メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索
===================================
    __
    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.880【臨時号】2011.8.31 ◆
  _/NIC
===================================
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ News & Views vol.880 です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本号では、vol.879に続き、第81回IETFのレポート[第2弾]として、IPv6関連
WGの動向についてお届けします。

なお、全体会議報告については、以下のURLからバックナンバーをご覧くださ
い。

□第81回IETF報告 特集
  ○[第1弾] 全体会議報告 (vol.879)
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2011/vol879.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 第81回IETF報告 [第2弾]  IPv6関連WG報告
                           NTT情報流通プラットフォーム研究所 藤崎智宏
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2011年7月24日から7月29日まで、カナダのケベックシティにて第81回IETFミー
ティングが開催されました。同時期、日本は非常に暑かったとのことですが、
ケベックシティは涼しく、過ごしやすい気候でした。

今回の参加人数ですが、46ヶ国より1,057名(新規参加133名)と、プレナリに
て発表されています。最近、参加人数は増加傾向だったのですが、今回は減
少しています。国別の参加人数内訳では、米国、中国、日本、カナダ、フラ
ンスという順番でした。前回に引き続き、日本からの参加者が少なかったよ
うに感じられました。

本稿では、IPv6に特化した内容を議論するワーキンググループ(WG)での、会
期中における議論内容を中心に紹介します。

◆6man WG (IPv6 Maintenance WG)

6man WGは、IPv6のプロトコル自体のメンテナンスを実施するWGです。今回
は、7月26日(火)の夕刻に開催されました。

まずは、チェアによるアジェンダ確認、および6man WGで取り組み中である以
下の文書についてステータス報告がありました。

・IPv6フローラベル仕様に関するドラフト群
  IESGレビュー中
  draft-ietf-6man-flow-3697bis:改版ドラフトが必要とのコメント。
  draft-ietf-6man-flow-{ecmp,update}:エリアディレクター(AD)フォロー
  アップ中。

・IPv6ノードの要求仕様改版(draft-ietf-6man-node-req-bis)
  ADレビュー中、執筆者の対応待ち

・UDPの0チェックサム(draft-ietf-6man-udpzero)
  WGラストコールへ。

・UDPチェックサムに関する問題提起(draft-ietf-6man-udpchecksums)
  WGラストコール前に、改版ドラフトが必要とのコメントあり。

・RPL(低電力高損失ネットワーク向けIPv6ルーティングプロトコル)用の
  データ転送オプション
  (draft-ietf-6man-rpl-option/draft-ietf-6man-rpl-routing-header)
  ADレビュー中、改版ドラフトが必要とのコメントあり。

・回線IDオプション(draft-ietf-6man-lineid)
  WGラストコール準備完了。後述する、ルータ要請ベースのアクセス制御の
  問題(draft-dec-6man-rs-access-harmful)ドラフトの議論待ち。

今回は、以下のテーマが議論されました。

・IPv6拡張ヘッダの統一フォーマット
  draft-ietf-6man-exthdr

・近隣探索におけるIPv6拡張ヘッダに起因するセキュリティ問題
  draft-gont-6man-nd-extension-headers

・RFC3484 IPv6デフォルトアドレス選択機構の更新
  draft-ietf-6man-rfc3484-revise
  draft-ietf-6man-addr-select-opt

・DADプロキシ
  draft-ietf-6man-dad-proxy

・近隣探索の問題と拡張
  draft-gashinsky-v6nd-enhance

・近隣到達不可能解析の問題点
  draft-nordmark-6man-impatient-nud

・IPv6近隣探索の省エネルギー対応
  draft-chakrabarti-nordmark-energy-aware-nd

・MS/TPネットワーク上でのIPv6転送
  draft-lynn-6man-6lobac

・ルータ要請ベースのアクセス制御の問題
  draft-dec-6man-rs-access-harmful

これらのトピックスの中から、いくつかをご紹介します。

1. IPv6拡張ヘッダの統一フォーマット
  draft-ietf-6man-exthdr

前回に引き続き、議論が続いている、IPv6拡張ヘッダの標準フォーマットを
決める提案に関する議論です。WGラストコールのコメントを反映、挙げられ
た問題点について対応し終えたことについて報告がありました。会場から、
IPv6を拡張する場合、終点オプションの利用を強く推奨しているが、経路途
中すべての中継点での処理(従来、中継点ごとオプションヘッダ(hop-by-hop
options header))をしたい場合にはどうするのか、などの質問があり、その
ような拡張はこの文書の範囲外であることなどの返答がありました。RFC化に
向け、IESGに送ることになりました。

