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文字サイズ:
          "IPv6 Address Allocation and Assignment Policy 
                            June, 26 2002"翻訳文


                (社)日本ネットワークインフォメーションセンター
                        最終更新 2004年 1月 26日

この文書は

 http://ftp.apnic.net/apnic/docs/ipv6-address-policy

を翻訳したものです。JPNICはこの翻訳を参考のために提供しますが、その品質
に責任を負いません。
------------------------------------------------------------------------
               IPv6アドレス割り振りおよび割り当てポリシー
                          2002年6月26日


本文書の立場

本ドキュメントは、APNIC、ARIN、RIPE NCCのコミュニティによって共同で議
論され策定されたものである。


要約

本ドキュメントは世界的に固有なIPv6アドレスを、ISPやその他の組織に割り
振り/割り当てる際のレジストリポリシーを定義する。本ドキュメントにより
『Provisional IPv6 assignment and allocation policy document (IPv6割り
当て/割り振りポリシー・ドキュメント(暫定) )』"は廃止される。

また本ドキュメントはAPNIC、ARIN、RIPEのコミュニティにより共同で策定さ
れたものである。


   目次

   本文書の立場

   1.  はじめに
      1.1.  概要

   2.  定義
      2.1.  インターネットレジストリ(IR)
      2.2.  地域インターネットレジストリ(RIR)
      2.3.  国別インターネットレジストリ(NIR)
      2.4.  ローカルインターネットレジストリ(LIR)
      2.5.  割り振り
      2.6.  割り当て
      2.7.  利用率
      2.8.  HD-Ratio
      2.9.  エンドサイト

   3.  IPv6アドレス空間管理の目標
      3.1.  目標
      3.2.  一意性
      3.3.  登録
      3.4.  集成
      3.5.  節約      
      3.6.  公平性
      3.7.  オーバーヘッドの最小化
      3.8.  目標の衝突

   4.  IPv6ポリシーの考え方
      4.1.  アドレス空間は所有物とはみなされない
      4.2.  保証されない経路制御可能性
      4.3.  最小割り振りサイズ
      4.4.  IPv4インフラストラクチャの考慮

   5.  割り振りと割り当てのポリシー
      5.1.  初期割り振り
         5.1.1.  初期割り振りの基準
         5.1.2.  初期割り振りのサイズ
      5.2.  追加割り振り
         5.2.1.  追加割り振りの基準
         5.2.2.  HD-Ratioの適用
         5.2.3.  追加割り振りのサイズ
      5.3.  LIRからISPへの割り振り
      5.4.  割り当て
         5.4.1.  割り当てアドレス空間のサイズ
         5.4.2.  単一のエンドサイトに対する複数の/48の割り当て
         5.4.3.  オペレータのインフラストラクチャに対する割り当て
      5.5.  登録
      5.6.  逆引き
      5.7.  既存のIPv6アドレス空間保持者 

   6.  References

   7.  付録A :HD-Ratio
 
   8.  付録B :参考情報
      8.1.  背景
      8.2.  なぜ共同ポリシーか
      8.3.  IPv6アドレス空間サイズ
      8.4.  謝辞


1.  はじめに


1.1.  概要

本ドキュメントでは、インターネットプロトコルバージョン6(以下、IPv6)に
関して、世界的に固有なインターネットアドレス空間の分配とその運用に関す
るポリシーについて説明する。本ドキュメントは、1999年より有効となってい
る、現在の暫定的IPv6ポリシー[RIRv6-Policies]を更新、廃止する。本ドキュ
メントに記述されるポリシーは、すべてのレジストリで運用されるものである。
ただし、本ドキュメントの採用は、個々の地域または地区における改善を排除
するものではない。

