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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1106【定期号】2013.7.16 ◆
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◆ News & Views vol.1106 です
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JPNICでは現在、インターネットの資源管理を中心とした、歴史編纂の作業を
進めています。その活動の一環として、2013年6月中旬に「インターネット歴
史年表」を公開いたしました。本号では、インターネットが歩んできた歴史
を大まかに振り返ってみるとともに、この歴史年表についてご紹介します。

なお、この歴史年表はまだベータ版という位置付けであり、正確性と使い勝
手を向上させるために、皆様から広く情報や資料などを募集しています。
2013年8月16日(金)までをひとまずの期限としておりますので、年表に追加し
た方が良い項目や記述の誤り、その他コメント等ありましたら、JPNIC事務局
までお気軽にお寄せください。お手持ちの資料や写真等についても、寄贈し
ても良いというものがありましたら、お送りいただければ幸いです。

情報の提供や資料の寄贈方法などについては、以下のURLをご覧ください。

「インターネット歴史年表 ベータ版」の公開のお知らせ
  ~Request for Comments:歴史年表への情報提供のお願い~
 https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2013/20130619-01.html

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◆ 目次
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【 1 】特集 「資源管理を中心とするインターネット歴史の編纂作業について
              ~インターネット歴史年表ベータ版公開に寄せて~」
【 2 】News & Views Column
       「インドとインターネット」
        シスコシステムズ合同会社  服部亜紀子氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「チュニスアジェンダとは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー


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【 1 】特集 「資源管理を中心とするインターネット歴史の編纂作業について
              ~インターネット歴史年表ベータ版公開に寄せて~」
                           JPNIC インターネット推進部 根津智子/是枝祐
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■はじめに

JPNICの母体であるJNICが1991年12月に発足してから約22年、ネットワークプ
ロジェクトを会員とする任意団体JPNICへと改組してから20年という年月が流
れました。

20年という年月は、「十年一昔」の2倍ということで考えれば、とても長い年
月です。

しかし、「インターネットの歴史」ということで考えてみれば、それよりさ
らにさかのぼること20余年前、ARPANET (Advanced Research Projects Agency
Network)という研究プロジェクトが、米国防総省高等研究計画局(ARPA; 
Advanced Research Projects Agency)の資金提供によってはじまったことに
端を発します。このARPANETは、現在のインターネットの始まりとも言える分
散処理型の広域ネットワークで、当初四つの大学と研究所をホストとして運
用が開始されました。そこから数えると、インターネットはあと数年で、な
んと半世紀を迎えることになります。

JPNICではまず、JPNICが歩んできた「インターネット資源管理の歴史」を、
自身の20年を機にまとめようと、2010年頃から構想し始めました。しかし、
その過程において、全体的なインターネットの流れの把握も必要になり、こ
のたび、何人かの方に「歴史編纂委員会」のメンバーの協力も経て、「書籍」
「オンライン資料館」をつくることを目標とした歴史編纂活動を進めてきま
した。このたび歴史年表のベータ版を公開できたのは、この歴史編纂活動の
一環です。

     インターネット歴史年表
     https://www.nic.ad.jp/timeline/


■私達が思う、インターネット歴史の大まかな流れ

皆様は「インターネットの成り立ち」や「歴史」と聞いて、どのようなこと
を思い浮かべるでしょうか?ここで、私達が思う、インターネット歴史の大
まかな流れというのを述べてみます。

○~1990年代まで

まず、1969年10月のARPANETの誕生から約10年以上もの年月をかけて、米国を
中心に、UUCPNET、Usenet、CSNET、BITNETなどのネットワークが萌芽してい
きました。日本でも1984年頃からHEPNET-J、JUNET、BITNET-Jなどが生まれ、
米国のネットワークとも接続されていきます。特に、UUCP (Unix-to-Unix 
Copy)というUNIXで使われているプロトコルに代わり、異なるOS間での相互接
続を可能にするTCP/IPという共通のプロトコルが生まれ、それが使われるよ
うになったことで、それらネットワークの相互接続が進み、今日の「インター
ネット」と呼ばれる形にまとまっていったと言えるでしょう。

