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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.877【臨時号】2011.8.25 ◆
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◆ News & Views vol.877 です
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2011年6月下旬にシンガポールで開催されたICANN会議を受けて、恒例となり
ました第31回ICANN報告会を2011年8月4日に開催いたしました。
シンガポール会議では、新gTLDプログラムの実施が承認され、新gTLD申請受
付のスケジュールも発表されるなど、新gTLD導入に向けて大きく前進しまし
た。そのことから、報告会においても、ほとんどの講演者が新gTLD関連の話
題を取り上げています。
本号では、その報告会のレポートをお届けします。
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◆ 第31回ICANN報告会レポート
JPNICインターネット推進部 山崎信
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2011年8月4日(木)にエッサム神田ホール(東京都千代田区)にて、JPNICと財団
法人インターネット協会(IAjapan)の共催により、第31回ICANN報告会を開催
いたしました。本報告会は、シンガポールで開催された、第41回ICANNシンガ
ポール会議(以下シンガポール会議)(2011年6月19日~24日)を対象としたもの
です。
本稿では、このICANN報告会のアジェンダに沿って、主なトピックについてご
報告します。
なお、シンガポール会議の概要は、vol.863(*1)でもお伝えしておりますの
で、よろしければそちらもご参照ください。
(*1) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2011/vol863.html
◆ 新gTLDプログラム関連
今回も多くの講演者が次の通り講演しましたが、この中のほとんどの講演で、
次回gTLD募集の枠組み(新gTLDプログラム)について触れられていました。
・JPNICの高山由香利による「ICANNシンガポール会議概要報告」
・総務省の中沢淳一氏による「ICANN政府諮問委員会(GAC)報告」
・ICANN ALACメンバーのTijani Ben Jemaa氏による「ICANN At-Large諮問委
員会(ALAC)メンバーからのメッセージ」
・JPNIC理事の丸山直昌による「新gTLD募集に向けての残存課題」
・一般社団法人日本ドメイン名事業者協会/株式会社アーバンブレインの
Jacob Williams氏による「ICANNレジストラ部会の最新動向」
今回のICANNシンガポール会議での一番のハイライトは、会議の2日目である
6月20日(月)に開催された理事会で、新gTLDプログラムの実施が承認されたこ
とです。
前回シリコンバレー/サンフランシスコ会議において懸案となっていた、新
gTLDプログラムについてGACが抱く懸念点に関する、GACと理事会との議論に
ついての経過は、以下の通りとなりました。
2011年4月12日:「GACスコアカード(*2)への理事会回答に関するGACコメン
ト」をGACが理事会に送付
2011年4月15日:申請者ガイドブック(2011年4月15日版)公開
2011年5月20日:GAC・理事会電話会議(理事合宿期間中に開催)
2011年5月26日:申請者ガイドブック(2011年4月15日版)に関するGACコメン
ト」をGACが理事会に送付
2011年5月30日:申請者ガイドブック最終版公開
2011年6月18日:「新gTLDと申請者ガイドブックに関するGACコメント」を理
事会に送付
2011年6月19日:新gTLDに関する理事会とGACの会合
2011年6月20日:理事会決議(*3)
2011年6月23日:GACコミュニケ(*4)公開
最後のGACコミュニケ(声明)では、理事会がGACの助言に従わなかった公共政
策課題の要素がいくつかあるものの、助言を却下する決定の根拠を示したこ
と、他の助言には従ったことを認めるとしています。
(*2) 2011年2月にGACが理事会に送付した、新gTLDの未解決課題の詳細をまと
めた文書
(*3) http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2011/20110706-02.html
(*4) https://gac.icann.org/download/attachments/1540134/Singapore+Communique+-+23+June+2011_2.pdf
GACの懸念点すべてについて、GACとICANN理事会(以下「理事会」)との間で合
意が得られたわけではなく、理事会決議自体も満場一致ではありませんでし
た。しかしながら、新gTLD申請者ガイドブック最終版に対する修正点が列挙
され、引き続き検討を行うことを明記した上で、新gTLDプログラムが承認さ
れました。理事会決議の中では申請受付期間まで記載されているものの、実
装の過程で必要があれば改訂できるため、今後変更される可能性もあります。
新gTLD関連で残る主な課題は次の通りです。
- GACの助言についての検討
- 申請者援助プログラム(*5)の確定
- 独立申立人(Independent Objector)の選任方法決定および選任
