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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1080【臨時号】2013.4.10 ◆
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◆ News & Views vol.1080 です
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2013年3月上旬に米国カリフォルニア州で開催された第86回IETFのレポートを
vol.1078より連載でお届けしていますが、本号からはIPv6関連WGの報告を3号
に分けてお届けします。
まず、本号では6man WGの動向をご紹介します。次号ではv6ops WGのレポート
を、その次の号ではsoftwire WG、sunset4 WG、homenet WGの三つのWGについ
て、それぞれの動向をまとめてご紹介する予定です。
また、第86回IETFの全体報告についてはvol.1078のレポートを、DNS関連WGの
動向についてはvol.1079のレポートをバックナンバーとしてWebに掲載してい
ますので、それぞれ以下のURLからご覧ください。
□第86回IETF報告 特集
○[第1弾] 全体会議報告 (vol.1078)
https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2013/vol1078.html
○[第2弾] DNS関連WG報告 (vol.1079)
https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2013/vol1079.html
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◆ 第86回IETF報告 [第3弾] IPv6関連WG報告 ~6man WGについて~
NECアクセステクニカ株式会社 川島正伸
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米国オーランドにて開催された第86回IETFのWorking Group (WG)の中で、筆
者が会合に参加したIPv6に関連するWGの中から6man WGについて、議論の概要
をご紹介したいと思います。
◆ 6man WG (IPv6 Maintenance WG)
6man WGは、IPv6プロトコルのメンテナンスを目的としたWGです。今回は会期
最終日となる2013年3月15日(金)のタイムスロットで行われたため、発表者の
フライトの都合を考慮し、WGアイテム、メーリングリスト(ML)で活発に議論
されているドラフト、その他のドラフトという順番に入れ替えて、プレゼン
テーションが行われました。
今回は6man WGのチャーター変更に関する議論が行われ、インタフェースIDの
U/Gビットにおける問題や、フラグメントおよび拡張ヘッダに関する取り組
み、IPv6 over Foo(何らかの仕組み上でIPv6を使用)に関する取り組みが追加
アイテムとして挙げられ、その他にもいくつか検討すべき追加アイテムの案
が挙げられました。WGチェアとしては、検討アイテム以外にもコミュニティ
が必要としているものがあれば、これらの検討アイテムはそれを妨げるもの
ではないとの考えを示しており、既に活動中のWGにおいては、チャーター変
更はWGの活動に大きな影響を与えるものではないと感じました。
以下、今回のセッションで議論が行われた、いくつかのトピックについてお
伝えします。
1. Transmission of IPv6 Extension Headers (IPv6拡張ヘッダの転送)
draft-carpenter-6man-ext-transmit-02
現在のインターネットにおいては、IPv6拡張ヘッダがトランスペアレントに
取り扱われているとは言えず、将来の拡張用に定義されたTLV形式の拡張ヘッ
ダフォーマット(RFC 6564)を解釈できないルータやFirewallも多数存在して
います。このような現状において、中間ノードであるそれらの装置が拡張ヘッ
ダをどのように取り扱うべきかを明文化することで、問題を少しでも減らし
たいというのがこの提案のモチベーションになっています。
この提案ではいかなる拡張ヘッダも転送すべきであり、Firewallなどのノー
ドでは新規の拡張ヘッダも識別して、default設定では定義されているすべて
の拡張ヘッダを許容すべきとされています。またホップバイホップオプショ
ンについては、高性能ルータなどでは破棄されたり、スローパスとして扱わ
れたりすることが想定される旨の記載が含まれています。
プレゼンテーションの最後に本提案をWGアイテムとして採択すべきかハミン
グが行われ、賛同者が多かったため、ML上で最終的なコンセンサス確認が行
われることになりました。
