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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.625【臨時号】2009.3.19 ◆
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◆ News & Views vol.625 です
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本号では、vol.623、vol.624に引き続き、APNIC27ミーティング報告[第3弾]と
して、APNICにおけるシステムの動向についてお届けします。
□APNIC27ミーティング報告
○[第1弾] 第27回APNICオープンポリシーミーティングレポート (vol.623)
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol623.html
□APNIC27ミーティング報告
○[第2弾] Asia Pacific地域におけるリソース証明書とIRRの動向 (vol.624)
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol624.html
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◆APNIC27ミーティング報告 [第3弾]
APNICにおけるシステムの動向
JPNIC 技術部 岡田雅之
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■APRICOT/APNICミーティングの概要
APRICOTは、"Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational
Technologies"の略称で、環太平洋地域のインターネット運用技術者が一堂に
会し、最新の問題についての議論や入門技術者に勉強の場を提供することが主
目的となっています。APRICOTは1996年のシンガポールでスタートし、毎年環
太平洋地域の主要都市で開催されています。日本では、2005年の2月に京都で
開催されました。例年、冬期開催のAPNICミーティングと共催の形をとってい
ます。
なお、APRICOTは年に1回の開催ですが、APNICミーティングは8月下旬から9月
にも開催され、年に2回の開催となっています。
今回の開催地はフィリピンのマニラで、前回のAPRICOT1998以来、11年ぶりの
フィリピンでの開催となりました。日本ではまだまだ寒さが残る季節ですが、
フィリピンでは連日最高気温が摂氏30度前後となっており、現地到着時には気
候の違いに驚きました。
ミーティングの参加者は473名で、世界で開催されるRIRのミーティングやxNOG
イベントと同様盛況な状況です。また、延べ2,500人を超えるリモートからの
参加者があったと、ミーティング運営側から報告がありました。今回、一部の
プログラムでは、チャットや音声を提供するだけではなく、遠隔地用に別の参
加会場を準備し、双方向の議論ができる環境が用意されていました。現地マニ
ラまで行くことができない参加者へも手厚い配慮がなされていました。
■開催概要
今回のAPRICOT2009/APNIC27ミーティングでは、IPv6への移行やIPv4アドレス
在庫枯渇に関する対応、ポリシーの議論が中心となっており、Plenaryやライ
トニングトークの内容はほとんどIPv6に関する内容でした。
Plenaryでは、IPv6を使った運用技術の将来動向やIPv4アドレス在庫枯渇期に
おける対策について発表と議論が行われました。当日のプログラムと議論のロ
グ、動画は以下のURLから参照可能です。興味のある方はぜひご参照ください。
□APRICOT2009プログラムと事後資料
http://apricot2009.net/index.php?option=com_content&task=view&id=98&Itemid=60
□APNIC 27 Meeting Report
http://meetings.apnic.net/report/
http://meetings.apnic.net/program/
■会場の来場者用ネットワーク
最近このようなイベントでは、来場者へIPv4の接続性を提供することは当然に
なっており、今回のミーティングでも、日本国内との通信に支障の無い接続性
のあるネットワークが提供されておりました。
また、IPv6への移行やIPv4在庫枯渇問題が議論の中心となるだけあり、会場の
ネットワークは3種類のネットワークが提供され、参加者が自分で選択できる
状態となっていました。
- IPv4/IPv6 デュアルスタックネットワーク
- IPv6ネットワーク
- IPv6ネットワーク(DNSはIPv4で接続可能)
私はIPv4/IPv6デュアルスタックネットワークを利用していましたが、APNIC27
ミーティングのWebページを閲覧していると、ジープニーのアイコンがIPv6ア
ドレスを表示しており、気がつかない内にIPv6を利用して通信していました。
小さなことですが、徐々にIPv6利用環境の整備が進んでいることを感じました。
■NIR Technicalワークショップ
NIRとはNational Internet Registryの略で、国別インターネットレジストリ
を指します。NIRはAsia Pacific地域に6組織存在しており、APNICと連携しな
がらIPアドレスの管理を行っています。APRICOTやAPNICミーティングでは、毎
回NIRとAPNICの技術者間で情報交換が行われており、IPアドレス管理システム
の動向や、各NIRの技術実装の方向性について議論されています。今回のメー
ルマガジンでは、IPアドレス管理に必要な技術を議論するNIR-Technicalワー
クショップについてお伝えします。
今回のNIR-Technicalワークショップは、会期中のちょうど半ばにあたる、
2009年2月24日の午後に実施されました。参加者はAPNICの技術陣に加えて、
CNNIC、VNNIC、KRNIC、TWNIC、そしてJPNICの担当者が出席しました。通常の
NIR-Technicalワークショップでは各NIRがプレゼンテーションを行い、APNIC
技術陣を交えた議論を行うことが多かったのですが、今回はAPNICからの相談
と周知が主な内容でした。また、ミーティングの後半では、JPNICの木村が
APNICと各NIRに対し、リソース証明書に関するヒアリングを実施しました。
APNICのテクニカルエリアマネージャーのByron Ellacott氏からは、APNICの最
新技術動向が発表されました。2008年の主な成果と2009年度の目標を以下の通
りとしています。
[2008年の主な成果]
- DNSとmail、webのIPv6サポート
- IPアドレス資源管理システムのIPv6サポート
- MyAPNICの認証へ、ユーザーID/パスワードの追加
- リソース証明書の研究開発
- ミーティング登録システムの改良
[2009年の目標]
- サービスの高信頼性化
- インフラレベルでの冗長化
- 適切なセキュリティモデルの導入
- ソフトウェア開発品質の向上
- 研究と計測の実施
APNICでは、2008年には基本的なサービスのIPv6化は達成されており、2009年
以降は主に、システムの地域分散化やリソース証明書の対応に力を入れて行く
ことがわかります。IPv4アドレス在庫枯渇~IPv6への移行、共存時期のイン
ターネットレジストリとして必要なものは確実に整備するという強い意志を感
じました。
一方で、JPNIC技術部の一員としては、日本国内のIPアドレス管理指定事業者
やエンドユーザーだけでなく、世界のインターネットに影響する、逆引きDNS
の反映障害の対応が後手に回っているのではないかと感じました。その点を別
のミーティングにおいてAPNIC技術陣と情報共有することができました。以前
ほど逆引きDNSに関するトラブルは発生しておりませんが、今後の改善を期待
します。
■終わりに/次回のAPNIC28北京ミーティングについて
IPアドレスレジストリ間の情報共有、また直接顔をあわせての議論ができるこ
うした場には継続して参加する必要を感じます。今後もJPNIC技術チームから
継続した参加を予定しております。
次回のAPNIC28北京ミーティングの紹介ビデオは、動画共有サイトのYouTubeで
閲覧することができます。YouTubeには"apnicmultimedia"というチャネルが
存在し、その他にも複数の動画を閲覧することが可能です。
□YouTube apnicmultimedia
http://www.youtube.com/user/apnicmultimedia
□APNIC28北京紹介ビデオ
http://www.youtube.com/watch?v=uNaFa-8rA9A&feature=channel_page
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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JPNIC News & Views vol.625 【臨時号】
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