2. 近隣探索におけるIPv6拡張ヘッダに起因するセキュリティ問題
   draft-gont-6man-nd-extension-headers

近隣探索の際に、拡張ヘッダの利用について明確には考慮されていないため、
実装間の不整合、SAVI、RA Guardなどの機能での不具合や、セキュリティ上
の問題が発生する可能性がある、という指摘です。解決策として、近隣探索
時の拡張ヘッダを禁止するなどが提案されています。会場より、近隣探索の
セキュリティ機構であるSEND(SEcure Neighbor Discovery) では、証明書の
やりとりのために拡張ヘッダの一つである断片化ヘッダが多用される、との
指摘がありました。SENDに関する考察を含めて、ドラフトの詳細化を実施し、
メーリングリストで議論を継続することとなりました。

3. RFC3484 IPv6デフォルトアドレス選択の更新
   draft-ietf-6man-rfc3484-revise
   draft-ietf-6man-addr-select-opt

IPv6ノード、および、通信相手が複数のアドレスを持つ場合に、通信に使う
アドレスペアを選択する仕様である、RFC3484に関する改版提案です。RFC3484
の改訂については、残りの課題である、サイトローカルアドレスなどの廃止
されたアドレス空間の扱い、プライバシー拡張アドレスの扱い、アドレスの
有効期限の扱いについて議論を実施、その結果を反映したドラフトでWGラス
トコールを実施することになりました。アドレス選択のDHCPオプションにつ
いては、dhc WGにレビューを依頼、その後にWGラストコールを実施すること
になりました。

今回のWGでは、IPv6の各種機能(近隣探索、近隣到達不可能解析など)に関する
実利用上の問題点の指摘と、解決策の提案が多く実施されました。実際に、
IPv6が利用され始めていることを受けてのことだと思われます。

□6man WG
  https://datatracker.ietf.org/wg/6man/

□第81回 IETF 6man WGのアジェンダ
  http://www.ietf.org/proceedings/81/agenda/6man.html


◆v6ops WG (IPv6 Operations WG)

v6opsは、IPv6に関するオペレーション技術、および、共存・移行技術に関す
る議論を実施するWGです。今回も、合計24件と議題が非常に多く、当初は7月
26日(火)午前、28日(木)午後2コマの計3コマで議論する予定でしたが、直前
になって29日(金)に2コマ追加され、合計5コマでの実施となっています。参
加者も非常に多く、26日(火)、28日(木)のセッションではそれぞれ200名程度
が参加していたと思います。

前回、チェアより、ミーティング内でアジェンダとして取り上げる議題を厳
選する提案が上がっていましたが、結局のところ、今回は提案議題をほぼす
べて議論するような形になっていたようです。議論を有効にするために、
v6opsミーティング自体とは別に、提案内容について個別にチェアに相談する
時間・部屋が用意されていました。実際に幾人かが相談に行っていました。

今回、当初のアジェンダは、

  1. World IPv6 Dayセッション
  2. Old Businessセッション
  3. New Ideasセッション

という形で構成されていましたが、議論時間を多く取るために、追加された
29日(金)のセッションにアイテムを回す調整が実施されました。「28日(木)
のセッションでの発表の場合には1人3分の持ち時間だが、29日(金)に回れば
より多くの時間を割り当てる」という形での募集で、アジェンダの順番がい
くつか入れ替わりました。しかしながら実際のところ、金曜日のv6opsセッ
ションは参加者も半減し、それほど議論も活発には実施されませんでした。

以下では、議論されたいくつかのトピックについて、簡単に紹介します。

1. World IPv6 Dayセッション

「World IPv6 Day」は2011年6月8日に実施されたイベントで、この日に多く
のWebサイトがIPv6化されました。終了後、元通りIPv4のみに戻したサイトが
ほとんどでしたが、いくつかのサイトは継続してIPv6対応をしています。

