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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.450【定期号】2007.5.15 ◆
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◆ News & Views vol.450 です
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本号から2回にわけて、2007年4月22日~25日にかけてプエルトリコのサンファ
ンで開催されたARINミーティングについて、本号では[第1弾]としてミーティ
ング全体のレポートを、次号ではIPアドレスポリシー関連のレポートをお届け
します。
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◆ 目次
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【 1 】特集 「ARIN XIXミーティングレポート[第1弾] 全体会議報告」
【 2 】News & Views Column
「インターネット時代の思い出工学」
成城大学 社会イノベーション学部 教授 野島久雄氏
【 3 】インターネット用語1分解説
「4バイトAS番号とは」
【 4 】統計資料
1. JPドメイン名
2. IPアドレス
3. 会員数
4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー
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【 1 】特集 「ARIN XIXミーティングレポート[第1弾] 全体会議報告」
JPNIC 技術部/インターネット推進部 木村泰司
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2007年4月22日~25日にかけて、プエルトリコのサンファンで第19回ARIN
ミーティングが開かれました。ARINは北米地域のインターネットレジストリ
で、一般に公開されたミーティング(有料)を年に2回開催しています。プエル
トリコはカリブ海にあるアメリカ領の島です。ミーティング会場近辺はカジノ
付のホテルがあるなど、アメリカのリゾート地の雰囲気がありますが、島自体
はダイビングやカリブ海沿岸特有の自然の森を楽しめるような場所であるよう
です。
本稿ではミーティング全体の様子をお伝えしたいと思います。
ARINミーティングは、JPOPMや他のRIRのミーティングと同様に、アドレス資源
管理ポリシー策定プロセスの一環であるPublic Policyミーティング(PPMと呼
ばれています)や、IPアドレス管理のあり方やARINに関する自由な議論が行わ
れるカンファレンスです。
1日目はPre-meeting activity(事前活動)と呼ばれ、ワークショップやオープ
ンポリシーアワー(アドレスポリシー自体に関する会議)が開かれます。今回
は、「Practical Guide to IPv6」というテーマでワークショップが開かれま
した。2日目と3日目はPublic Policyミーティングが開かれ、4日目はARINメン
バーミーティングと呼ばれる、ARINの運営に関するARINメンバーのための、い
わば総会です。
今回のミーティングにおける特徴は、まずポリシー提案が13もあったことが挙
げられます。この中には、JPNICを中心として各RIRでポリシー提案を行ってい
る「IPv4アドレスの枯渇に向けたポリシー」が入っています(詳細は次回発行
予定のNews & Viewsでお送りいたします)。各ポリシーの議論に当てられる時
間が20分と短いため不満の意見が上がりましたが、迅速な進行によって全ての
議論が期間中に行われました。
今回のミーティングの参加者は全体で144名でした。そのうちアメリカからが
113名、カナダからが3名、カリブ海近辺と北大西洋近辺からが3名でした。各
RIRからは3、4名ずつ参加者がいたようです。
◆Pre-meeting activity
Pre-meeting activityでは、前述の通り「Practical Guide to IPv6」という
テーマのワークショップが行われました。ワークショップといっても内容は
チュートリアルに近いもので、IPv6の基礎や各種OSやルータでの設定方法、
6to4やトンネリングについての説明でした。参加者は10名~15名ほどでした。
□ ARIN XIXのPre-meeting activityの資料等
http://www.arin.net/meetings/minutes/ARIN_XIX/premeeting.html
オープンポリシーアワーでは、ARINコミュニティにおけるポリシー策定プロセ
スであるIRPEP(Internet Resource Policy Evaluation Process)の歴史の紹介
や、今回のPPMで議論されるポリシーに関して、ステータスの確認が行われま
した。
ARIN におけるポリシーはNRPM(Number Resource Policy Manual)と呼ばれ、一
つの文書にまとめられています。ポリシー変更はこの文書への変更を通じて行
われるため、ポリシーに関する議論は主にその文案を元にして行われます。
□ IPPEP - Internet Resource Policy Evaluation Process
http://www.arin.net/policy/irpep.html
□ NRPM - Number Resource Policy Manual
http://www.arin.net/policy/nrpm.html
◆Public Policyミーティング
Public PolicyミーティングはIPREPの一環として行われるミーティングで、コ
ミュニティの中の提案者によってPPML(Public Policy Mailing List)に投稿
された提案のうち、ARIN AC(Advisory Council)によって受理され、再度PPML
に正式なポリシー提案として投稿されたものについて、意見交換を行うために
行われます。
今回は先に述べましたように13もの提案があり、ARINミーティングで時々見ら
れるような意義についての討論は、参加者の間でも避けられたような印象があ
りました。Public Policyミーティングで議論された提案のうち、IPアドレス
