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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.986【臨時号】2012.7.12 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.986 です
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vol.985より3号に分けて、「World IPv6 Launchを迎えて」と題する連載記事
をお届けしています。本号では、連載の第2弾として、IPv4アドレス移転関連
の最新動向をご紹介いたします。

World IPv6 LaunchとInterop 2012におけるIPv4アドレス枯渇対応タスク
フォースの活動をご紹介した第1弾については、以下のURLからバックナンバー
をご覧ください。

□World IPv6 Launchを迎えて
  ○[第1弾] ~IPv6インターネットの始動~ (vol.985)
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2012/vol985.html

なお、次号ではIPv6対応に関連したセミナーのご案内をする予定です。

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◆ World IPv6 Launchを迎えて [第2弾]
   ~IPv4アドレス移転関連動向のご紹介~
                                               JPNIC IP事業部 川端宏生
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2011年4月のAPNICにおけるIPv4アドレス在庫枯渇と、それに伴うAPNICおよび
JPNICにおけるIPv4アドレス通常割り振り終了からおよそ1年が経過しました。
その間、IPv4アドレスを取り巻く状況も少しずつ変化してきたように感じら
れます。そこで今回は、通常割り振り終了後に新たに導入した、IPv4アドレ
ス移転について、最近の申請状況等も含め、改めて制度のご紹介をするとと
もに、移転を取り巻く状況についてもお伝えします。


■IPv4アドレス移転制度について

IPv4アドレス移転制度の施行前までは、組織の吸収合併や買収など、書面に
てその事実が客観的に確認できる場合を除いて、IPv4アドレスを他の組織に
譲渡することは認められていませんでした。

その後、レジストリにおけるIPv4アドレスの在庫枯渇を契機として、APNICで
は2010年2月から、JPNICでも2011年8月より「IPv4アドレス移転」制度を導入
し、上記のような組織の吸収合併や買収等以外のケースにおいても、IPv4ア
ドレスの割り振り・割り当て先を他の組織に変更することを可能としました。
この移転制度の導入により、分配済みIPv4アドレスの流動化を促すことが期
待されるからです。

JPNICが持つ「アドレスの分配先を管理しIPアドレスの一意性を保証する」と
いう役割は、「通常割り振り」終了後も変わりありません。IPv4アドレス移
転申請においては、移転により、IPv4アドレスの分配先が不明確な状態とな
り、ネットワークの運用者や利者に混乱を生じさせないようにする点に、最
も注意を払っています。

IPv4アドレス移転申請に必要な書類や申請手順などの詳細については、JPNIC 
Webで公開しているJPNIC公開文書(*1)をご確認いただければと思います。ま
た、過去に発行したJPNIC News & Viewsにおいても報告を行っています(*2)。
こちらもあわせてご覧ください。

  (*1) IPv4アドレス移転申請手続き
       http://www.nic.ad.jp/doc/ipv4transfer.html

  (*2) JPNIC News & Views vol.869
       「IPv4アドレス移転申請手続きの受付を開始しました」
       http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2011/vol869.html


■JPNICにおけるIPv4アドレス移転申請の状況について

JPNICでは、2011年8月1日よりIPv4アドレス移転申請の受付を開始し、2012年
7月11日までに31件のIPv4アドレス移転が行われています。移転されたアドレ
スの総数は約110万アドレスとなっています。なお、移転結果の一覧はJPNIC 
Webにて公開しています(*3)。

  (*3) IPv4アドレス移転履歴
       http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4transfer-log.html

JPNICの管轄地域を含むアジア太平洋地域を管轄するAPNICにおいても、JPNIC
と同様にIPv4アドレス移転申請の受付を行っています。APNICでは2010年1月
より移転手続きの受付を開始しており、2012年6月末までに68件のIPv4アドレ
ス移転が行われています(*4)。JPNICとAPNICのIPv4アドレス移転件数を合計
すると、アジア太平洋地域全体でおよそ100件の移転が行われています。

  (*4) ftp://ftp.apnic.net/public/transfers/apnic/

ここからは、JPNICでのIPv4アドレス移転申請の状況についてご紹介します。

                  ----------------------------
                   年/月 | 申請件数  移転件数
                  ----------------------------
                  2011/08|    4         2
                  2011/09|    2         1
                  2011/10|    2         2
                  2011/11|    2         2
                  2011/12|    3         2
                  2012/01|    3         3
                  2012/02|    5         4
                  2012/03|    9         6
                  2012/04|    2         2
                  2012/05|    1         3
                  2012/06|    5         3
                  ----------------------------

