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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.915【臨時号】2011.12.16 ◆
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◆ News & Views vol.915 です
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本号では、vol.913に続き、第82回IETFのレポート[第2弾]として、IPv6関連
WGの動向についてお届けします。

なお、全体会議報告については、以下のURLからバックナンバーをご覧くださ
い。

□第82回IETF報告 特集
  ○[第1弾] 全体会議報告 (vol.913)
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2011/vol913.html

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◆ 第82回IETF報告 [第2弾]  IPv6関連WG報告
                            NTT情報流通プラットフォーム研究所 藤崎智宏
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2011年11月13日(日)から11月18日(金)まで、台湾、台北にて第82回IETFミー
ティングが開催されました。この時期、台北は雨期とのことで、ほぼ一週間
雨のぱらつく曇り空でした。ソーシャルイベントのチケットとあわせて、ア
ジアでも屈指の高さの、台北101の展望チケットが配られましたが、晴れた日
に恵まれず、少々残念でした。

さて、今回の参加人数ですが、48ヶ国より931名(新規参加148名)と、プレナ
リにてIETFチェアより発表されています。ここしばらく、1,000人以上の参加
者を集めていたのですが、今回は3年ぶりに1,000人を割っています。国別の
参加人数内訳では、米国、中国、日本、台湾、韓国という順番でした。距離
が近いためか、日本からの参加者も非常に多く見受けられました。

本稿では、会期中において、IPv6に特化した内容を議論するワーキンググルー
プ(WG)での議論内容を中心に紹介します。


◆6man WG (IPv6 Maintenance WG)

6man WGは、IPv6のプロトコル自体のメンテナンスを実施するWGです。今回
は、会議の初っぱな、月曜日の朝一のコマにて開催されました。最近、6man
のミーティングへの参加者はそれほど多くはなかったのですが、今回は大き
めの部屋に、多数(200名以上)の参加者を集めたセッションとなりました。

ミーティングの冒頭にmif (Multiple Interfaces) WGのチェアより、mif WG
にて議論されている関連ドラフト(draft-ietf-mif-dhcpv6-route-option)に
ついて、レビューの依頼がありました。このドラフトは、IPv6ノードに
DHCPv6を利用して経路情報を配布するものです。同様の機能は、ルータ広告
(RA)でもRFC4191にて定義されています。なお、このオプションについては、
同等の機能を複数の手段で実現することの是非等についての活発な議論が、
現在もメーリングリスト上で続いています。

この後、チェアによるアジェンダ確認があり、6man WGで取り組み中である、
以下の文書のステータス報告がありました。

・IPv6フローラベル仕様に関するドラフト群
  RFC6437、RFC6436、RFC6438発行

・IPv6ノードの要求仕様改版 (draft-ietf-6man-node-req-bis)
  現在、RFC発行直前の状態ですが、RFC化されたフローラベル仕様について、
  文書に反映するかどうかの議論を実施しています(後述)。

・RPL(低電力高損失ネットワーク用のIPv6ルーティングプロトコル)用のデー
  タ転送オプション
  (draft-ietf-6man-rpl-option/draft-ietf-6man-rpl-routing-header) 
  エリアディレクタ(AD)のアクション待ちとの報告がありました。(現在、改
  版ドラフトが必要とのステータスになっています)。

・回線IDオプション(draft-ietf-6man-lineid)
  ExperimentalステータスのRFC化に向けて、WGラストコール中(11/17まで)。
  現在、オプションのフィールド内のデータについて、議論中。

今回は、以下のテーマが議論されています。

1. IPv6ノードの要求仕様改版
  draft-ietf-6man-node-req-bis

2. RFC3484 IPv6デフォルトアドレス選択機構の更新
   draft-ietf-6man-rfc3484-revise
   draft-ietf-6man-addr-select-opt
   draft-ietf-6man-addr-select-considerations

