メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索

JPNIC公開文書著作権表示 (Copyright notice of JPNIC open documents)

この文書はJPNIC公開文書であり、 著作権は社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC) が保持しています。 JPNIC公開文書は誰でも送付手数料のみの負担でJPNICから入手できます。 また、この著作権表示を入れるかぎり、 誰でも自由に転載・複製・再配布を行なって構いません。

〒101-0047 東京都 千代田区 内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター

WIPO Overview of WIPO Panel Views on Selected UDRP Questions
翻訳文

社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
最終更新 2009年4月7日

この文書は
http://www.wipo.int/amc/en/domains/search/overview/
を翻訳したものです。
JPNICはこの翻訳を参考のために提供しますが、その品質に責任を負いません。


UDRP関係の主要な質問に対するWIPOパネルの見解の概観(参考訳)

 統一ドメイン名紛争処理方針及び手続規則(UDRP)の下で裁定を下す権限は、 もっぱら指名されたパネルにある。 UDRPに基づく手続において頻出する特定の問題に対するパネルの見解の周知のために、 WIPO仲裁調停センターは、 手続上および実体上の主要な論点に対するパネルの見解について、 非公式な概観を以下にまとめた。 それぞれの見解を支持する裁定への参照も含まれており、 80名以上の異なるUDRPパネリストによる100以上の裁定が示されている。

 以下に挙げる問題の中には、たまにしか生じないものもあるが、 これらは全て、UDRPの運用に関連しているか、 そうであると認識されている。 これらの問題の大部分については、 通説あるいは明らかな多数説が形成されている。 残りのいくつかの問題については、 今も多種多様な見解が寄せられている。 当センターによる論点の洗い出しとそれに対するパネルの見解の評価は、 当センターが2005年2月までに扱ってきた7000件に上るUDRP事案に基づいて行われた。 当センターの「WIPO UDRPパネル裁定のオンライン・リーガルインデックス検索」(http://www.wipo.int/amc/en/domains/search)、 あるいは全ての裁定結果が掲載されている(http://www.wipo.int/amc/en/domains/decisions)を閲覧すれば、 全ての見解について多くの情報を得ることができる。

 この概観は、UDRPシステムを最大限整合性のあるものとするためには、 UDRPの裁定における通説をできるだけ多く特定しておく必要がある、 という認識からまとめられたものである。 UDRPの裁定には多種多様な事実や議論が盛り込まれているが、 ある論点については純粋な意見の相違も時には避けがたいことを理解しておく必要がある。 このことは,パネリストや当事者が数多くの法域から集まっていればなおさらである。 しかしながら、この最新報告ではUDRPの実績をまとめて、 パネルが示してきた見解を明らかにし、 その見解を現実に即して理解できるような裁定事例を示すことによって、 有益なものとすることを願った。

 予測可能性が紛争解決システムの重要な要素であり続ける一方、 パネリストは、 この非公式の概観にも従来のパネルの裁定にも拘束されることなく、 それぞれの手続における特定の状況のなかでその判断を下す。 また、各事案の当事者は、その事案に関する裁定について、 それぞれ独自に予測すべき責任を負っている。 特に当事者には、 UDRPに基づいて議論し主張を確立するという自らの義務を、 この概観が肩代わりするものではないことに留意されたい。

 この概観のアイデアは、 2004年10月にジュネーブで開かれた WIPOドメイン名パネリストミーティングで歓迎された。 経験豊富な多くのWIPOパネリストがその内容を非公式に検討し、 またこの概観を広めることに尽力してきた。 当センターは、パネリストと協議しながら、 関連する将来のパネル裁定を反映して本文書を更新していくように努力する所存である。

 当センターは、 インターネットドメイン名紛争を処理する時間的・コスト的に効率のよい機構としてUDRPを機能させるために、 全てのWIPOパネリストがこれまで行ってきた、 そして現在も行っている国際的に認められた貢献に対して、 深甚な感謝を捧げる。

質問

1. 第1のUDRP要素

  • 1.1 ドメイン名と保有している登録商標が混同を引き起こすほどに類似していれば、UDRP第4節(a)(i)の要件は自動的に満たされるのか?
  • 1.2 混同を引き起こすほどの類似性を判断する際に、ウェブサイトの内容は関係してくるのか?
  • 1.3 商標と否定的な用語を組み合わせたドメイン名は、申立人の商標と混同を引き起こすほどに類似しているか?(Suckケース)
  • 1.4 紛争対象のドメイン名が登録された後に登録されたか、申立人が未登録の権利を取得したマークについて、申立人はUDRP関連の商標権を有しているのか?
  • 1.5 申立人は、地理上の名称や地理識別子について権利を主張できるのか?
  • 1.6 申立人は、人名に権利を主張できるのか?
  • 1.7 申立人が、コモンロー上の商標権あるいは未登録の商標に関する権利を主張して認められるには、何を主張する必要があるのか?
  • 1.8 商標のライセンシーまたは商標保有者の関連会社は、UDRPで商標についての権利を有すると認められるのか?

