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Workshop Report ― Towards a Multilingual Global Internet: Avoiding the Risk of Fragmentation
翻訳文

社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
最終更新2007年1月15日

この文書は2006年11月2日に公開された
http://www.icann.org/announcements/announcement-02nov06.htm
を翻訳したものです。
JPNICはこの翻訳を参考のために提供しますが、その品質に責任を負いません。


ワークショップ報告 - 多言語でグローバルなインターネットに向かって:分裂のリスクを回避する

2006年11月2日

1. タイトル

 2006年10月31日 15:30-19:00 アテネ 多言語でグローバルなインターネットに向かって:分裂のリスクを回避する

2. 主催者とパネリスト

主催者

  • UNESCO
  • ICANN
  • エジプトの電気通信規制当局

パネリスト

 パネリストの一覧は、 http://info.intgovforum.org/wksp57.php でご覧いただけます。

3. 議論

 ワークショップは、 多言語のサイバースペースの発展につながるさまざまな側面における、また、 インターネットの分裂を避けるための解決における対話のための枠組みを提供しました。 コンテンツおよび技術的な観点の双方から真に多言語なインターネットを作り出す方法について、 政府、民間、そして学識部門からのスピーカーが議論に参加しました。 ワークショップは、四つのセッションから構成されていました。

 ワークショップの開催にあたって、 UNESCOの会長事務局の執行役員であるElizabeth Longworth氏は、 言語の重要性と豊かさ、そして、 人類および『個人』のアイデンティティー双方の重要性を強調しました。 インターネットの偉大な成功により、 全ての言語が表示されなければならないという強いプレッシャーが生じました。 それ故、サイバースペースにおいて言語の孤島化が進むのを避けるために、 全ての利害関係者が共同で作業する必要があります。

 エジプトのTarek Kamel大臣は、言語の障壁は、 真にグローバルなインターネットの理解に対する最大の障害物であると指摘し、 多言語e-コンテンツの構想を呼びかけました。 例えば、アラビア語のe-コンテンツは、 グローバルなコミュニティへのアラビア文化による寄与をより良く反映することができるに違いありません。

 ICANN議長であるVinton Cerf氏は、 多言語インターネットおよびIDNの発展の根底にある技術的な挑戦について強調しました。 ドメイン名システムに非ラテン文字を含むことは不可欠です。 技術的なコミュニティは、DNSシステムへの非ラテン文字の組み込みにおいて、 目覚しい進歩を遂げました。

 言語の多様性を可能なものとする表示および、メタデータおよび、 オープン・アーキテクチャの重要性の課題については、 デジタルオブジェクトを記述し、 変換可能なデジタルオブジェクトの構成を表現するためのシステムである、 『ハンドル』を導入したBob Kahn氏によって説明されました。

 世界の五つの地域区の観点を代表する最初のセッションのパネリストによって全ての言語においてe-コンテンツを提供するための条件を定める必要性が指摘されました。 ACALANのAdama Samasse氏は、アフリカ大陸では、 急速に消えつつある言語による挑戦を支持する必要があり、 『言語の多様性のための世界的ネットワーク』は、 コンテンツの更なるプレゼンスとより強力な言語の多様性を確実なものとするための国際的な協調のための良い手段となり得るとしました。 彼はまた、アフリカのための相互運用可能性の重要性を強調しました。 アラビア語のドメイン名システムに関連する問題の解決における進捗についてESCWAのAyman ElSherbiny氏により発表され、 これは調整された効率的な方法により課題に取り組むための枠組みの提供における、 ESCWAの興味深い関与を示すものでした。 彼はまた、IDNのためのグローバルな資金の創設を提案しました。 アジアでのブラウザの使用における経験については、 韓国のNLICのKangsik Cheon氏によって発表され、同氏は更に、 地域で使用されている言語や地元の言語でのブラウザの使用についての一連の統計に言及しました。 Brazilian Internet Steering Committeeの議長であるAugusto Gadelha氏によれば、 ラテンアメリカおよびカリブ海地域のインターネットにおける多言語化にとって、 技術はもはや障害ではないということです。 特に、UNICODE標準は、 文字列の符号化のための基本となるプラットフォームを提供しています。 ヨーロッパの状況について、その多くの言語と異なる文字列も含めて、 世界中のグローバルなコミュニティが直面する課題の多くを反映する縮図として、 Cary Karp氏によって説明がなされました。 彼は、最近の選挙における、 複雑な技術的解決を必要とする複雑な社会言語の実情に対処するスウェーデン政府の取り組みを発表しました。