ポリシーに関する議論については、次回のNews & Viewsで報告いたします。
◆遠隔参加について
RIPEミーティングやAPNICミーティングと同様に、ARINミーティングでもオン
ラインでの遠隔参加(remote participation)ができるようなサービスが整いつ
つあります。ARINミーティングでは、RealVideoとWindows Mediaによるスト
リーミングが行われていました。しかしRIPE NCCやAPNICとは異なり、質疑応
答に参加できるのは、remote participationの事前登録を行っているユーザー
に限られていました。AUP(Acceptable Use Policy)が用意されているなど、
ARINらしいサービス提供だと感じられました。
□ ARIN XIX Remote Participation Acceptable Use Policy (AUP)
http://www.arin.net/ARIN-XIX/remote_aup.html
◇ ◇ ◇
ミーティング会場で、ポリシー策定プロセスを説明したflashアニメーション
が展示されていました。このflashアニメーションはオンラインでも閲覧でき
ます。
□ The ARIN Policy Process: From Ideas To Actions
http://www.arin.net/education/cbt/IRPEP/IRPEP.html
ARINにおけるポリシー策定に関わるコミュニティには、IPアドレス資源の公平
性や広い意見の集約という意味の他に、アドレス資源管理における責任所在と
しての意味が加わりつつあるようです。既存の参加者の維持だけでなく新たな
参加者の獲得も、ARINにとって重要な課題であると思われます。(*1)
次回のARINミーティングは、2007年10月17日~19日にかけて、米国ニューメキ
シコ州のアルバカーキで開催されます。
(*1)ARINからIPアドレスやAS番号の割り振りを受けているLIRは2007年3月現在
で3,000近くあります。アメリカ地域のARINメンバーは2,700ほどで、今回
のARINミーティングの参加者はそのうちの5%程度ということになります。
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【 2 】News & Views Column
「インターネット時代の思い出工学」
成城大学 社会イノベーション学部 教授 野島久雄
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インターネット、携帯電話、CATV・・・ 私達があふれるばかりの情報に取り
巻かれているのは言うまでもないでしょう。問題は、単に取り巻かれているだ
けでなく、私達自身が作り出している情報も膨大になっているということで
す。私自身の例で言えば、戦災で思い出の品をほとんど焼いてしまった母には
子どもの頃の思い出の写真はほとんど無いらしいです。私の子どもの頃の写真
は、アルバムにして1冊分くらいはあります。今手元にないものの、写真のひ
とつひとつを思い浮かべることができる程度のものです。それに比べると、今
高校生の娘は、生まれたときのビデオから、その後にたくさん撮りためた写
真、そして私のパソコンの中にあるデジカメの写真を含めると、写真だけでも
膨大なものになっています。
写真だけではありません。私達が大学生の頃(もう30年も前です)、手紙を出
す時にそれをコピーするという習慣はありませんでした。手紙は出してしまっ
たら、自分の元には記録が残らないものでした。しかし、電子メール時代に
なった現在、10年前からの自分のメールを全て保存しているという人は珍しく
ないでしょう。個人的な発言が記録され残るのは、昔ならば王侯貴族か芸術家
くらいのものだったでしょう。でも、今は、ごく普通の個人が個人的な記録を
残せる時代になったというわけです。
しかし、これが私達の個人的な思い出の保存と活用のためになっているかとい
うと、必ずしもそうはいえないのが問題です。思い出情報を保存する技術に対
して、思い出を活用するための技術、そして人にとって思い出とは何かを考え
るための思い出の心理学の発達がまだ不十分なのです。今、ITの世界で研究・
実践を行っている私達が、緊急に取り組む必要があるのは、人にとって意味の
ある過去を再構築し、それを未来につなげるための学問、「思い出工学」なの
ではないでしょうか。
■ 著者略歴
野島久雄
NTT電気通信研究所を経て、成城大学社会イノベーション学部教授。博士(情報
科学)。専門は、インタフェースの心理学、認知心理学、認知科学。
著書に、「<家の中>を認知科学する」新曜社、「方向オンチの科学」講談社
など。
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【 3 】インターネット用語1分解説
「4バイトAS番号とは」
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AS番号は、統一された運用ポリシーによって管理されたネットワークの集まり
を示し、BGP(*1)による経路制御の単位となる、自律システム(Autonomous
System:AS)に対して与えられる番号を指します。インターネットレジストリで
は、各ASに対して一意な番号の割り当てを行っています(*2)。
このAS番号には、当初2バイト(16ビット)で表記することが可能な個数(65,536
個)が定義されていましたが、AS番号の需要増加に伴い枯渇が予想されるた
め、4バイト(32ビット)で表記することが可能な個数(約43億個)まで拡張され
ることになりました。この新たに拡張された、4バイトで表記するAS番号のこ
とを、4バイトAS番号と呼びます。
4バイトAS番号の、上位2バイトと下位2バイトの間は、"."で区切って表記され
ます。これまで利用されてきた2バイトのAS番号を、4バイトで表記することも
可能な仕組みになっており、例えばJPNICに割り当てられた「AS2515」は、4バ
イトAS番号では「AS0.2515」と表記します。
4バイトAS番号に対応するための、BGPの拡張に関する標準化も既に進められて
おり、関連するInternet Draft(*3)が発行されています。JPNICにおいても、
実装の本格化に伴う需要に対応するために、2007年3月7日から4バイトAS番号
の割り当てを行っています。
なお、技術標準の策定にあたっては、2バイトAS番号のASと、4バイトAS番号の