2. 第2のUDRP要素

  • 2.1 申立人は、紛争対象のドメイン名に対する権利や正当な利益を相手方が有しないことを証明する必要があるか?
  • 2.2 一般的な語からなるドメイン名なら、相手方は正当な利益を自動的に認められるのか?
  • 2.3 転売者は、紛争対象のドメイン名について、権利や正当な利益を認められるのか?
  • 2.4 相手方がドメイン名を批判サイトに使用していれば、権利や正当な利益を認められるのか?
  • 2.5 ファンサイトなら、紛争対象のドメイン名に対する権利や正当な利益を認められるのか?

3. 第3のUDRP要素

  • 3.1 紛争対象のドメイン名が、商標登録の前またはコモンロー上の商標権を取得する前に登録されていても、不正の目的※1と判断されるのか?
  • 3.2 ドメイン名が実際には使われておらず、ドメイン名の保有者がドメイン名を転売したり商標保有者と接触したりするための実際の動きに至っていないとき(非活動的所有)も、不正の目的による使用が成立するか?
  • 3.3 商標権やサービスマークの保有者がそのマークを対応するドメイン名に反映させるのを妨げる行為のパターンには、どのようなものがあるか?
  • 3.4 擬制通知(Constructive Notice)は、不正の目的による登録や使用を認定する根拠になるか?
  • 3.5 紛争対象のドメイン名のWebページにある免責条項の役割は何か?
  • 3.6 和解交渉における陳述は、不正の目的を主張するにあたり関係し得るか?
  • 3.7 ドメイン名が不正の目的で登録されたのか否かを判断するうえで、ドメイン名登録の更新は、新たな登録と同じ扱いができるか?

※1 「悪意」というと、他人に害を与えようとしたり、 他人を悪く思う心と一般的には解釈されますが、 法律用語としての「悪意(bad faith)」は 「ある事実を知っていること」を意味し、 かなり異なる意味合いで使われます。
そのため、2000年にUDRPを参考にしてJP-DRPを起草した際には、 読み手により解釈の分かれる「悪意」という言葉の利用を避け、 JP-DRP内の "bad faith" に対応する言葉として「不正の目的」 を使うことにしました。 そのため、本参考訳においても、 "bad faith" に対応する訳語として「不正の目的」を用いています。

4. 手続に関する質問

  • 4.1 過去のUDRPの裁定で同様の事実や法律問題を扱っているものについては、どの程度尊重したらよいか?
  • 4.2 要求されていない追加書類を提出した場合、パネルは受理してくれるか?
  • 4.3 手続に適した言語は何語か?
  • 4.4 パネルが再申立を認めるのはどんな状況においてか?
  • 4.5 パネルは裁定を下すために独自調査ができるか?
  • 4.6 相手方が申立人に答弁しなかった場合(答弁の懈怠)、申立人による救済要求は自動的に認められるのか?

考察

1. 第1のUDRP要素

1.1 ドメイン名と保有している登録商標が混同を引き起こすほどに類似していれば、 UDRP第4節(a)(i)の要件は自動的に満たされるのか?

通説: 申立人が登録商標を保有していれば、 商標権を有するに必要な最低基準は満たしている。 登録商標とその対象たる商品やサービスの所在地は、 マークの権利を認める際には関係ない。

関連裁定:
Uniroyal Engineered Products, Inc. v. Nauga Network Services D2000-0503 and, Transfer
Thaigem Global Marketing Limited v. Sanchai Aree D2002-0358, Transfer
Consorzio del Formaggio Parmigiano Reggiano v. La casa del Latte di Bibulic Adriano D2003-0661, Transfer

注意: ただし、一定の非常に限られた状況においては、 その商標登録がUDRPの要件を満たしているかどうかを判定するために、 パネルがその登録状況を審理する場合がある。 自動的あるいは無審査での商標登録 (米国での連邦商標登録に対する州商標登録など) は審査のある商標登録と同様に常に尊重されるとは限らない。

関連裁定:
Lion Country Supply, Inc. v. J. Katz D2003-0106, Transfer
PC Mall, Inc. v. Pygmy Computer Systems, Inc. D2004-0437, and, Transfer

同様の問題が、第2のUDRP要素に関して、 相手方によりなされた商標登録についても当てはまる: Madonna Ciccone, p/k/a Madonna v. Dan Parisi and "Madonna.com" D2000-0847, Transfer

1.2 混同を引き起こすほどの類似性を判断する際に、 ウェブサイトの内容は関係してくるのか?

