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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.859【臨時号】2011.6.30 ◆
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◆ News & Views vol.859 です
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先日発行したNews & Views vol.848でもお伝えした通り、World IPv6 Dayは、
日本時間の2011年6月8日(水)朝9:00から実施されました。

本号では、World IPv6 Dayに向けた事前の準備、当日の様子、実施によって
見えてきた今後の課題などについてレポートしていただきました。

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◆ World IPv6 Dayありました。
                         株式会社インターネットイニシアティブ 松崎吉伸
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2011年6月8日、予定通りWorld IPv6 Dayが行われました。

【News & Views vol.848】World IPv6 Dayあります。
 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2011/vol848.html

事前にはさまざまな懸念や心配事がありましたが、当日は想定した程の混乱
は無かった様に見えました。さまざまな立場で関わった皆さん、あれこれあ
りがとうございました。個人的には、「ふぅ」という安堵とともに、何かもっ
とうまくやれたんじゃないかという忸怩たる思いがあります。でもってこの
先、注力していかなきゃいけない方向も見えてきたので、静かに頑張ろうっ
て決意しているところです。

World IPv6 Dayに際し、多くの方々が影響を検討し、それによる混乱を最小
限に抑えるために議論や検証を重ねました。これまでにもIPv6導入のための
検証は行われており、そうした知見も広く共有されました。NTT東西の提供す
る光サービスで使われているIPv6閉域網のIPv6アドレスがユーザー端末に割
り当てられていると、IPv4/IPv6対応したサイトにアクセスする際に、
IPv6->IPv4のフォールバックが発生してしまいます。この環境を想定してい
ないアプリケーションでは、接続に問題が出ることが予想されました。全般
に古いバージョンに問題があるようで、知見が生かされた最近のバージョン
ではうまく問題を回避するようになっています。古いバージョンに関しても
みんなで開発元に修正をお願いするなどしてましたが、すべてに修正版が提
供される状況ではありませんでした。

各ISPでは、NTT東西の光サービスを利用しているユーザー向けにAAAA
filterの準備を進めました。これはIPv6トライアルという観点から見ると主
旨に逆行している様にも見えますが、修正版が提供されない場合がある現状
でユーザーを混乱から救うには、しょうがない選択だろうと考えています。
弊社(IIJ)でも想定以上の混乱が生じた際に備えて、AAAA filterの事前検証
と導入準備は進めておきました。NTT東西は、光サービスで利用しているIPv6
閉域網にインターネット向けのTCP SYNが送信された際に、フォールバックを
素早く実施できるようにTCP RSTをユーザーに返しています。World IPv6 Day
では当然このアクセス要求も増加することが予想されたため、TCP RSTを応答
する機能の増強をお願いしておきました。

World IPv6 Dayでは日本時間の午前9時にAAAAを設定することになっていまし
た。事前にAAAAレコードを設定しちゃう、おおらかな参加者もいましたが、
多くのユーザーが参照する様な著名なサイトは概ね予定の時刻通りに設定を
行っていた様です。世界のISPや参加者がIRC (Internet Relay Chat)を使っ
て、それぞれの地域でどんな状況かといった情報を交換しながらイベントは
進みました。IIJでは特に顧客からの申告も無く推移していたため、AAAA
filterの導入は見送りました。世界的に見ても大きな混乱は無く、むしろ
DNSに登録するレコードを間違ったり、サーバの設定で問題があったりする場
合が多かったです。これらの問題はすぐさまIRCで情報交換され、問題解決に
向けて対応されていました。

今回、各ISPにはユーザーからの障害申告はほとんど無かった様ですが、ユー
ザー側で全く問題が無かったわけでもなく、TwitterでIPv6->IPv4フォール
バックの影響を受けていると思われるユーザーも散見されました。実は接続
に問題のあるユーザーは日常的に相当数いるため、どれほどがWorld IPv6
Dayの影響か分かりません。当日、見つけられる限りコンタクトを試みたとこ
ろ、そのうち1名の方から、ポリシーテーブルの変更で問題無くアクセスでき
るようになったと報告がありました。当日はIPv6のトラフィックも増加しま
した。特に着実に計画を進めてIPv6対応のユーザーを増やしていた接続事業
者では、Gbps単位でIPv6のトラフィックが増えたと聞いています。一部コン
テンツは当日のトライアルが終了してもAAAAレコードを残したままにしてい
るので、その後もIPv6のトラフィックは以前よりは増えた状況が続いていま
す。

今後、インターネットではIPv6対応のコンテンツやサービスが増えていくで
しょう。今回の経験を通じて言えば、今後もユーザーが楽しくインターネッ
トを利用するには、それぞれのユーザーが適切な利用環境を整備することが
重要です。例えば、一番お勧めなのはIPv6接続の導入です。知見が生かされ
た最新版のアプリケーションに更新するのはセキュリティ対策の面からもお
勧めです。今年はさまざまな事業者がコンシューマー向けのIPv6接続サービ
スを提供し始めました。ISPとしては、ユーザーがうまく選べて、適切な接続
環境を整えられるようにサービス提供や情報提供を行っていく必要があるだ
ろうなあと考えています。

今回は、IPv6対応する際の問題点を浮き彫りにすることを一つの目的にして
いました。この点は文句無く世界的に大成功です。これまでになく多くの環
境で検証が行われ、問題点の共有と開発元へのフィードバック、対応策の検
討が行われました。関係者の方々による事前の尽力もあって、当日も大きな
混乱も無く終えることができました。報告書には載らないでしょうが、あち
こちで淡々と頑張ってくれていた方々はいっぱいいます。勝手に心から感謝
します。今後も楽しく頑張っていきましょう。


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 JPNIC News & Views vol.859 【臨時号】

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