※ その後、ML上でのコンセンサス確認の結果、3月30日(土)にWGアイテムと
して正式に採択されています。
2. The U and G bits in IPv6 Interface Identifiers
(IPv6インタフェースIDにおけるU/Gビットの取り扱い)
draft-carpenter-6man-ug-01
RFC 4291にて定義されているU/Gビットは、主にModified EUI-64フォーマッ
ト生成時に用いられており、その他にはPrivacy Extensions for SLAAC
(RFC 4941)、CGA (RFC 3972)、HBA (RFC 5535)、4rd
(draft-ietf-softwire-4rd)などで定義されているものの、意味を成す値とし
て用いられていません。また、それぞれの定義においても一貫性が無く、あ
いまいな情報として現状取り扱われているため、混乱を避けるためにU/Gビッ
トの定義を明確に記述しようというのが本提案です。U/Gビットの有用性とし
ては、インタフェースIDがModified EUI-64フォーマットで生成されている場
合に、MACアドレス情報に変換できることから運用面で故障診断の助けになっ
たり、U/Gビットを考慮したインタフェースID生成を行っている方式であれ
ば、インタフェースID重複の可能性を低減させることができたりすることな
どが挙げられます。
会場からは、Modified EUI-64フォーマットについて明確に記述した方がよい
という意見や、IPv6 Addressing of IPv4/IPv6 Translators (RFC 6052)もU/G
ビットを考慮しているので参照した方がよいといった意見がありました。
なお、その後のプレゼンテーションでは、6man WGチェアであるBob Hinden氏
より6man WGのMLで行われた多くの議論の結果として、インタフェースIDには
特別な意味を持つビットは無く、いかなる文書もインタフェースIDに意味を
持たせるべきではないとの結論に至ったことが説明されました。
ISATAP (RFC 5214)などはインタフェースIDに独自の定義を行っているという
会場からの意見に対しては、各ドキュメントで独自の定義を行うことは構わ
ないが、それ自体は何ら保障が無いものである(例えばインタフェースIDの競
合は無いと想定することはできない)と発言されました。
本提案をWGアイテムとして採択すべきかどうかは、ML上でコンセンサス確認
が行われることになりました。
※ その後、ML上でのコンセンサス確認の結果、3月30日(土)にWGアイテムと
して正式に採択されています。
3. Updates to the IPv6 Multicast Addressing Architecture
(IPv6マルチキャストアドレス体系の更新)
draft-boucadair-6man-multicast-addr-arch-update-00
本提案は、Unicast-Prefix-based IPv6 Multicast Addresses (RFC 3306)や、
Embedding the Rendezvous Point (RP) Address in an IPv6 Multicast
Address (RFC 3956)にてreservedとして定義されている領域(17-20ビット)
を、すべてのIPv6マルチキャストアドレスで汎用的に使用可能なフラグとし
て定義しようというものです。この新しいマルチキャストアドレスのフォー
マットの定義により、あいまいなフラグの解釈を明確にしつつ、将来の拡張
も容易にしていこうというものです。本提案では、これを実現するために分
離されているビットを、フラグビットとして取り扱うことをMUST要件として
います。
会場からは、マルチキャストのフィルタリングを行う際にこのフラグビット
が影響を与えるかもしれないので、このビットを独立したビットとして扱う
か、あるいはビットのグループとして扱うかを明確にする必要があるとのコ
メントがありました。提案者からは、これはIPv6マルチキャストが広く普及
する前に定義を変更する、最後のチャンスであるとの考えが示されました。
プレゼンテーションの最後に本提案をWGアイテムとして採択すべきかハミン
グが行われ、賛同者が多かったため、ML上で最終的なコンセンサス確認が行
われることになりました。
※ その後、ML上でのコンセンサス確認の結果、3月30日(土)にWGアイテムと
して正式に採択されています。
□6man WG
http://tools.ietf.org/wg/6man/
□第86回IETF 6man WGのアジェンダ
http://www.ietf.org/proceedings/86/agenda/agenda-86-6man
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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