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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1342【臨時号】2015.9.16 ◆
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◆ News & Views vol.1342 です
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JPNICでは、株式会社STNet、岡山IPv6コンソーシアム、株式会社OBISとの共
催で、2015年9月1日(火)に四国の香川県高松市、9月2日(水)には瀬戸大橋を
渡った本州側の岡山県岡山市で「IPv6対応セミナー」を開催しました。

そのレポートをお届けします。

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◆ IPv6の最新状況と意識度が垣間見えた
  「IPv6対応セミナー in 高松・ 岡山」の開催報告
                                   JPNIC インターネット推進部 根津智子
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■IPv6対応セミナーの概要と企画のきっかけ

2015年9月1日(火)に高松、9月2日(水)に岡山で、「IPv6対応セミナー」と題
した1日のセミナーを開催しました。

  ・IPv6対応セミナー(高松・岡山)開催のご案内
    https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2015/20150730-01.html

2011年4月にアジア太平洋地域でIPv4アドレスの在庫が枯渇してから早4年半
が経ち、通信事業者のサービスや、端末レベルでのサポートは順調に進んで
はいます。JPNICでは、「JPNIC技術セミナー」や「Internet Week」の場を通
じてIPv6に関する普及啓発を続けてきました。しかしながら、コンテンツレ
ベルでのIPv6対応にまだ課題が残る中、やはりそれぞれの地域でインターネッ
トを提供する事業者に、今一度IPv6の対応について呼びかけていく必要があ
るのではないか、東京以外でもこうしたセミナーを少しずつでもやっていく
べきではないかと考えるようになりました。

この度、その第1弾として、高松・岡山でそれぞれサポートいただき、初の地
方IPv6セミナーを開催する運びとなりました。JPNICには、社内と社外専門家
で構成される、IPv6の普及啓発を検討する「IPv6教育専門家チーム」があり
ますが、そのメンバーが講師を務め、高松では株式会社STNet、岡山では岡山
IPv6コンソーシアムと株式会社OBISによる多大なるご協力を得て、午前中は
「講演」、午後はIPv6のネットワークを構築し、その上でサーバを動かす
「構築体験」という1日プログラムを、それぞれの地で行いました。

午前中はIPv6に興味はあっても、それについてよく分からない企業の方も対
象に、また午後は実際にネットワークやサーバを運用されている技術者に向
けた想定をしていましたが、実際には、IPv6についてそれなりにご存じの方
が集まり、午前中は両日共に40名超、午後は20名超にお集まりいただきまし
た。午後の構築体験は設備の関係上、定員が20名しかなく、申し込み開始後、
程なくして満席になり、ご希望の方全員に体験いただけなかったことが残念
でした。

具体的なプログラムのラインアップや、会場の雰囲気については、既に
JPNICブログで公開していますので、よろしければご覧ください。

  ・満席御礼!~IPv6対応セミナー in 高松・岡山~
    https://blog.nic.ad.jp/blog/v6seminar-takamatsu-okayama1/


■IPv6の最新動向

午前の最初の講演では、株式会社インテックの廣海緑里さんより、IPv6を取
り巻く動向が紹介されました。IPv6の動向については、多くの方の関心事で
もあると思いますので、その一部を簡単にご紹介します。

 ・IPv4アドレスの在庫枯渇とその後のアドレスの調達状況について

   IANAの在庫枯渇が2011年初頭に起こって程なく、中国やインドを抱える
   APNICの在庫が枯渇し、2012年にはヨーロッパ地域、2014年に南米地域の
   在庫が枯渇した。インターネット発祥の地である北米地域も2015年9月現
   在、在庫枯渇が最終秒読みの段階。一方、アフリカ地域は2022年まで枯渇
   しないとは言われているものの、そもそも分配されたアドレス持ち分が少
   ないため、経済成長が爆発的に進むともっと早くに枯渇するのではないか
   と言われる。

   アドレス在庫が枯渇した地域では、一つのIPv4アドレスが今のところ、
   1,000~1,500円程度で取り引きされており、今後、アドレスの調達も含
   め、IPv4で運用し続けることは、高コスト化してしていくのが必然の流れ。

