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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1125【臨時号】2013.9.19 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1125 です
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本号では、APNIC 36カンファレンスの報告のうち「技術動向報告」をお届け
します。

開催地である中国・西安におけるインターネットの接続事情をはじめ、APNIC
36における技術的なプログラムの傾向と注目のトピックスをご紹介しています。

なおAPNIC 36についての報告の最後は、「RPKIの動向」をお届けする予定です。

□APNIC 36カンファレンス報告特集
  ○[第1弾] 全体およびアドレスポリシー動向報告 (vol.1123)
    https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2013/vol1123.html
  ○[第2弾] APNIC20周年関連報告 (vol.1124)
    https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2013/vol1124.html

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「APNIC36カンファレンス報告 [第3弾] 技術動向報告」
                                                 JPNIC 技術部 岡田雅之
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■はじめに ~中国でのインターネット接続事情~

突然ではありますが、皆さまは「金盾」という装置の存在をご存じでしょう
か。私はぼんやりとそのような装置が中国のインターネットには存在してい
る、程度の認識でありましたが、今回のAPNIC 36への参加を通じた中国のイ
ンターネット事情を体験せざるを得ない状況になって、その存在をひしひし
と感じることになりました。

西安のホテルへチェックイン後、ホテルのインターネット接続を利用したと
ころ、当初は特に問題なく接続することができました。ふと、作業の合間に
TwitterやFacebookを閲覧しようとしたところ、なかなか接続に成功すること
ができずにタイムアウトしてしまいました。この時には日常に頻繁に見受け
られるホテルのネットワークに少々問題があるのかと、しつこく深入りせず
に翌日以降に備え早めに休むこととしました。

翌日になって、ホテルの設備ではなく、持参したWi-Fiルータ経由での接続で
も、大手ソーシャルアプリケーションサイトや日本国内掲示板サイトへ接続
することができません。

筆者はAPNIC 36において、特にRPKI関連のプログラムにおいて複数の役割を
担当していたため、このような問題の切り分け作業に集中することはできま
せんでしたが、結局APNIC 36の会場ネットワークからもこれらのサイトへ接
続することができませんでした。

あらためて、じっくりと考えてみると、この現象が、うわさに名高い"金盾"
による閲覧制限ではないか?ということに気づきました。

金盾は万里の長城をもじり、非公式にGreat Firewallとも呼ばれ、中国のイ
ンターネット通信を検閲するシステムとして知られています。会場をよく観
察すると、他の参加者も同様な状況に悩まされつつも解析を楽しまれていた
ことから、これ以上時間をかけても改善は困難であろうと、解析については
半分あきらめ、つながるサイトだけを活用し現地での作業を進めました。

この状況の詳細な報告については、本文末の参照情報に示した、株式会社イ
ンターネットイニシアティブの松崎吉伸さんによる「中国でGreatだよ」にま
とまっておりますので、興味のある方はご覧ください。


■技術的なプログラムの傾向と注目のトピックス

APNIC 36で提供された技術的なプログラムは、IPv6の普及に関係した話題や、
RPKIの技術や運用の詳細に関する内容が複数提供されました。これまでの
APNICミーティングではIPv4アドレス在庫枯渇に関する技術論やRPKIの初歩的
な内容であったことと比較すると、今回のAPNICミーティングのプログラム構
成は、IPv6やRPKIに関する関係者のさらなる注目度合いが高まっておりそれ
を反映した結果と感じました。

どのプログラムも有用な内容ではありますが、筆者が特に興味深いと感じた
二つのプログラムについて詳細を報告します。

(1) WHOIS Service Update

  APNICのメンバーサービスやレジストリシステムに関する情報提供の場とし
  て、"APNIC Service"のプログラムが毎回提供されています。通常は、
  APNIC Serviceに関する話ですので、技術的に興味深い内容であることは少
  ないのですが、今回はWHOISに関する仕様変更の告知がAPNICのByron
  Ellacott氏よりありました。

  具体的には、RIPE NCCとAPNICが連携してWHOISシステムを一から作り直し
  たこと、そして、作り直したことによってWHOISに関するAPNIC地域の新た
  な要求を実装することができたという内容です。

  WHOISの新機能については、主要なものとして二つの機能追加がありました。
  一つ目の機能追加は、WHOISデータの属性追加に関係する内容です。追加と
  なった属性は"geoloc"属性と"language"属性で、IPアドレスの登録情報で
  あるinetnumオブジェクトとinet6numオブジェクト双方に追加されました。

  geoloc属性にはIPアドレスが実際に使用される場所であるgeolocationに関
  する情報を記載します。WHOISへの登録は任意です。従来のWHOISでは、類
  似の属性としてcountry属性がありましたが、あくまで割り振りを行った時
  点での国単位の情報であり、非常な大まかなものでありました。今回追加
  となったgeoloc属性では、緯度・経度といった情報を記載するため、詳細
  なgeolocationiデータベースに活用することができる、とされました。