通説: ウェブサイトの内容は (それが商標保有者の事業に類似しているか異なっているかにかかわらず) 混同を引き起こすほどの類似性の認定には関係しない。 これは、 「需要者が最初に関心を持った際の混同」の損害を商標保有者が被る、 すなわち、 自社サイトに来る可能性がある訪問者が混同を引き起こすほど類似したドメイン名をタイプした結果すぐには保有者のサイトに来ず、 攻撃的/営利的な内容を見ることになるからである。 混同を引き起こすほどの類似性があるかどうかをテストするには、 商標とドメイン名を比較して混同の可能性を判定するのがよい。

関連裁定:
Arthur Guinness Son & Co. (Dublin) Limited v. Dejan Macesic D2000-1698, Transfer
Ansell Healthcare Products Inc. v. Australian Therapeutics Supplies Pty, Ltd. D2001-0110, Transfer
Dixons Group Plc v. Mr. Abu Abdullaah D2001-0843, Transfer
AT&T Corp. v. Amjad Kausar D2003-0327, Transfer

1.3 商標と否定的な用語を組み合わせたドメイン名は、 申立人の商標と混同を引き起こすほどに類似しているか?(Suckケース)

多数説: 商標と否定的な用語からなるドメイン名は、 申立人のマークに混同を引き起こすほどに類似している。 次のような理由から、すなわち、 ドメイン名が商標と辞書に載っている言葉を含んでいること、 紛争対象のドメイン名が商標にきわめて類似していること、 ドメイン名が否定的だと認識されない可能性があること、 英語に堪能でなく商標に付された言葉の否定的な含意をくみ取れない者もドメイン名を見る可能性があること、 などから混同を引き起こすほどの類似性が認められてきた。

関連裁定:
Wal-Mart Stores, Inc. v. Richard MacLeod d/b/a For Sale D2000-0662, Transfer
A & F Trademark, Inc. and Abercrombie & Fitch Stores, Inc. v. Justin Jorgensen D2001-0900, Transfer
Berlitz Investment Corp. v. Stefan Tinculescu D2003-0465, Transfer
Wachovia Corporation v. Alton Flanders D2003-0596 among others, Transfer

少数説: 商標と否定的な用語を組み合わせたドメイン名には、 混同を引き起こすほどの類似性はない。 インターネットユーザーが商標保有者を商標と否定的な用語を組み合わせドメイン名に結びつける可能性は薄いからである。

関連裁定:
Lockheed Martin Corporation v. Dan Parisi D2000-1015, Denied
McLane Company, Inc. v. Fred Craig D2000-1455, Denied
America Online, Inc. v. Johuathan Investments, Inc., and Aollnews.com D2001-0918, Transfer, Denied in part

1.4 紛争対象のドメイン名が登録された後に登録されたか、 申立人が未登録の権利を取得した商標について、 申立人はUDRP関連の商標権を有しているのか?

通説: 申立人がある名称に対する商標権を取得する前にドメイン名が登録されていたとしても、 それは同一性または混同を引き起こすほどの類似性を認める妨げにはならない。 UDRPは商標またはサービスマークの保有者が権利を取得する日については特に触れていない。 しかし、 ドメイン名が将来的な商標を念頭に登録されたことを主張するのは難しいため、 ドメイン名が不正の目的で登録されたことを証明するのは難しいかもしれない。

関連裁定:
Digital Vision, Ltd. v. Advanced Chemill Systems D2001-0827, Denied
AB Svenska Spel v. Andrey Zacharov D2003-0527, Transfer
Iogen Corporation v. Iogen D2003-0544, Denied
Madrid 2012, S.A. v. Scott Martin-MadridMan Websites D2003-0598 among others, Transfer

1.5 申立人は、 地理上の名称や地理識別子について権利を主張できるのか?

通説: 第2回WIPOインターネットドメイン名プロセスのレポートは、 UDRPで地理上の名称を特に保護する案を退けている。 ただし、一部の地理上の名称は、 申立人がその名称について自分は権利を有しておりその名称を商標に使っていると証明していれば、 UDRPの保護を受けることができる。 通常、このためには、 地理上の名称を商標として登録しておく必要がある。

関連裁定:
Kur- und Verkehrsverein St. Moritz v. StMoritz.com D2000-0617, Denied
Skipton Building Society .v. Peter Colman D2000-1217, Transfer
FC Bayern Munchen AG v. Peoples Net Services Ltd. D2003-0464, Transfer
BAA plc, Aberdeen Airport Limited v. Mr. H. Hashimi D2004-0717, Transfer

注意: ただし、ある地理的地域の行政当局が、 派生的意味での当該の地理上の名称に対する未登録の商標権を主張するのは、 非常に難しい。

関連裁定:
City of Hamina v. Paragon International Projects Ltd D2001-0001, Denied
Brisbane City Council v. Joyce Russ Advertising Pty Limited D2001-0069, Denied
Land Sachsen-Anhalt v. Skander Bouhaouala D2002-0273, Denied

1.6 申立人は、人名に権利を主張できるのか?