[RFC2373、RFC2373bis]では、IANAがRIRへ割り振ることのできるグローバル 
ユニキャストアドレス空間に2000::/3を指定している。[RFC2928、RFC2373bis、
IAB-Request]に従い、IANAは既存のRIRに対して2001::/16アドレスブロックか
らのグローバルユニキャストIPv6アドレス空間の初期領域を割り振っている。
本ドキュメントでは、RIRが割り振り/割り当てポリシーを定めている2000::/3 
ユニキャストアドレス空間の初期および追加の割り振りを扱う。エンドサイト
は一般に/48の割り当て[RFC3177、RIRs-on-48s]を与えられるため、本ドキュ
メントでは2000::/3から/48までの領域にあるビットに関するポリシーを特に
重視する。ただし、エンドサイトには/64と/128の割り当てを受けるものもあ
るため、2000::/3から/64までの領域にあるすべてのビットが対象となる。

このポリシーは暫定的(Interim)なものとしてみなされ、将来IPv6の運用に関
するより幅広い経験に従って見直される。


2.  定義

   [注: 以下の定義のいくつかは、一貫性を高めるため他のRIRドキュメント
   の定義で置き換えられる。]

以下の用語とその定義は、本ドキュメントに書かれている目標、環境、ポリシー
を理解するために特に重要なものである。

IPv6アドレス空間を管理する負担は、以下のような階層構造により世界に配分
される。


                +--------+
                |  IANA  |
                +--------+
                    |
              +-----------+
              |           |
          +--------+  +--------+
          |   RIR  |  |   RIR  |  Regional Internet
          +--------+  +--------+  Registries (APNIC, ARIN, RIPE NCC,
              |           |       plus possible future RIRs)
              |           |
              |        +-----+
              |        | NIR |     National Internet
              |        +-----+     Registries (AP region)
              |           |
         +--------+   +--------+
         |LIR/ISP |   |LIR/ISP |   Local Internet
         +--------+   +--------+   Registries (ISPs)
              |           |
        +--------+        |
        |        |        |
    +-------+  +----+   +----+
    |EU(ISP)|  | EU |   | EU |     End users
    +-------+  +----+   +----+




2.1.  インターネットレジストリ(IR)

インターネットレジストリ(IR)はIPアドレス空間をメンバーまたは顧客に分配
し、その分配を登録する責任を持つ組織である。IRは上記の階層構造における
主要機能と地域的担当範囲に従って分類される。



2.2.  地域インターネットレジストリ(RIR)

地域インターネットレジストリ(RIR)は、各地域のコミュニティによる承認と
IANAの認可で設立され、大きな地域にサービス提供し、その地域を代表する。
RIRの主な役割は、それぞれが担当する各地域内でパブリックインターネット
アドレス空間を分配、管理することである。


2.3.  国別インターネットレジストリ(NIR)

国別インターネットレジストリ(NIR)は、主として、一般に国レベルで組織さ
れたLIRであるメンバーや構成員に対し、アドレスの割り振りを行う。NIRは主
にアジア太平洋地域に存在する形態である。


2.4.  ローカルインターネットレジストリ(LIR)

ローカルインターネットレジストリ(LIR)は、主として自己が提供するネット
ワークサービスのユーザにアドレス空間を割り当てるIRである。LIRは一般に
ISPのことであり、その顧客は主としてエンドユーザであるが、その顧客が別
のISPである場合もある。


2.5.  割り振り

割り振りとは、再分配のためにアドレス空間をIRに分配することである。


2.6.  割り当て

割り当てとは、ISPやエンドユーザに対し、そのエンドユーザやISPが運用する
インターネットインフラストラクチャでの特定の利用のため、アドレス空間を
委譲することを言う。割り当ては特定の組織が文書により示した特定の目的に
対してのみ行われねばならず、他者に対してさらに割り当てがされることはな
い。



2.7.  利用率

IPv4と異なり、IPv6は概ね各エンドサイトに固定サイズ(/48)で割り当てられ
る。それぞれの割り当て内での実際の利用率は、IPv4の割り当てと比較すると
極めて低くなる。IPv6では「利用率」は/48境界の左側ビットについてのみ計
測する。言い換えれば、利用率とはエンドサイトへの/48の割り当てを指すの
であり、それらエンドサイトにおける個々の/48内での割り当てアドレス数を
指すものではない。

