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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.584【特別号】2008.10.22 ◆
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┃ JPNICはIPv4在庫枯渇の問題に取り組んでいます ┃
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┃★Webサイト:「IPv4アドレスの在庫枯渇に関して」 ┃
┃ http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/ ┃
┃ ┃
┃★バックナンバー: ┃
┃ http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/ ┃
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◆ IPv4アドレス在庫枯渇関連レポート [第15回]
~第1回IPv4アドレス枯渇対応テクニカルセミナー開催報告~
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前号(*1)の最後でもお伝えした通り、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース主
催による、「第1回IPv4アドレス枯渇対応テクニカルセミナー」を、2008年10
月6日に東京大学にて開催いたしました。
(*1) JPNIC News & Views vol.578
IPv4アドレス在庫枯渇関連レポート [第14回]
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2008/vol578.html
このセミナーは、タスクフォースの活動を広く理解してもらうと同時に、IPv4
アドレス在庫枯渇に関する現状における問題点、今後のアクションプランへの
課題・ヒントなどを、多くのステークホルダーの方々と情報共有することを目
的として開催いたしました。
当日は約270名の方に参加いただき、東京大学工学部2号館の大講義室が満席に
なるほどの盛況で、この問題に関する関心の高さをうかがうことができまし
た。
■セミナープログラムの概要
プログラムは大きく前半と後半に分かれ、前半では主にタスクフォースの代表
とメンバーによる、タスクフォース自体やIPv4アドレス在庫枯渇の現状、関連
活動の紹介と、NECビッグローブ代表取締役執行役員社長の飯塚氏による基調
講演が行われました。
後半では、より具体的なIPv4アドレス在庫枯渇の対応策に関する検討報告や、
課題に関する発表が行われ、活発な質疑応答も交わされました。
■前半のプログラム内容
タスクフォースからの報告として、以下の順番に発表が行われました。
・「インターネットのIPv6化に向けて ~IPv4アドレス枯渇への対応~」
- 柳島 智氏 (総務省総合通信基盤局)
・「IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース」
- 江崎 浩氏 (IPv6普及・高度化推進協議会 専務理事)
・「各事業セグメントごとのIPv4アドレス枯渇対応アクションプラン」
- 荒野 高志氏 (IPv6普及・高度化推進協議会 常務理事)
・「IPv4アドレス在庫枯渇状況とアドレスポリシー動向」
- 佐藤 晋 (社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)
・「IPv6 Ready Logoの認定状況から分かること」
- 寺田昭彦氏 (財団法人電気通信端末機器審査協会)
この中では、柳島氏からの発表にあった、総務省としてIPv6の技術者の教育、
育成を目的に、運用技術習得のためのテストベッドを構築する計画があり、来
年度の予算措置を検討している点が注目されます。
また、荒野氏からはタスクフォースで検討した、事業者の対応アクションプラ
ン案が提示されました。これによると、現在予測されているIANAの在庫枯渇時
期である2010年後半に、IPv6対応を完了させることを想定した場合、2008年度
中には対応計画を決定し、2009年から調達、構築、試験を順次進めていく必要
があるとしており、あらためてIPv4アドレス在庫枯渇対応の時間的制約を感じ
させる内容でした。
寺田氏の発表では、NIST(National Institute of Standardsand Technology:
米国立標準技術研究所)による、政府調達仕様と検証仕様におけるIPv6対応義
務化の影響により、米国ベンダーのIPv6 Ready Logo Phase2(*2)の取得数が急
増していることが報告され、IPv6化への対応の遅れが、ビジネスチャンスを喪
失する恐れがあると認識されつつある、という説明が行われました。
(*2)IPv6対応機器製品の国際的認証プログラム
この後に、本セミナーの基調講演として、NECビッグローブ株式会社代表取締