この頃は、まだ黎明期と呼べる時代で、日本におけるインターネットにおい
ても、ネットワークの管理・運用がそれぞれのネットワークの担当者に完全
に任されていた時代です。そして、相互接続には当然担当者同士のやり取り
が必要なことから、国内のネットワーク担当者が集まり、接続過程で必要と
なる各種の調整や議論を円滑に行うための場として1990年に開催されたのが、
今日JPNICで主催しているInternet Weekの前身でもある「第1回IP Meeting」
ということになります。

○1990~1997年頃まで

ネットワークがこのようにどんどん相互接続されていく過程で、TCP/IPの根
幹であるIPアドレスやドメイン名、それらを相互に参照するDNSといったもの
が、いわゆる「共通資源」として認識されはじめました。ネットワークの重
要性が増してくるにつれ、こうした共通資源の管理をどのように行うのかに
焦点が当たり、結果として管理組織としての役割を担うために誕生した組織
が、JNICということになります。

JNICは当時、JCRN(研究ネットワーク連合委員会; Japan Committee for 
Research Networks)の下部組織として、junet-adminと呼ばれる人達が担って
いたJPドメイン名割り当て業務を引き継ぐ形で、東京大学の大型計算機セン
ターの中に発足しました。そして、その半年後には「ネットワークアドレス
調整委員会」から、IPアドレスの割り当てと管理についても引き継ぎを受け、
ネットワーク資源の登録管理を専門に行う団体として活動を続けました。

その後さらにJNICは、ネットワークプロジェクトを会員とするJPNICへと改組
され、組織として大きくなっていきました。特に1995年は、TCP/IPを標準で
サポートする一般ユーザー向けのOSとしてWindows 95が発売されたことや、
個人でも利用できる程度の料金でダイアルアップ接続サービスを提供するISP
が増えてきたことから、大きな変化を迎えました。従来と比べると圧倒的に
設定が容易なOSの登場と、ISPの急増に伴う料金の低廉化によって、いわゆる
パソコンとインターネット普及に弾みが付き、一般の人にもそれらの存在が
伝わった、いわばターニングポイントとなった年でした。また同時に、イン
ターネットを運用管理する「コミュニティ」も大きくなり、確立に向かって
いった時代だとも言えるかもしれません。JPNICは、1997年に4省庁(科学技術
庁、文部省、通商産業省、郵政省)共管の社団法人JPNICまで成長しましたし、
日本国内におけるネットワークオペレーターズグループであるJANOGができた
のも、その直後になります。

○1997~2002年頃

1997~2002年頃は、インターネットの普及が最も本格的になってきた年です。
JPNICで管理していたJPドメイン名も毎年毎年、5万件が10万件に、10万件が
20万件、40万件……と倍々ゲームに増えていった時期でもあります。この時
期に多くの方が、電子メールやWWWを通じてインターネットを利用するように
なりました。検索エンジンもいろいろなサービスが提供されるようになり、
Googleや日本語版のYahoo!などが出てきたのもこの頃で、特に2000年頃は「イ
ンターネットバブル」という言葉も聞かれました。

インターネットがこれだけ利用されるようになったのは、もちろん日本だけ
の現象でなく、世界的な潮流でもありましたが、このようにグローバルに商
用インターネットが発展し、普及するという変化が急速に進むということは
すなわち、さまざまなバックグラウンドを持つ人がインターネットの世界に
参入してくるようになるということに他なりませんでした。そのため、異な
る価値観や利害関係に基づく調整が必要となり、それまでの技術面を中心と
した管理・運用体制からの、大きな変革が求められ始めた時期でもあります。

特にドメイン名、その中でもgTLDの管理体制を巡っては、IANA (Internet 
Assigned Numbers Authority)から委託を受ける形で米Network Solutions社
が独占的に管理を行っていたことから、その管理体制やそもそもgTLDの数自
体が少ないことなどについて、世界的な議論が起こります。そのような流れ
を受け、ISOC (Internet Society)によりIAHC (International Ad Hoc 
Committee; 国際臨時特別委員会)が設立され、議論の結果、新しいgTLDの導
入計画が提言されました。これに対応する形で、アメリカ政府から、インター
ネットの名前およびアドレスの技術的管理を改善する方法について述べた、
「グリーンペーパー」と呼ばれる文書が公開されます。その後、グリーンペー
パーに寄せられたコメントに対応する形で、インターネットの管理体系に関
する提案をまとめた「ホワイトペーパー」が公開され、これを受けて非営利
の民間組織であるICANNが設立されました。2013年現在、世間では新gTLDの話
題が取り上げられていますが、その源流は2000年以前にまでさかのぼれるわ
けです。