本ドキュメントでは、利用率という語はエンドサイトへの/48の割り振りを指
し、それらのエンドサイトにおける個々の/48内での割り当てアドレス数を指
すものではない。


2.8. HD-Ratio

HD-Ratioはアドレス割り当て効率を評価する方法である[RFC 3194]。これは
[RFC 1715]で当初定義されたH-Ratioの応用であり、以下のように表される。

             Log (割り振られたオブジェクトの数)
          HD = -----------------------------------------
                Log (割り振り可能なオブジェクトの最大数)
   
ここでは(このドキュメントの場合)、オブジェクトはあるサイズのIPv6プレ
フィックスの中から割り当てられたIPv6サイトアドレス(/48)となる。


2.9.  エンドサイト

エンドサイトは、以下のようなサービスプロバイダと契約関係を持つエンド 
ユーザ(加入者)として定義される。  

    - エンドユーザにアドレス空間を割り当てるサービスプロバイダ  
    - エンドユーザに対し、他のサイトへのトランジットサービスを提供す
      るサービスプロバイダ
  - エンドユーザのトラフィックを転送するサービスプロバイダ
  - エンドユーザの割り当てを含む集成プリフィクス経路を広告するサー
      ビスプロバイダ



3.  IPv6アドレス空間管理の目標


3.1.  目標

IPv6アドレス空間は公共の資源であり、インターネットの長期的な利益に関し
慎重に管理されねばならない。責任あるアドレス空間管理には、時として対立
する目標同士のバランスをとる必要がある。次に述べるのはIPv6アドレスポリ
シーに関した目標である。

   
3.2.  一意性

割り当ておよび割り振られた各アドレス空間は、世界にただ1つしかないこと
を保証しなければならない。これは、インターネット上の各パブリックホス
トが一意に識別できるようにするための絶対的要求である。


3.3.  登録

インターネットアドレス空間は、インターネットコミュニティの適切なメンバー
がアクセス可能な、レジストリデータベースに登録されなければならない。こ
れは、各インターネットアドレスの一意性を保証するためであり、また、RIR
をはじめとする全てのIRやエンドユーザなど、インターネットを利用するあら
ゆるレベルの人がインターネット上のトラブルを解決するための参照情報を提
供するために必要である。

登録という目標は、適切なプライバシーへの配慮と既定の法に従って施行され
るべきである。


3.4.  集成

アドレス空間は、ネットワークインフラストラクチャのトポロジに沿って、可
能な限り階層的に分配されなければならない。これは、ISPによるルーティン
グ情報を集成しインターネット経路表の増大を抑えるために必要なことである。

この目標はIPv6アドレス体系において特に重要であり、IPv6アドレスでは、ア
ドレスプール全体のサイズが内部経路制御および外部経路制御の両方に重大な
影響を与える。

IPv6アドレスポリシーは、アドレスレンジの分断化防止に努めるものであるべ
できある。

さらにRIRは、現在保有している割り振りに連続した空間で追加割り振りが行
える可能性を最大にするような運用を採用すべきである。ただし、連続した割
り振りは保証されるものではない。


3.5.  節約

IPv6は非常に膨大なアドレス空間を持つものの、アドレスポリシーは不必要に
浪費的な運営を避けねばならない。アドレス空間の申請者は、適切な文書によ
る裏付けを行うべきであり、未使用アドレスの備蓄は避けるべきである。


3.6.  公平性

パブリックなアドレス空間の使用に関するすべてのポリシーは、現在および未
来にわたるすべてのインターネットコミュニティの構成員に対し、場所、国籍、
規模その他いかなる要因にも左右されることなく公平に適用され実施されるべ
きである。