3. UDPのチェックサム廃止
   draft-ietf-6man-udpzero
   draft-ietf-6man-udpchecksums

4. エネルギー消費を考慮したIPv6近隣探索の最適化
   draft-chakrabarti-nordmark-energy-aware-nd

5. MS/TPネットワーク上でのIPv6転送
   draft-lynn-6man-6lobac

6. IPv6オフセット指定オプション
   draft-zhang-6man-offset-option

7. 重複アドレス検出の拡張
   draft-hsingh-6man-enhanced-dad

これらのトピックスの中から、いくつかをご紹介します。

1. IPv6ノードの要求仕様改版
   draft-ietf-6man-node-req-bis

   このドラフトに、新たにRFC化されたフローラベルに関する記述を追記す
   るかどうかが議論になりました。このドラフトは、RFC発行直前のステー
   タスになっています。ミーティング中、ADからも、文書のとりまとめに時
   間がかかり、RFCとしての発行が遅れることに対する懸念や、通常であれ
   ば、今回のような大きな変更(旧来のスペックとの差が大きい変更)を実施
   する段階では既にないことが表明されました。RFCに取り込むテキストに
   ついては、11/2~11/17の予定で、WGラストコールが実施されています。
   ミーティングでのコンセンサスとして、フローラベルに関する記述を盛り
   込むことが合意されました。事後になりますが、WGラストコールを実施し
   たテキストに特に大きな意見はなく、そのテキストを取り込んで、RFC化
   のプロセスを進めることとなっています。

2. RFC3484 IPv6デフォルトアドレス選択機構の更新
   draft-ietf-6man-rfc3484-revise
   draft-ietf-6man-addr-select-opt
   draft-ietf-6man-addr-select-considerations

   IPv6のアドレス選択機構について、現行仕様の改版、アドレス選択ポリ
   シーのDHCPv6による配布に関する提案です。提案者より、WGラストコール
   中のコメント対応として、過去にIPv6実験ネットワーク6boneにて利用さ
   れていたアドレス空間を、デフォルトのポリシーテーブルに取り込むこと
   および、エニーキャストアドレスを始点アドレスにすることに関する制限
   の記述をなくす旨の説明がありました。会場より、この改版ドキュメント
   についての、旧文書との差分の度合いについてコメントがあり、変更が多
   い場合には、改版でなく、前の文書を無効として新たなも文書を策定した
   方がいいのではないかという質問がありました。提案者より、マイナーな
   変更であり、改版で進めるとの回答がありました。

   また、アドレス選択のDHCPv6オプションについては、現在DHC WGへのレ
   ビュー依頼中である旨の紹介があり、レビュー終了後にWGラストコールを
   実施することとなりました。三つめのアドレス選択についての検討ドラフ
   トについては、RFC化不要、という意見もありましたが、過去の議論結果
   を残すためにもRFC化を、という声が多く、WGラストコールを実施するこ
   とになりました。

6. IPv6オフセット指定オプション
   draft-zhang-6man-offset-option

   IPv6では、プロトコル自体を拡張可能とするために拡張ヘッダを定義して
   おり、この拡張ヘッダは、先頭にあるIPv6ヘッダと、上位プロトコルペイ
   ロードの間に数珠つなぎ状に配置されます。上位プロトコルペイロードの
   内容を知るには、拡張ヘッダを前から順番にたどる必要があり、効率等で
   問題があるため、上位ペイロードの位置を指し示すオプションを規定し、
   ヘッダチェーンの最初につけられるようにしよう、という提案です。会場
   から、セキュリティに関する懸念、このオブションの効果、フラグメント
   ヘッダ等他のヘッダ等の混在に関する質問があり、議論となりました。


その他、前回のミーティングでも類似提案がありましたが、省エネルギーに
関する提案、センサ等の省電力ネットワークにおけるIPv6転送等の提案が挙
がっています。

□6man WG
  https://datatracker.ietf.org/wg/6man/

□第82回IETF 6man WGのアジェンダ
  http://www.ietf.org/proceedings/82/agenda/6man.html


◆v6ops WG (IPv6 Operations WG)

v6opsはIPv6に関するオペレーション技術および、共存・移行技術に関する議
論を実施するWGです。IPv6の普及を受け、このところ非常に提案数が多いセッ
ションとなっていましたが、チェアからのミーティングでの提案発表には、
MLでの議論が必要、とのコメントもあり、今回は2コマ、合計11件とかなり
すっきりした構成となりました。実際に、チェアからのアジェンダ確認の後、
会場から、チェアのアジェンダ構成に対する努力とその結果について、感謝
の意が示されました。