また、IPアドレスのグローバルな円滑管理を目的として、地域レジストリ
(RIR)による管理体制が実現されたのもこの頃で、現在まで続くインターネッ
ト資源管理の大枠が確立された時代だと言えます。

○2002年~現在

インターネットは多くの観点で、さらなる広がりを見せています。放送とイ
ンターネットの共存と補完、携帯電話とインターネットの融合、インターネッ
トをインフラとして利用するビジネスの広がり、新興国の登場、デバイスの
多様化、SNSの隆盛、ワイヤレスブロードバンドの進化など、話題には事欠き
ません。もちろん良い面ばかりではなく、エンドユーザーや利用環境が広がっ
た分、それと同じだけの課題なども出てきていますが、現時点では、それら
ともうまくバランスを取りながら、ここまで進んできているように見えます。
こうした流れが、現時点まで続いています。


■歴史編纂作業の難しさ

皆様は、上記をお読みになって、どう感じたでしょうか?認識が概ね共有さ
れていましたでしょうか?それとも「全然違う!」ものでありましたか?

担当の立場で歴史編纂をしていて、いつも常に口から出てしまう言葉は「わ
からない!」です。

「自分で体験していないからわからない」「そのためどこから手をつけたら
いいのかもわからない」そして、「どういう見方が果たして妥当なのかわか
らない!」等々、常に壁にぶち当たっています。

ニュースでもよく「正しい歴史認識とは何か」という話を耳にします。当た
り前ですが、同じ事象をどう捉えるかという認識は、十人十色ですので、例
えば「正しい」を考えるにしても、「誰にとって」とは切っても切り離せな
いことであり、たとえどんなに公平性に気遣ったとしても、誰かの主観を全
くなしに編纂することはできないものです。

たとえば、私達は上述の通りにインターネットの歴史をどうしても「ネット
ワーク基盤を整えてきた歴史」という視点で記述してしまいがちですが、ユー
ザーの皆様にとっては、青春を共にしてきたメールであったり、Webサイトで
あったり、ゲームだったり、ブログであったり、SNSだったりと、ネットワー
クそのものではなく、往々にしてネットワークを使ったサブカルチャーであっ
たりします。「インターネット」の定義さえも、人によりさまざまです。我々
もそれなりにネットワークと共に歩んできたつもりでしたが、今回年表を作
成し、それに対するご意見を伺うと、「これも重要なのに入っていない」等、
数多くのご意見をいただくこととなり、なるほどねと思うことが数多くあり
ました。

また、「生まれる前のこと」「自分がインターネットに触れる前のこと」と
いう理由で「どんなことがあったのかわからない」というのは想定内ですが、
「事象があったことはわかっているが日時が特定できない」「出典がわから
ないので確実ではない」こともあります。出典とみなせる一次資料が見つか
らないことでは、悔しい思いもします。

日時については、今から見ればとても重要な会合やイベントであっても、特
定できないのは、多くは自然発生的に緩やかな集まりなどがスタートだった
りするためです。こういうことを調べるうちに、今とは違って牧歌的なイン
ターネットの雰囲気を感じるとともに、当初はインターネットの研究が決し
て世の主流派ではなかったことなども感じたりします。

また、資料探しの旅においては、「まだ20年、されど20年」という時間の流
れを特に強く感じます。当時はWebやFTPで普通に誰にでも見られる場所に置
いてあったり、イベントや会合、授業などで多くの人に配られていたそれほ
ど特別でないものであっても、今探そうとすると中々見つかりません。当時
は、後世の資料としてそこまで重要になるとは考えなかったり、ディスク容
量が限られていたためどんどん消されていったりして、残っていないのでしょ
う。

そういう場合は、個人的に資料を保管している人を探したり、当時のバック
アップテープを探したりすることになり、とても大変な作業になりますが、
こういった作業は今こそやっておかないといけない作業だとも言えます。