3.7.  オーバーヘッドの最小化

アドレス空間の獲得に絡むオーバーヘッドは最小化されるのが望ましい。RIR
に対して追加アドレス空間の申請をあまりに頻繁に行うこともオーバーヘッド
となるほか、大きい空間拡張を少ない回数で行うのではなく、小さな拡張を続
けて数多く行うこともアドレス空間管理のオーバーヘッドに結びついてしまう。


3.8.  目標の衝突
   
上に述べた目標はしばしば相互に衝突したり、個々のIRやエンドユーザのニー
ズと衝突したりする。割り振りおよび割り当て申請審議を行うすべてのIRは、
申請者のニーズとインターネットコミュニティ全体のニーズのバランスを取り
ながら判断を行わなければならない。

IPv6アドレスポリシーでは、集成の目標が最も重要であると考えられる。



4.  IPv6ポリシーの考え方

前のセクションで示した目標を達成するために、本ドキュメントにおけるポリ
シーは以下にかかげるような基本的な考え方を議論し、採用する。


4.1 アドレス空間は所有物とはみなされない

アドレス空間を自己の所有物とみなすことは、本文書で述べられている目標だ
けでなく、インターネットコミュニティ全体の利益にも反することである。
   
本ドキュメントにおけるポリシーでは、グローバルにユニークなIPv6ユニキャ
ストアドレス空間は所有されるものではなく、使用を認可されたものだという
という理解にたっている。

具体的には、IPアドレスは認可に基づいて割り振り/割り当てが行われ、その
認可は定期的に更新を受ける。認可を受けるには、認可の開始または更新時に
適用される特定の条件がある。
  
RIRは通常、申請組織が割り振り/割り当ての資格あるいは認可を得た際の基準
を満たすべく、誠意を持って努力している場合、認可を自動的に更新する。た
だし、申請組織がそのアドレス空間を当初の予定通りに使用していない、ある
いはアドレスの認可に伴う義務の遂行に対して不誠実であった場合、RIRは認
可を更新しない権利を有する。

認可が新しく更新されるとき、その認可は、更新時に適用されているIPv6アド
レスポリシーに基づいて審査および管理が行われるが、そのポリシーは割り振
り/割り当てを受けた時点でのポリシーとは異なる場合があることに注意され
たい。


4.2.  保証されない経路制御可能性

アドレス割り振りや割り当てはいずれも、グローバルに経路制御可能であると
いう保証はない。

しかしRIRは、経路制御可能性の低下を引き起こしかねないアドレス空間分断
化の可能性を抑えるプロシージャを採用しなければならない。


4.3  最小割り振りサイズ

プリフィクスを基準にしたフィルタリング促進のため、RIRはIPv6割り振りに
対して最小割り振りサイズを適用する。 

IPv6アドレス空間における最小割り振りサイズは/32である。


4.4.  IPv4インフラストラクチャの考慮

既存のIPv4サービスプロバイダが将来的に既存のサービスをIPv6に移行するた
めIPv6空間を要求する場合、IPv6のインフラストラクチャのみを根拠として正
当化されるよりも多くの空間を要求するために、現在のIPv4の顧客数を利用し
てもよいとする。


5.  割り振りと割り当てのポリシー


5.1  初期割り振り


5.1.1.  初期割り振りの基準

IPv6アドレス空間の初期割り振りの資格を得るには、組織は;

      a)   LIRであること
      b)   エンドサイトでないこと
      c)   /48を割り当てた組織に対し、IPv6の接続性を提供する計画があ
           ること。その際、経路広告は割り振られたアドレス一つに集成す
           ること。
      d)   2年以内に最低でも200の/48の割り当てを行う計画があること。

以上の4つを満たさねばならない。


5.1.2.  初期割り振りのサイズ

初期割り振りの基準を満たす組織は、/32の最小割り振りを受けることができ
る。

/32以上の初期割り振りを申請する組織は、その申請を合理的に証明できる根
拠資料を提出することで、その割り振りを受けられる場合がある。この場合、
割り振りサイズは、既存のユーザの数と申請組織のインフラストラクチャの
規模に基づく。

