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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.456【臨時号】2007.6.5 ◆
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◆ News & Views vol.456 です
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本号では、昨日のvol.455に引き続き、第54回RIPEミーティング報告[第2弾]と
して、IPアドレスポリシー関連のレポートをお届けします。
○[第1弾] 全体会議報告
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2007/vol455.html
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◆ 第54回RIPEミーティング報告 [第2弾] IPアドレスポリシー関連報告
JPNIC IP事業部 奥谷泉
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◆ 概要
vol.455で、木村よりRIPE54全体の様子をご紹介しましたが、私からはRIPE54
におけるアドレスポリシーの動向についてお伝えしたいと思います。4日半に
わたって開催されたミーティングのうち、アドレスポリシーWGは5月9日(水)
11:30から2時間半のセッションでした。
RIPEミーティングは、オペレーションに関わるテーマを中心に議論が進められ
るため、APNIC、ARINと比較すると、アドレスポリシーに関する議論が占める
割合は低いと言えます。
RIPEでは、基本的にミーティングで結論を出すことを目的としておらず、ミー
ティングは、メーリングリストでの議論への補足的な位置付けで捉えられてい
るようです。従って、新規の提案に対しては、その内容紹介を中心として踏み
込んだ議論や結論を求めることはせず、継続議論になっている提案に多くの議
論の時間を費やす構成となっていました。
◆ 今回結論が出た提案
今回取り扱われた提案は合計12点あり、このうち施行が決定したものは以下2点
です。
2006-06 : IPv4 Maximum Allocation Period
http://www.ripe.net/ripe/policies/proposals/2006-06.html
現在、RIPE地域では最大2年分の需要を満たすIPv4アドレスの割
り振り(*1)が認められているが、他の地域との公平性の観点から
これを1年に短縮する
2006-07 : First Raise in IPv4 Assignment Window Size
http://www.ripe.net/ripe/policies/proposals/2006-07.html
LIRのアサインメントウィンドウ(*2)を、当該事業者が初回割り
振りを受けた6ヶ月後に、自動的に/21に更新する
一方、提案事項「2006-04:Contact e-mail Address Requirement」は、否決が
決定しました。
◆ IPv4アドレスの枯渇に向けたポリシー
今回、JPNICとしての主な参加目的は、JPNICのIPv4アドレス枯渇対応チームが
策定した提案を行うことでした。内容は基本的にAPNIC23、ARINXIXで行ったも
のと同じく、以下の方針を定めることを提案しています。
・IPv4アドレスの枯渇に対しては、世界的に調整の上取り組みを進める
・延命のためのルール変更は行わない
・分配済みアドレスの回収は別の議論とする
・割り振り終了日を前もって決めた上で周知する
なお、提案では割り振り終了日を告知日の2年後と定義していますが、質疑応
答ではこの日の午前中、Plenary Session中に行われたGeoff Huston氏の発表
で枯渇予測日が2009年に縮まったとの発表があったため、「今から2年半後に
は枯渇するため、提案が機能していない」「グローバルポリシーとして施行す
るには間に合わない」といった指摘がありました。
時間的な制約からそれ以上コメントを受け付けることができなかったため、ポ
リシーWGのチェアより啓発を中心に捉える等、アプローチを変えて提案しては
どうか、とのコメントがあり、セッションは締めくくられました。
本提案については、ミーティング開催中に参加者とも個別に話をしたところ、
枯渇のテーマそのものには関心を持っているようでしたが、新規の提案という
こともあってか、ポリシーとしての今後の取り組みについては、地域内の参加
者からは積極的な反応はありませんでした。その他地域からの参加者も総合し
た、主な意見は以下の通りです。
・枯渇日の予測は変動するため、具体的な日付を人為的に定めることは意味
を持たない
・分配済みのアドレス管理をより確実にするPKIによる認証導入の検討が必
要
・現在利用されていないIPv4アドレスの有効活用も検討するべき
現時点では、最後となる割り振りブロックの扱いをどのようにRIR間で分け合
うかについて、ポリシー策定の意識が高い人は一定の関心があるようですが、
時期を合わせる必要性については、まだ一致した見解はないようです。
本提案については、この結果をIPv4アドレス枯渇対応チームに報告の上、今後
の対応を検討してまいります。
◆ その他の議論
アドレスポリシーWGセッション全体としては、IPv6に関する提案に対して最も
多く議論の時間が割かれていました。このうち、既にAPNICでは適用している
追加割り振り基準の変更については、おそらく次回、施行が決定すると予測さ
れます。
2005-08: Proposal to Amend the IPv6 Assignment and Utilisation
Requirement Policy
http://www.ripe.net/ripe/policies/proposals/2005-08.html
追加割り振り申請時において、利用率を算出する基準となる
HD-ratioの値を0.8から0.94へ変更する提案。この施行により、申
請者はより高い利用率での追加申請が求められ、IPv6アドレスの
より効率的な利用につながると考えられる。APNICでは今年3月よ
り施行済み。
また、前回のAPNIC23でも提案され、「実際ニーズがあるとの声を聞かない」
とのことから継続議論になった、初期割り振り基準についても議論が行われま
した。
2006-02: IPv6 Address Allocation and Assignment Policy
http://www.ripe.net/ripe/meetings/ripe-54/presentations/Policy_Proposal_2006-2.pdf
現在のIPv6アドレス割り振り要件が、具体的な割り当て数を要件
として設けることにより、IPv6アドレスの申請にあたって障壁に
なっていることから、要件を以下のように変更する提案。
(変更前)
2年以内に200の/48の割り当てを行う計画があること
(変更後)
2年以内に他組織に対してIPv6アドレスの分配を行う計画がある
こと
ここではAPNIC地域で指摘された、障壁となっている具体的なケースの欠如に
ついては問題にならず、すぐに対応するべきとの支持が表明されました。一
方、今回の提案における変更対象には含まれていなかった、現在のポリシーで
割り振り要件の一部として定義されている割り振り空間を/32に集約して経路
広告を行うことを求めている点に対しては、経路広告の方法についてはオペ
レーターの判断に委ねるべきとの理由から、いくつか反対意見が表明されまし
た。これはオペレーターの参加が多い、RIPE地域の特色が現れた結果かもしれ
ません。
その他の提案について大きな動きはありませんでした。今回行われた提案の一
覧については、以下のページをご覧ください。
RIPE54 Meeting "Address Policy Working Group Draft Agenda"
http://www.ripe.net/ripe/meetings/ripe-54/agendas/address_policy.html
次回のRIPEミーティングは、RIPE NCCの所在地であることから定期的な開催地
である、オランダのアムステルダムにて2007年10月22から26日に開催される予
定です。
(*1)インターネット用語1分解説
「割り振り(Allocation)、割り当て(Assignment)とは」
http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/allocation-assignment.html
(*2)JPNIC用語集「アサインメントウィンドウ」
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-a.html
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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