 ・IPv6の普及状況

   世界中でIPv6対応が進行中。アジアでもインドや中国という多くの人口を
   抱える国は、国家的にIPv6を推進しており、まだ日本ほどのデバイス保有
   率が高くないものの、ポテンシャルはとても高い。

   統計的には、Google社へのクエリの21.5%がIPv6。一昨年はわずか2%であっ
   たが、現在は20%超と急激に伸びている。この背景には、IPv6がデフォル
   トで動く端末が普通に売り出され、そうした端末がIPv6に対応するISPに
   つながるとIPv6が優先されるという事情もある。また、Cisco社の統計で
   も、Internet Coreでは74.72%がIPv6に対応、コンテンツも45%が対応とい
   うこと。

   日本においては、アクセス網におけるIPv6の普及状況を見ると、NTT東西
   のフレッツ 光ネクストは8.8%、KDDI auひかりは100%、CTCのコミファ光
   は75%と、IPv6による環境が整い始めており、アクセスも増加しつつある。
   しかし残念ながら、国内ではモバイル網のIPv6対応はあまり進んでいな
   い。また、「Webサイト対応が第1歩」と言われているように、企業等のWeb
   サイトの対応率を高める必要がある。

 ・IPv6の最新動向

   ・自動車業界:
           IPベースで通信する部分や、Connected Carに関しては、どの団
           体も最初からIPv6。自動運転をIPv6で行う実験も行われている。

   ・家電: DLNAという家電製品をつなぐ規格が3.0に上がり、IPv6対応が宣
           言された。相当数の家電がこの規格に対応するはず。

   ・LTE/モバイル:
           米国では75%近くのモバイルトラフィックはIPv6。またApple社
           から主要サービスとiOS/Mac OSのIPv6デフォルト化が表明され、
           IPv6通信できるプログラムでないと、Apple Storeに置かれない
           ことが宣言された。テスト方法も公開され、端末もIPv6がデフォ
           ルトでonになっていることを考え合わせると、日本のキャリアも
           考える時期に来ているのではないか。

   ・Bluetooth Smart:
           Bluetooth SmartはIoTで使われる技術。現在のIoTはスマホなど
           の「インテリジェントゲート」経由の通信だが、今後、モノその
           ものにつなぐ「ヘッドレスルータ」等を経由した通信へ進んでい
           く。近場にある通信設備を使い、IPv6でモノが直接通信し合う。

また、北米中心に担当する地域インターネットレジストリであるARINの議長
が「オーディオやビデオではIPv6に優位性がある」と言われたことも紹介さ
れました。FacebookではIPv6経由で20%~40%速くなるとの報告があったそう
です。日本の状況は異なるかもしれませんが、多段NATでない分、理論的には
IPv6の方が速く、また今後、IPv6上でのIPv4通信を行うことになるとすると、
IPv4のサーバとつなぐために、DNS64やNAT64で変換するプロセスが必要にな
り、効率が悪くなることを考えても、IPv6直接というのが望ましくなります。
技術的な面からもIPv6を推し進めた方が良いという話がありました。

その後、これからネットワーク関連の機材調達をする人に向けて、総務省の
ガイドラインと調達仕様案の紹介がありました。これは、IPv6の速やかな普
及を促進すべく、総務省が通信事業者や一般企業などに向け「IPv6対応ガイ
ドライン」と「IPv6対応調達仕様書モデル」の案を作成したものです。参考
になりますので、皆さまもぜひ一度ご覧ください。

   ・IPv6対応ガイドライン(中小通信事業者編)
     http://www.soumu.go.jp/main_content/000301462.pdf

   ・IPv6対応ガイドライン(企業編)
     http://www.soumu.go.jp/main_content/000301464.pdf
   ・IPv6対応調達仕様書モデル(企業編)
     http://www.soumu.go.jp/main_content/000301466.pdf

   ・IPv6対応ガイドライン(地方自治体編)
     http://www.soumu.go.jp/main_content/000301465.pdf
   ・IPv6対応調達仕様書モデル(地方自治体編)
     http://www.soumu.go.jp/main_content/000301467.pdf


