事情が存在しない場合 (緊急の場合、理事会はその緊急性に合わせて期限を定めることが可能)、特定のポリシーの発議についての検討は、検討の開始もしくは付託後合計90日間に限定されるものとします。その時点で理事会へ提出する報告書には、以下のいずれかを記載することが要求されます。それは、(1)適切な書面による理事会への措置勧告、または、(2)なぜそのような勧告を作成するためにさらに時間が必要なのかという理由です。後者の場合、理事会は適切と考える場合には、勧告の期限を延長することもできます。要求された期日までに勧告が存在しない場合、理事会は勧告の不在に関わらず理事会が適切と考えるいかなる措置も自由に講じることができるものとします。

Q13. コメント募集:このコンセプトは正しいでしょうか。提案されている期限は適切でしょうか。改善のための提案を歓迎します。

理事会はいかなる勧告からも自由に逸脱することができます。しかし、適切な運営委員会の三分の二以上の賛成に基づいて送付されるICANNのポリシー策定組織からの適切に文書化されたコンセンサスに基づく勧告については、さらに、その勧告に関して他のICANNポリシー策定組織からの反対が存在しない場合には、理事会がそのような逸脱をする際にはその問題について理事会メンバーの三分の二以上の賛成が必要とされます。その他すべての場合、理事会は理事会メンバーの過半数の賛成により措置を取ることができます。

Q14. コメント募集:このコンセプトは正しいでしょうか。前述の三分の二の圧倒的多数は適切でしょうか。または他の何らかのレベルが適切でしょうか。それとも別の基準の方がよいでしょうか。

当委員会の暫定的な見解としては、これらもしくは同様の手続きはコンセンサスに基づくポリシー策定を促すものになるでしょうが、それが強い反対により乗っ取られたり、妨害されたりすることを認めるものではありません。こうした手続きは理事会が独自の決定をすることを認めるものですが、それは明確なコンセンサスに基づくポリシーを圧倒的多数の決議により却下する場合だけです。そしてそれは意思決定がタイムリーに行われることを保証しようとするものです。


結論

当委員会が上述の見解を提供したのは、これらの問題についてコミュニティーがより細部にわたって議論することを促すためです。これらは基本的な実際的問題に見えるかも知れませんが、私達の考えでは、これらはICANNの発展と改革の重要な要素です。実効的であるために、ICANNは全ての利害関係者の参加を求め、それを認めるポリシー策定プロセスを有するべきです。しかしまた、タイムリーな意思決定を実際に生み出すよう計画されたポリシー策定プロセスを有していなければなりません。当委員会は、ポリシー策定に関するこの全般的なアプローチについてのご意見を募集します。

ICANNの発展と改革に関する委員会
2002年5月7日

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