  また、"language"属性も追加されました。language属性は、そのリソース
  ホルダへ何らかの連絡を行う場合にリソースホルダが期待する言語を記載
  します。従来のWHOISでは基本的に英語のみを前提とされていたため、
  abuse窓口等に英語で連絡をしても読解が難しい等の理由で反応が無いと
  いった問題の改善策の一つとして、相手方が理解しやすい言語が明記され
  ることとなりました。

  機能追加の二つ目については、WHOISへ登録された情報の過去データが参照
  可能となったことです。これは、ARINなどでは、WHO"WAS"サービスなどと
  して、事前登録・承認制の元提供されていた情報に類似した、過去情報の
  検索機能です。本機能の追加目的は、あるIPアドレスが過去どのような組
  織に割り振られていたを確認するためだとされました。筆者はこのような
  過去履歴をたどることで、該当のIPアドレスがどのような事業者のどのよ
  うなサービスで使用されていたかが推測可能となることで、いわゆる"汚れ
  たIPアドレス"などの推測が可能となり、結果としてIPアドレス移転などの
  際の参考にされるのでは、と感じました。

  WHOISの属性や検索機能追加はこれまで変化が乏しかったこともあり、今回
  の機能追加は新鮮に感じました。APNICによると今後も継続してユーザーの
  要求にあったWHOISを継続して検討していくとのことでした。

(2) The Cost of Carrier-Grade NAT

  数あるIPv6の発表の中でも、IPv6の全体の話題を取り扱う、"IPv6 in
  Action: Implementing a Holistic Strategy"セッションの発表の中に
  Carrier Grade NAT(CGN)のコストについて再度詳細を検討した発表があり
  ました。

  この"The Cost of Carrier-Grade NAT"では、Time Warner Cable社のLee
  Howard氏より、CGNのコストとはいったいなんであろうかという問題提起が
  あり、彼の試算では、初期投資費用は1万ユーザー当たり9万ドル、定常運
  用費用は同1万ユーザー当たり年間1万ドル程度必要となることが共有され
  ました。CGNの定常費用や、CGNの悪影響によるユーザー離れといった減収
  予測などを考慮すると、CGN導入に関するコストアップはユーザー1人あた
  り年間30ドルと想定されました。

  次に、IPv4アドレスの購入とCGN導入を比較します。IPv4アドレスの価格が
  1アドレス当たり30ドル以下であれば、CGNを導入するよりもIPv4アドレス
  を購入し、移転するほうが格安となります。また極論をするとIPv4の価格
  がある一定以上に高騰した場合には積極的にIPv4を売却し、その分をCGN
  ユーザーに投資したほうが利益が大きくなるとされました。

  筆者としては、CGNに関する技術的障壁や初期投資に関する習熟費用など細
  かい点が省略され、大変に大まかな議論である印象ではありましたが、
  IPv6とIPv4の共存時代の問題として積極的にCGNを活用する局面も想定さ
  れ、とても興味深い内容と考えられました。


■その他

- Newcomers' Luncheon

去年のAPNIC 34から始まった、新人との懇談を密にしてサポートする
Newcomers' Luncheonイベントが今回も開催されておりました。類似の活動が
日本のJANOGミーティングでも行われておりましたが、どこの現場でも新しい
参加者をケアし発掘する活動が行われていると感じました。


■終わりに

今回の西安までの移動では、中国国内での飛行機の乗り継ぎが航空会社の都
合で変更となったり、空港からのタクシーは、よくわかりませんが、いつの
間にか相乗りになっていたりと、結果として西安への到着は深夜になってし
まいました。しかしながら、中国の航空会社の方や空港からのタクシーの運
転手の対応は大変丁寧であり気持ちの良いものでした。

APNIC36ミーティングでは、IPv6の普及やRPKIの関心度合いの高まりなどを、
現地で参加することで肌で感じることができました。今後も必要な時に発表
や発表者のサポートを行うなど継続して参加をしたいと考えております。


(参考)

中国でGreatだよ
http://www.attn.jp/maz/p/t/pdf/iij-2013-china-gf.pdf

WHOIS Service Update
http://conference.apnic.net/data/36/services-whois-service-update_1377555197.pdf

The Cost of Carrier-Grade NAT
http://conference.apnic.net/data/36/cost-of-cgn_1377486548.pdf

Newcomers' Luncheon Session
http://conference.apnic.net/36/program#session/61655


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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