通説: UDRPは特に人名を保護してはいないが、 未登録の人名が事業や商業に使われているような状況があれば、 申立人はその名前についてコモンロー上の商標権を証明できる。 コモンロー上の詐称通用訴訟(common law action of passing off)に要求されるテストが参考になる。 商標登録してある人名は、UDRPでも保護される。

関連裁定:
Julia Fiona Roberts v. Russell Boyd D2000-0210, Transfer
Jeanette Winterson v. Mark Hogarth D2000-0235 among others, Transfer
Dr. Michael Crichton v. In Stealth Mode D2002-0874, Transfer

注意: ただし、未登録商標権を証明するには、 問題の名前が事業や商業で実際に使われていなければならない。 名前が有名(実業家、宗教指導者など)であるだけでは、 未登録商標権を証明するには必ずしも十分ではない。

関連裁定:
Israel Harold Asper v. Communication X Inc. D2001-0540 among others, Denied
Chinmoy Kumar Ghose v. ICDSoft.com and Maria Sliwa D2003-0248, Transfer

1.7 申立人がコモンロー上あるいは未登録の商標権を主張して認められるには、何を主張する必要があるのか?

通説: 申立人はその名称が申立人またはその商品やサービスと結びついた明確な識別子になっていることを主張しなければならない。 そうした「派生的意味」を証明するものとしては、 その商標で販売してきた期間と数量、広告の内容と規模、消費者調査、 メディアによる認知度などがある。 たとえ派生的意味が地理的に狭い範囲でしか通用しなくとも、 それはコモンロー上の申立人の権利を制限するものではない。 未登録の権利は、 申立人が大陸法系の法域に所在していたとしても生じうる。

関連裁定:
Uitgeverij Crux v. W. Frederic Isler D2000-0575, Transfer
Skattedirektoratet v. Eivind Nag D2000-1314, Transfer
Amsec Enterprises, L.C. v. Sharon McCall D2001-0083, Denied
Australian Trade Commission v. Matthew Reader D2002-0786, Transfer
Imperial College v. Christophe Dessimoz D2004-0322 among others, Transfer

1.8 商標のライセンシーまたは商標保有者の関連会社は、UDRPで商標についての権利を有すると認められるのか?

多数説: たいていの状況では、 商標登録保有者の商標ライセンシーあるいは子会社や親会社など関連会社は、 UDRPでは商標権を有するとみなされる。

関連裁定:
Telcel, C.A. v. jerm and Jhonattan Ramirez D2002-0309, Transfer
Toyota Motor Sales U.S.A. Inc. v. J. Alexis Productions D2003-0624, Denied
Grupo Televisa, S.A., Televisa, S.A. de C.V., Estrategia Televisa, S.A. de C.V., Videoserpel, Ltd. v. Party Night Inc., a/k/a Peter Carrington D2003-0796, Transfer
Spherion Corporation v. Peter Carrington, d/b/a Party Night Inc. D2003-1027 <shperion.com>, Transfer

少数説: 非独占的な商標使用権を有する申立人は、 UDRPの下での権利を有しない。

関連裁定:
NBA Properties, Inc. v. Adirondack Software Corporation D2000-1211, Denied

2. 第2のUDRP要素

2.1 申立人は、紛争対象のドメイン名に対する権利や正当な利益を相手方が有しないことを証明する必要があるか?

通説: 全体的な立証責任は申立人にあるが、これは、 基本的に相手方しか知らないことが多い情報を必要とするため、 否定的なことを証明するという最初から不可能な作業になり得ることをパネルも認識している。 したがって申立人は、 まずは相手方には権利や正当な利益がないという一応の (prima facie)証明をすることが要求される。 そのような一応の証明ができさえすれば、 今度は相手方がドメイン名に対する権利や正当な利益を有することを証明する立証責任を負う。 相手方がそれに失敗すれば、 申立人はUDRPの第4節(a)(ii)を満たしたものとみなされる。

関連裁定:
Croatia Airlines d.d. v. Modern Empire Internet Ltd. D2003-0455, Transfer
Belupo d.d. v. WACHEM d.o.o. D2004-0110, Transfer

2.2 一般的な(辞書に載っている)語からなるドメイン名なら、 相手方は正当な利益を自動的に認められるのか?

通説: 申立人が相手方には権利や正当な利益がないという一応の証明をし、 しかも相手方が紛争処理方針の第4節(c) の3つの状況のいずれかを主張できなければ、 たとえドメイン名が一般的な語からなっていても、 相手方にはドメイン名についての権利や正当な利益がないことになる。 正当な使用かどうかを判断する際にパネルがチェックする要素としては、 その商標の地位と知名度、 相手方が他の一般的な語も登録してきたかどうか、 ドメイン名の用途 (リンゴのサイトに使っていれば相手方が権利を認められる可能性が高いが、 コンピュータやポルノグラフィの販売サイトであれば可能性は低い) などがある。