今回の会議におけるv6opsの当セッションでは、実際にIPv6対応した組織から
の状況報告や、World IPv6 Day当日のトラフィックなどの様子を観測した結
果が報告されました。自社のサーバをIPv6対応にしたマイクロソフト社では、
実際にIPv6でアクセスしてきたユーザーは非常に少なかったこと(0.5%程度)、
IPv6によるアクセスの9割方はネイティブIPv6でのアクセスであったこと、7%
のユーザーがWindows XPを利用していることなどが報告されました。特に、
Windows XPのユーザーが多かったことは、Windows XPでは意識的にインストー
ルしないとIPv6に対応しないため、驚くべき数値だとのコメントがありまし
た。概ね問題点はなかったとのことですが、IPv6ではIPアドレスによる位置
情報検索サービスがサードパーティーより提供されていないことを課題の一
つとして挙げていました。その他、RIPE NCC、Hurricane Electric社、
Comcast社などが報告を実施しています。このセッションとは別に、25日(月)
夜に実施されたテクニカルプレナリでもWorld IPv6 Dayセッションが開催さ
れており、こちらでは、Google社、Facebook社、Yahoo社などが報告を実施し
ています。

報告の後、関連議題として、以下が議論されました。これらは、継続的に議
論になっているアイテムでもあります。

2. World IPv6 Day参加招集(World IPv6 Day Call to Arms)について
   draft-chown-v6ops-call-to-arms

World IPv6 Dayに向けて有用な内容でしたが、終了後、RFC化は必要ないと著
者が判断したようです。内容を他のドラフトにて取り込むとのことです。

3. Happy Eyeballs:デュアルスタックホストにおいて通信を成功させるため
   に
   draft-ietf-v6ops-happy-eyeballs
 
Happy Eyeballsの仕様について、メーリングリストの議論を反映し、アルゴ
リズムの詳細を削除、要求条件に絞ったとの著者からの報告があり、賛同の
意見がありました。Happy Eyeballsの類似する仕組みは、現在、Chromeや
Firefoxの最新版に実装されているそうです。

4. DNSホワイトリストによるIPv6 AAAAの返答
   draft-ietf-v6ops-v6-aaaa-whitelisting-implications

IESGからのコメントを受け、改版したことに対する著者からの意見照会があ
りました。DNSのホワイトリスティングは推奨すべきでない、という立場か
ら、このドラフトをRFC化すべきかどうかも議論になりました。改版後、
dnsop WG に意見照会をする予定です。

5. 6to4を「歴史的」ステータスに変更する提案
   draft-ietf-v6ops-6to4-to-historic

6to4を廃止したときの影響について、議論がありました。製品に関してはあ
まりインパクトはないこと、廃止に関する広告の範囲(6to4リレーのオペレー
ター向けなど)について、議論がありました。

6. IPv6のカスタマーエッジルータに対する高度な要件
   draft-ietf-v6ops-ipv6-cpe-router-bis

RFC化されたカスタマーエッジルータに対する要件として、追加すべき高度な
要件に関する議論です。PCP (Port Contorol Protocol)を、要件として取り
込むことに関する議論や、今回から、新たに組織されたhomenet WGとのすみ
分けが主な議論になりました。homenet WGの様子を見ながら、議論を進める
ことになっています。

□v6ops WG
  http://datatracker.ietf.org/wg/v6ops/charter/

□第81回IETF v6ops WGのアジェンダ
  http://www.ietf.org/proceedings/81/agenda/v6ops.html


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃     ◆◇◆◇◆   本号のご感想をお聞かせください   ◆◇◆◇◆     ┃
┃良かった                                                          ┃
┃→ http://feedback.nic.ad.jp/880/e42ed5eeba92f67651df3ead4dbef6cb ┃
┃                                                                  ┃
┃悪かった                                                          ┃
┃→ http://feedback.nic.ad.jp/880/3ff81fe7bcc241be421482862e6803ff ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
___________________________________
■■■■■  JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています  ■■■■■
  :::::  会員リスト  :::::  http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
  :::: 会員専用サイト ::::  http://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有)
□┓ ━━━  N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□
┗┛          お問い合わせは  jpnic-news@nic.ad.jp  まで          ┗┛
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
===================================
 JPNIC News & Views vol.880 【臨時号】

 @ 発行         社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
                 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F
 @ 問い合わせ先   jpnic-news@nic.ad.jp
===================================
___________________________________
           本メールを転載・複製・再配布・引用される際には
       http://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
登録・削除・変更   http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/
バックナンバー     http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/
___________________________________
■■■■■     News & ViewsはRSS経由でも配信しています!    ■■■■■
::::: http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/index.xml  :::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■■◆                          @ Japan Network Information Center
■■◆                                     @  http://www.nic.ad.jp/
■■

Copyright(C), 2011 Japan Network Information Center
      

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

このフォームをご利用した場合、ご連絡先の記入がないと、 回答を差し上げられません。 回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2022 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.