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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.323【臨時号】 2005.12.22 ◆
  _/NIC
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◆ Internet Week 2005 レポート <第4弾>
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ~ IP Meeting 2005 ~
                               JPNIC インターネット基盤企画部 根津智子
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IP Meetingは、もともとInternet Weekの前身となった会合です。「インフラ
としてのインターネットの開発・構築・運営に関わる人が一堂に集まり知識・
課題を共有し、インターネットの発展のための議論を行う」場として、1990年
から継続しています。

16回目を迎える今回は、Internet Week 2005の最終日である12月9日(金)に開
催し、約350名という大勢の方にご参加いただきました。

ここ数年は、午前中に【今年のインターネット基盤技術を総括するトピックス
レポート】、午後は【最新動向を伝える講演とパネルディスカッション】とい
う二部でプログラムを構成しています。今年の午後の最新動向テーマは「IPと
NGN - NGNは次世代統合インフラになりえるか?-」でした。本日はその概略
をレポートします。


                  ◇              ◇              ◇


◆午前の部「2005年トピックスレポート」

1)2005年のレジストリとインターネットコーディネーション  
      
JPNIC IPアドレス担当理事の前村が司会となり、「ドメイン名」や「IPアドレ
ス」などのインターネット資源の観点から、今年のレジストリ回りのインター
ネットコーディネーションを語るという形式で本セッションは進められました。

まず、総括として、WSIS/WGIGとICANNの動きについての話が前村理事からあり
ました。2005年は、行政が「公共政策としてのインターネット」を本格的に考
え始めた記念すべき年であり、まだまだ問題の解決には時間がかかるだろうが、
2006年はインターネットガバナンスフォーラム(IGF)(*1)の動きに注目してお
く必要があるということでした。

その後、「ドメイン名」全般の動向について(株)日本レジストリサービス
(JPRS)大橋由美氏からお話しいただきました。gTLDの動きや、新しいsTLDの申
請状況、その後JPドメイン名の今年の動向などについて話がありましたが、今
年の大きな話題の一つとして、IDN(国際化ドメイン名)がフィッシング詐欺に
利用された事実と、その危険回避策としてのICANNが用意しているIDN実装ガイ
ドラインの紹介や、ブラウザなどのサービスのIDN対応についても紹介されま
した。

「IPアドレス」についてはJPNICの穂坂俊之から話がありました。今年の一番
大きなトピックスは、なんといっても「IPv4アドレスの余命予測」であるとの
ことです。ここ近年のIPv4アドレス消費増加要因について触れ、そのため世界
中の関係者が予測の見直しをしているが、以前の予測よりも早く枯渇しそうだ
という展望が述べられました。その他のトピックスとしては、RIRとして
AfriNICが正式承認されたこと、JPNICではPIアドレスの管理体制強化や個人情
報保護対応を行った報告などがありました。


その後、「DNS & レジストリ」と題し、IPエニーキャストの最新動向と、レジ
ストリとしてのIANAの組織の運営状況について、JPRSの森下泰宏氏から紹介が
ありました。ルートサーバへのDDoS攻撃対策が契機となりルートサーバ・TLD 
をはじめとする多くのDNSサーバでIPエニーキャストが多く導入されているが、
IPエニーキャストはBGPに依存しており一対一通信という原則が通じなくなる
ため、導入には十分な検討をして欲しいとの話がありました。そうでないと本
来の「信頼性向上のための技術」としてIPエニーキャストが成り立たなくなる
場合もあるということでした。IANAの組織の運営は依然として人的リソースが
不足しており、関係者が一致団結した協力体制を作れるかどうかが、今後のイ
ンターネット全体の安定運用に非常に重要であると述べられました。


2)ルーティング・トポロジ動向

JPNICのIPアドレス検討委員で、NTTコミュニケーションズ(株)の吉田友哉氏か
ら、最近のインターネットにおけるトラフィックの動向などを中心に、インター
ネットバックボーンの状況についての報告がありました。今年の傾向として、
経路・AS数の伸びは昨年同様の伸び傾向であるが、トラフィック数は国内・国
際ともに2004年より増加傾向であること、10Gbpsが本格化したこと、Private
Peerが促進されたこと、セキュリティ攻撃が複雑化し大規模化したこと、その
ため、新たなDDoS対策サービスもでてきたとの話がありました。ネットワーク・
トポロジの視点で見ると、相変わらず東京への一極集中傾向は見られ、また大
手ISPが大阪へ分散化する傾向はひとまず落ち着いたとのことです。また、海
外とのトラフィックはアジア・USからのトラフィックの増加が顕著ということ
です。