関連裁定:
402 Shoes, Inc. dba Trashy Lingerie v. Jack Weinstock and Whispers Lingerie D2000-1223, Transfer
Classmates Online, Inc. v. John Zuccarini, individually and dba RaveClub Berlin D2002-0635, Transfer
Emmanuel Vincent Seal trading as Complete Sports Betting v. Ron Basset D2002-1058, Transfer
Owens Corning Fiberglas Technology, Inc v. Hammerstone D2003-0903, Transfer

注意: ただし、相手方が一般的な語を使う目的が、 その用語に対する申立人の権利を利用することにはなく、 自社の製品や事業について述べたり、 その用語の一般的価値を生かしたりすることにあった場合、 相手方は正当な利益を有することになる。

関連裁定:
Allocation Network GmbH v. Steve Gregory D2000-0016, Denied
Porto Chico Stores, Inc. v. Otavio Zambon D2000-0270, Denied
Asphalt Research Technology, Inc. v. National Press & Publishing, Inc. D2000-1005, Denied
Gorstew Limited v Worldwidewebsales.com D2002-0744 among others, Denied

2.3 転売者は、紛争対象のドメイン名について、 権利や正当な利益を認められるのか?

多数説: 転売者が商品やサービスを誠実に提供している可能性もあり、 したがってその使用が一定の基準に適合するならばドメイン名に正当な利益を有している。 その基準としては、問題の商品やサービスを実際に提供しているか、 商標の商品だけを売るためにそのサイトを使用しているか、 そのサイトがドメイン名登録者の商標保有者との関係を正確に開示しているかなどがある。 さらに相手方は、 商標を反映するドメイン名で市場を独占しようとしてはならない。

関連裁定:
Oki Data Americas, Inc. v. ASD, Inc. D2001-0903, Denied
Experian Information Solutions, Inc. v. Credit Research, Inc. D2002-0095 among others, Transfer

少数説: 商標保有者の製品を再販する権利があっても、 商標保有者から明白な許可を得ていない限り、 商標をドメイン名のベースに使用する権利があることにはならない。

関連裁定:
Motorola, Inc. v. NewGate Internet, Inc. D2000-0079, Transfer with Dissenting Opinion

非契約的な関係にかかわる事案については、以下を参照:
DaimlerChrysler A.G. v. Donald Drummonds D2001-0160, Denied (with dissent)
Philip Morris Incorporated v. Alex Tsypkin D2002-0946, Transfer
Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG v. Del Fabbro Laurent D2004-0481 and, Denied

2.4 相手方がドメイン名を批判サイトに使用していれば、 権利や正当な利益を認められるのか?

本項で取り上げるのは、真正の、非営利的な批判を行うサイトだけである。 相手方はそのドメイン名を使うのは言論・表現の自由のためだと主張したものの、 実際には営利目的でドメイン名が使われているとパネルが認めたUDRP裁定は多い。

Wal-Mart Stores, Inc. v. Walsucks and Walmarket Puerto Rico D2000-0477 among others, Transfer

ある商標に混同を引き起こすほど類似しているドメイン名が真正の非営利的な言論・表現の自由のためのサイトで使われている場合には、 ふたつの主要な見解がある。 また米国の当事者がからむ手続と米国以外の当事者がからむ手続とでもいくつか違いがあり、 米国以外のパネリストで見解2の論法を採用する者は少ない。

見解1: 批判する権利は、 保有者の登録商標と同一もしくは混同を引き起こすほど類似していたり、 その商標を連想させたりするドメイン名の登録には及ばない。

関連裁定: Skattedirektoratet v. Eivind Nag D2000-1314, Transfer
Myer Stores Limited v. Mr. David John Singh D2001-0763, Transfer
Triodos Bank NV v. Ashley Dobbs D2002-0776, Transfer
The Royal Bank of Scotland Group plc, National Westminster Bank plc A/K/A NatWest Bank v. Personal and Pedro Lopez D2003-0166, Transfer
Kirkland & Ellis LLP v. DefaultData.com, American Distribution Systems, Inc. D2004-0136, Transfer

見解2: そのドメイン名に批判的な意味が含まれているかどうかにかかわらず、 その使用が公正で非営利なものであるかぎり、 相手方は批判サイトのドメイン名の一部として商標を使用することに正当な利益を有する。

関連裁定:
Bridgestone Firestone, Inc., Bridgestone/Firestone Research, Inc., and Bridgestone Corporation v. Jack Myers D2000-0190, Denied
TMP Worldwide Inc. v. Jennifer L. Potter D2000-0536, Denied
Howard Jarvis Taxpayers Association v. Paul McCauley D2004-0014, Denied

ドメイン名と使用に関してさらなる条件を課すもの:
Covance, Inc. and Covance Laboratories Ltd. v. The Covance Campaign D2004-0206, Denied

2.5 ファンサイトなら、 紛争対象のドメイン名に対する権利や正当な利益を認められるのか?

