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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.658【臨時号】2009.7.22 ◆
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◆ News & Views vol.658 です
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本号では、2009年7月1日に東京・日本教育会館で開催された、第16回JPNIC
オープンポリシーミーティングの報告をお送りします。
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◆ 第16回JPNICオープンポリシーミーティング報告
ポリシーワーキンググループ/NTT情報流通プラットフォーム研究所
藤崎智宏
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2009年7月1日(水)に、日本教育会館にて第16回JPNICオープンポリシーミー
ティングを開催いたしました。JPNICオープンポリシーミーティングは、日本
におけるインターネット資源(IPアドレスおよびAS番号)の管理に関するポリ
シーを検討・調整し、日本のコミュニティにおけるコンセンサスを形成するた
めの議論の場です。開催は年2回で、ポリシーワーキンググループが主催して
います。
今回のミーティングには、53名の方々(関係者を除く)にご参加いただきまし
た。また今回も、映像ストリーミング、Jabberチャットにより、リモート参加
環境を提供いたしました(ストリーミングにはTVバンク株式会社さんのご協力
をいただいています)。これらリモート参加の方を合わせると、合計70名の方
にご参加いただきました。皆様、ありがとうございました。
オープンポリシーミーティングのプログラムは、ご応募いただいた提案や情報
提供プレゼンテーションから構成します。今回は、提案3件および情報提供プ
レゼンテーション9件の応募をいただきました。毎回、JPNICやミーティング関
係者からの応募が多いのですが、今回は、本ミーティングでの発表は初めての
方から、前者については2件、後者については1件の応募をいただきました。
◆ 提案に関する議論
提案の応募、3件それぞれについて、活発な議論が実施されました。2.と3.が
上述した初めての方からの応募提案となります。それぞれの提案概略と、ミー
ティングでの結果は以下のようになっています。
1. IPv6追加割り振り時のアドレス集約条項の追加について
現在のIPv6アドレス割り振りポリシーに関する、変更提案です。新規申請
の時のみ条件となっている、割り振りを受けたIPv6アドレスを1プリフィク
スに集約して経路広告を行う条項を、追加割り振りの際にも適用しようと
いうものです。ミーティングにて、コンセンサスに達しました。
2. IPv4アドレス移転ポリシー補完提案
前回のAPNICでのポリシーミーティング(*1)では、コンセンサスと判断さ
れ、その後のメーリングリストの議論で異論が出たため、最終的には継続
議論となった、IPv4アドレスの移転ポリシーについて、議論になっている
条項(アドレスを移転する際の審議の有無、移転元への制限)に関する提案
です。提案自体はコンセンサスには至りませんでしたが、議論の際にとり
まとめた内容を、APNICに対して、日本のコミュニティからの意見として提
起していくことになりました。
3. エンドツーエンドNATを前提としたアドレス分配
NAT配下のホストについても、アドレスとポートを利用することで、エンド
ツーエンド通信を可能にする技術や、NATの配備を前提に、IPv4アドレスの
配布ポリシーを変更しよう、という提案です。アドレスポリシーとしての
提案内容が不明確であったため、内容を見直し、必要に応じて継続議論と
なりました。
(*1) JPNIC News & Views vol.623
第27回APNICオープンポリシーミーティングレポート
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol623.html
◆ 情報提供プレゼンテーション
その他、ポリシー提案に関する状況(JPNICでの検討状況等)、APNICミーティン
グ紹介などの通例の情報提供プレゼンテーションに加え、以下の2件のプレ
ゼンテーションが実施されました。
1. IPv6アドレスの推奨表記について
IPv6アドレスの表記法はRFC4291(*2)にて定義されていますが、その表記法
が柔軟であるため、同じアドレスが、複数の違った方法にて表現される可
能性があります。これは、アドレスの伝達、記録等にあたり、同じアドレ
スが違うアドレスとして認識されてしまうという問題をはらむことを意味
します。そうした事態を避けるため、統一的な推奨表記を制定することが
IETFに提案されており、その状況紹介がありました。
2. リソース証明書は何を"証明"しているか
IPv4アドレス移転でのアドレス情報や、経路制御において経路情報の証明
をするために、リソース証明書を利用することが世界的に検討されてお
り、一部、証明書の発行が始まっています。リソース証明書の利用方法
や、問題点、世界での利用状況などについて、紹介いただきました。
なお、以下のURLより、当日の発表資料、議事録(暫定版)がご確認いただけま
すので、ご参照ください。
□第16回 JPNICオープンポリシーミーティングプログラム
http://venus.gr.jp/opf-jp/opm16/opm16-program.html
(*2) RFC4291 - IP Version 6 Addressing Architecture
http://www.ietf.org/rfc/rfc4291.txt
◆ 今後の進め方
前述の提案1.および2.については、今後対応を進めるにあたり、アジア太平洋
地域全体との調整が必要となります。それぞれ以下のように進める予定です。
1. IPv6追加割り振り時のアドレス集約条項の追加について
メーリングリストでの確認を含めて最終的なコンセンサスが得られた場
合、JPフォーラムを代表する提案として、APNIC28に向けての提案を行うこ
とになります。その後APNICフォーラムとしてコンセンサスが得られた場合
は、国内でも本提案をポリシーとして施行する方向で対応を進める流れと
なります。
2. IPv4アドレス移転ポリシー補完提案
JPOPMでいただいたご意見と、定義された要件として提示された選択肢に対
する参加者の挙手数については、APNIC28にて国内フォーラムの結果として
共有いたします。
◆ ミーティングを振り返って
IPv4アドレス移転の提案はここ数回、本ミーティングでも非常に活発に議論さ
れています。移転を実施すること自体はほぼコンセンサスが取れているのです
が、その細部については今後のAPNICミーティングでもさらに議論が実施され
ます。今回のミーティングでいただきました移転に対する意見は、APNICでの
ミーティングにもフィードバックを実施していく予定です。ぜひ、APNICの動
きにもご注目ください。APNICのポリシーメーリングリストでの議論はもとよ
り、2009年8月末に北京で開催されるAPNICミーティングは、リモートからの参
加環境も非常に充実していますので、ご興味がおありの方は、ぜひともご利用
ください。ミーティングの詳細については、下記のURLでご覧になれます。
□APNIC 28 - Beijing 2009
http://meetings.apnic.net/28
議論にご参加いただいた皆様、発表にご応募いただいた皆様、ありがとうござ
いました。次回のJPNICオープンポリシーミーティングは、Internet Week
2009の会期中に開催する予定です。提案募集は、9月末頃を予定しています。
アドレスポリシーに対するご意見をお持ちの方のご応募をお待ちしています。
また、今回ご参加いただけなかった方も、ぜひご参加ください。
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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