   

5.2.  追加割り振り

既存のIPv6アドレス割り振りを保有している組織は、以下のポリシーに従って
追加割り振りを受けることができる。


5.2.1.  追加割り振りの基準

追加割り振りは、組織(ISP/LIR)が、/48を単位とするサイト数という観点にお
いて過去のアドレス使用での評価基準を満たした場合に実施される。
HD-Ratio[RFC 3194]は、下に示すように、アドレス空間の追加割り振りを正当
化する利用率を確定するために用いられる。


5.2.2.  HD-Ratioの適用

アドレスの追加割り振りを正当化するための望ましいアドレス利用率を示す値
として、HD-Ratioは 0.8 が採用される。付録 Aは、アドレスブロックサイズ
に対して、望ましい利用率を達成するために必要な割り当て数を示した表であ
る。


5.2.3.  追加割り振りのサイズ

組織が割り振られたアドレス空間において望ましい利用率を満たした場合、そ
の組織は、結果としてアドレス空間が2倍となる追加割り振りをただちに受け
られる。その追加割り振りは、可能な限り隣接したアドレスブロックから行わ
れる。つまり既存の割り振りが1ビット左に拡大する。

組織がより大きなアドレス空間を必要とする場合、2年間の必要量を証明する
文書を提出しなければならない。割り振りはこの必要量を基にして行われる。


5.3.  LIRからISPへの割り振り

組織(LIR)がアドレス空間を下位ISPに割り振るための特定のポリシーはない。
各LIR組織は、LIRに割り振られたアドレスブロック全体の効率的な利用を確保
するため、下位ISPのための独自のポリシーを作成することができる。しかし、
追加割り振りが必要になった場合にRIR/NIRがHD-Ratioを正しく評価できるよ
うに、エンドサイトに割り当てられた/48はすべて、LIRか下位のISPによって
登録される必要がある。


5.4.  割り当て

LIRは以下の条件に従ってIPv6割り当てを行わなくてはならない。


5.4.1.  割り当てアドレス空間のサイズ

割り当ては現在あるガイドライン [RFC3177,RIRs-on-48]に従って行われる。
そのガイドラインを要約すると;

    - 非常に規模の大きな申請者を除き、通常は/48
    - 仕様により唯一のサブネットが必要であることがわかっている場合は/64
    - 唯一のデバイスが接続することが確実にわかっている場合は/128


RIR/NIRは、LIR/ISPが実際にどのアドレスサイズを割り当てるかについて関与
しない。そのため、RIR/NIRは、IPv4の場合と異なりIPv6ユーザネットワーク
の詳細情報を要求しない。ただし、4.4で説明した場合や、本ドキュメントで
定義された利用率を計測する目的がある場合は除く。



5.4.2.  単一のエンドサイトに対する複数の/48の割り当て

単一のエンドサイトが複数・追加の/48アドレスブロックを必要とする場合、
複数割り当て請求時には、その要求の妥当性を示す文書及び資料を提出しなけ
ればならない。その請求は、RIR/NIRレベルで審議・検討(つまり妥当性の判断)
が行われる。

Note: 同一エンドサイトに対し複数の/48を割り当てることについては、これ
まで経験がない。RIRでこのような割り当てすべてを審議するのは、ある程度
の経験が積まれ、一般に通用するポリシーが整備されるまでの一時的な措置で
ある。この件に関するポリシーを策定するさらなる作業が近々に行われるべき
である。



5.4.3.  オペレータのインフラストラクチャに対する割り当て

組織(ISP/LIR)は、IPv6サービスオペレータのサービスインフラストラクチャ
として、PoP毎に1つの/48を割り当てることができる。PoPに対するそれぞれの
割り当ては、PoPを利用するエンドユーザの数にかかわらず1つの割り当てとみ
なされる。オペレータの社内業務に対して別途の割り当てを取得できる。