本項で取り上げるのは、 非営利で活動していることが明白なファンサイトだけである。 相手方は活動している非営利なファンサイトだと主張したものの、 そうでないとパネルが認めたUDRP裁定は多い。

Helen Fielding v. Anthony Corbert aka Anthony Corbett D2000-1000, Transfer

見解1: 活動しており、明白な非営利的なファンサイトは、 申立人の商標を含むドメイン名に権利と正当な利益を有するとされる場合がある。 そのサイトは非営利で、 オフィシャルサイトと明白に区別できなければならない。

関連裁定:
Estate of Gary Jennings and Joyce O. Servis v. Submachine and Joe Ross D2001-1042 , Denied
2001 White Castle Way, Inc. v. Glyn O. Jacobs D2004-0001, Denied

見解2: 相手方には、 混同を引き起こすほど類似したドメイン名を使って特定の個人や法人に関する自分の見解を表明する権利はなく、 これはたとえその見解が肯定的なものであっても当てはまる。 なぜならば、 相手方は自分がその個人や法人であると詐称しているからだ。 特に、ドメイン名が商標と同一である場合、 相手方はその行為により、 商標保有者が自分のマークに対する権利を行使し、 インターネットにおける自らの存在を管理することを妨げている。

関連裁定:
David Gilmour, David Gilmour Music Limited and David Gilmour Music Overseas Limited v. Ermanno Cenicolla D2000-1459, Transfer
Galatasaray Spor Kulubu Dernegi, Galatasaray Pazarlama A.S. and Galatasaray Sportif Sinai Ve Ticari Yatirimlar A.S. v. Maksimum Iletisim A.S. D2002-0726, Transfer

3. 第3のUDRP要素

3.1 紛争対象のドメイン名が、 商標登録の前またはコモンロー上の商標権を取得する前に登録されていても、 不正の目的と判断されるのか?

通説: 通常は、商標権が認められる前にドメイン名が登録されたときは、 ドメイン名の登録は不正の目的によるものではない。 申立人の権利はまだ生まれておらず、 登録者が考慮できたはずはないからだ。

関連裁定:
John Ode dba ODE and ODE - Optimum Digital Enterprises v. Intership Limited D2001-0074, Denied
Digital Vision, Ltd. v. Advanced Chemill Systems D2001-0827, Denied
PrintForBusiness B.V v. LBS Horticulture D2001-1182, Denied

注意: ただし、一定の状況下で、相手方が申立人を十分認識しており、 登録の意図がドメイン名と申立人が将来得るであろう権利との混同を利用することにあった場合、 不正の目的が認められる場合がある。 これがよく見られるのは、 二つの会社が合併したが新しい商標権がまだ生じていないとき、 あるいは相手方が申立人の潜在的な権利を認識していながら申立人の企業から生まれる権利を利用しようとドメイン名を登録したときなどである。

関連裁定:
ExecuJet Holdings Ltd. v. Air Alpha America, Inc. D2002-0669, Denied
Kangwon Land, Inc. v. Bong Woo Chun (K.W.L. Inc) D2003-0320, Transfer
Madrid 2012, S.A. v. Scott Martin-MadridMan Websites D2003-0598 among others, Transfer
General Growth Properties, Inc., Provo Mall L.L.C. v. Steven Rasmussen/Provo Towne Center Online D2003-0845, Transfer

3.2 ドメイン名が実際には使われておらず、 ドメイン名の保有者がドメイン名を転売したり商標保有者と接触したりするための実際の動きに至っていないとき(非活動的所有)も、 不正の目的による使用が成立するか?

通説: ドメイン名を実際には使っていなくても、 それ自体では不正の目的を認める妨げにはならない。 パネルはその事案のあらゆる状況を検討して、 相手方の行為が不正の目的によるものかどうか、 判断しなければならない。 不正の目的があると認められる状況としては、 申立人が著名な商標を有している、 申立てに答弁しなかった、身元を隠した、 ドメイン名を善意(good faith)で使用したとは考えられない、 などがある。 パネルは、登録を取り巻く状況を考慮して、 ドメイン名を不正の目的で使用したか否かについて、 推論を下すことができる。

関連裁定:
Telstra Corporation Limited v. Nuclear Marshmallows D2000-0003, Transfer
Jupiters Limited v. Aaron Hall D2000-0574 and, Transfer
Ladbroke Group Plc v. Sonoma International LDC D2002-0131 among others, Transfer

UDRP第4節(b)(iv)の解釈については、以下を参照。
Global Media Resources SA v. Sexplanets aka SexPlanets Free Hosting D2001-1391, Denied

3.3 商標権やサービスマークの保有者がそのマークを対応するドメイン名に反映させるのを妨げる行為のパターンには、どのようなものがあるか?

通説: 行為のパターンとしては、 複数のUDRP事案で同様の事実関係が生じる場合と、 1件の事案において相手方が既知の商標に類似する複数のドメイン名を登録した場合がある。 しかし、同一事案で2つのドメイン名が登録されただけでは、 パターンを主張するには一般的に十分ではない。

関連裁定:
Home Interiors & Gifts, Inc. v. Home Interiors D2000-0010 among others, Transfer
Telstra Corporation Limited v. Ozurls D2001-0046 among others, Transfer

3.4 擬制通知(Constructive Notice)は、 不正の目的による登録や使用を認定する根拠になるか?