IP Meetingの参加者は運用管理(ネットワーク管理)者が、参加者の半数以上と
いう状況のため、本セッションは、昨年度と同様、アンケートでも関心が大変
高い項目でした。


3)セキュリティトピックス

JPCERT/CCの伊藤友里恵氏から、セキュリティに関する2005年のトピックスと
して、インシデントの動向、CSIRTコミュニティにおける動きなどの紹介があ
りました。今年の特徴として、攻撃側の組織化・巧妙化・複雑化が顕著にある
のに加え、ユーザー環境も複雑化している状況があるため、もはやインターネッ
トの保全にはすべてのプレイヤーが責任をもって行動していかないといけない
という話がありました。各自が自身の責任とミッションを認識し重要インフラ
を防護していくことが重要であると述べられました。


4)VoIPの動向

VoIP/SIP相互接続検証タスクフォース・WIDEプロジェクトの大江将史氏から、
VoIP/SIP相互接続検証タスクフォースの活動を通じて浮き彫りになった、異な
るキャリア間におけるVoIP接続の問題点等の報告がありました。試験の結果、
ISP-ISP間の発着信は基本的にはできるものの、高度なサービス(保留・着信拒
否等)になると、問題が多くなるとのことです。発信番号のフォーマットやパ
ラメータの定義、セッションの保留、着信拒否、番号通知・非通知などもISP/
ベンダーによって解釈の定義が異なるところであり、技術的な問題点の解決を
図るまでには継続的な活動が不可欠であるとの話がありました。


                  ◇              ◇              ◇


◆午後の部  IPとNGN - NGNは次世代統合インフラになりえるか?-

次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)の標準化が、ITU-Tを中
心に推進されています。NGNとはIP技術を基盤のプロトコルとして、インター
ネットとVoIPサービスを統合したり、また、有線網と無線網のインフラ統合な
ども可能にすると言われているアーキテクチャです。NGNの標準化は、IPの領
域を担当するIETFや携帯電話を担当する3GPP/3GPP2とも協調して推進はされて
いるものの、「現在のインターネットシステム」の相互接続と移行部分等につ
いて実践的にかつ現実的に行うためには、考慮するべきことが多々あるのでは
ないかという観点から、今回のIP Meetingのテーマとして取り上げるに至りま
した。

まず、NGNについての理解を深めるために、「NGNの標準化と各国の動き」につ
いてNTT(株)の村上龍郎氏にお話しいただき、その後、総務省の鈴木茂樹氏に
より、現在活動を行っている「IPインフラ研究会のNGNに関する活動のご紹介」
をいただきました。

その後、パネリストの紹介がなされました。モデレータはJPNIC理事長である
後藤滋樹が務め、パネリストとして、総務省の鈴木氏、アジア・ネットコム・
ジャパン(株)の石井秀雄氏、ソフトバンクBB(株)の牧園啓市氏、NTT(株)の村
上氏、KDDI(株)の村上仁己氏、東京大学の江崎浩氏(ワシントンDCからのネッ
トワーク経由)に参加していただき、具体的なディスカッションに入りました。
まず、石井氏と牧園氏により「NGNへの期待」が語られました。また、無線系
の話としてKDDI(株)の村上氏からも「3G・FMC・NGN(の関係)」のお話をいただ
きました。

詳細な内容は紙面の関係上ご紹介できませんが、パネリストからの最後の意見
として、江崎氏からは、「インターネットは、上下のトラフィックがますます
対称型になる傾向がある。特にFMCは、その対称傾向が強くなるだろう。その
ようにたくさんのコンテンツが流通するアーキテクチャにきちんとNGNがなっ
ていけるよう、一緒に議論していきたい」という話がありました。