5.5. 登録

IPv6アドレス割り振りを保有する組織は、IPv6アドレス割り当てを行う際、
RIRが必要に応じてアクセス出来るデータベースに、その割り当てに関する情
報を登録しなければならない (RIR/NIRによって登録された情報は、将来的に
はアドレス管理情報を登録するための分散データベースに置き換わる可能性が
ある)。情報は割り当てた/48ネットワークの単位で登録される。組織が/48よ
り大きなアドレス空間を割り当てられた場合、そのアドレス空間をRIR/NIRの
データベースに登録されるようにするのは、割り当てを行った組織の責務であ
る。
   
RIR/NIRは、追加割り振り申請時のHD-Ratio の計算、および割り当ての時間的
推移の検証のためにこの登録データを利用する。

IRは、申請審議時に使用された個人情報やビジネス情報の安全性を確保するシ
ステムと運用を維持すべきである。しかしこれはパブリックな登録には必要な
い。


5.6.  逆引き

RIR/NIRは、IPv6アドレス空間を組織に委譲するとき、割り振られたIPv6アド
レス空間に対応する逆引きルックアップゾーンを管理する責務も委譲する。各
組織はその逆引きルックアップゾーンを適切に管理する。アドレスの割り当て
を行なう際、組織は、割り当てられたアドレスに対応する逆引きルックアップ 
ゾーンを管理する責務を、要求に応じて割り当て先の組織に委譲しなければな
らない。


5.7.  既存のIPv6アドレス空間保持者

以前のIPv6アドレスポリシ[RIRv6-Polices] に従って/35のIPv6割り振りを受
けている組織は、保有している割り振りを/32のアドレスブロックに拡張する
ことが直ちに可能になる。その際5.1.1で述べた基準を満している限り、正当
化の必要はない。/32アドレス ブロックは、その組織への追加の割り振りのた
めにすでにRIRによって予約された割り振り済みのより小さなアドレス ブロッ
ク(多くの場合、1つまたは複数の/35アドレスブロック)を含むことになる。
/32の最小サイズを超える追加空間の申請は、本ドキュメントの別の箇所で説
明した通りに審査される。




6.  References


   [RFC1715] "The H Ratio for Address Assignment Efficiency", C.
           Huitema.
                November 1994, RFC 1715.

   [IAB-Request] "Email from IAB to IANA",
           http://www.iab.org/iab/DOCUMENTS/IPv6addressspace.txt.

   [RFC2373] "IP Version 6 Addressing Architecture", R.  Hinden, S.
           Deering.  July 1998, RFC 2373.

   [RFC2373bis] draft-ietf-ipngwg-addr-arch-v3-07.txt.

   [RFC2928] "Initial IPv6 Sub-TLA ID Assignments", R.  Hinden, S.
           Deering, R.  Fink, T.  Hain.  September 2000, RFC 2928.

   [RFC3177] "IAB/IESG Recommendations on IPv6 Address".  IAB, IESG.
           September 2001, RFC 3177.

   [RFC3194] "The H-Density Ratio for Address Assignment Efficiency An
           Update on the H ratio", A.  Durand, C.  Huitema.  November
           2001, RFC 3194.

   [RIRs-on-48]
           http://www.arin.net/library/guidelines/ipv6_initial.html,


   [RIRv6-Policies]
           http://www.arin.net/regserv/ipv6/ipv6guidelines.html,
           http://www.ripe.net/ripe/docs/ripe-196.html,
           http://www.apnic.net/docs/drafts/ipv6/ipv6-policy-280599.html.