 二つめのセッションの『多言語コンテンツ』では、 Louis Pouzin氏によってローカルな言語でコンテンツを提供するための解決策の検討がなされました。 John Paolillo氏は、UNESCOの調査研究を発表し、言語の多様性の計測や、 インターネット上での言語利用を計測する際の 『言語の偏り』等の複雑な課題に関する統計および各種問題について提示しました。

 三つめのセッション『多言語アプリケーション』では、 幾つかの進展について発表がなされ、ここにはSheldon Lee氏による『iEmail』、 グローバルなシステムとの相互運用が可能なe-mailシステムのその場での実演が含まれていました。

 FirefoxにおけるIDNの実装のための解決方法については、 Neil Harris氏により実演がなされました。

 最後のセッション「国際化ドメイン名」では、 アラビア語ドメイン名のパイロットプロジェクトに関してエジプトのChristine Arida氏が、11種類の文字列で表記可能な22の公用語を持つインドの IDNが直面する問題に関してPankaj Agrawala氏が、また、 Autonomicaとの協力により .museum IDN labで行われ2006年10月に終了した最初の IDNテストの結果(エンドユーザのソフトウェアにおいてはUnicodeから Punycodeへの変換で差異が生じました)についてRam Mohan氏がそれぞれ焦点を当てました。

 全てのスピーカーは、アプリケーションの一貫性が必要だと強調しました。 つまり、ドメイン名は一意で明白でなければならず、 TLDシステムの相互運用性は維持されなければならず、 『将来に耐え得る』解決法が保証されなければならず、 マルチステークホルダーによる主導が展開されなければなりません。

 UNESCOのClaudio Menezes氏とAxel Plathe氏および、 ICANNのPaul Twomey氏が、 IDNの使用を通じてインターネットの豊かさや伝統を増やしていく必要性と同様 に、 これらの問題に関して対話を継続することの重要性を強調しつつ、 会合を終了へと導きました。

4. 検討中の課題に関連するイベントや関係者の詳細

 ICANN、UNESCO、ITU、その他の関連する国連の機関、言語学校、標準制定者、 実際の専門家/コミュニティのネットワーク、学術界、調査機関、 ユーザのコミュニティ、その他。 IDNに関連する課題についてさまざまな利害関係者を教育し情報提供する幾つかのイベントが計画されてきています。 イベントカレンダーについては、それぞれの組織のWebサイトをご参照下さい。

5.可能なフォローアップ

 相互運用可能で、安全で、安定したインターネット、継続的な対話、 IDNの実験と同様にイニシアティブを向上させることを認識することの重要性を念頭に置くことは、 インターネットの分裂のリスクを回避し、 増加しつつある利害関係者のニーズに適うように IDNが実装されることを確実なものとする最善の方法です。 提案されたシナリオの中で、Adama Samassekou氏が、 サイバースペースにおける多言語主義についての国際的なワーキンググループの創設を提案しました。

6. 有用なリンク先

ワークショップのWebサイト
http://info.intgovforum.org/wksp57.php
UNESCOおよび多言語化
http://www.unesco.org/webworld/multilingualism
ICANN
http://www.icann.org/
エジプト、NTRA
http://www.tra.gov.eg/

ICANNからのアナウンス(2006年11月2日)

"Workshop Report ― Towards a Multilingual Global Internet: Avoiding the Risk of Fragmentation"

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