今ならまだ多少の苦労が伴いますが、探せば多くのものが見つかります。そ
れでもどうしても見つからない場合には「当時を知る人に直接聞く」という
最後の手があります。そう考えると、今この時点でできる限りの情報を集め
後世の人に残すことは、現代の我々にとってとても重要な使命だと言えます。
とても大変で対象をぼんやりとしかつかめないことも多い作業ですが「今な
らまだ間に合う」、そう考えて日々取り組んでいます。


■おわりに

歴史を知ることの意味を考えると、単に過去を振り返るだけではなく、その
過去を元に、その未来はどうあるべきなのかを考えることにつなげることな
のではないかと思います。

そういう意味でも、私達は1人でも多くの方に、インターネットの歴史につい
ても関心を持っていただきたいですし、なかなか難しいことだとは思います
が、私達はできるだけ、1人でも多くの方が、違和感を持たない形で年表を整
理したいと思っています。

すでにご存じの方も多いかと思いますが、私達はこの歴史編纂活動の成果を、
今後より多くの方の参考となるものにしたいと思い、「これも重要な歴史で
はないか」という、皆様からのコメントや情報提供を広く募集しています。

現時点でこの年表は、「ベータ版」という名前の通り、 皆様からいただいた
コメントや情報提供も反映して、正確性と使い勝手の向上を図るフェーズで
す。精度を上げるためにも、皆様のお力添えが必要ですので、ぜひご協力を
お願いします。

     インターネット歴史年表
     https://www.nic.ad.jp/timeline/

また、年表だけで歴史の流れを追える人は、それを体験した方がほとんどだ
と考えると、それを補完するために、流れを追って記載した書籍も発行した
いと私達は考えています。どこまでできるのかはわかりませんが、その書籍
についても刊行できた暁には、また広く皆様にお知らせしたいと考えていま
す。


 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃     ◆◇◆◇◆  本特集のご感想をお聞かせください  ◆◇◆◇◆     ┃
 ┃良かった                                                          ┃
 ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1106/db9bdbeae86986f9d7f8c8dd63b4b218┃
 ┃                                                                  ┃
 ┃悪かった                                                          ┃
 ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1106/a69a7d7f48115c1108ededc8133c1a53┃
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【 2 】News & Views Column
       「インドとインターネット」
                                   シスコシステムズ合同会社 服部亜紀子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

インド政府は、今、ブロードバンドの普及に取り組んでいます。インターネッ
トを地方の教育や福祉の向上のために使おう、と計画しているからです。し
かし、既にIPv4アドレスの在庫は枯渇し、ブロードバンドを普及させるには
IPv6の普及が欠かせないとして、インドの政府はIPv6の普及にも注力してい
ます。そのための政策の一環として、インドのTelecommunication 
Engineering Centre (TEC)という政府機関にIPv6 Ready Logo認証ラボが2013
年6月に設立されました。設立に際し日本の関係者もさまざまな技術支援を行
いましたが、その中で私も、3月に1週間、インド・ニューデリーでトレーニ
ングを行ってきました。

ところで、皆さんはインドにどのようなイメージを持っていますか? 弊社も
含め、多くのアメリカのIT企業にはインド人が溢れていますし、インドに開
発拠点を持つ会社も多いです。インターネット接続人口では、インドは中国、
アメリカに次いで、現在、世界第3位です。インドへ行く前に私がいだいてい
たインドのイメージは「IT大国」といったところでした。ところが、実際に
はインドではまだ電話の普及率が80%程度で、インターネットにアクセスでき
るのは人口の約10%、その多くが携帯電話によるものです。インドにはまだま
だ発展途上国としての側面もあるということを、インドに行って実感しまし
た。

今回トレーニングを受けた方に限らず、IT系の人は皆英語もできますし、ト
レーニングでは、時にはお互い議論を始めてしまうほど口々に質問し、意見
を言い合い、ただ知識を得るのではなく納得して理解することを重視してい
るようでした。この納得するまで追求する姿勢もIT系の人材を多く輩出して
いる理由なのでしょう。

一方で、現地に用意してもらった機材のネットワークインタフェースカード
(NIC)が、MACアドレスのでたらめな偽物だったため、交換してもらうという
ことがありました。なんとアドレスがブロードキャストアドレスだったので
す。役所で偽物のNICを見るとは予想していませんでしたが、現地の方は驚か
れた様子もなく、こういったいい加減さには慣れているようでした。