NTT(株)の村上氏からは「NGNのキーワードは【シームレス】【オープン】とい
うこと。NGNは未完成ながら「次世代ネットワーク」と言ってしまったが、こ
れこそが議論するきっかけではないか。これからの通信事業者は、放送・家電・
医療等の業界を越えて議論できないと将来はないと思う。先ほど【オープン】
と言ったのは、オープンディスカッションで議論していくということであり、
それこそがNGNだと思う」と述べられていました。

総務省の鈴木氏は「【ISDN網から光の国へ】と言っていたのが、いつの間にか
NGNに変わってきている。今後、どのような変革が起こるのか予想がつかない。
通信の容量が増えその上に産業が花開いていろいろなサービスが生まれてくる
と思うが、その目指すところは国民の幸せであり、その方向性については誰も
が合意していると思う。行政としては足元の動きを阻害しないように、関係者
のコンセンサスに向けて調整するのが役割だと思う」とおっしゃっていました。

石井氏からは「サービス提供側としては、今のデフレを打破したいというのが
本心。新しいプラットフォームが出た段階でおもしろいサービスを考えて展開
していくことを考えなくてはいけないと思った。しかし、NGNのオペレーショ
ンについてはもう少し機能のところを考えてもらいたい。たとえば、トラブル
シュートの時間が半分になるといった利点があるとコストをかけやすくなるの
ではないか。NGNはおもしろい技術や考え方だと思っています」とのコメント
がありました。

牧園氏からは、「我々インターネット世代はオープンなプラットフォームさえ
あればそこで何でもできると思っているが、そういう感覚でやるといつかサー
ビスが売れなくなる時期が来ることが見えてきた。年輩の方々も安心して使え
るような、ある意味保守的なプラットフォームを提供するのがNGNなんだな、
と感じた」との話がありました。

KDDIの村上氏からは「就職して30年経過したが、通信業界は本当に変化する業
界で、音声でお金がとれなくなってきている。そういう技術の変化がサービス
の変化になってきていてこれからもどんどん変わっていくし、改めて、それを
認識した。だからこういう場での意見交換は大変重要だと思う。本日はその記
念すべき第一歩だったのではないか」との嬉しいお言葉をいただきました。

最後にモデレータの後藤理事長は、経営学者ピーター・ドラッカーを引用して
「未来は既に始まっている」と述べていました。ある日突然未来が始まるので
はなく、日常の中で未来が始まっているものであり、本日のパネルの参加者は
その中にいることを如実に感じたのではないか、また、本日のパネリストはそ
の観点でお話をいただいたと思うと感謝の意を表していました。「NGN」とい
う言葉で名乗ってしまったのは偉い、言葉をつければ議論の対象になり、こん
なものという人もいれば、建設的に考える人もいる。すべての人に未来が見え
ているわけでもないが、我々の英知をあわせて、日本においてこういう検討が
進むのは大変意味のあることだったと思うと述べ、午後の部は終了致しました。


                  ◇              ◇              ◇


今回のディスカッションは、NGNという未だ現在進行形のアーキテクチャに対
し、明確な何かの評価を与えたという性質のものではなかったですが、参加者
に「今後のIP技術は、どうなって行くのか」という思いを喚起できたこと、考
えるきっかけになったことに対して、大きな意味があったと考えています。

アンケートでは「もっと明日すぐに役立つ内容を望む」「経営層が聞くような
内容」等のコメントもありましたが、IP Meetingは、すぐには役に立たないか
もしれませんが、皆様にとっての【明日を考えるきっかけとなるもの】である
のが、IP MeetingのIP Meetingたるゆえんであり、そうあり続けたいというの
が主催者の願いです。

IP Meetingの資料は、以下Webページでご覧いただけます。ご興味のある方は
是非ご覧ください。

◆ Webページ
    http://internetweek.jp/program/shosai.asp?progid=C9

◆ 資料
    http://www.nic.ad.jp/ja/materials/iw/2005/main/ipmeeting/

(*1) インターネットガバナンスフォーラム(IGF):
     2005年12月のWSISチュニス会合の決議で発足したマルチステークホルダー
     の政策対話を行う国際連合管轄のフォーラム


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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