ミーティングは、水曜午前および木曜午後一の2コマで実施されています。参
加者は相変わらず多く、広めの部屋がほぼいっぱいとなっておりました。

今回、議論された項目は以下となっています。

1.  IPv6カスタマーエッジルータに対する基本要求仕様
    draft-ietf-v6ops-6204bis

2.  近隣探索の運用上の問題
    draft-ietf-v6ops-v6nd-problems

3.  ICMPv6パケットのステートレスな始点アドレスマッピング
    draft-ietf-v6ops-ivi-icmp-address

4.  2011年秋WIDEキャンプにおけるIPv6 onlyネットワーク実験からの経験
    draft-hazeyama-widecamp-ipv6-only-experience

5.  有線網におけるIPv6の段階的導入
    draft-kuarsingh-wireline-incremental-ipv6

6.  サーバのロードバランスへの、IPv6フローラベル使用
    draft-carpenter-v6ops-label-balance

7.  ULAの利用方法の現状と推奨
    draft-liu-v6ops-ula-usage-analysis

8.  インターネットコンテンツ&アプリケーションサービスプロバイダ向け
    IPv6ガイダンス
    draft-carpenter-v6ops-icp-guidance

9.  IPv4コンテンツのIPv6コンテンツへの手軽な移行方法
    draft-sunq-v6ops-contents-transition

10. NAT64の運用に関する検討
    draft-chen-v6ops-nat64-cpe

11. 6rdの廃止方法
    draft-townsley-v6ops-6rd-sunsetting

以下では、議論されたいくつかのトピックについて、簡単に紹介します。

1.  IPv6カスタマーエッジルータに対する基本要求仕様
    draft-ietf-v6ops-6204bis

  RFC6204の改版を目的としたドラフト提案です。改版ポイントとしては、
  6rdやDS-Liteのような移行技術に関する記述を入れたことが主となってい
  ます。提案者より、LAN側の拡張機能についての議論は、homenet WGに譲る
  こととした旨のコメントがありました。ミーティングでは、DHCPv6に関す
  る記述について、その普及状況や、ルータ広告中のM/Oビットに対する対応
  などをどのように記述すべきかが議論になりました。DHCPv6に関する詳細
  は、DHC WGに場所を移して議論をする方向となっています。このカスタマー
  エッジルータ仕様の改版トピックについては、v6ops MLでもかなりの議論
  が重ねられており、IPv6ディプロイメントにあわせ早急なRFC化が期待され
  ています。

7.  ULAの利用方法の現状と推奨
    draft-liu-v6ops-ula-usage-analysis

  IPv6で、組織内で自由に利用可能なアドレスとして、ULA(Unique Local
  IPv6 Unicast Address)がRFC4193にて定義されています。このULAの現状の
  使われ方の調査および、推奨する使い方に関する提案です。ULAの利用方法
  に対するガイダンス等は有用との意見もありましたが、提案に対しては、
  NATに対するスタンスや、以前提案されていたULA-Central(レジストリ等が
  管理するULA)への対応等、かなり多くの意見があがり、提案内容について
  は、さらなる検討が必要、とされました。

11. 6rd の廃止方法
    draft-townsley-v6ops-6rd-sunsetting

  IPv4ネットワーク上でIPv6サービスを提供できる手軽な移行技術として利
  用が進んでいる6rdについて、IPv6ネットワークが十分に行き渡った際に、
  段階的に廃止し、IPv6ネイティブネットワークとする手法について、6rdの
  提案者よりの提案が実施されています。本来、softwire WGでの議論内容で
  はありますが、CPEルータ文書に関連するため、v6ops WGでの議論を実施す
  ることにしたとの説明がありました。具体的な方法について確認の質問が
  いくつかあり、議論はMLで継続実施することとなっています。

□v6ops WG
  http://datatracker.ietf.org/wg/v6ops/charter/

□第82回IETF v6ops WGのアジェンダ
  http://www.ietf.org/proceedings/82/agenda/v6ops.html


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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