インドでは、オフィスでも午前と午後に必ずチャイを飲むのですが、TECに
も、そして弊社の現地オフィスにも、そのお茶を給仕するために専門の男性
が雇われていました。こういったお茶汲みの男性は、服装も違い英語もでき
ず、カースト制度は公式には廃止されていますが、その名残とも言うべき格
差と職業の細分化が未だに存在していることを感じました。

今回は私にとって、インドの、IT業界で活躍する頭脳を多く輩出する側面と、
伝統と格差が残る発展途上国の側面の、両方を経験する大変貴重な機会とな
りました。そして、今後インドにIPv6とブロードバンドが普及し、社会的な
格差がなくなることに、今回のトレーニングが貢献できていることを願いま
す。


■筆者略歴

服部 亜紀子(はっとり あきこ)

2001年シスコシステムズ合同会社入社。ISP担当のシステムエンジニア等を経
て、現在Japan Technology and Research Centerソフトウェアエンジニア。
2005年よりシスコ製品のIPv6 Ready Logo取得作業を行うなど、IPv6に関連し
た業務を行っている。


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【 3 】インターネット用語1分解説
         「チュニスアジェンダとは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

正式名称は「情報社会に関するチュニスアジェンダ(Tunis Agenda for the
Information Society)(*1)(*2)」です。国連のサミットとして2005年にチュ
ニジア・チュニスで国際電気通信連合(International Telecommunication
Union; ITU)が開催した、世界情報社会サミット(World Summit on the
Information Society; WSIS)(*3)(*4)チュニス会合で採択された文書です。

チュニスアジェンダとは、WSISでの議論より導き出された具体的課題である、
途上国でのデジタルデバイド解消のための資金メカニズム、およびインター
ネットガバナンスについて主に書かれたものです。インターネットガバナン
ス、中でも拡大協力(Enhanced Cooperation、後述)について語られる際に、
その根拠としてよく参照されます。本文書での要請により、インターネット
ガバナンスフォーラム(IGF、後述)が設立されました。

WSISチュニス会合が開催される2年前の2003年には、スイス・ジュネーブで
WSISジュネーブ会合が開かれました。このジュネーブ/チュニスの2会合の成
果として、ジュネーブ会合では「基本宣言」「行動計画」が、チュニス会合
においては「チュニスコミットメント」「チュニスアジェンダ」が公表され
ています。

・基本宣言(Declaration of Principles)(*5):
    情報社会に向けた共通ビジョン、および情報社会の基本原則を記載
・行動計画(Plan of Action)(*6):
    基本宣言の共通ビジョンおよび基本理念を具体的な行動方針に落とし込
    んだもの
・チュニスコミットメント(Tunis Commitment)(*7):
    情報社会の実現に向けた公約を列挙したもの
・チュニスアジェンダ(Tunis Agenda for the Information Society):
    基本宣言・行動計画に盛り込まれた原則の具体的実施方策、特に積み残
    し議論となった、以下2、3について記述したもの

チュニスアジェンダの内容は次の四つに大きく分けられます。

 1. イントロダクション(1、2項)
 2. 開発のための資金支援メカニズム(3~28項)
 3. インターネットガバナンス(29~82項)
 4. 実施とフォローアップ(83~122項)

このうち、インターネットユーザーにとって最も重要だと思われるのは、上
記3に含まれる次の点です。

・マルチステークホルダー原則(37項):
    インターネットガバナンスに関して、政府、ビジネス団体、市民社会、
    および政府間機関といった、多様な関係者が共同で取り組む必要性を指
    摘しています。
・拡大協力(Enhanced Cooperation)(69、70、71項):
    インターネットの国際公共政策問題に対する、政府の関与の在り方を示
    す言葉です。「協力強化」「拡張された協力」などとも呼ばれます。
・インターネットガバナンスフォーラム(IGF)(*8)(*9)の開催(72、73、77
  項):
    IGFとはマルチステークホルダーによる政策対話のための会合です。既存
    の仕組み、取り決めもしくは組織に替わるものではなく、対話のための
    場と位置付けています。

拡大協力に関しては、指し示す内容が曖昧であり、現状ベースの政府と民間
の協力関係の増進を示すとする立場から、政府や国際機関の権能強化を図る
べきとする立場まで、解釈が分かれています。このため、ITUの会議体では、
政府やITUの権能強化をめざす提案をめぐって、議論が繰り返されています
(*10)。