■IPv6に対する意識度 ~アンケートの結果から~

せっかくの機会なので、今回のセミナーに対する評価以外についても、アン
ケートをしてみました。具体的には「IPv6への対応状況」や「今後IPv6が普
及するために必要なこと」「IPv6普及の阻害要因は何か」で、計70名ほどへ
のアンケートです。この数字が、世の中における認識度と一致しているとは
言えないかもしれませんが、参考までに共有します。IPv6の普及に必要なも
のとして、「コンテンツ」という意見ではなく、認知度や教育プログラムが
もっと行き届けば……という意見が多かったことが個人的には意外でした。

   Q1.貴社のサービス・製品のIPv6対応について、以下の中から当てはまる
      ものをお選びください。

     ・情報収集の段階である                        43.4%
     ・既に商品化している                          18.8%
     ・社内に担当者/組織を設置している             11.5%
     ・IPv6は自社のサービスや製品とは直接関係がない  10%
     ・商品化に向けた試作/実験段階である            8.7%
     ・かつては検討していたが、現在はやめている     4.3%
     ・全く検討していない                           1.5%
     ・その他                                       1.5%

   Q2.IPv6が今後普及するために必要なことは何だと思われますか?当ては
      まるものをすべてお選びください。

     ・企業側の認知の向上                  28件
     ・ユーザー、消費者の認知の向上        27件
     ・技術者教育プログラムの普及          26件
     ・情報網等のインフラの整備            23件
     ・機器、製品等の一層の標準化の進展    21件
     ・魅力的な利用法、コンテンツの出現    17件
     ・税制優遇など政策的な措置            10件
     ・インタフェースの簡略化               7件
     ・その他                               4件

   Q3.IPv6普及の阻害要因として、どのようなものがあるとお考えですか?
      当てはまるものをすべてお選びください。

     ・IPv6の利用方法についての十分な情報が提供されていない  28件
     ・導入コストが不明確なままである                        20件
     ・ユーザーがIPv6の導入を望んでいない                    18件
     ・IPv6の技術について十分な情報が提供されていない        16件
     ・IPv6が一般には知られていない                          15件
     ・導入事例が少ない                                       8件
     ・実験的な技術が多く実用には不安が残る                   8件
     ・技術が確立されておらず仕様の変更が多い                 7件
     ・IPv4との違いが明確に提供されていない                   6件
     ・仕様が難解であり、一般の技術者が利用するには難しい     5件
     ・その他                                                 3件


■おわりに

また、「このセミナーを通じて今後IPv6に対するあなたの行動はどう変わる
か」についても、最後に聞きましたところ、今後IPv6を重視していきたいと
いう前向きな声が聞かれて、セミナーを開催して良かったとうれしく思うと
ころです。

   Q4.本セミナーを通して、今後IPv6に対するあなたの行動はどう変わるか、
      一番近いものに○印をおつけください。

     ・引き続き情報収集を行いたい                     60%
     ・今後導入する製品はIPv6対応を重視していきたい   26%
     ・近い将来商品化に取り組んでいきたい              7%
     ・自社のビジネス活動的にはまだ何もしない          4%
     ・特に変わらない                                1.5%
     ・その他                                        1.5%
     ・IPv6対応の必要はない                            0%

高松、岡山のそれぞれの会場にて、セミナー修了後には懇親会を開き、名刺
交換など、有意義な時間を過ごせました。やはりなかなか東京に行くのは大
変という声も数多くお聞きし、そうしたバランスもとりながらの普及啓発活
動について考えないといけないと感じました。

懇親会終了後の夜の間に、高松から岡山までパソコン25台を抱えての移動は
大変ではありましたが、それぞれの地で多くの方に熱心に話を聞いていただ
いて、私たちもとても学ぶところがありました。高松、岡山で多大なるサポー
トをしてくださったホストの皆さまに感謝いたします。こうした機会を今後
どの程度増やせるか分かりませんが、折に触れて、また、企画していきたい
と考えています。


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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