大部分のパネルは、 擬制通知という考え方をUDRPに導入することを避けてきた。 ただし、申立人が米国の登録商標を有しており、 相手方も米国にいるような場合は、 この考え方は不正の目的による登録や使用を認める裏付けとしていくつかの事案で使われてきた。 これらの事案では、 申立人の商標登録が相手方のドメイン名登録より前になされており、 相手方は商標の存在に気づいていたものと推定された。

関連裁定:
Toronto Star Newspaper Ltd. v. Elad Cohen DTV2000-0006, Denied
Kate Spade, LLC v. Darmstadter Designs D2001-1384, Transfer
Alberto-Culver Company v. Pritpal Singh Channa D2002-0757, Denied
Sterling Inc. v. Sterling Jewelers, Inc and Domain Traffic D2002-0772, Transfer
The Sportsman’s Guide, Inc. v. Modern Limited, Cayman Islands D2003-0305, Transfer

3.5 紛争対象のドメイン名のWebページにある免責条項の役割は何か?

通説: たとえ免責条項があっても、 不正の目的が他の要素によって証明されれば、 不正の目的がないことにはならない。 免責条項はまた、 申立人の商標を相手方が事前に知っていた証拠にもなる。 ただし、免責条項が善意(good faith)や正当な利益を示す他の要素の裏付けとなると認められる場合もある。

関連裁定:
Estee Lauder Inc. v. estelauder.com, estelauder.net and Jeff Hanna D2000-0869, Transfer
Arthur Guinness Son & Co. (Dublin) Limited v. Dejan Macesic D2000-1698, Transfer
Besiktas Jimnastik Kulubu Dernegi v. Mehmet Tolga Avcioglu D2003-0035, Denied
Pliva, Inc. v. Eric Kaiser D2003-0316, Transfer

3.6 和解交渉における陳述は、 不正の目的を主張するにあたり関係し得るか?

通説: 和解交渉でドメイン名の売却を申し出たという証拠は、 UDRPでも認められており、 しばしば不正の目的の存在を主張するために使われる。 これは、多くのサイバースクワッターが商標保有者からの申立てを受けるまで金銭の支払いを要求しないこと、 また、パネルには、和解交渉が妥協点を探る善意(good faith)の努力なのか、 それとも金を搾り取ろうとする不正の目的の努力なのか、 判定する権限が有ることによる。 また、不正の目的の証明に関する法的基準では、 売却の申し出を不正の目的の証拠として直接的に認めている。

関連裁定:
CBS Broadcasting, Inc. v. Gaddoor Saidi D2000-0243, Transfer
Magnum Piering, Inc. v. The Mudjackers and Garwood S. Wilson, Sr. D2000-1525 among others, Transfer
McMullan Bros., Limited, Maxol Limited, Maxol Direct Limited Maxol Lubricants Limited, Maxol Oil Limited Maxol Direct (NI) Limited v. Web Names Ltd D2004-0078, Transfer

3.7 ドメイン名が不正の目的で登録されたのか否かを判断するうえで、 ドメイン名登録の更新は、新たな登録と同じ扱いができるか?

通説: ドメイン名を第三者に譲渡すれば新たに登録したことと同じになるが、 単にドメイン名を更新しただけでは、 不正の目的を判定するうえでは、登録したことにはならない。 不正の目的による登録は、 現在の登録者がドメイン名を保有した時点でなされなければならない。

関連裁定:
Substance Abuse Management, Inc. v. Screen Actors Modesl [sic] International, Inc. (SAMI) D2001-0782, Denied
PAA Laboratories GmbH v. Printing Arts America D2004-0338, Denied

4. 手続に関する質問

4.1 過去のUDRPの裁定で同様の事実や法律問題を扱っているものについては、どの程度尊重したらよいか?

通説: UDRPの運用は、厳密な先例主義にはよっていない。 ただし、パネルは、 自らが下す裁定が同様の事実関係について従来のパネルが下してきた裁定と整合することが望ましいと考えている。 このことは、UDRPシステムが全ての当事者にとって公正、 効果的かつ予測可能な形で運用されることを確実なものとしている。

関連裁定:
Geobra Brandstatter GmbH & Co KG v. Only Kids Inc D2001-0841 among others, Transfer
Fresh Intellectual Properties, Inc. v. 800Network.com, Inc. D2005-0061 <800-flowers.com>, Transfer
PAA Laboratories GmbH v. Printing Arts America D2004-0338, Denied

4.2 要求されていない追加書類を提出した場合、 パネルは受理してくれるか?