IGFは、このチュニスアジェンダで採択された通り、2006年から5年間の年限
で開催された後、さらに5年間の年限延長が行われています。

2015年にはWSISチュニス会合から10年の節目を迎えるに当たり、国連総会で
WSISの成果がレビューされることになっており、上に挙げた拡大協力、IGFに
関しても評価の対象となります(*11)。


(*1) TUNIS AGENDA FOR THE INFORMATION SOCIETY
     http://www.itu.int/wsis/docs2/tunis/off/6rev1.html

(*2) 情報社会に関するチュニスアジェンダ(総務省による仮訳)
     http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/283520/www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/051119_1_2.pdf

(*3) World Summit on the Information Society (WSIS)
     http://www.itu.int/wsis/

(*4) JPNIC News & Views vol.316 世界情報社会サミット(WSIS)報告
     https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/feature/vol316.html

(*5) 基本宣言(総務省による仮訳)
     http://www.soumu.go.jp/wsis-ambassador/pdf/wsis_declaration_jp.pdf

(*6) 行動計画(総務省による仮訳)
     http://www.soumu.go.jp/wsis-ambassador/pdf/wsis_plan_jp.pdf

(*7) チュニスコミットメント(総務省による仮訳)
     http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/258151/www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/051119_1_1.pdf

(*8) インターネットガバナンスフォーラム(Internet Governance Forum, IGF)とは
     https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/igf.html

(*9) ニュースレターNo.47 IGFとは
     https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No47/0800.html

(*10) ITUとインターネットガバナンス
      https://www.nic.ad.jp/ja/governance/itu.html

(*11) WSIS+10: WSIS Review Process
      http://www.itu.int/wsis/review/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2013年2月~2013年7月)
------------------------------------------------------------------------------------------
日付|  AD  AC    CO    GO   OR    NE   GR   ED   LG   GEO   GA     GJ    PA   PJ   TOTAL
------------------------------------------------------------------------------------------
 2/1| 268 3534 356039 653 28996 15784 7257 4779 1838 2536 767691 122782 7325 2139 1321621
 3/1| 268 3535 356471 651 29084 15751 7242 4778 1838 2532 768791 123185 8502 2576 1325204
 4/1| 266 3539 357186 636 29223 15696 7228 4786 1838 2523 771360 123573 8862 2769 1329485
 5/1| 265 3546 358197 631 29378 15667 7210 4790 1838 2521 774078 124489 9099 2885 1334594
 6/1| 265 3543 358763 630 29496 15629 7195 4798 1838 2514 775575 124548 9371 2968 1337133
 7/1| 264 3541 359067 626 29617 15569 7177 4773 1838 2510 777411 125407 9571 3062 1340433
------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2013年1月~2013年6月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
   1 |        0 |        0 |   93018046
   2 |     1024 |        0 |   93019070
   3 |    76800 |    72704 |   93023166
   4 |     1024 |        0 |   93024190
   5 |      256 |        0 |   93024446
   6 |     1024 |        0 |   93025470
------------------------------------------


□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2013年7月12日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      1 |
  B会員     |      2 |
  C会員     |      2 |
  D会員     |    102 |
  非営利会員|     10 |
  個人推薦  |     33 |
  賛助会員  |     41 |
 ---------------------
  合計      |    194 |
 ---------------------

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4. 指定事業者数  ※2013年7月4日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           412


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  2013.7.14(日)~18(木)        ICANN 47 (Durban, South Africa)
  2013.7.26(金)                IPアドレス管理指定事業者定例説明会
                               (東京、JPNIC会議室)
                               Future Internet 構築技術シンポジウム
                               (平原正樹博士を偲んで)[後援]
                               (京都、京都テルサ) 
  2013.7.28(日)~8.2(金)       87th IETF (Berlin, Germany)
  --------------------------------------------------------------------
  2013.8.19(月)~23(金)        36th APAN Meeting (Daejeon, Korea)
  2013.8.20(火)~30(金)        APNIC 36 (Xi'an, China)
  2013.8.22(木)~23(金)        APTLD Members' Meeting (Xi'an, China)


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.1106 【定期号】

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