上記の表はIPv4アドレス申請件数の推移です。IPv4アドレス移転申請件数、
およびJPNICが移転を承諾しデータベース登録内容変更を行った移転件数は共
に、毎月2~3件程度で推移しています。年度末には件数が増える傾向にあり
ましたが、これは、2012年度より開始された歴史的経緯を持つプロバイダ非
依存(PI; Provider Independent)アドレス(歴史的PIアドレス)割り当て先組
織へのIPアドレス維持料の課金開始に伴い、歴史的PIアドレス割り当て先組
織が接続先のIPアドレス管理指定事業者(以下、IP指定事業者)に移転を行う
などの、対策を採ったことによるものと考えられます。

移転対象となるIPv4アドレスから見た場合には、移転元組織の2/3は歴史的PI
アドレスを含むPIアドレスの割り当て先組織で、残り1/3がIP指定事業者で
す。一方、移転先組織はほぼすべてがIP指定事業者となっています。また、
移転元組織に割り振り・割り当てが行われたIPv4アドレスのすべてを移転す
るケースが、約半分となっています。

移転先組織の中には、通常割り振りの終了前には定期的にJPNICに対して追加
割り振りを申請していたIP指定事業者が多く含まれています。JPNICより新た
なIPv4アドレスの割り振りを受けられなくなった現在、IPv4アドレスを確保
するための手段として、IPv4アドレス移転申請が利用されているように見受
けられます。

なお、IPv4アドレス移転申請書の提出から申請完了までの期間は、移転元組
織、移転先組織が割り振り・割り当てを受けているIPv4アドレスや契約の状
況により異なりますが、多くの申請で2~4週間程度となっています。


■IPv4アドレス移転を取り巻く状況

2012年6月12日(火)から15日(金)にかけて開催されたInterop Tokyo 2012で
は、「IPv4アドレスの枯渇に伴うアドレス移転の実態と今後の動向」と題し
たセッションにおいて、筆者を含め4人の発表者からIPv4アドレス移転の現状
を紹介する機会を持つことができました。

筆者からは本稿でご紹介した内容を報告しましたが、川村聖一氏(NECビッ
グローブ株式会社)からは、ご自身の体験も織り交ぜながら、インターネット
サービスプロバイダー(ISP)の運用現場ではIPv4アドレス在庫枯渇問題やIPv4
アドレス移転への対応をどのように考えているのかについて発表が行われま
した。それと同時に、これらの問題を北米地域の運用者がどのように考えて
いるかについても報告されました。田中邦裕氏(さくらインターネット株式会
社)からは、自社でのIPv4アドレス在庫枯渇問題への対応方針について説明を
行うとともに、これまで数度にわたり移転申請を行っている組織ならではの、
移転元組織の探し方や移転元組織と合意に至るまでの苦労話などの紹介があ
りました。最後に、風間勇人氏(サイバーエリアリサーチ株式会社)からは、
自社で提供中の移転元組織と移転先組織を仲介するサービスの紹介が行われ
ました。実際にサービスに携わる立場から感じた、移転元組織と移転先組織
でのIPv4アドレス移転に関する考え方の違いなどが報告されました。

実際にIPv4アドレスを取り扱う立場から見た在庫枯渇問題と移転について、
それぞれの立場から発表者ご自身の言葉で語られる内容がほとんどで、大変
興味深い発表となっていました。

参加者の中には、既にIPv4アドレス移転申請を行われた方もいらっしゃいま
したが、多くの方はIPv4アドレス移転申請を経験されたことが無いようでし
た。まずは、IPv4アドレス移転に関する情報を広く集めるために参加された
方が多いのではないでしょうか。


■IPv4アドレス移転に関わる今後のポリシー見直しについて

IPv4アドレス移転に関わるポリシーは、見直しが継続して進められています。

現在JPNICのIPv4アドレス移転申請では、JPNIC管理下のIPv4アドレスのみを
対象としています。APNICや他のレジストリが管理するIPv4アドレスを申請対
象に含めることや、JPNIC管理下のIPv4アドレスをAPNICや他のレジストリに
移転することが検討されています。これらの対象拡大により、IPv4アドレス
移転の機会を増やすことや、世界各地に展開する企業でのアドレスの融通を
容易にすることが期待されています。

また、現在は実施されていませんが、移転対象となるIPv4アドレスの今後の
利用予定を確認することについても検討が進められています。

これらのポリシー見直しの詳細に関しては、IP-USERSメーリングリストや本
News & Viewsでも報告される予定ですので、詳細についてはそちらに譲るこ
とにしたいと思います。

  メーリングリストの紹介 IP-USERSメーリングリスト
  http://www.nic.ad.jp/ja/profile/ml.html#ipusers

                 ◇               ◇               ◇

本稿を通じて、IPv4アドレス移転申請の状況を少しでもご理解いただけると
幸いです。JPNICにおいても、今回ご紹介した内容の周知を進めて、分配済み
のIPv4アドレスの有効活用につなげていきたいと考えています。


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.986 【臨時号】

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