多数説: パネルは手続の効率性を心がける必要があるが、 要求していない追加書類をいずれかの当事者が提出した場合、 両当事者を平等に扱い、 各当事者がそれぞれの立場を表明する機会を公正に与えるという自らの義務を念頭に、 これを受理する裁量を有している。 その書類を提出する当事者が、その書類と事案との関連性や、 申立書や答弁書にその情報を盛り込めなかった理由も明らかにできれば、 受理される助けとなる。 パネルが一方の当事者の追加書類を受理したときは、 他方にもその追加書類への答弁書を認めることが多い。

関連裁定:
Delikomat Betriebsverpflegung Gesellschaft m.b.H. v. Alexander Lehner D2001-1447, Transfer
AutoNation Holding Corp. v. Rabea Alawneh D2002-0058, Denied
De Dietrich Process Systems v. Kemtron Ireland Ltd. D2003-0484, Transfer

少数説: パネルが特に追加書類を要求しない限り、 パネルは裁定を下すにあたり追加書類を考慮しない。

関連裁定:
Viacom International Inc. and MTV Networks Europe v. Rattan Singh Mahon D2000-1440, Denied

パネルが追加書類を要求すべき状況については、以下を参照:
Credit Suisse Group v. Milanes-Espinach, Fernando and Milanes-Espinach, SA D2000-1376, Transfer
Auto-C, LLC v. MustNeed.com D2004-0025, Transfer

4.3 手続に適した言語は何語か?

通説: 手続言語は、双方が別段の合意をしない限り、 登録合意書の言語である。

関連裁定:
Telstra Corporation Limited v. Telsra com /Telecomunicaciones Serafin Rodriguez y Asociados D2003-0247 <telsra.com>, Transfer
Fondation Le Corbusier v. Monsieur Bernard Weber, Madame Heidi Weber D2003-0251 among others, Denied, Transfer in part
Advanced Magazine Publishers Inc. v. Computer Dazhong D2003-0668, Transfer

注意: ただし、一定の状況において、 相手方が申立人の言語を明瞭に理解でき、 申立人が翻訳を余儀なくされれば不利になるような場合には、 登録合意書の言語と違っていても、 申立人の言語を手続言語として認めることもある。

関連裁定:
L’Oreal S.A. v. Munhyunja D2003-0585, Transfer
Deutsche Messe AG v. Kim Hyungho D2003-0679, Transfer

4.4 パネルが再申立を認めるのはどんな状況においてか?

通説: 事案の再申立が行われるケースは、申立人が、 前回否認された申し立てと同じドメイン名、 同じ相手方がかかわる第2の申し立てを行う場合に生じる。 再申立事案は、限られた状況でしか受理されない。 そうした状況としては、申立人が、 新たな関連行為が原裁定後に生じたこと、 自然的正義(natural justice)あるいは適正手続(due process)に対する違反が生じたこと、 原事案のパネルまたは当事者に重大な不正行為(偽の証拠など) があったこと、などを申立書で証明した場合がある。 原事案審理中に申立人が入手できなかった新たな証拠が提出された場合なども、 再申立が受理される。

関連裁定:
Creo Products Inc. v. Website In Development D2000-1490, Transfer
Maruti Udyog Ltd. v. maruti.com D2003-0073, Transfer
AB Svenska Spel v. Andrey Zacharov D2003-0527, Transfer

4.5 パネルは裁定を下すために独自調査ができるか?

通説: パネルは、 相手方やドメイン名の使用についてさらなる情報を得るために、 紛争対象のドメイン名とリンクしているインターネットサイトを閲覧できる。 またパネルは、裁定を下すには公記録を参照する必要があると思えば、 公記録について、限られた範囲で事実調査を行うこともできる。 パネルは、手続で裁定を下すにはさらなる情報が必要な場合、 当事者にパネル命令を下すこともできる。

関連裁定:
Societe des Produits Nestle SA v. Telmex Management Services D2002-0070, Transfer
Hesco Bastion Limited v. The Trading Force Limited D2002-1038, Transfer
Howard Jarvis Taxpayers Association v. Paul McCauley D2004-0014, Denied

4.6 相手方が申立人に答弁しなかった場合(相手方の欠席)、 申立人による救済要求は自動的に認められるのか?

通説: 相手方が答弁をしなかったとしても、 自動的に申立人に有利な裁定が下されるわけではない。 第2のUDRP要素に関して上記2.1項に述べた原則を前提として、 申立人はUDRP第4節(a)に定める3要素のそれぞれを証明しなければならない。 パネルは確かに相手方の不答弁から相手方に否定的な推論を得るが、 UDRP第4節は、 申立人がUDRP手続で申立人の請求が認められるためには自らの主張を実際の証拠で裏づけることを要求している。

関連裁定:
The Vanguard Group, Inc. v. Lorna Kang D2002-1064, Transfer
Berlitz Investment Corp. v. Stefan Tinculescu D2003-0465, Transfer
Brooke Bollea, a.k.a Brooke Hogan v. Robert McGowan D2004-0383, Denied

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
よろしければ回答の理由をご記入ください

それ以外にも、ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2024 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.