役執行役員社長飯塚久夫氏を講師として、「"IPv4アドレス枯渇"によるプロバ
イダへのインパクトと対応」と題する講演が行われました。
飯塚氏は、IPv4アドレス在庫枯渇だけでなく、現在の情報通信業界の流れを広
く踏まえながら、情報通信サービスの価値を再評価し、その将来的な発展を考
える必要があること、また、そのための健全な競争環境を整える必要があると
いうことを力強く訴えかけていました。
■後半のプログラム内容
後半のプログラムでは、江崎氏が進行役となり、IPv4アドレス在庫枯渇対応に
おける技術的な検討課題や検証結果などについて、以下のような発表が行われ
ました。
・「From IPv4 only To v4/v6 Dual Stack - IETF72 IAB Technical
Plenary -」
- 宮川 晋氏 (エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)
・「IPv4アドレス枯渇!! その時、データセンターに何が起きるか?」
- 今井 恵一氏 (テレコムサービス協会・政策委員会副委員長/NEC企業
ソリューション企画本部)
・「Webサービスを継続するための共存環境について考える? IPv6対応の現状
とこれから?」
- 工藤 真吾氏 (IPv6普及・高度化推進協議会 IPv4/IPv6共存WG サービス
移行サブWG・主査)
・「WebサービスIPv6化をめぐる問題点」
- 小山 哲志氏 (日本UNIXユーザ会)
宮川氏の発表では、キャリアグレードNAT(CGN)を導入した際に、現在のWeb
リッチコンテンツでは、同時に多数のHTTPセッションが張られることが多く、
実運用上、スケーラビリティに支障が出てくる問題点が指摘されました。その
ため、中長期的にはIPv6の導入は不可欠で、CGNはそれを円滑に進めるための
ものであると述べられていました。
今井氏の発表では、データセンターの視点から、IPv4アドレス在庫枯渇の問題
を三つのモデルに分けて解説され、工藤氏からは、ホスティング事業者におけ
るIPv4/IPv6の共存環境をテスト的に構築し、その検証結果について報告され
ました。
この工藤氏の発表では、サーバ、クライアントとも大筋において問題ないこと
が分かり、ネットワーク機器においても、IPv6を動かすこと自体には特に大き
な問題ないが、運用面を含めてデュアルスタックにした場合の綿密な計画を検
討する必要があると述べられていました。
最後の小山氏の発表では、アプリケーション/プログラム開発の現場における
IPv4アドレス在庫枯渇に関する認知はまだ低く、対応を進めるためのインセン
ティブ提供や、IPv6の利用環境整備を行う必要について、説明がありました。
当日の発表資料は以下のURLから全て参照できます。ぜひご参照ください。
http://www.v6pc.jp/jp/entry/taskforce/2008/10/1ipv4_4.phtml
■セミナーへの反響
当日は参加者へのアンケートも行われました。この結果、回答者約200名のう
ち半数近くの方が「すぐにも対策を始めたい」と回答し、在庫枯渇への対応策
として「IPv6化が必要だと思う」と回答した方も約9割に上りました。
また、IPv4アドレス在庫枯渇対応ための費用負担についてもうかがったとこ
ろ、半数以上の方が、多少の費用発生は仕方がない、というご意見でした。そ
の一方で、ユーザーに対してもその発生費用に対して負担をしてもらう必要が
あるという意見も少なからずありました。
今回の参加者は、ネットワークやサービスの提供者と、開発者や機器提供者が
ほとんどで、役職としても一般職、管理職の方が中心でした。
アンケートの結果から、参加者層の範囲において、IPv4アドレス在庫枯渇問題
に対する、認知、理解はかなり深まったものと思われ、セミナー開催の目的は
達成できたのではないかと考えています。
当日のアンケート結果も、下記URLで公開されております。
http://www.v6pc.jp/jp/2008/10/16/upload/pdf/1006%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E9%9B%86%E8%A8%88%E8%A1%A8.pdf (PDF:32.1KB)
今後はさらに幅広い業種の方に参加いただけるようにするとともに、この問題
への対応について、事業的に判断を行う経営者層にも十分に理解してもらうた
めの働きかけを行うことも、課題として検討していきます。
JPNICとしても、今後は積極的にタスクフォースの活動を主軸にして、さまざ
まな層にこの問題について認知、理解を深めてもらい、対応を進めてもらえる
よう促していきたいと思います。
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
IPv4アドレス在庫枯渇関連のQ&Aは特集ページをご覧ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/
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