7.  付録A : HD-Ratio

HD-Ratioは、現在ISPがIPv4にて使用している、従来の利用率の計測法に置き
換えることを意図しているわけではない。実際、HD-Ratioでも、依然として割
り当てられたオブジェクト数を数える必要がある。HD-Ratioの主な真価とは、
あるアドレス空間に対し望ましい目標利用率を設定する際の有効性にある。本
ドキュメントでは、ある割り振りが望ましいレベルの利用率を達成し、追加割
り当てが正当化されるような閾値を設定するために、HD-Ratioを使用する。

利用率の基準Tは、IPv6プリフィクスPから割り振られる個々の/48プレフィッ
クスの数として表され、次のように計算できる。

                     ((48-P)*HD)
               T =  2

したがって、IPv6アドレスブロックの追加割り振りを申請する組織に対する利
用率の基準は、プリフィクスサイズと対象HDの利用比率の関数として指定され
る。ここでの利用率は、エンドサイトに対する/48の割り振りを指し、それら
のエンド サイト内での/48の利用率を指すものではない。これはアドレス割り
振りの利用率であり、アドレス割り当ての利用率ではない。

[RFC3194]の推奨に従い、本ドキュメントではIPv6アドレス空間割り振りにお
ける利用率の閾値として、HD-Ratio は0.8を採用する。

次の表は、0.8のHD-Ratioに対応する、IPv6プリフィクスのアドレス利用を等
価の絶対的数値と百分率で示したものである。

        P    48-P          /48の総数               閾値    利用率

       48       0                   1                1     100.0%
       47       1                   2                2      87.1%
       46       2                   4                3      75.8%
       45       3                   8                5      66.0%
       44       4                  16                9      57.4%
       43       5                  32               16      50.0%
       42       6                  64               28      43.5%
       41       7                 128               49      37.9%
       40       8                 256               84      33.0%
       39       9                 512              147      28.7%
       38      10                1024              256      25.0%
       37      11                2048              446      21.8%
       36      12                4096              776      18.9%
       35      13                8192             1351      16.5%
       34      14               16384             2353      14.4%
       33      15               32768             4096      12.5%
       32      16               65536             7132      10.9%
       31      17              131072            12417       9.5%
       30      18              262144            21619       8.2%
       29      19              524288            37641       7.2%
       28      20             1048576            65536       6.3%
       27      21             2097152           114105       5.4%
       26      22             4194304           198668       4.7%
       25      23             8388608           345901       4.1%
       24      24            16777216           602249       3.6%
       23      25            33554432          1048576       3.1%
       22      26            67108864          1825677       2.7%
       21      27           134217728          3178688       2.4%
       20      28           268435456          5534417       2.1%
       19      29           536870912          9635980       1.8%
       18      30          1073741824         16777216       1.6%
       17      31          2147483648         29210830       1.4%
       16      32          4294967296         50859008       1.2%
       15      33          8589934592         88550677       1.0%
       14      34         17179869184        154175683       0.9%
       13      35         34359738368        268435456       0.8%
       12      36         68719476736        467373275       0.7%
       11      37        137438953472        813744135       0.6%
       10      38        274877906944       1416810831       0.5%
       9       39        549755813888       2466810934       0.4%
       8       40       1099511627776       4294967296       0.4%
       7       41       2199023255552       7477972398       0.3%
       6       42       4398046511104      13019906166       0.3%
       5       43       8796093022208      22668973294       0.3%
       4       44      17592186044416      39468974941       0.2%



8.  付録B : 参考情報

8.1 背景

1999年の暫定的IPv6ポリシーを改訂しようという動きは、2001年8月に台湾で
開かれたAPNICミーティングから始まった。続く議論が2001年10月のRIPEおよ
びARINミーティングで行われ、ミーティングの参加者は、より詳細で完成され
たポリシが緊急に必要であることを認識した。これらのミーティングの成果の
ひとつに、全RIRが使用できる共通のポリシー作成を目指し、ポリシの改訂に
ついて共同で議論するためのメーリングリストができたことがある。本ドキュ
メントでは、ここに述べられているポリシーに至るまでの個々の議論の詳細に
ついては触れないが、詳細な情報はWEBサイト(www.apnic.net, www.arin.net,
www.ripe)にあるそれぞれのミーティングの議事録にて見ることができる。