ASが相互運用できるように定められていますが、2007年5月時点では実運用レ
ベルでの検証はこれからという状況になっています。
(*1) インターネット1分用語解説 ~BGPとは~
http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/bgp.html
(*2) インターネット1分用語解説 ~ASとは~
http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/as.html
(*3) BGP Support for Four-octet AS Number Space
http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-idr-as4bytes-13.txt
(*4)「4バイトAS番号割り当て開始のお知らせ」
http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2007/20070208-01.html
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【 4 】統計資料
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1.JPドメイン名
o 登録ドメイン数(2006年12月~2007年5月)
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日付| AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------
12/1│ 291 3328 299485 869 22267 17361 8609 4435 2222 3335 388941 123197 874340
1/1│ 289 3335 300899 870 22368 17414 8592 4451 2225 3325 394404 124153 882325
2/1│ 289 3341 301711 872 22437 17386 8554 4436 2221 3296 399546 125367 889456
3/1| 290 3350 303142 876 22527 17418 8537 4450 2223 3289 405938 126761 898801
4/1| 291 3368 305042 884 22703 17435 8513 4447 2213 3265 412502 127666 908329
5/1| 290 3380 306555 889 22834 17443 8480 4463 2207 3244 418024 129493 917302
--------------------------------------------------------------------------------
GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
GJ:汎用ドメイン名 日本語
2.IPアドレス
o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2006年11月~2007年4月)
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月 | 割振 | 返却 | 現在の総量
------------------------------------------
11 | 757760 | 4096 | 41210142
12 | 573440 | 4096 | 41779486
1 | 634880 | 40960 | 42373406
2 | 77824 | 0 | 42451230
3 | 907264 | 202752 | 43155742
4 | 30720 | 17408 | 43169054
------------------------------------------
□統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/
3.会員数 ※2007年5月14日 現在
---------------------
会員分類 | 会員数 |
---------------------
S会員 | 3 |
A会員 | 2 |
B会員 | 4 |
C会員 | 5 |
D会員 | 151 |
非営利会員| 13 |
個人推薦 | 39 |
賛助会員 | 36 |
---------------------
合計 | 253 |
---------------------
□会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
4.指定事業者数 ※2007年5月8日 現在
IPアドレス管理指定事業者数 379
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【 5 】イベントカレンダー
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2007.5.16(水) 第61回通常理事会
2007.5.21(月)~25(金) LACNIC X (Isla Margarita, Venezuela)
2007.5.28(月) 第4回迷惑メール対策カンファレンス[後援]
(東京、コクヨホール)
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2007.6.7(木)~8(金) CENTR 33 (Helsinki, Finland)
2007.6.13(水)~15(金) Interop Tokyo 2007[後援]
(千葉、幕張メッセ)
2007.6.15(金) 第32回通常総会
(東京、ホテルメトロポリタンエドモント)
2007.6.25(月)~29(金) ICANN (San Juan, Puerto Rico)
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2007.7.22(日)~27(金) 69th IETF (Chicago, IL, USA)
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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