- 独立評価者(Independent Review Panel)の選任
- オークションルールの確定
- コールセンターの開設
- 申請受付システムの開発
- オークションシステムの開発
- Trademark Clearinghouse(*6)の実現
- Centralized Zone Data Access Provider(*7)の実現
なお、シンガポール会議で承認されたICANNの予算案では、新gTLDの申請数が
500件と見積もられています。これは、ICANNとしてはそれだけ需要があると
考えており、かつDNSルートゾーンに影響を与えるほどTLDが増えるとは考え
ていない、ということが言えると思います。
(*5) 発展途上国、マイノリティなどが申請を行う際の負担を軽減する方策。
本件に関しては、GNSOとALACの合同作業部会(JAS WG: Joint SO/AC WG
on New gTLD Applicant Support)が設立されており、最終報告書が次回
2011年10月のダカール会議会期中の理事会に間に合うように発行すると
ともに、GNSOとALACで承認されることになっています。
(*6) 全世界の商標権保持者が商標を登録して、レジストリが優先登録
(sunrise)や同一文字列登録の検出(trademark claim)のために利用する
データベース
(*7) (集中管理された)ゾーンファイル一括アクセス提供組織:
商標類似文字列を検出するため、ゾーンファイル(あるTLD空間における
セカンドレベルドメイン名の一覧)閲覧サービスを提供する組織
◆ ICANNを構成する各支持組織・諮問委員会・部会などについての報告
○ ccNSO関連報告
株式会社日本レジストリサービスの堀田博文氏からは、ccNSOの主な会合、
IDN ccTLDの動向、IDN Variant(異体字)TLDの課題検討、IANA(*8)業務委託契
約(*9)に関する意見募集へのccNSOからのコメント、フィッシングをはじめと
するセキュリティに関する最新状況などについてお話しいただきました。
(*8) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ij.html#02-IANA
(*9) 米国商務省電気通信情報局(National Telecommunications and
Information Administration; NTIA)とICANNの間で交わされた、プロト
コルパラメータの割り当て調整、ルートDNSの管理に付随する管理機能、
IPアドレスおよびAS番号割り振り/割り当てに関する契約。現行契約の
期間は2011年9月末までとなっています。
http://www.ntia.doc.gov/files/ntia/publications/ianacontract_081406.pdf
○ ICANN政府諮問委員会(GAC)報告
中沢淳一氏からは、前述の新gTLDの導入以外に、理事会・GAC合同作業部会
(JWG)による、GACの役割と理事会との連携強化策に関する最終報告について
も共有いただきました。連携強化策には、GACから理事会への助言を網羅した
記録簿の作成や、ポリシー策定プロセスにGACの助言をより早い段階で盛り込
む方法の検討などが含まれます。
○ ICANN At-Large諮問委員会(ALAC)メンバーからのメッセージ
アフリカ地域At-Large組織(AFRALO)をベースに活動する、Tijani Ben Jemaa
氏から、AFRALOの特徴、新gTLDについて、とりわけ発展途上国やマイノリティ
などが申請を行う際の負担軽減方策を検討している、JAS WGについてお話し
いただきました。メッセージの内容は、シンガポール会議でのALACにおける
ポリシー課題、次回のICANNダカール会議会期中に開催される、発展途上国に
関するICANNサミットなどについてで、シンガポール会議の会場にてお話しい
ただいた録画を上映しました。言語の問題などもあり、アフリカ地域で積極
的に参加しているALS(*10)は多くはないことがうかがえました。
(*10) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ah.html#01-ALS
○ ICANNレジストラ部会の最新動向
Jacob Williams氏からは、GNSO傘下のレジストラ部会で行われた議論の動向
をご紹介いただきました。主な内容は、以下の通りです。
・新gTLD導入に伴う事務作業の増大に対応する自動化プロセスおよび書類作
成の手間を減らす方策
・UDRPを見直すかどうかの議論
・WHOISに関する調査
・ICANNとレジストラ間の認定契約(RAA)に関する議論
- これには、登録者の権利および責任を明記したウェブレーニングおよび
レジストラ自社評価ツールをICANNがレジストラに対して提供する予定で
あることが含まれています。
・レジストラ間移転ポリシー(IRTP)
- 登録者からの苦情の多くはレジストラ間の移転ポリシーに関連するもの
であるため、その改善のためのポリシー提案がなされたことなどが含ま
れます。
◇ ◇ ◇
なお、本報告会の発表資料は、JPNIC Webサイトで後日公開いたします。
また、動画も後日公開予定ですので、ぜひそちらもご覧ください。
次回第42回ICANN会議は、2011年10月23日~28日にセネガルのダカールにて開
催される予定です。
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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