8.2     なぜ共同ポリシーか

IPv6アドレスは公共の資源であり、インターネットコミュニティの長期的な利
益への配慮を持って管理されねばならない。地域レジストリが自己の内部プロ
セスに従った割り振りポリシーを採用するにしても、アドレスポリシーはレジ
ストリを越えて概ね同一であるべきだ。さまざまな地域でそれぞれ非常に異な
るポリシーを持つのは望ましいことではない。なぜならアドレスを申請しよう
とする組織が、自分たちの特定の要望に最も都合のよいポリシーを持つレジス
トリへ申請を出すというような、“レジストリショッピング”が起こる状況を
招きかねないからである。これにより、他の地域でのアドレス空間の慎重な管
理に対する努力を無駄にしてしまうような、一地域でのポリシーが生まれる可
能性がある。このポリシーからの変更が必要と思われる場合、望ましい方法と
しては、他の地域レジストリでその問題を提議し、全地域がサポートできるよ
うなコンセンサスの取れた方法を整備するというものがある。


8.3     IPv6アドレス空間サイズ

IPv4と比較すると、IPv6は一見したところ無限のアドレス空間を持つように思
える。これは表面的には正しいとしても、近視眼的かつ無駄の多い割り振りポ
リシーでは、アドレス空間の早すぎる枯渇を招くような運用を再び採用してし
まう結果になるだろう。
 
128ビットのアドレス空間は理論的に3つの部分に分割され、それぞれのコンポー
ネントの使用は別々に管理されるということに注目すべきだ。最も右側の64ビッ
トはインターフェイス識別子[RFC 2373]で、グローバルに一意なIEEE識別子
(MACアドレス等)であることが多い。アドレスを振ることのできるノード数
を最大にするという観点から見れば、それがインターフェイス識別子フィール
ドの“非効率的な”利用法であるとしても、ナンバリングスキームは、
Stateless Address Autoconfiguration [RFC 2462] を単純化することが明示
的に選択された。

アドレスの中間にある16ビットはサブネットIDを示す。[RFC3177,
RIRs-on-48s]によれば、このフィールドは非効率的に利用されることが多いだ
ろうが、一定した幅のサブネットフィールドがもたらす運用上の利益は、不利
益を上回ると思われるとのことだ。

/48の右側のビットを非効率的に利用するという決定がなされたのは、/48の左
側のビットは慎重に管理されるだろうし、そうなればIPv6の予想寿命には十分
であるという考えおよび仮定が根底にある。


8.4     謝辞

本ドキュメントの初期ドラフトは以下のJPNIC IPv6 policy drafting
teamにより作成された。休日を返上して書かれた努力に感謝する。

   Akihiro Inomata
   Akinori Maemura
   Kosuke Ito
   Kuniaki Kondo
   Takashi Arano
   Tomohiro Fujisaki
   Toshiyuki Yamasaki

その後、3つのRIRそれぞれの代表者によって編集チームが組織された (APNIC
Policy SIG議長Takashi Arano、ARIN IPv6 WG議長Thomas Narten、RIPE-NCC
IPv6 WG議長David Kessens)。

編集チームは、Takashi Arano、John Crain、Steve Deering、Gert Doering、
Kosuke Ito、Richard Jimmerson、David Kessens、Mirjam Kuehne、Anne Lord、
Jun Murai、Paul Mylotte、Thomas Narten、Ray Plzak、Dave Pratt、Stuart
Prevost、Barbara Roseman、Gerard Ross、Paul Wilson、Cathy Wittbrodt、
Wilfried Woeberによる本ドキュメントへの貢献に感謝したい。

本ドキュメントの最終的な編集はThomas Nartenによって行われた。

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変更履歴

2004/01/23 5.1.1. 初期割り振りの基準 c) より「インターネット」
      という言葉を削除

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